2023年8月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要であると考えられる事項については積極的に開示しております。

 当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を、慎重に検討した上で行われる必要があると考えられます。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社が判断したものであり、当社グループの事業または本株式の投資に関する全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(特に重要なリスク)

(1) 製品の品質管理について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループのソリューション事業において、開発したプログラム、その他のソフトウェアまたはハードウェアに不良箇所が発生した場合、これら当社グループの製品を使用したサービスの中断・停止やコンテンツ及びユーザーデータの破損等が生じる可能性があります。当社グループはこれらの製品を納品する前に社内又は業務委託先において入念なテスト・点検を行い、最適な品質を確保できるよう努めておりますが、このような事態が発生した場合には損害賠償や機会損失等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) サイバー攻撃やシステムトラブルについて(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループは、主にインターネットを通じて自社のサービスを提供しており、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合にサービスの中断・停止が生じる可能性があります。また、外部からの不正なアクセスや想定していない事態により、当社グループまたはインターネット・サービス・プロバイダーのサーバが作動不能に陥る等、ネットワーク障害が発生する可能性があります。当社グループは冗長化によって障害の発生に備えるとともに、最新情報を収集して不正アクセスを防ぐために必要な対策を講じることに努めておりますが、これらの障害が発生した場合には、当社グループに直接的損害が生じるほか、サーバの作動不能や欠陥等に起因する取引停止等については、当社グループに対する訴訟や損害賠償等、当社グループの信頼を損ない、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、常に顧客に最適な製品やサービスを提供するよう事業体制を整えておりますが、顧客情報資産に対するサイバー攻撃等、当社グループが責に帰すべき事由の有無に拘わらず、顧客に情報漏洩等のセキュリティに関連する事件が発生した場合には、社会的信用の低下、損害賠償請求を受ける可能性等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 個人情報の取扱いについて(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループにおいては、スマートフォン等のモバイル端末向けインターネットサイトの運営を通じ、登録された会員に向けてサービス等を提供しており、当社グループは登録会員の個人情報を知り得る立場にあります。

 当社グループは、個人情報の第三者への漏えい、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報保護・管理に関する規程を制定し社内周知することにより、社員教育・セキュリティ強化・運用管理の徹底に努めております。

 しかしながら、万一、外部からの不正なアクセスや想定していない事態により、個人情報の外部流出等が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や信用低下等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 自然災害等について(発生可能性:不明、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループの主要な経営資源は首都圏に集中しております。そのため、首都圏を中心とした大規模な自然災害や事故等が発生した場合には当社グループの事業活動が阻害される可能性があります。当社グループは情報システムのクラウド化を進めるとともに、テレワークを標準の勤務形態とすることにより事業継続の可能性を最大化することに努めておりますが、これらの災害等が発生した場合には当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 金融・財務リスクについて(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:2023年12月以降、影響度:大)

 当社は、2023年10月24日の当社取締役会において、行使期限を2028年11月30日とする本新株予約権の発行決議を行っており、本新株予約権の全てが行使された場合、当該行使期限までに普通株式99,000,000株が発行されることとなります。

 本新株予約権の行使価額は、その発行時点における当社の株価を大きく下回る水準に設定されており、また、有利発行の形式で発行されていることから、その行使により、当社普通株式の1株当たりの株式価値が希薄化し、長期間にわたって当社株価に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

(重要なリスク)

(1) 関連市場動向の影響について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループのソリューション事業においては、主にスマートフォン等のモバイル端末に関連するサービス・ソリューションやセキュリティ関連サービスを顧客に提供しております。

 当社グループでは、事業環境の変化を注視し、対応に努めておりますが、ビジネスモデル、取引先の動向やユーザーの嗜好やニーズ、市場環境の動向等が想定と大きく異なった場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 顧客の嗜好及び流行の変化等について(発生可能性:不明、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループのソリューション事業においては、一部の製品・サービスは、一般消費者であるエンドユーザーを対象としたエンタテインメント性の高いものとなっており、エンドユーザーに直接課金をしております。そのため、売上はエンドユーザーの消費動向に大きく影響を受け、個人の嗜好や流行等の変化により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。絶えず顧客情報の入手を心掛け顧客の嗜好や流行等に変化がある場合は、適時に検討し適切に対処して参ります。

 

(3) 新製品・サービスの開発について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループのソリューション事業においては、IT業界の技術革新とともに早いスピードで変化する市場環境に対応し、ユーザーニーズを的確にとらえた製品・サービスを適時に開発、提供することが重要と考えております。当社グループでは、市場動向を注視し、対応に努めておりますが、ビジネスモデル、取引先の動向、ユーザーの嗜好・ニーズ、製品・サービスのライフサイクル等、市場環境の動向等が想定と大きく異なった場合は、将来の成長と収益性の低下を招き、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 共同開発・協業・提携について(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、ソリューション事業の一部において、開発コストやリスク負担の軽減並びにサービスの向上を図るため、他の企業と共同開発・協業・提携等を行っております。しかしながら、今後の事業展開において予期せぬ事象により当事者間で不一致が生じた場合、シナジー効果が期待できず当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。今後の事業展開において予期せぬ事象により当事者間で不一致が生じた場合には、適時に協議し適切に対処して参ります。

 

(5) 競合について(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループのソリューション事業においては、主にスマートフォン等のモバイル端末に関連するサービス・ソリューションを提供しておりますが、市場の環境変化に伴い、新たな競合他社が参入し、当社グループの優位性の低下や価格競争が起こる可能性があります。その結果、当社グループの競争力が低下する可能性があり、競合対策のコストの増加等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。絶えず市場環境、競合他社情報をモニターし、市場に変化がある場合は、適時に検討し適切に対処してまいります。

 

(6) 子会社事業について

① 株式会社渋谷肉横丁について

 飲食関連事業の直営店については、今後は終息させていく方針でありますが、通常営業した場合のリスクは以下のとおりです。

(a) 飲食関連事業について(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 株式会社渋谷肉横丁が行う飲食関連事業においては、新規立地の選択や経済環境の悪化等によりテナントの業績が悪化して退去するなど、物件の空床率が高まる場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。物件オーナーとは長期契約の締結を基本としておりますが、賃貸借契約の解約等が発生する可能性があります。

(b) 法的規制等について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 株式会社渋谷肉横丁が行う飲食業については、「食品衛生法」の規定に基づき、営業店舗について所轄の保健所より飲食店営業許可を取得しております。当社グループでは、衛生管理につきまして、最重要項目の一つとして取り組んでおりますが、当社グループにおける飲食により、食中毒や食品衛生に関する事故等が発生した場合、財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。株式会社渋谷肉横丁においては、絶えず直営店スタッフに対して食品衛生法の遵守を指導しておりますが、食中毒や食品衛生に関する事故等が発生した場合は、所轄保健所の指導に従い適切に対処して参ります。

(c) 飲食業界における求人動向等について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 飲食業界においては、緩やかな市場拡大が見込まれる一方で、慢性的な人材不足が継続しており、今後も当該業界における求人需要は継続していくものと考えております。しかしながら、今後において景気変動や企業の採用意欲の変化等が生じた場合、当社グループにおける飲食の直営事業に影響を及ぼす可能性があるほか、行政による長時間労働是正等を目的とした「働き方改革」の推進等により、飲食業界における労働環境や求人及び求職動向に重大な変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。株式会社渋谷肉横丁において、絶えず、飲食業界における労働環境や求人及び求職動向の情報をモニターし、変化がある場合は、適時に検討し適切に対処して参ります。

② 株式会社インタープランについて(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 株式会社インタープランが行う教育関連事業においては、主に厚生労働省が施行する求職者支援制度の教育訓練実施機関に対する奨励金を収益としており、厚生労働省の制度見直し等により事業収益は増減する可能性があります。また、ITスクール修了生の就職率が著しく減少するなど、求職者支援訓練校の認可の取り消しにつながる事象が発生した場合、事業の存続に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、IT市場の労働需要の変動により事業収益は増減する可能性があります。株式会社インタープランにおいては、絶えず厚生労働省等行政の制度の改廃についてモニターし、制度に変化が生じた場合には、ITスクールのカリキュラムの見直し等を適時に検討し適切に対処して参ります。

③ WHDCエンタテインメント株式会社について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

 WHDCエンタテインメント株式会社が行うソリューション事業におけるビンゴ向けシステムは、グアムにおける流行の変化や競合他社の参入等により、想定する集客を見込めない場合、事業収益は増減する可能性があります。ビンゴはグアム政府公認のゲーミングでありますが、グアム政府の方針転換や何らかの理由でビンゴゲームの運営が困難となった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。WHDCエンタテインメント株式会社においては、絶えずグアム政府の方針の情報をモニターし、グアム政府の方針に変化がある場合は、適時に検討し適切に対処して参ります。

④ Pavilions株式会社について

主要アーティストへの依存について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 Pavilions株式会社では、世界的なアーティストの小室哲哉氏が主要アーティストとして事業を運営するものであり、同氏の活動が休止・停止した場合、又は同氏が何らかの理由で当社グループを離脱した場合には、当社グループの事業及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 知的財産権について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、自社の技術やノウハウ等の知的財産権を保護するために特許申請及び商標登録等を行っておりますが、必ずしもそれが当社グループの知的財産権として保護される保証はありません。そのため、当社グループの知的財産を使って第三者が類似品を開発した際に、それを効果的に防止できない可能性があります。

 また、当社グループは第三者の知的財産権を侵害する事態を回避すべく、可能な限りの努力をしてまいりますが、将来において当社グループの事業に関連した知的財産権がどのように適用されるかを予想するのは極めて困難であり、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害していた場合には、当該第三者より損害賠償義務を課せられる等、当該知的財産権に関する対価の支払等が発生することも考えられ、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。継続的に、自社の技術やノウハウ等を使用した類似製品情報をモニターし、特許権侵害等の被害が出ないように、適宜顧問弁護士等との連携を図って参ります。

 

(8) ソフトウェア資産について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループは、ソリューション事業においてソフトウェアの開発を行っておりますが、それらの開発に係る製造原価についてはソフトウェア資産に計上をしております。当社グループではソフトウェアの資産計上をしている各製品について定期的に売上達成見込の慎重な検討を実施し、その資産性について社内評価を行っており、売上達成が見込めないと判断された場合には速やかに費用化を行うこととしておりますが、その場合には当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 主要株主及び代表取締役である筆頭株主について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 主要株主及び代表取締役である田邊勝己氏より、当社株式については基本的には長期保有の方針であるとの意向を確認しておりますが、何らかの事情による方針転換等により変更となった場合、株価及び事業の拡大に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 新規分野に明るい人材及びグループ会社管理のための人材の確保と育成について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループは、持続的な成長を実現するために新規子会社をM&Aしており、その分野に明るい人材と、グループ管理のための人材を必要としております。しかしながら、経済状況や当社グループの業績等により、計画通りの人材獲得、社内での人材育成、人材の社外流出を避けられない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。常時人材情報をモニターし、社内での人材育成に努めておりますが、人材の社外流出を避けられない場合には、適時に検討し適切に対処して参ります。

 

(11) 外注委託先の確保について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループはソリューション事業において、社内の人員不足の補完及び開発費用削減等を目的に外注委託を行っており、当社グループにとって優秀な外注委託先を安定的に確保する事が重要であると考えております。優秀な外注委託先が安定的に確保できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。人材流出が避けられない場合に備えて、これまで培ってきた業界の人的ネットワークを通じ、新たな人材を適時適切に採用して参ります。

 

(12) 投資に係るリスクについて(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループでは、のれんや商標権等の固定資産を保有しております。時価の下落や、期待通りのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、減損処理が必要となる場合があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。時価の下落が不可避な場合は、適切に会計処理を行うとともに、収益性を向上させる施策を適時適切に実施して参ります。

 

(13) 新規事業の展開について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社は、新たな分野の事業開拓を積極的に推進し、事業拡大を図ることが当社グループの事業収益の改善につながるものと考え、今後も引き続き新規事業に取り組んでまいります。しかしながら、展開した新たな領域において、事業の進捗、拡大、成長が何らかの理由により当初の予定通りに進まない場合、当社グループの事業及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、新規事業への取り組みに付随するシステムへの先行投資等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。新規事業の進捗について常時モニターし、追加投資・事業撤退について適時適切に判断して参ります。

 

(14) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、会社の利益が個々の利益と一体化し、職務における動機付けをより向上させる目的とし、役職員等にストック・オプションとしての新株予約権を付与しております。

 また、当社は、事業拡大のための資金を早期に確保することが必要であるとともに、当社の開発技術を活かした事業展開の加速とシナジー効果の見込める事業取得を進めることを目的に、2019年3月15日開催の取締役会において決議された、株式会社渋谷肉横丁における高田屋店舗取得、株式会社渋谷肉横丁の成長投資及び新規インターネットサービスの開発のための資金確保を目的とする、主要株主及び代表取締役である田邊勝己氏及び株式会社和円商事を割当先とする第三者割当による第10回新株予約権45,000個(新株予約権1個につき100株)を発行し、その一部である4,212,400株が権利行使されており、当該新株予約権の目的である株式の当有価証券報告書提出日の前月末現在の残数は、287,600株となっております。2020年5月28日開催の取締役会において決議された、当社の運転資金、飲食関連事業の拡充、スポーツIoT等IT投資及び新規事業の拡充のための資金確保を目的とする、主要株主及び代表取締役である田邊勝己氏を割当先とする第11回新株予約権37,000個(新株予約権1個につき100株)を発行し、その一部である1,580,000株が行使され、当該新株予約権の目的である株式の当有価証券報告書提出日の前月末現在の残数は、2,120,000株となっております。また、2022年3月31日開催の取締役会において決議された、新ECプラットフォーム等開発資金及び当社の運転資金のための資金確保を目的とする、主要株主及び代表取締役である田邊勝己氏及び寺尾文孝氏を割当先とする第12回新株予約権67,800個(新株予約権1個につき100株)を発行し、当該新株予約権の目的である株式の当有価証券報告書提出日の前月末現在の残数は、6,780,000株となっております。なお、第10回新株予約権、第11回新株予約権の全部及び第12回新株予約権の一部については2023年10月16日付プレスリリース「第三者割当による第10回新株予約権、第11回新株予約権及び第12回新株予約権の取得及び消却並びに資金使途の変更に関するお知らせ」に記載のとおり、2023年10月16日開催の取締役会の決議に基づき、2023年10月16日付で買取消却しております。残存する第12回新株予約権は、寺尾文孝氏が保有する第12回新株予約権37,000個のみとなりますが、当該新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化することになり、また株式市場での需給バランスに変動が発生し、株価へ影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 資金調達について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社は、事業基盤の強化及び財務体質強化等を目的として、上述のとおり資金調達を行っておりますが、新株予約権の行使の有無は新株予約権者の判断に依存しております。現時点において新株予約権の行使による財産の出資額及びその出資時期は確定したものでないことから、資金需要に沿った調達が困難になる可能性があり、これにより、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 法令及び規制に関するリスクについて(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社は、証券取引等監視委員会より、金融商品取引法に基づく開示検査を受けております。当社は、かかる検査に真摯に対応するとともに2023年5月31日に当社とは利害関係のない外部専門家で構成される特別調査委員会(委員長弁護士 小井土直樹、委員公認会計士 能勢元、補助者公認会計士 後藤幸男、公認会計士 立神悠樹、公認不正検査士 関孝徳)を設置し調査を進め、同年9月25日に、当局より指摘を受けた事項について当社の判断を否定することができず、当社の開示に関して訂正報告書を提出すべき明らかな事項は認められない旨の報告書を受領しております。そのため、当社としましては、当社の開示は適切であったと考えております。しかしながら、今後、開示検査の結果によっては、当社が課徴金納付等の処分を受ける可能性を完全に否定することはできず、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(17) 重要事象等について

 当社グループは、2009年8月期以降、2018年8月期を除き営業損失を計上する状況が続いております。前連結会計年度において営業損失161百万円、親会社株主に帰属する当期純損失403百万円を計上することとなり、当連結会計年度においても営業損失243百万円、親会社株主に帰属する当期純損失347百万円を計上していることから、今後も継続的に営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益の黒字を確保する体質への転換にはいましばらくの時間を要することが見込まれるため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 当社グループでは、当該状況を解消すべく、安定的な収益確保と既存事業とのシナジーを見込める事業のM&Aを積極的に進めることによる持続的な成長のための施策を図る方針は維持しながら、黒字を確保する体質への転換には時間を要するとの判断から、手元流動性の確保に努めるとともに、新規サービスの提供による収益確保とともに、既存事業の立て直しを進めております。その一環として、2023年9月より子会社となった宇部整環リサイクルセンターによる産業廃棄物処理事業の開始や、One's Roomによる新たなサービスの開始など複数の新規事業の開始に向けて取り組んでまいります。

 財務状況の面では、当連結会計年度末日における現金及び現金同等物は520百万円になりました。今期から開始したエンタテインメント事業は営業黒字を計上し、当社グループの業績に寄与を始めております。また、複数の新規事業の開始により、当社グループを飛躍させるための重要な成長戦略を促進し中長期的な成長に向けて収益向上を目指してまいります。

 以上のことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主への還元を第一として配当原資確保のための収益力を強化し、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。

 当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。

 なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めております。

 当社では、当面は安定した財務体質に裏付けられた経営基盤の強化を図るとともに、新サービスの開発投資や今後の事業展開に備え内部留保の充実を優先させていただく方針としており、従来より配当を実施しておらず、また当期に関しましても無配とさせていただく予定です。しかしながら、当社では株主に対する利益還元を経営の重要な課題のひとつとして位置付けており、今後におきましては、当該期の業績および財務状況等の水準を十分に勘案した上で、早期の利益配当の実施を目指し、業績の改善に一層努めてまいります。