2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

当社の経営成績、財政状態等に影響を与える可能性があると考えられる代表的なリスクは、以下のとおりです。これらの項目はリスクのうち代表的なものであり、実際に起こりうるリスクは、これらに限定されるものではありません。

なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。

 

(1) 特定の仕入先・取引先への依存について

① ソリューション事業

ソリューション事業では、日本電気株式会社及び株式会社オービックビジネスコンサルタントを重要なパートナー企業として、これらの会社との間で販売許諾及び販売支援等に関する契約を締結しており、これらの企業からの仕入がソリューション事業における仕入の大部分を占めております。

そのため、何らかの事情により契約が解除され、製品等の供給が受けられない事態となり、しかも代替品の供給が遅れ、または調達不可能な状態に陥った場合、当社の経営に影響を受ける可能性があります。

当事業年度仕入実績

仕入先

仕入金額
(千円)

シェア

日本電気株式会社

192,940

44.4%

株式会社オービックビジネスコンサルタント

54,787

12.6%

その他

186,988

43.0%

合計

434,716

100.0%

 

 

② モバイル事業

当社は、NTTドコモ及びティーガイアとの間で締結した「ドコモショップの業務再委託に関する覚書」、「代理店法人拠点設置による業務再委託に関する覚書」等に基づきNTTドコモの二次代理店としてドコモショップの運営及び携帯電話等の法人営業を行っており、その仕入及び販売のほぼ100%がドコモブランドに依存しております。

当社はNTTドコモ及びティーガイアとは良好な関係を維持しておりますが、何らかの解除事由が発生し、両社との契約が解除される、または、取引条件が当社に不利な方向に大幅に変更される場合、当社の経営に影響を受ける可能性があります。

また、当社の携帯電話等の販売・取次事業は、ティーガイアと締結した「移動体通信サービス代理店契約」に基づき所定の条件の下で展開しております。これにより、当社に破産、民事再生等の法的手続き開始、信用不安状態の発生、株主構成または経営主体に重大な変更等の所定の事由が生じた場合にティーガイアにおいて代理店契約の解除や手数料支払い停止ができる旨等が定められているため、当社の経営に影響を受ける可能性があります。 

なお、NTTドコモがドコモショップの運営や商品ラインアップ、広告宣伝に関する方針及び戦略、料金プラン等を変更した場合、並びに、他の通信キャリアに比較してドコモブランドの魅力が相対的に低下した場合、当社の経営に影響を受ける可能性があります。

 

(2) 固定資産に関する減損について

固定資産につきましては取得時に資産性を慎重に判断した上で資産計上しておりますが、取得時に見込んでいた将来キャッシュ・フローが十分に得られない場合、または回収可能性に疑義が生じた場合には、減損損失の認識を行っております。今後、追加的に多額の減損損失の計上を行う場合、当社の経営に影響を受ける可能性があります。

 

 

(3) 人材の確保と育成について

当社は、顧客に対して最適な商品やサービス及びソリューションを提供できる優秀な人材を確保するため、定期的な新卒採用や業務経験者の中途採用を行うほか、従業員教育の徹底や必要な資格取得の奨励など、当社事業の発展に貢献する人材育成を行っております。

しかしながら、人材の確保や育成が当社の計画通りに進捗しない場合、或いは優秀な人材が多数退職してしまった場合には、当社の経営に影響を受ける可能性があります。

 

(4) 法的規制等について

当社が行う事業では、「電気通信事業法」、「建設業法」(電気通信工事業)、「下請代金支払遅延等防止法」、「独占禁止法」(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)、「景品表示法」(不当景品類及び不当表示防止法)、「個人情報保護法」、「携帯電話不正利用防止法」(携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律)、「著作権法」及びその他の関連法令の規制を受けております。

当社は、上記法令等を遵守するために従業員の教育・啓発を含めた社内管理体制強化に努めておりますが、万が一法令違反が生じた場合や、法的規制が大幅に追加・変更された場合には、当社の経営に影響を受ける可能性があります。

 

(5) 情報管理について

当社では、業務に関連して多数の個人情報及び企業情報を保有しております。情報管理に関する全社的な取り組みとして、情報セキュリティ基本方針や個人情報保護のための行動指針を定め、社内規程を整備するとともに、従業員に秘密保持誓約書の提出を義務付けた上で、社内研修を通して情報管理への意識向上に努め、外部への情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じております。

また、当社における本社並びにソリューション事業の各事業所では、「ISO27001(情報セキュリティ)」の認証を取得し、社内情報資産のリスク分析を行い、必要に応じて改善策を講じる等、情報管理の徹底に努めております。

さらに、モバイル事業の各店舗・事業所においては、NTTドコモが定める情報資産の管理方法に準拠した教育と業務監査を受けております。

しかしながら、これらの対応措置を講じたにも関わらず個人情報や企業情報が漏洩した場合、民事・刑事責任の負担、社会的信用の失墜のみならず、主要パートナー企業との契約解除などに繋がる恐れもあり、当社の経営に影響を受ける可能性があります。

 

(6) 自然災害等について

当社の本社、その他の事業所及び店舗は、首都圏近郊に集中しております。

そのため、首都圏における大規模な地震、火災その他の自然災害や停電等が発生し、当社の本社若しくは各事業所・店舗が損壊し、事業継続が困難な状況に陥った場合、また、自然災害等に起因して顧客データの喪失、インフラ麻痺等が生じた場合は、顧客対応の遅延など当社のサービス体制に大きな支障が生じ、当社の経営に重大な影響を受ける可能性があります。

 また、当社の販売先の約6割が中堅・中小企業であります。暴風、地震、落雷、洪水等の自然災害やパンデミック(感染爆発)が発生し、多くの中堅・中小企業の事業継続が困難になった場合、当社の経営に影響を受ける可能性があります。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、株主への利益還元を経営の重要施策の一つと考え、配当原資確保のため収益力を強化し、継続的かつ安定的な配当を年1回(期末)行うことを基本方針としております。

 こうした基本方針に基づき、当事業年度の剰余金の配当につきましては、当事業年度の業績と今後の事業展開を勘案し、1株当たり55円としております。

なお、当社は会社法第459条の規定に基づき、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めております。

 

 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額
(千円)

1株当たり配当額
(円)

2024年5月9日

定時取締役会

65,879

55