事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
ネットワークサービス及びSI事業 | 273,247 | 98.9 | 28,014 | 96.5 | 10.3 |
ATM運営事業 | 2,914 | 1.1 | 1,015 | 3.5 | 34.8 |
事業内容
3 【事業の内容】
(1) 当社グループの事業の概要
当社は、国内におけるインターネットサービスプロバイダー(ISP)(*)の先駆けとして1992年12月に設立され、以来、国内インターネット関連市場の拡大にあわせ、インターネットに関わる事業展開を進めてまいりました。
当社及び当社の連結子会社(以下、あわせて「当社グループ」といいます。)は、インターネットに関連する技術力の集積を事業基盤とし、主として法人及び官公庁等の事業用にネットワークを利用する顧客に対して、信頼性及び付加価値の高いネットワークサービス(インターネット接続サービス、アウトソーシングサービス及びWANサービス)の提供、システムインテグレーションの受託及び機器販売等の多様なネットワーク関連役務を、複合的に組み合わせ提供しております。また、当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスにて、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築し運営することによりATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を営んでおります。当社は、電気通信事業法に基づく電気通信事業者であります。
当社は、本書提出日現在、連結子会社17社及び持分法適用関連会社6社を有しており、これらの関係会社と連携して事業を推進しております。
当社グループの事業セグメント、役務の概要、当社及び当社関係会社各社の事業の概要は、以下のとおりであります。
①事業セグメント及び役務の内容
当社グループは、主力事業としてインターネット接続サービス、アウトソーシングサービス、WANサービス、システムインテグレーション及びネットワークに関連する機器の販売等のネットワーク関連役務を提供する「ネットワークサービス及びシステムインテグレーション事業(以下、「ネットワークサービス及びSI事業」といいます。)」と、当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスが展開する「ATM運営事業」との2つの事業セグメントを有しております。
②当社グループの役務の概要
③当社及び主要なグループ会社の事業の概要
当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度の役務別の売上高、売上高構成比及び売上総利益は、以下のとおりであります。
(注) システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。
当社グループは、主として国内にて、ネットワークサービス及びSI事業に関連する前記の各役務を複合し、例えば、顧客の複数拠点間を接続するインターネット接続サービスまたはVPNサービス他のWANサービスを提供し、データセンターにて顧客のサーバ等を預かり、顧客のルータ(*)等ネットワーク機器を運用管理し、顧客の電子メールシステム等の運営のアウトソーシングを受け、セキュリティ等に関するアウトソーシングサービスを提供し、それらのネットワークシステムを設計、構築及び運用するシステムインテグレーションを受託するというように、信頼性及び付加価値の高いネットワーク関連サービスを継続的に開発及び機能拡充し、ソリューション及びシステムインテグレーションという切り口で、複合的に顧客へ提供することを推進しております。
当社グループは、ネットワークサービス及びSI事業の一部として、クラウドコンピューティングサービスの提供に注力しております。当社グループは、2009年度より、クラウドコンピューティングサービスの提供を開始しており、継続的にサービスラインアップの拡充、サーバ及びネットワーク設備等の増強、データセンターの拡充、マーケティング及びプロモーションの強化等に努めております。
当社グループは、ネットワークサービスの一部として、法人及び個人向けモバイルデータ通信サービスの提供に注力しております。法人向けモバイルサービスにおきましては、MVNOへモバイルネットワークのインフラストラクチャー及び周辺システムを提供するMVNE(*)案件等の推進並びにフルMVNO推進による様々な端末やデバイス等の接続、組み込み型チップSIM(*)の提供等によりIoT(*)等の新たな法人需要の開拓を推進しております。個人向けモバイルサービスにおきましては、安価なデータ通信サービスが普及するなか、販売代理店網の拡大、サービススペックの見直し及びサービスラインアップの充実等を推進しております。
当社グループは、主として国内企業の海外進出ニーズに対応していくために、本書提出日現在、米国、欧州及びアジアに現地法人12社を有し、海外でネットワークサービス及びシステムインテグレーションを提供するための事業基盤を強化しております。米国と英国等でのインターネット接続サービスの提供、セキュリティ関連等のアウトソーシングサービスの提供、海外拠点を接続するWANサービスの提供、海外でのシステムインテグレーション、米国、欧州、中国、シンガポール、インドネシア、タイ及びベトナムにおけるクラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。
また、当社の連結子会社㈱トラストネットワークスが、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築し運営することにより、ATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を推進しております。
(2) 当社グループの事業の特徴
①当社グループの事業の変遷
当社は、インターネットがまだ普及していなかった1992年12月に、インターネットに関わる技術者を中心に日本にインターネットという新しい通信手段を普及するとの構想により、日本のISPの先駆けとして設立されました。設立当時、日本におけるインターネットに関わる技術者の層は薄く、産学共同にて研究開発活動をしていた「WIDEプロジェクト」(*)がインターネットに関する諸技術の蓄積として有力なものでありました。当社は、このような研究開発活動に携わっていた技術者を中心として設立され、インターネットに関連する技術力の集積を事業基盤として、設立以来信頼性の高いインターネット関連サービスの提供を追求し、今日のインターネットの普及に貢献し、マーケットをリードしてきたものと認識しております。
当社の事業開始当初は、ISPは個人向けのものも含め数えるほどであり、強い競合はなく、当社は順調に顧客基盤を広げていきました。顧客のニーズは、当初はインターネット接続サービスの利用が中心でしたが、インターネットが普及するにつれ、インターネットに関わるネットワークシステムの構築、運用保守の提供等へと複合化、多様化してまいりました。インターネットの普及及び顧客ニーズの多様化は急速に広がり、そのような市場を捉えていくために、当社は関係会社を設立することによって、当社企業集団として事業範囲を拡大してまいりました。
当社は、「IIJ」という呼称にてインターネットに関連する市場に浸透しております。当社は、上述の事業変遷より「技術のIIJ」との市場認知がなされているものと認識しており、今後もより広く定着させていきたいと考えております。
当社は、連結子会社他と協働して、当社グループとして顧客に対し総合的なネットワークソリューションを提供しております。また、中長期的な事業拡大を展望し、新規事業開発及びM&A等による事業領域の拡大並びに事業パートナーとの事業連携を推進しております。(詳細は、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 2 沿革」及び「第一部 企業情報 第1 企業の概況 4 関係会社の状況」をご参照下さい。)
②技術力の蓄積
当社グループの強みは、インターネット分野における幅広い技術力の蓄積であると認識しております。インターネットに関連する技術力とは、ネットワーク及びサーバの設計、構築及び運用、ルータ等ネットワーク機器の運用、セキュリティの実施、新たな技術への適応、新ネットワークサービス及びソリューションの開発或いはコンサルテーション等の知識、経験、ノウハウ及び遂行能力であると認識しております。
当社グループは、インターネットに関わる諸技術を組み合わせ、広帯域及び広範囲のネットワークシステムを設計、構築及び安定的に運用し、大量のトラフィック(*)を安定的に処理し、セキュリティ及び障害対策等を施した信頼性の高いサービスを開発し提供する、また顧客ニーズにあったサービス及びソリューションを開発し提供するといった技術力を基盤とし、役務提供を行っております。
③顧客基盤
当社グループは、設立以来、技術力をセールスポイントとして、主としてネットワークシステムの信頼性を重んじる法人及び官公庁を中心に営業活動を行ってまいりました。当連結会計年度末現在における当社グループの官公庁を含む法人顧客数は、約15,000社でありました。
(3) 当社グループの役務の内容
①ネットワークサービス
<インターネット接続サービス>
当社グループは、インターネット接続サービスを提供し、対価として継続的な通信料金の収入を得ております。インターネット接続サービスは、顧客のLANやコンピュータ端末と、当社グループのネットワークを、通信キャリアが提供するアクセス回線(*)又は網により接続することにより提供されます。当社グループは、次項の「(4) 当社グループのネットワーク」に記載のとおり、大容量のネットワークを構築し、設立時から蓄積された運用技術力をもってこれを運用することにより、安定した高速のインターネット接続サービスを提供しております。当社は、日本のISPで初めてインターネット接続サービスにサービス品質保証制度(SLA)(*)を導入いたしました。また、日本で初めて、インターネットの次世代のプロトコル(*)であるIPv6によるインターネット接続サービスの商用提供を開始いたしました。当社グループは、インターネット接続サービスにおいて、帯域、アクセス回線、IPアドレス(*)の割当数、DNSサーバ(*)運用の有無、ルータ運用の有無及び価格等により仕様を分け、サービスラインアップを揃えております。
a)法人向けインターネット接続サービス
法人向けインターネット接続サービスは、当社グループが提供するインターネット接続サービスのうち、「IPサービス(*)」、「IIJデータセンター接続サービス」、「IIJモバイルサービス」、「IIJモバイルMVNOプラットフォームサービス」等の法人向けの各種インターネット接続サービスであります。
IPサービス及びIIJデータセンター接続サービスは、広範囲な帯域の選択が可能であり、Gbps(*)超の広帯域のサービス提供も可能なIPアドレスの割当数等にも制約がない単価の高いフルスペックのサービスで、主として大規模な法人及び官公庁等に提供しております。IIJデータセンター接続サービスは、顧客設備のデータセンターへの収容にあたりデータセンターにおいてインターネット接続サービスを提供するものであります。IIJモバイルサービスは、主として㈱NTTドコモ(以下、「NTTドコモ」といいます。)及びKDDI㈱(以下、「KDDI」といいます。)から卸電気通信役務の提供を受け、MVNO形態にて、法人向けにモバイルデータ通信サービスを提供するものであります。IIJモバイルMVNOプラットフォームサービスは、MVNOへモバイルネットワークのインフラストラクチャー及び周辺システムを提供するものであります。
b)個人向けインターネット接続サービス
個人向けインターネット接続サービスは、当社が自社ブランドで提供する「IIJmioサービス」及び「OEM」(*)等の個人向けの各種インターネット接続サービスであります。
IIJmioサービスは、様々な機能を組み合わせることができるカスタマイズ型のサービスであります。当社グループは、利用者に対して、LTE通信等を可能とするSIMカードやeSIMを用いた音声機能付きモバイルデータ通信サービス及びフレッツ(*)の光回線等による固定データ通信サービス等を提供しております。
OEMは、通信事業者等が個人向けインターネット接続サービス等を提供する際に、当社グループがネットワーク及びサービスの運営等の提供を行うものであります。
当社グループのインターネット接続サービスの契約数及び契約総帯域の年次推移は、以下のとおりであります。
(注)1.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス(法人向け)」及び「IIJmioモバイルサービス」は回線数を表示しており、それ以外は契約数を表示しております。
2.IPサービスの契約数には、データセンター接続サービスの契約数を含めております。
3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス、インターネットデータセンター接続サービス及びブロードバンド(*)対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。
<アウトソーシングサービス>
当社グループは、インターネット接続サービス及びWANサービスと合わせ、アウトソーシングサービスを提供しております。アウトソーシングサービスは、顧客のネットワークシステムを運用管理する等、より有効にネットワークシステムを活用することを企図したものであります。当社グループのアウトソーシングサービスは、主としてセキュリティ関連、ネットワークアウトソーシング関連、サーバアウトソーシング関連、データセンター関連、パッケージ型クラウドコンピューティングサービス及びその他に大別でき、その概要は下表のとおりであります。
当社グループは、法人及び官公庁等の業務運営におけるインターネット利活用の重要度及びネットワークシステムの信頼性に対するニーズは増加していると認識しております。当社グループは、このようなニーズの増加に応じ、保有する技術力を基に優位性を発揮することができ、また、より発揮していきたいと考えております。
<WANサービス>
当社グループは、主として当社の完全子会社である㈱IIJグローバルソリューションズ及び当社にて、WANサービスを提供しております。WANサービスは、主として通信キャリアが提供する専用線、広域イーサネット、IP-VPN及びインターネットVPN等の法人向け通信サービスを調達して顧客の複数拠点間を接続する広域ネットワークを構築し提供するものであり、顧客の要望がある場合には、当該広域ネットワークの運用監視等を併せて提供するものであります。当社グループは、特定の通信キャリアや通信機器メーカーに依存することなく、顧客のニーズに応じて各社のサービス及び機器を効果的に組み合わせることにより、顧客ニーズに合致するWANサービスを提供しております。
②システムインテグレーション
当社グループは、システムインテグレーションとして、法人及び官公庁等のインターネット、イントラネット(*)及びWAN等のネットワークシステムについて、コンサルテーション、設計、システム開発、システム構築及びシステム運用等のアウトソーシング受託等を行っております。対象となるシステムは、企業内部及び拠点間のネットワークシステムの設計及び構築、グループウェア導入及び仮想デスクトップ環境構築等のオフィスIT環境整備、オンライン証券(*)等電子商取引システム、アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)(*)向けシステムの開発・運用及び当社が構築した顧客システム及びプライベートクラウドサービスとして顧客が利用する当社サーバ設備等の運用等、多岐にわたります。
また、当社グループは、各役務の提供に付随し、顧客に対してネットワーク機器等の提供が必要となる場合には、機器販売を行っており、機器の仕入販売のほか当社が自社開発したSEIL等の顧客用サービスアダプタの販売、モバイルデータ通信サービスの顧客へのスマートフォン、タブレット等の端末の販売を行っております。
③ATM運営事業
当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスがATM運営事業を行っております。ATM運営事業は、銀行ATM及びそのネットワークを構築し運営することにより、ATM利用に係る手数料収入を得る事業モデルであります。
(4) 当社グループのネットワーク
①ネットワーク
当社グループはバックボーン回線を通信キャリアより賃借のうえ、ネットワーク機器等を設置したデータセンター間を接続すること等により、インターネットバックボーン網を運用しております。当社のインターネットバックボーン網は、当社グループが信頼性及び付加価値の高い多様なネットワーク関連サービスを安定的に提供し続けるための基盤となるものであります。そのため、性能と耐障害性を重視した設計とし運用をしております。
原則として、国内の各接続拠点(NOC(*)及びデータセンター)は、他の二接続拠点と複数の高速デジタル通信回線を経由し異なるバックボーンルータ(*)にて接続しております。また、各バックボーン回線の容量は、複数の通信キャリアの回線を利用することで大容量化し、通過するトラフィックのピーク時点においても余裕のある帯域を確保しております。当社グループのインターネットバックボーン網は、これらにより、単一の通信回線、バックボーンルータ、通信キャリアの通信設備、或いは当社グループの接続拠点における何らかの障害が発生した場合でも、可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計としております。
このような設計に基づき、主要拠点である東京及び大阪を含む国内拠点を結ぶ大容量のインターネットバックボーン網を運用しております。相互接続に関しては、持分法適用関連会社であるインターネットマルチフィード㈱が運営する相互接続ポイントであるJPNAP(*)に、当社の東京の複数の拠点及び大阪の拠点より大容量回線にて接続しており、また、WIDEプロジェクトが主催するdix-ie(Distributed IX in EDO)(*)という相互接続ポイント運用プロジェクトに、プロジェクト発足当時から参加し相互接続を行っております。加えて、国内主要ISPとピアリング(*)(相互接続)を実施しております。
米国内のインターネットバックボーン網は、当社の連結子会社であるIIJ America Inc.にて、国内と同様な考えに基づき設計され構築及び運用されております。米国の複数の主要相互接続ポイントに接続をしており、米国及び他国の主要なISPとピアリングを実施しております。日米間のインターネットバックボーン網は、複数の異なる国際通信キャリアから調達した国際バックボーン回線を、日本と米国にて複数の拠点で接続しており、日米間においても耐障害性の高いネットワークの運用を行っております。
欧州へのインターネットバックボーン網は、日英間を直接接続することにより伝送遅延を低減するとともに、米国と欧州を接続することで2つの経路を利用可能とし、一方の経路で何らかの障害が発生した場合でも可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計で構築されております。
アジアにおけるインターネットバックボーン網は、日本、香港及びシンガポールの3カ国を各々接続することにより2つの経路を利用可能とし、一方の経路で何らかの障害が発生した場合でも可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計で構築されております。これらの海外インターネットバックボーン網は、英国、シンガポール、香港において各々主要な相互接続ポイントに接続をしております。
当社グループは、MVNO形態にて、法人及び個人向けモバイルデータ通信サービスを提供しております。モバイルデータ通信サービスの提供に必要なモバイル通信網については、NTTドコモ及びKDDI等のモバイル通信キャリアより卸電気通信役務の提供を受けており、契約回線数やトラフィックの状況等を踏まえて必要な帯域をNTTドコモ及びKDDI等より借り受け、運営しております。
②データセンター
当社グループは、2024年3月末現在、国内は東京、大阪、横浜、札幌、白井、名古屋、松江、福岡にて、海外は米国、英国及びシンガポールにてデータセンターを運営しております。
自社所有のデータセンターとしては、島根県松江市において、外気冷却コンテナ型データセンターを運営しております。また、千葉県白井市において、システムモジュール型データセンターである白井データセンターキャンパスを運営しております。その他のデータセンターについては、他事業者のデータセンター施設設備を利用する態様で運営しております。
当社グループは、原則として、各データセンター間を大容量のバックボーン回線で接続することにより障害時のバックアップや各々のデータセンターにおける負荷分散を可能とし、耐障害性を高めております。また、データセンター内における回線の二重化や大規模なシステムを収容可能な電源、耐震または免震構造、セキュリティ管理等の環境を備えております。当社グループは、データセンターにて、インターネット接続サービスの提供、ネットワーク機器及びサーバ等の運用監視、システムインテグレーションの提供等、顧客のシステムを預かり運用管理を行う体制を整えております。
(5) 事業系統図
当社グループの事業の概要を系統図で示すと、下記のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の連結業績の概要
当連結会計年度における国内景気は一部に足踏みもみられましたが、緩やかに回復しました。先行きにつきましては、各種政策の効果もあり、景気の緩やかな回復が続くことが期待されるものの、物価上昇、世界的な金融引締めによる金利や為替の変動等の影響を注視する必要があります。
そのような景気動向の中、当社グループが主にかかわる法人ICT関連市場では、クラウドサービスやAI(*)等の新技術の企業活動への利活用の浸透、それらも含む要因によるインターネットトラフィックの継続増加、サイバーセキュリティ対策の重要性の高まり等が想定されます。企業のネットワーク及びシステムの領域は、旧来の社内閉域ネットワークから、インターネット技術を融合した複雑で多様なものへと変化しつつあり、今後も信頼性の高いネットワーク及びシステムの安定運用との重要性が増していくと想定をしております。
当連結会計年度は、当社グループの3ヵ年中期計画の最終年度にあたります。この中期計画期間におきまして、概して進展が遅かった日本企業及び官公庁等のIT利活用が、コロナ禍を契機に急進し、コロナ沈静後も社内外ネットワークの更改も含めて強い需要が継続しております。これら需要に対して、当社グループの月額提供のネットワークサービスをシステムインテグレーションに組み込む「サービスインテグレーション」との事業モデルを展開し、契約期間総額が数十億円から100億円超の複数年にわたる大型案件を多数獲得いたしました。前中期計画末の2021年3月期と比較すると、当期の売上高は約1.3倍の2,761億円、営業利益は約2.0倍の290億円、営業利益率は3.8ポイント向上の10.5%と推移し、中期計画で掲げた法人ストック売上の大幅伸長とスケールメリットによる利益享受との態様を実現いたしました。また、事業拡大に伴い、年度末時の従業員数は約1.3倍の4,803名となりました。その他の中期計画の振り返りは、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中期的な会社の経営戦略 ①前中期計画の振り返り」をご参照ください。
当連結会計年度の事業進展につきましては、ネットワークサービスにおいては、月額売上を堅調に積み上げ、売上総利益率は28.7%と前年同期比1.3ポイント向上いたしました。内訳につきましては、ネットワークサービス(除くモバイル関連サービス(*))は、IPサービス、セキュリティ関連サービス及びWANサービス等の需要が引き続き良好で、売上高は前年同期比8.9%増の1,052億円となりました。モバイル関連サービスは、総契約回線数は481万回線と前年度末比16.3%増加し、売上高は前年同期比9.1%増の461億円となりました。個人向けモバイルサービスは成熟市場のなかでも競争力を発揮し契約回線数は前年度末比5.6%増の127万回線、売上高は前年同期比4.5%増の220億円となり、法人向けモバイルサービスはネットワークカメラ等のIoT利用の継続普及等により契約回線数は前年度末比29.8%増の235万回線、売上高は前年同期比21.9%増の136億円となりました。システムインテグレーションにおいては、受注及び受注残高は好調であったものの、売上計上が複数年にわたる大型案件へのリソース割当等により単年度では売上伸長が鈍化し、また、売上計上に先行して生じる原価の増加もあり、売上総利益率は前年同期比1.1ポイント減の15.6%となりました。当社グループは、新規学卒者の獲得と育成を中心に戦略的な人的資本の拡張を進めており、当事業年度の期初は246名、2024年4月には307名の新規学卒者を迎えました。ネットワーク設備の拡張については、インターネットトラフィックの増加や自社サービス需要の高まりに応じ、インターネットバックボーンや自社サービス設備等を収容する自社保有データセンターを継続拡張いたしました。国際事業においては、従前からの事業進展に加えて、約28億円の海外データセンター構築案件や2021年4月に完全子会社化したシンガポールのシステムインテグレーターであるPTC SYSTEM (S) PTE LTDの貢献もあり、国際事業売上高は前年同期比38.1%増の353億円となりました。新規事業においては、当社持分法対象の㈱ディーカレットDCPにて、国内初のデジタル通貨サービスとして、非化石証書取引におけるデジタル通貨(DCJPY)の発行及び決済サービスの提供を2024年7月開始予定としております。
当連結会計年度の業績につきまして、総売上高は、前年同期比9.2%増の276,080百万円(前年同期 252,708百万円)となりました。売上原価は前年同期比8.9%増の212,214百万円(前年同期 194,800百万円)となり、売上総利益は前年同期比10.3%増の63,866百万円(前年同期 57,908百万円)となりました。内訳といたしまして、ネットワークサービスの売上高は前年同期比8.9%増の151,347百万円(前年同期 138,922百万円)、売上総利益は前年同期比14.0%増の43,493百万円(前年同期 38,146百万円)となりました。ネットワークサービスの売上原価におきましては、当第3四半期において㈱NTTドコモのモバイルデータ接続料の2022年度利用分単価確定による費用戻し効果1億円強(前年同期は5億円強の効果)がありました。システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は前年同期比9.8%増の121,819百万円(前年同期 110,944百万円)、内システム構築売上は49,902百万円(前年同期 42,945百万円)、システム運用保守売上は71,917百万円(前年同期 67,999百万円)となり、売上総利益は前年同期比2.6%増の19,042百万円(前年同期 18,553百万円)となりました。ATM運営事業の売上高は前年同期比2.5%増の2,914百万円(前年同期 2,842百万円)、売上総利益は前年同期比10.1%増の1,331百万円(前年同期 1,209百万円)となりました。販売管理費等(販売費及び一般管理費、その他の収益及びその他の費用の合計)は前年同期比13.5%増の34,837百万円(前年同期 30,687百万円)となりました。営業利益は、前年同期比6.6%増の29,029百万円(前年同期 27,221百万円)となりました。税引前利益は、為替差益533百万円(前年同期 365百万円の利益)及び主としてファンドに係る金融資産評価益149百万円(前年同期 303百万円)等により、前年同期比6.0%増の28,934百万円(前年同期 27,309百万円)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期比5.2%増の19,831百万円(前年同期 18,852百万円)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比27,395百万円増加し、273,713百万円(前連結会計年度末 246,318百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、現金及び現金同等物、営業債権及び前払費用等の増加により、前連結会計年度末比13,211百万円増加し、119,889百万円(前連結会計年度末 106,678百万円)となりました。非流動資産は、有形固定資産、無形資産、前払費用及び投資有価証券(株式)の増加等により前連結会計年度末比14,184百万円増加し、153,824百万円(前連結会計年度末 139,640百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、借入金、営業債務及びその他の債務、契約負債の増加等により、前連結会計年度末比20,494百万円増加し、98,358百万円(前連結会計年度末 77,864百万円)となりました。非流動負債は、前連結会計年度末比704百万円減少し、48,323百万円(前連結会計年度末 49,027百万円)となりました。
当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、自己株式の取得による11,405百万円減少もありましたが、前連結会計年度末比7,509百万円増加の125,751百万円 (前連結会計年度末 118,242百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は45.9%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、45,474百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益28,934百万円、減価償却費及び償却費29,296百万円、法人所得税の支払い8,130百万円に対して前払費用等による支出の増加等により、営業資産及び負債の増減は9,880百万円の支出となり、40,780百万円の収入となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、白井データセンターキャンパス建設関連等の有形固定資産の取得による11,744百万円の支出、ソフトウェア等の無形資産の取得による7,199百万円の支出等があり、17,927百万円の支出となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加11,800百万円、自己株式の取得の支払11,405百万円、その他の金融負債の支払20,008百万円、その他の金融負債による収入6,609百万円、配当金の支払5,682百万円、長期借入金の返済2,060百万円等があり、20,797百万円の支出となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。
(注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
2.当社グループは、ネットワークサービス並びにATM運営事業において生産を行っておりませんので、これらに係る生産実績の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績及び受注残高は、以下のとおりであります。
(注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
2.当社グループは、ネットワークサービス及びATM運営事業において受注生産を行っておりませんので、これらに係る受注実績及び受注残高の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
(3) 販売実績
当連結会計年度における役務区分別の販売実績は、以下のとおりであります。
(注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
2.各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要性がある会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定により、国際会計基準(IFRS)に準拠して作成しております。
当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。
これらの見積及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、報告期間の末日現在において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。
しかし、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
詳しくは、後記の連結財務諸表の注記をご参照ください。
(2) 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の経営成績の分析
①連結経営成績サマリー
<主要な連結経営指標>
(注)1.システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。
2.販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益、その他の費用の合計額を記載しております。
<セグメント情報>
②経営成績の分析
当社グループの売上の大部分がネットワークサービス及びSI事業からのものであるため、役務別の分析により記載しております。
ⅰ)売上収益
当連結会計年度における売上収益は、前年同期比9.2%増の276,080百万円(前年同期 252,708百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上高>
法人向けインターネット接続サービスの売上高は、法人IoT等用途向け法人モバイルサービス及びIPサービス等の売上増加があり、前年同期比11.1%増の44,725百万円(前年同期 40,253百万円)となりました。
個人向けインターネット接続サービスの売上高は、個人向けモバイルサービス等の売上増加があり、前年同期比4.3%増の25,285百万円(前年同期 24,235百万円)となりました。
アウトソーシングサービスの売上高は、セキュリティ関連サービス等の売上増加があり、前年同期比13.2%増の52,972百万円(前年同期 46,808百万円)となりました。
WANサービスの売上高は、前年同期比2.7%増の28,365百万円(前年同期 27,626百万円)となりました。
これらの結果、ネットワークサービス売上高は、前年同期比8.9%増の151,347百万円(前年同期 138,922百万円)となりました。
ネットワークサービス売上高の内訳、法人向け及び個人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域は、それぞれ以下のとおりであります。
<ネットワークサービス売上高の内訳>
<インターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域(注)1>
(注)1.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス」及び「IIJmioモバイルサービス」は回線数を表示しており、それ以外は契約数を表示しております。
2.IPサービスには、インターネットデータセンター接続サービスが含まれます。
3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス(含むインターネットデータセンター接続サービス)及びブロードバンド対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。
<システムインテグレーション売上高>
システム構築及び機器販売による一時的な売上高は、前年同期比16.2%増の49,902百万円(前年同期 42,945百万円)となりました。システム運用保守による継続的な売上高は、システム運用保守案件の継続積み上げによる増加等があり、前年同期比5.8%増の71,917百万円(前年同期 67,999百万円)となりました。
これらの結果、システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は、前年同期比9.8%増の121,819百万円(前年同期 110,944百万円)となりました。
当連結会計年度のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注は、前年同期比22.4%増の147,955百万円(前年同期 120,910百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注は前年同期比35.2%増の59,864百万円(前年同期 44,293百万円)、システム運用保守に関する受注は前年同期比15.0%増の88,091百万円(前年同期 76,617百万円)でありました。
当連結会計年度末のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注残高は、前年同期末比31.6%増の108,893百万円(前年同期末 82,757百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注残高は前年同期末比72.2%増の23,761百万円(前年同期末 13,799百万円)、システム運用保守に関する受注残高は前年同期末比23.5%増の85,132百万円(前年同期末 68,958百万円)でありました。
<ATM運営事業売上高>
ATM運営事業売上高は、前年同期比2.5%増の2,914百万円(前年同期 2,842百万円)となりました。
ⅱ)売上原価
当連結会計年度における売上原価は、前年同期比8.9%増の212,214百万円(前年同期 194,800百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上原価>
ネットワークサービスの売上原価は、前年同期比7.0%増の107,854百万円(前年同期 100,776百万円)となりました。セキュリティ関連サービスのライセンス費用等の増加及び㈱NTTドコモのモバイルデータ接続料の2022年度利用分単価確定による費用戻し効果1億円強(前年同期は5億円強の効果)等がありました。ネットワークサービスの売上総利益は、前年同期比14.0%増の43,493百万円(前年同期 38,146百万円)となり、ネットワークサービスの売上総利益率は28.7%(前年同期 27.5%)となりました。
<システムインテグレーション売上原価>
システムインテグレーション(含む機器販売)の売上原価は、外注関連費用及び仕入の増加等があり、前年同期比11.2%増の102,777百万円(前年同期 92,391百万円)となりました。機器販売を含むシステムインテグレーションの売上総利益は、前年同期比2.6%増の19,042百万円(前年同期 18,553百万円)となり、売上総利益率は15.6%(前年同期 16.7%)となりました。
<ATM運営事業売上原価>
ATM運営事業売上原価は、前年同期比3.1%減の1,583百万円(前年同期 1,633百万円)となりました。売上総利益は、1,331百万円(前年同期 1,209百万円)となり、売上総利益率は45.7%(前年同期 42.5%)となりました。
ⅲ)販売管理費等
当連結会計年度における販売費及び一般管理費(含む研究開発費)は、人件関連費用等の増加があり、前年同期比12.5%増の34,754百万円(前年同期 30,897百万円)となりました。
その他の収益は169百万円(前年同期は一時的な資産売却益を含む281百万円)となりました。その他の費用は252百万円(前年同期 71百万円)となりました。
ⅳ)営業利益
当連結会計年度における営業利益は、前年同期比6.6%増の29,029百万円(前年同期 27,221百万円)となりました。
ⅴ)金融収益、金融費用及び持分法による投資損益
当連結会計年度における金融収益は、為替差益533百万円(前年同期 365百万円の利益)及び主としてファンドに係る金融資産評価益149百万円(前年同期 303百万円の評価益)等により、1,019百万円(前年同期 844百万円)となりました。
当連結会計年度における金融費用は、支払利息616百万円(前年同期 529百万円)等により、649百万円(前年同期 552百万円)となりました。
当連結会計年度における持分法による投資損益は、㈱ディーカレットホールディングスに関する損失535百万円(前年同期 382百万円の損失)等があり、465百万円の損失(前年同期 204百万円の損失)となりました。
ⅵ)税引前利益
当連結会計年度における税引前当期利益は、前年同期比6.0%増の28,934百万円(前年同期 27,309百万円)となりました。
ⅶ)当期利益
当連結会計年度における法人所得税費用は、8,958百万円の費用(前年同期 8,316百万円の費用)となりました。この結果、当連結会計年度における当期利益は、前年同期比5.2%増の19,976百万円(前年同期 18,993百万円)となりました。
非支配持分に帰属する当期利益は、㈱トラストネットワークスに係る利益等により145百万円(前年同期 141百万円)となりました。この結果、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期比5.2%増の19,831百万円(前年同期 18,852百万円)となりました。
(3) 当連結会計年度末(2024年3月31日現在)の財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比27,395百万円増加し、273,713百万円(前連結会計年度末 246,318百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末比13,211百万円増加し、119,889百万円(前連結会計年度末 106,678百万円)となり、主な残高及び増減の内訳は、現金及び現金同等物の3,002百万円増加の45,474百万円、営業債権の4,343百万円増加の45,683百万円、設備保守及び顧客向け案件等による前払費用の4,743百万円増加の20,084百万円でありました。
当連結会計年度末における非流動資産は、前連結会計年度末比14,184百万円増加し、153,824百万円(前連結会計年度末 139,640百万円)となりました。主な残高及び増減の内訳は、有形固定資産の白井データセンターキャンパス建設関連資産の取得等による5,751百万円増加の29,072百万円、使用権資産(オフィス、データセンター等の賃借契約及び通信機器等のリース契約の利用権)の償却等による5,433百万円減少の41,242百万円、ソフトウェア購入等による無形資産の1,741百万円増加の18,357百万円、顧客向けライセンス案件等及び設備保守等による前払費用の6,833百万円増加の19,412百万円、保有上場株式の時価評価等による投資有価証券(株式)の4,532百万円増加の14,563百万円でありました。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末比20,494百万円増加し、98,358百万円(前連結会計年度末 77,864百万円)となりました。主な残高及び増減の内訳は、営業債務及びその他の債務の3,122百万円増加の25,435百万円、借入金の13,305百万円増加(うち、自己株式取得に見合う短期借入金による調達12,000百万円、返済による減少2,260百万円及び非流動負債からの振替等3,555百万円)の30,133百万円、契約負債の2,516百万円増加の12,685百万円、その他の金融負債の70百万円減少の18,035百万円でありました。
当連結会計年度末における非流動負債は、前連結会計年度末比704百万円減少し、48,323百万円(前連結会計年度末 49,027百万円)となり、主な残高及び増減の内訳は、流動負債への振替等による借入金の3,555百万円減少の47百万円、契約負債の1,141百万円増加の8,552百万円、長期未払金等によるその他の金融負債の408百万円増加の31,103百万円でありました。
当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、自己株式の取得による11,405百万円減少もありましたが、前連結会計年度末比7,509百万円増加の125,751百万円 (前連結会計年度末 118,242百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は45.9%となりました。
(4) 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の流動性及び資金の源泉の分析
①概要
当社グループの資金需要のうち主なものは、ネットワークの構築と拡張、社内システムへの投資、クラウドコンピューティングサービス推進に伴う投資、データセンター等の施設設備に対する賃借料及び投資(土地取得含む)、ネットワークサービス原価及びシステムインテグレーション仕入等に伴う増加運転資金、当社グループ会社等に対する投融資、国際事業推進に伴う投資、販売活動及び運転資金等であります。こうした必要資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行からの借入金並びにファイナンス・リース契約等で調達されております。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、45,474百万円(前年同期末 42,472百万円)となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益28,934百万円(前年同期 27,309百万円)、減価償却費及び償却費29,296百万円(前年同期 28,801百万円)、うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る使用権資産の減価償却費11,784百万円(前年同期 11,618百万円)、法人所得税の支払い8,130百万円(前年同期 9,958百万円) があり、営業資産及び負債の増減は、前払費用等による支出の増加が、営業債務等による支出の減少及び契約負債等による収入の増加等を上回り、9,880百万円の支出(前年同期 7,712百万円の支出)となり、40,780百万円の収入(前年同期 38,529百万円の収入)となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、白井データセンターキャンパス建設関連等の有形固定資産の取得による11,744百万円の支出(前年同期 11,787百万円の支出)、ソフトウェア等の無形資産の取得による7,199百万円の支出(前年同期 5,471百万円の支出)等があり、17,927百万円の支出(前年同期 18,386百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加11,800百万円、自己株式の取得の支払11,405百万円、本社オフィス等のオペレーティング・リース及びネットワーク機器等のファイナンス・リースの支払等によるその他の金融負債の支払20,008百万円(前年同期 19,344百万円)、その他の金融負債による収入6,609百万円、配当金の支払5,682百万円(前年同期 4,901百万円)、長期借入金の返済2,060百万円(前年同期 1,515百万円)等があり、20,797百万円の支出(前年同期 25,731百万円の支出)となりました。
③借入金
当社グループの主要取引銀行は、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行及び三井住友信託銀行㈱であります。
当社グループの当連結会計年度末現在における短期借入金の残高は26,570百万円でありました。当社グループは、主要取引銀行を含む邦銀各行との間にて当座借越契約を締結しており、当連結会計年度末現在において、その未使用残高合計は20,080百万円でありました。また、当社グループの当連結会計年度末現在における長期借入金残高は3,610百万円でありました。
④ファイナンス・リース
当社グループは、ファイナンス・リース契約により調達したデータ通信及びその他の設備を利用してインターネット接続サービス及びその他のインターネット関連サービスを行っております。当連結会計年度末現在のファイナンス・リース負債の残高は15,750百万円であります。
セグメント情報
5.セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の事業活動の最高意思決定者である当社グループの代表取締役社長が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。なお、代表取締役社長は、売上収益及び営業利益を主要な指標として、各セグメントの業績評価を行っております。
当社グループは「ネットワークサービス及びSI事業」と「ATM運営事業」の2つを報告セグメントとしております。ネットワークサービス及びSI事業は、インターネット接続サービス、WANサービス、アウトソーシングサービス等から構成されるネットワークサービスとシステムインテグレーションサービスを複合して提供しております。また、ATM運営事業は、銀行ATM及びネットワークシステムを構築し運営することにより、ATM利用に係る手数料収入を得ております。
(2) 報告セグメントの収益及び業績
当社グループのセグメント情報は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) セグメント間取引は、市場に基づく取引価格に依っております。また、セグメント利益は、営業利益を使用しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) セグメント間取引は、市場に基づく取引価格に依っております。また、セグメント利益は、営業利益を使用しております。
(3) 地域別情報
当社グループのほぼ全ての収益は、日本において事業を営む顧客からのものであります。地域別情報については、海外事業に帰属する売上収益に重要性がないため、開示しておりません。
また、非流動資産(金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)のほぼ全てが日本に所在しており、海外に所在する非流動資産に重要性がないため、開示しておりません。
(4) 主要な顧客に関する情報
当社グループの営業収益の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載しておりません。