リスク
3 【事業等のリスク】
以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
また、以下の記載は本株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績の異常な変動について
多額の研究開発投資、新製品の市場投入・新技術の商品化が長期間となることについて
当社は研究開発型企業として、顧客や市場ニーズに対応した競争力のある製品・サービスを提供し、もって中長期にわたる持続的な成長を可能とするために、常に既存製品の機能強化又は新製品・サービスの開発を行う必要があります。
市場動向と顧客ニーズを的確に把握した上で、既存製品の機能強化又は新製品・サービスの開発のために、今後においても研究開発を積極的に実施していく方針であります。
しかしながら、機能強化又は新製品が市場動向や顧客ニーズに合わず、研究開発投資に見合った成果があげられない場合には、当社の事業及び経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特有の法的規制について
現在、当社の事業を推進する上で、直接的に規制を受ける法的規制は存在しないと認識しております。しかし、今後現行法令の解釈の変更や改正並びに新法令の制定等、当社事業を規制する法令等が新たに制定される可能性があります。そうした場合に、当該規制への対応に際して、サービス内容の変更や新たなコストが発生すること等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)特有の経営方針について
① 小規模組織で運営されていることについて
当社は、2024年3月31日現在、取締役5名、監査役3名及び従業員34名と小規模組織であり、内部管理体制も当該組織規模に応じた体制となっております。
今後も事業拡大に伴い、適切な人員の増強、組織体制の強化に努める予定であります。しかしながら、当社が事業の拡大に対し適切かつ充分な対応ができなかった場合には、今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の確保や育成について
当社は研究開発型企業として、高度な技術開発を行っており、アプリケーション開発に関わるプログラミング知識のみならず、通信技術、ハードウェア開発技術、デバイス技術、ソフトウェア工学等の多岐にわたる専門知識が必要となります。今後の更なる成長のためには、現在当社に在籍している開発技術者を中心とするスタッフと同等かそれ以上のレベルの人材を採用又は育成により確保していく必要があります。しかしながら、当社の求める人材の確保は必ずしも容易ではなく、目標どおり確保できないリスクがあります。
当社は、今後とも積極的に人材の確保に努めていく方針でありますが、優秀な人材を十分かつ適時に確保できない場合及び社内の有能な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約を受けることとなり、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 知的財産権について
当社はこれまで、特許権等を含めた知的財産権に関して他社の知的財産権を侵害した事実や損害賠償及び使用差止の請求を受けたことはありません。当社では知的財産権の侵害を行っていないものと認識しておりますが、今後当社の事業分野における第三者の特許権が新たに成立した場合、または競合他社が特許権等を取得した場合は、その内容によっては競争の激化又は当社への損害賠償や使用差止の請求やロイヤリティの支払等が発生し、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他
① 品質管理について
当社は受託開発、製品開発、製品出荷等において、顧客への納品までの間に社内において徹底した品質管理を行い、現時点まで当社の製品等の不具合による顧客からの訴訟等、経営成績に重大な影響を与える損害賠償を請求されたことはありません。しかしながら、プログラム、その他のソフトウェア、製品等に不良箇所が発生した場合、追加補修作業や販売の中止、損害賠償請求等が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 情報管理について
当社は受託開発や製品開発等を行う際、顧客の機密情報や個人情報を入手しております。当社は当該情報の管理はもちろんのこと、保有している内部情報、機密情報やノウハウの社外流出を防止することを経営の最重要項目のひとつとしております。
情報管理については、ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格)を取得した上で規程を整備し、システム上のセキュリティ対策を行うとともに、全役職員に対して教育、研修等を行うことにより情報管理意識向上の徹底に努めております。
しかしながら予期せぬ事態その他により情報漏洩が発生した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 検収時期等の遅延による業績見通しへの影響について
当社が受託した開発案件については、開発作業が完了した後に検収を受けることが通例であり、受託開発にかかる収益認識基準として検収基準を採用しております。
当社では、各プロジェクトの進捗管理を週単位で実施しており、問題が生じれば即座に対応できる体制が構築されており、計画通り納品又は検収できるよう努めております。
しかしながら、期末付近に検収が予定されている一取引での売上高が相対的に多額な取引において、開発スケジュールや取引先の検収時期のタイミング等により検収が翌事業年度以降に遅延した場合、当社の業績見通しに影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性は、将来減算一時差異に対して、将来の収益力に基づく課税所得の見積りにより判断され、将来の収益力に基づく課税所得の見積りは、将来の事業計画を基礎とし、その計画の仮定は売上高であります。しかしながら、売上高は、見積りの不確実性が高く、売上高が変動することに伴い、課税所得の見積額が大きく変動することにより、繰延税金資産の計上額が変動し、税金費用に影響する可能性があります。
⑤ 災害等のリスク
当社では、地震を含めた防災対策を徹底しており、当社の最重要資産であるソースコード等のデータは、本社から離れた場所にファイルサーバを設置しバックアップをしており、地震により本社が被災した場合でも通常営業できるように備えております。しかし、予想を超える大規模な災害が発生した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 新株予約権による株式の希薄化について
当社では、役員、従業員等を対象として、業績向上に対する意欲・士気向上、及び優秀な人材の確保のため、ストック・オプション制度を採用しております。
これらのストック・オプションの行使が行われた場合、発行済株式総数が増加することにより1株当たりの株式価値が希薄化し、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は研究開発型の企業として、業績に連動した利益配分を基本としながら将来の事業拡大及び企業体質強化を図るための内部留保を確保しつつ、株主に対する利益還元を行っていくことを基本方針としております。
また、当社は期末配当を行うことを基本として、株主への利益還元を適切かつ適時に行うため、必要に応じて中間配当を行うこととして、年1回もしくは2回の配当を行うことを基本方針としております。
当事業年度におきましては、今年度初頭に発表いたしました業績予想を達成することはできませんでしたが、当期純利益を計上するに至りましたので、株主の皆様への安定的な利益還元を考慮し、当事業年度の剰余金の配当につきましては、1株当たり10円としております。
なお、剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
また、当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。