事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 2,919 | 100.0 | 550 | 100.0 | 18.8 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、データ交換系ミドルウエアを中心とした企業の業務プロセスを支える基盤型ソフトウエア製品等の開発・販売・保守及びこれらソフトウエア製品の導入や運用を支援するサービス等の提供を行っております。また、これらの事業により、顧客企業のシステム開発コストや業務コストの低減を実現し、顧客企業に高い投資収益率を提供することを目指しております。
なお、当社は2023年4月1日付で、当社を吸収合併存続会社、当社の完全子会社であった株式会社鹿児島データ・アプリケーションを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。
当事業年度末日現在の当社の事業系統図は、次のとおりであります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
なお、前事業年度は連結財務諸表を作成しておりましたが、当事業年度は個別財務諸表のみを作成しております。したがって、以下の前期比較につきましては、前事業年度の個別財務諸表との比較を記載しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、経済活動正常化に伴う好調なインバウンド需要や価格転嫁の進展などを背景に、需要の回復が続くなかで円安進行や海外経済の減速、物価上昇による需要減やコスト増、人手不足の深刻化などへの警戒感が台頭し、経済全体での先行きは引き続き不安定かつ不透明な状況が続いております。
この経営環境下、当社は中期経営計画において「変革への挑戦」を掲げ、「DX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめとした新たな市場の開拓」「既存事業の周辺市場への展開」「リカーリングビジネスの推進」
「優秀な人材の採用・育成」の4つの基本方針を推進することで、データ・インテグレーション(データ連携)の領域においてリーダーとなり、企業のDXに大きな貢献を果たすことを目標としてまいりました。
中期経営計画の最終年度となる当事業年度は、持続的な成長の実現に向け、新しいサービス・価値を提供し続けるため、「新規ビジネス:DX実現への挑戦」「既存ビジネス:収益の最大化」「人材の獲得と育成」「企業力強化の取り組み」の4つの重点施策を掲げ推進しておりました。
当事業年度は、エンタープライズ・データ連携プラットフォームの最新版「ACMS Apex1.8」やデータハンドリングプラットフォームの最新版「RACCOON2.6」を発売するなど、継続的に製品をバージョンアップするとともに、データ連携市場に向け、サブスクリプション販売を推進し、更なる収益性安定を目指しました。また、株式会社三越伊勢丹システム・ソリューションズやセンコー情報システム株式会社をはじめとした合計4件の事例公開など、製品の拡販への取り組みを積極的に行いました。
新規ビジネス創出を担うNP開発室においては、2024年7月サービスリリースに向け、プロダクト開発、Webサイトの準備を行うなど事業領域拡大に向けた取り組みを行ってまいりました。
更に、当社の企業認知度向上のため、TV CMをはじめ、メディア上でのタイアップ記事広告や、メディア主催のデータ連携・DX関連のセミナーに参加するなど大規模な広告宣伝を行いました。
加えて、人材の価値を最大限に引き出すための人的資本経営の一環として、当期重点施策「人材の獲得と育成」を達成するための施策の一つとして、採用サイトを全面的に刷新いたしました。また「企業力強化の取り組み」の一環として、東京ミッドタウン八重洲にオフィスを移転しております。
今後もこの流れを継続し、需要拡大が見込まれる製品の開発・販売、新規事業・新サービスの創出、他社との提携やM&Aなど、積極的に推進してまいります。
継続実施しておりますサブスクリプション販売強化は順調に推移しており、サブスクリプション売上高は、2021年3月期実績の約4.5倍(2024年3月単月の売上高は、2021年3月単月の売上高の4倍超)まで伸張いたしました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ784百万円増加し6,007百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ200百万円増加し1,438百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ584百万円増加し4,569百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高は2,919百万円(前期比16.9%増)となりました。利益面では、売上総利益は2,120百万円(前期比21.7%増)、売上総利益率は72.6%となっております。営業利益は549百万円(前期比13.2%増)、経常利益は570百万円(前期比14.6%増)、当期純利益は493百万円(前期比137.3%増)となりました。
当社は、ソフトウエア関連事業の単一セグメントであり、売上区分別の経営成績は、次のとおりであります。
リカーリング ※1
当事業年度におきましては、売上高総額は、2,079百万円(前期比11.4%増)となりました。
これは、サブスクリプション売上が堅調に推移したことが主な要因であります。なお、総売上に占める同売上高比率は、71.2%です。
パッケージ ※2
売上高総額は、821百万円(前期比33.8%増)となりました。
これは、大型案件をパッケージ(売り切り)にて受注したこと、想定を上回るバージョンアップ案件を複数受注し、今期一過性の特需が発生したことが主な要因であります。なお、総売上に占める同売上高比率は、28.2%です。
サービスその他
売上高総額は、17百万円(前年同期比16.4%増)となりました。これは、ソフトウエア製品販売に付随するサービスの提供が増加したことが主な要因であります。なお、総売上に占める同売上高比率は、0.6%です。
※1 リカーリング売上とは継続的なサービス提供から得られる収益のこと。パッケージのメンテナンス売上とサブスクリプション売上などを含んでおります。
※2 パッケージ売上とは売り切りの収益のこと。
② キャッシュ・フローの状況
当社は、前事業年度まで連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりましたが、当事業年度からキャッシュ・フロー計算書を作成しております。したがって、前期との比較は行っておりません。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,149百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は642百万円となりました。これは主に、税引前当期純利益615百万円、売上債権の減少42百万円、株式報酬費用20百万円、受取利息及び受取配当金18百万円、仕入債務の増加19百万円、未払金の増加44百万円、前受金の増加23百万円、移転費用の支払額148百万円、法人税等の支払額101百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は13百万円となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出99百万円、有形固定資産の取得による支出94百万円、差入保証金の回収による収入190百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は143百万円となりました。これは主に、配当金の支払額139百万円があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業内容は、主にソフトウエア製品の開発、販売及び保守の提供であることから、生産実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社は、主にソフトウエア製品の開発、販売及び保守の事業を行っており、また、販売に付帯する受託開発の割合も少ないため、受注実績は記載しておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を売上区分別に示すと、次のとおりであります。
区分の名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
リカーリング |
2,079,426 |
11.4 |
パッケージ |
821,662 |
33.8 |
サービスその他 |
17,983 |
16.4 |
合計 |
2,919,072 |
16.9 |
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
当事業年度 |
|
販売高(千円) |
割合(%) |
|
株式会社日立システムズ |
393,030 |
13.46 |
富士通株式会社 |
297,482 |
10.19 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、財務諸表に重要な影響を及ぼす会計上の見積りはありません。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末の資産残高は、前事業年度末から784百万円増加し6,007百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加568百万円、売掛金の減少42百万円、リース資産の増加68百万円、投資有価証券の増加389百万円、差入保証金の減少182百万円によるものです。
(負債の部)
負債につきましては、前事業年度末に比べ200百万円増加して1,438百万円となりました。これは主に、未払金の減少60百万円、長期未払金の増加42百万円、前受金の増加23百万円、預り金の増加12百万円、リース債務の増加76百万円、資産除去債務の増加13百万円、未払法人税等の増加40百万円、長期借入金の減少15百万円、繰延税金負債の増加66百万円によるものです。
(純資産の部)
純資産につきましては、前事業年度末に比べ584百万円増加して4,569百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加354百万円、その他有価証券評価差額金の増加200百万円、自己株式の減少22百万円によるものです。なお、自己資本比率は76.1%となりました。
b.経営成績等の分析
当社の当事業年度の経営成績等は、次のとおりであります。
リカーリングについては、サブスクリプション売上が順調に増加したため、トータルで増加いたしました。パッケージ売上は、当社の戦略であるサブスクリプション売上への移行を実施している中、想定外の大型案件の受注、想定を上回るバージョンアップ案件の複数受注という一過性の特需が発生したことから、当事業年度における売上高は2,919百万円(前期比16.9%増)となりました。
販売状況は、次のとおりであります。
戦略製品と位置付けている『ACMS Apex』『RACCOON』『ACMS WebFramer』は、全体で588百万円(前期比18.5%増)の結果となりました。また、製品別売上高に占める戦略製品の構成比は37.6%となり、前期比でその割合は減少しておりますが、これは一過性の特需要因である大型案件・バージョンアップ案件が戦略製品での受注でなかったことによるものであり、これら一過性の特需を除くと戦略製品の売上は増加しており、サブスクリプションモデルにて、販売・提供するという当社の戦略を推進している結果となります。
各製品の成熟化が進んだことによる製品維持コストの増加に加え、リカーリングビジネスを推進するために「利便性の向上」、「品質の向上」、「安定性の向上」に重きを置いた開発方針への移行を進めた結果、売上原価は798百万円(前期比5.9%増)となりました。一方、増加した開発原価を売上高の伸長によって吸収し、売上総利益率は72.6%(前期比1.3%増)に改善いたしました。販売費及び一般管理費につきましては、前述の開発方針の転換はあったものの、新製品・新サービスを創出するための研究開発活動の実施に伴う研究開発費の増加及び、TV CMをはじめとした大規模露出施策の実施による広告宣伝費を計上したことなどにより、1,570百万円(前期比25.0%増)となりました。
以上の結果、営業利益は549百万円(前期比13.2%増)、経常利益は570百万円(前期比14.6%増)、税金等調整後の当期純利益は493百万円(前期比137.3%増)となりました。なお、子会社を吸収合併したことによる抱合せ株式消滅差益を特別利益に計上したことで、当期純利益の前期比が大幅に増加しております。
今後の課題といたしましては、新製品計画や増員計画の遅延、戦略的投資の後ろ倒しと認識しており、DIGITAL WORKの実現と当社の成長を実現するべく新たな中期経営計画のもと、「事業領域の拡大・開拓」「収益安定性の向上」「人的資本経営の推進」の3つの柱を推進してまいります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ568百万円の増加となり、当事業年度末には4,149百万円となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、売上原価に係るもののほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。運転資金は自己資金を基本としております。なお、当事業年度末における有利子負債残高は135百万円となっておりますが、これは、リース債務及び株式給付信託(J-ESOP)導入に伴う信託E口における金融機関からの借入金であります。
当社の第三者に対する保証は、信託E口における借入金に対する債務保証であります。保証した借入金の債務不履行が保証期間内に発生した場合、当社が代わりに弁済する義務があり、2024年3月31日現在の債務保証残高は59百万円であります。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、人件費等の固定費水準が高く、変動費比率が低いことが挙げられます。そのため、売上高が増加した場合の増益額が他の事業形態に比べ大きい一方、売上高が減少した場合の減益額も他の事業形態に比して大きく、利益の変動額が大きい傾向にあります。また、システムインテグレーター等のパートナー(販売代理店等)との間接販売であることにより、販売計画立案時に行政機関等からの秘匿性の高い案件を事前に察知することが困難な場合があり、開示している業績予想との乖離が発生する可能性があります。