2023年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    270名(単体) 572名(連結)
  • 平均年齢
    35.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    6.1年(単体)
  • 平均年収
    6,160,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2023年12月31日現在

従業員数(名)

572

(39)

 

 

(注) 従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含み、派遣社員を除く)は、年間の平均人数を( )外数で記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

2023年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

270

(16)

35

6.1

6,160

 

 

(注) 1. 従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含み、派遣社員を除く)は、年間の平均人数を( )外数で記載しております。

2. 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3. 当社は単一セグメントのため、内訳の記載はありません。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、サステナビリティという観点から、今後も継続的にあるべき体制と管理すべきリスク、戦略の方向性を検討してまいります。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

① ガバナンス

当社グループは、重要な経営課題について、当社の執行役員会議及びコンプライアンス委員会等において検討し、必要に応じて取締役会に報告を行うこととしております。なお、人的資本に関連する取り組みにつきましては、管理本部が管掌しており、具体的な施策やその効果等については適宜取締役会に報告を行っております。当社グループのガバナンスに関する詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。

② リスク管理

当社グループは、経営の健全性を維持しつつ事業の継続的発展及び企業価値の向上を図るため、様々なリスクについて、適正に管理し、その対応策を実施する活動を推進及び統轄することを目的として、リスク管理委員会を設け、全社的な管理体制を整えております。

リスク管理委員会がリスクが発生する業務を所管している部署と連携しながら、リスクの特定・測定・評価及びその対処方針の立案と実行を行うプロセスを整備しています。弁護士、税理士及び社会保険労務士等の外部の専門家からのアドバイスを得られる体制を整え、潜在的なリスクの早期発見にも努めています。また、リスク管理の結果については、リスクが発生する業務を所管している部署で一次的に検証するとともに、リスク管理委員会及び内部監査室がモニタリングを行う体制となっています。

人的資本に関連するリスク管理についても上記同様の体制に則りリスク管理プロセスを運営し、リスク管理の結果については管理本部をリスク所管部署として把握し、案件に応じて、執行役員会議への報告・提言を行っています。

なお、発見された重要なリスクに関しては、執行役員会議及びコンプライアンス委員会において検討し、必要に応じて取締役会に報告を行うこととしております。

当社グループのリスクに関する詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(2) 戦略上重要なサステナビリティ項目と指標

① 当社及び当社グループが貢献すべき社会実現と3つの戦略

当社が貢献すべき社会実現の姿と、そこにいたる3つの戦略についてご説明いたします。

 

(a) 「面白がる」というあり方の訴求

当社は創業来、通称を「面白法人カヤック」とし、「面白法人」を企業理念と位置づけ企業活動を行っています。「面白法人」とは、面白いことをする会社と認識されることもありますが、我々が最も重視しているのは、「面白がる」あり方や姿勢です。面白い、楽しい、嬉しいのようにリアクティブに抱く感覚ではなく、「面白がる」は能動的で主体的な姿勢です。社会のどのような事柄に対しても、面白がる姿勢を持ち続けることで、主体的で創造的に振る舞うことが可能になると考えています。社会に対して、主体的で創造的に振る舞う人物こそが、我々が考える「つくる人」であり、「面白がる」というあり方を社会に対して広く訴求することこそ、当社の経営理念である「つくる人を増やす」そのものです。

面白がる人がたくさん集う当社、及び当社グループが自由奔放に成長し、存在を広く知られることで、社会全体に「面白がる人」や「面白法人」が増えて欲しいと考えています。このように、当社が「面白法人」としてのあり方を追求することこそ、世の中や社会に主体的で創造的に関わる人を増やし、社会の創造性を高めることだと確信しています。

 

(b) コンテンツ的な価値創造の提供

継続的な技術開発により社会は現在も発展し続け、さらに便利で効率的に成長しています。機能的で便利なサービスを提供する企業が増えたことで、安心安全で快適に暮らすことができる社会に成熟してきました。しかしながら便利で効率的になることで、社会の画一化が進んだことも事実です。多くの事象において、経済効率を求めることは同様の解に至ります。

一方昨今では、個人の趣向はより多様化し、様々な豊かさや楽しさが求められる時代になりつつあります。とくに「コンテンツ」や「IP」と言われる、漫画やアニメなどは作品ごとに個性的な価値観が存在し、ユーザーにより好きも嫌いもあるものです。しかし、だからこそ愛着や熱情が生まれます。創業来、広告やゲームをはじめとしたエンタメコンテンツを開発してきた当社は、このような「コンテンツ的な価値創造」のノウハウを多様な事業として社会に提供し、個性化による愛着の醸成をすすめ、愛着あふれる社会にするべく貢献してまいります。

 


 

(c) コミュニティ指向社会への変容

近年の大規模災害や感染症被害などを通じ、人と人とのつながりや地域コミュニティの重要性が再認識されてきました。ものづくりやスポーツなどの趣味を通じて地域の仲間がつくられることは多く、社会関係の充実やコミュニティへの所属感は、個人の幸せに対しても大きな影響があると当社は考えています。

一方で、ネット社会の発展につれ社会関係のつくり方も多様化しています。アイドルや漫画、ゲームなど、趣向性の強いコンテンツの周辺には熱量の高いファンコミュニティが形成され、近年では「推し活」といわれる消費行動が活発になっています。同趣同好性の高いコミュニティでは、マスマーケットとは異なる、熱量の高い市場(コミュニティマーケット)が形成されます。

創業来、コンテンツ事業を推進してきた当社は、近年、eスポーツや地方創生など、コミュニティ関連のサービスへ事業領域を拡大してきました。今後とも当社はコミュニティ関連事業の提供を通じ、誰もが愛着あるコミュニティと出会い、共感関係を育める社会の実現に貢献してまいります。

 

② 重要なサステナビリティ関連項目および指標

前項で記載の社会実現に関する3つの方針について、それぞれの経営状況を評価可能とするため、下記のような項目についてサステナビリティ関連項目を構成し、継続的に管理していく計画です。

 


 

③ 指標

重要なサステナビリティ関連項目と紐付く指標を、上記の体系表を参照しながら、以下に説明します。

・「面白指数」の測定継続年数と推移:面白NPS 0.5%(2023年平均)、測定継続年数 8年

「面白指数」とは、社員に対して「あなたは面白く働けていますか?」と11段階評価で定期的に回答してもらうもので、8年前から測定を開始しています。企業理念である「面白法人」を社員が体現できているかを測定する指標です。

従業員エンゲージメント等と似た概念ではありますが、他社との比較を目的としておらず、あくまで「面白法人」を体現できているか各々の内省を重視し、過去の経緯との比較を目的としています。

面白NPSの計算方法としては、NPS(Net Promoter Score)同様に、9〜10点を付けた社員の比率から、0〜6点を付けた社員の比率を引いて出てきた数値となります。

 


 

・ブレストカードの販売累積個数:3,125個

「面白法人カヤックさんのようになりたいのだが、どうすればいいか?」の要望に応えて開発されたのが、ブレストカードです。何でも面白がれる体質になれるトレーニングとしての「ブレインストーミング」を練習可能にしたツールで、主にAmazonで販売されています。

 

・クリエイターの比率:92.6%(2023年第4四半期)

当社の決算説明会資料にも記載している指標です。クリエイターは当社グループの最重要経営資本であり、つくるコンテンツの話題性によるブランド力や自由闊達な職場環境などによる採用競争力も強みです。90%を目標として継続的に運用しております。なお、㈱カヤックアキバスタジオおよび㈱カヤックボンドは、当社の秋葉原拠点の位置づけで一体的な運営を進めているため、当社の重視するクリエイターの数のカウントに含めております。


 

・年間中途採用数に占めるオープンポジション比率:15%(2023年通期)

能力・経験・知識など、実力の多様性(タスク型ダイバーシティ)を担保するために、当社内に求人ニーズが存在しないにもかかわらず中途採用を行った人材の割合を公開します。

我々としても想定外の採用であり、社内の実力の多様性を表現していると考えます。この割合は、「何をするかより誰とするか」という当社の大切にしている価値観を表現する指標にもなっています。

 

・職住近接をしている社員の割合:50%(2023年末時点)

当社は、職住近接のワークライフスタイルを奨励しています。鎌倉・逗子・葉山などに住む社員には、家賃の一部を補助する「鎌倉職住近接手当」を支給しております。

「まちの保育園」、「まちの社員食堂」をはじめとする「まちの」シリーズは、鎌倉に住む社員の子育てや食生活を支援すると同時に、鎌倉で働く人たちとの接点が生まれ、共創につながることを目的としており、当社の地域企業としての実践の1つです。

「仕事場が楽しい」これは当社が最も大事にしている価値観ですが、あわせて、自分の住む地域も楽しいということになれば、人生が2倍、3倍楽しくなります。これが当社の健康経営です。

 

・提出会社の社外取締役比率:42.9%(2023年通期)

・提出会社の取締役会実施数:21回(臨時取締役会含む 2023年通期計)

2021年の「コーポレートガバナンス・コード」改訂により支配株主を有する上場会社は、少なくとも3分の1の独立社外取締役の選任が求められています。株主重視の基本原則を持ちながら、社会における企業の責務を認識し、当社グループと関係するステークホルダーとの調和ある利益の実現に取り組んでおります。

提出会社の取締役会は、監査等委員である取締役をのぞいた4名のうち1名が社外取締役であり、監査等委員である取締役3名のうち2名が社外取締役となっております。

 

・情報セキュリティインシデント件数:1件(2023年通期)

情報技術とりわけAI技術の発展が著しい中、話題喚起性の高いエンタメ領域を中心に先端テクノロジーを取り入れた新規的なコンテンツ体験を創造する当社グループだからこそ、セキュリティ強化とプライバシー保護を重要項目として捉えております。

なお、当期発生の1件につきましては、人的要因の限定的な規模の事象でありますが、経緯を整理し、再発防止対策の導入を行っております。

 

・M&Aクロージング件数:0件(2023年通期)

当社は創業以来「何をするかより誰とするか」という考え方を重視し、事業領域にこだわらず、組織戦略重視の企業経営を行っています。これまでの当社の企業成長は、特徴的な人財採用や、クリエイターが働きやすい制度設計やオフィスづくり、組織開発や文化形成を重要課題として注力してきた結果です。

一方で、当社は上場を機に「面白法人グループ」として、1社から約20社へグループ編成を強めてきました。現在では、売上高の40%前後がグループ会社によるものであり、グループ編成が大きな成長要素となっています。そこでも「何をするかより誰とするか」という考え方を重視しており、成長戦略は「仲間を増やす」ことです。当社が採用や組織にこだわってきたように、当社グループは企業共同体としての仲間づくりに注力しています。特に重視しているのはM&Aによるグループ編成の強化です。

また、社会環境をみれば、M&A仲介事業の市場環境は成長を続ける状況にあり、その背景では地方部を中心とした事業承継者不足の課題が顕在化しています。しかしながら、承継を望む多くの経営者の方々は承継してもらえるならば誰でも良いというわけではありません。情熱をもって育ててきた企業であり、愛すべき従業員が働く企業です。我々が関わる多くの地域の経営者の方々とお話しすると、やはり共感できない経営者や事業会社には承継したくないと考えていらっしゃるようです。これらは、まさに当社グループが経営上重視しているテーマであります。

このような背景のもと、今後はより多くの企業との関係性を構築し、当社らしく相互の共感や信頼を創造しながらグループ編成を強め、総体的な価値創造も進めていくことを一層重視していきたいと考え指標としました。

 

・広告賞受賞数:7(2023年通期)

当社はヒットコンテンツが面白法人のブランドをかたちづくる重要な要因であり、企業価値の源泉と考えています。ヒットコンテンツの目安として広告賞受賞を重視しています。

 

・面白プロデュースの売上高成長率:-2.5%(2023年通期)

 

・自社運営のコンテンツのダウンロード数:348,018,644(2023年通期)

当社が運営するコンテンツのApp Store並びに Google Play ストアでのダウンロード数の年間合計数です。

 

・ゲームエンタメの売上高成長率:+9.0%(2023年通期)

 

・SMOUT利用地域数:938(2023年通期)

全国約1,700の自治体において、当社のちいき資本主義関連サービスの中でも特に利用数の多いSMOUTの地域ユーザー数を指標と考えています。

 

・eスポーツの売上高成長率:-5.3%(2023年通期)

・ちいき資本主義の売上高成長率:+65.8%(2023年通期)

 

その他、現在は具体的な目標は設定されておりません。引き続き重要なサステナビリティ項目の運用と検討を通じて、当社が貢献すべき社会実現の姿に向けて目指すべき目標数値や当社らしい適切な指標の追加修正を構想していく方針です。