事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 13,356 | 100.0 | 1,685 | 100.0 | 12.6 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、「業界に革新を、お客さまに自由を」という経営理念の下、「自宅で試着、気軽に返品」できる、靴とファッションの通販サイト、「LOCONDO.jp」を軸とする「ECモール事業」、また、ECモール事業で構築したIT・物流インフラ等を共有・活用した「プラットフォーム事業」を運営しております。また、それぞれの事業に関連した、プラットフォーム事業を活用して店舗も含めたブランド運営を行う「ブランド事業」を展開しております。
当社グループは、靴を中心としたファッション関連商品等の販売、企画、仕入事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
各サービス区分の主な内容は以下のとおりであります。
(1)ECモール事業について
ECモール事業は、一般消費者であるユーザーが、当社グループが運営するショッピングモールサイト「LOCONDO.jp」、「FASHIONWALKER」、「SPORTS WEB SHOPPERS」及び「waja bazar」、楽天株式会社が運営するショッピングモールサイト「楽天市場」及びヤフー株式会社が運営するショッピングモールサイト「Yahoo!ショッピング」等の他社モールにて展開する「LOCOMALL」を通じて各ブランドの商品を購入できるサービスであります。
「LOCONDO.jp」、「FASHIONWALKER」、「SPORTS WEB SHOPPERS」及び「waja bazar」におきましては、ユーザーに対して、一部の例外はありますが、「即日出荷」、「送料実質無料」、「サイズ交換無料」、「返品送料無料」のサービスを提供しております。
ECモール事業は、その仕入形態に応じて、受託型と買取型に分類されます。
(a)受託型
受託型は、各ブランドがテナント方式で出店を行い、出店後の運営管理を当社が行うサービスであり、各ブランドの店舗に掲載する商品を当社グループの物流拠点に受託在庫として預かり、販売を行っております。なお、一部のブランドにつきましては、当社グループの物流拠点に在庫を置かず、各ブランドの物流拠点に在庫を置いたまま、各ブランドと当社グループ間で在庫データを共有し、商材が販売される度に、当社グループの物流拠点に商材を取り寄せる「受発注形式」をとっております。
買取型との主な違いは、各店舗の基本的なマーチャンダイジング(※)をテナント側が実施すること、また、受託販売形式であるため当社グループが在庫リスクを負担しないことであり、ユーザーから返品があった場合も当該商品は各ブランドに返品されます。
当サービスに係る売上高につきましては、販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。
※マーチャンダイジング:商品の販売時期や価格などを検討・決定する事。
(b)買取型
買取型は、当社グループが各ブランドからファッション商材等の商品を仕入れ、自社在庫を持つことで当社グループが在庫リスクを負担し販売を行うセレクトショップ型事業であります。
当サービスに係る売上高につきましては、商品の販売価格により計上しております。
なお、販売形態による分類はありますが、取扱高管理や販売促進施策等は販売形態による区別をしていないため、ECモール事業としてまとめております。
また上記に加え、ECモール事業においては「LOCONDO.jp」の集客力、ブランド力、出版社等の外部メディアとのネットワークを活用し、「LOCONDO.jp」に出店している各ブランドのブランディングを支援しております。
一例としまして、当社グループとパートナーシップを締結している各ブランドバナー広告を、当社グループのメインターゲット層である都心部の30代後半から40代の女性に合わせた出版社発行のファッション雑誌の発売と同時に「LOCONDO.jp」に掲載し、そのリンク先に特集を組んだブランドページを特設することによって、ECモール事業とのシナジー効果を生み出していると考えております。当サービスに係る売上高につきましては、各ブランドの広告掲載料を計上しております。
さらに、ギフトラッピング等のサービス手数料収入、ユーザーへ配送する商品に同梱するチラシの広告掲載手数料収入につきましても、ECモール事業に係る売上高として計上しております。
(2)プラットフォーム事業について
プラットフォーム事業は現在、大きく4つのサービスにて運営されております。
1つ目のサービス、ブランドの自社公式EC支援「BOEM(Brand’s Official E-commerce Management)」は、「LOCONDO.jp」等の運営のために構築しているECシステムや物流インフラ等のプラットフォームを共有・活用し、各ブランドが独自に運営するECサイトのシステム開発やデザイン制作等のウェブサイト構築だけでなく、物流請負、顧客応対請負、マーケティング請負等、必要に応じて各種物流関連業務を支援するものであります。
当サービスに係る売上高につきましては、ECモール事業の受託型と同様に販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。さらに、システム追加構築やマーケティング請負などに係るサービス手数料収入も売上高に計上しております。
なお、商品情報や在庫情報については、「LOCONDO.jp」、「FASHIONWALKER」、「LOCOMALL 楽天店」、「LOCOMALL Yahoo!ショッピング店」と同期しているため、「LOCONDO.jp」で販売開始した商品は「LOCOMALL」や「BOEM」でも販売が開始される、いわゆる「(店舗間での)在庫シェアリング」が可能な体制となっております。
また、「LOCONDO.jp」等の販売強化のために行った、ECシステムや物流インフラ等のプラットフォームの新規機能の追加等は、プラットフォームをシェアリングしている「BOEM」にも自動的に反映される体制にもなっております。
2つ目のサービスとしては、物流倉庫業務を一括受託する、「e-3PL(3rd Party Logistics)」サービスを営んでおります。
当社グループのプラットフォームを共有・活用し、各ブランドの在庫を「各ブランドの自社公式EC + リアル店舗の在庫」として当社グループが保管し、各ブランドの自社公式ECサイトの出荷だけでなく、各ブランドのリアル店舗や他社が運営するECサイトへの出荷業務を担います。本サービスを導入することにより、各ブランドは物流倉庫を持たずに事業運営が可能となり、大幅なコスト削減ができるだけでなく、各ブランドが保有する全ての在庫をオンラインで販売することができるため、ブランド全体の在庫回転率を向上させることが期待できます。
さらに、当社グループはリアル店舗や他社が運営するECサイトの倉庫への出荷に対しても、ECモール事業と同水準のサービス「即日出荷(一部例外あり)」で対応するため、店舗への商品補充のスピードが向上することが期待されます。
当サービスに係る売上高につきましては、出荷業務に対する手数料に加えて商品保管料やシステム利用料等の月額固定収入を受託手数料として計上しております。
3つ目のサービスとしまして、当社グループのプラットフォームを利用した「LOCOCHOC」サービスを提供しております。
「LOCOCHOC」は、「LOCONDO.jp」に出店しているブランドや小売店を対象に、各ブランド等のリアル店舗において欠品が生じた場合、ないしは、店舗に並んでいない商品をユーザーが要望する場合、店舗で注文を受け付けて、店舗でお支払いを済ませ、当社の物流倉庫からユーザーの自宅又はリアル店舗に「LOCONDO.jp」と同水準のサービス「即日出荷(一部例外あり)」で直送することが可能なサービスです。
4つ目のサービスとしまして、店舗の売上、在庫をECサイトと一元的に管理する「LOCOPOS」サービスを提供しております。
「LOCOPOS」はタブレットやスマホを使って店舗のPOSレジとして利用できるだけでなく、売上情報、在庫情報、顧客情報等をECサイトと一元的に管理できるのが特徴で、ファッション業界において重要とされているオムニ戦略を容易に実現できるツールとして提供しております。
当サービスに係る売上高につきましては、提供したサービスに対する手数料に加えてシステム利用料等の月額固定収入を受託手数料として計上しております。
(3)ECモール事業とプラットフォーム事業の相互補完性について
ECモール事業とプラットフォーム事業はそれぞれ独立しておらず、相互補完的な関係となっております。
「LOCONDO.jp」においてユーザー満足度の向上、及び売上・利益の向上のため、ECシステムや物流インフラ等のプラットフォームの改善は常々、行っております。そしてこれらの改善内容は、「LOCONDO.jp」とプラットフォームシェアリングを行っているプラットフォーム事業、特に「BOEM」に対しては自動的に新機能がアップデートされる体制を構築しており、ECモール事業の強化がプラットフォーム事業の強化につながっております。
また、在庫管理シェアリングの観点からは、当社倉庫に商品を完全集約する「e-3PL」はもちろん、「BOEM」導入によるECモール事業との在庫共通化、「LOCOCHOC」導入によるECモール事業と店舗補充在庫との共通化により、ECモール事業でもこれらの商品が販売可能となり、プラットフォーム事業の強化がECモール事業の強化につながっております。
(4)ブランド事業について
ブランド事業は、ECモール事業及びプラットフォーム事業のインフラを活用し、自社でブランド運営を行う事業であります。現在の主な取扱ブランドは「Reebok」、「MANGO」などであり、ECモール事業において差別化商品を展開するだけでなく、ブランド事業において当社の提供するプラットフォームサービスのベストプラクティスを構築していくことで、プラットフォーム事業の強化を図っております。
[事業系統図]
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(財政状態の状況)
a.流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,956,394千円増加し、9,651,423千円となりました。これは主に、関係会社株式の取得により現金及び預金が1,825,084千円減少した一方で、子会社株式取得に係る前払いにより仮払金が3,198,530千円増加、RBKJの商品拡充により商品が743,504千円増加したことによるものであります。
b. 固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて146,289千円減少し、2,130,890千円となりました。これは主に、関係会社株式が170,762千円増加した一方で、繰延税金資産が264,513千円減少したことによるものであります。
c. 負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,336,558千円増加し、5,374,886千円となりました。これは主に、短期借入金が1,600,000千円増加したことによるものであります。
d. 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて473,546千円増加し、6,407,427千円となりました。これは主に、自己株式が615,165千円増加(純資産の減少)した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,001,796千円増加したことによるものであります。
(経営成績の状況)
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(単位:千円) |
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前連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
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当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
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対前年 増減率 |
||
商品取扱高 |
23,629,586 |
(100.0%) |
25,914,970 |
(100.0%) |
9.7% |
売上高(注)3 |
10,464,483 |
(44.3%) |
13,356,170 |
(51.5%) |
27.6% |
売上総利益 |
8,353,695 |
(35.4%) |
10,000,631 |
(38.6%) |
19.7% |
EBITDA(注)1、2 |
1,169,494 |
(4.9%) |
1,878,733 |
(7.2%) |
60.6% |
営業利益 |
991,248 |
(4.2%) |
1,685,233 |
(6.5%) |
70.0% |
経常利益 |
963,944 |
(4.1%) |
1,705,344 |
(6.6%) |
76.9% |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,258,432 |
(5.3%) |
1,001,796 |
(3.9%) |
△20.4% |
(注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれんの償却額
2.当社グループでは、2020年2月期よりのれんの償却が発生しておりますが、今後とも事業の成長加速のためM&Aを積極的に検討していく方針であり、のれんの償却が増加する可能性があります。この点を考慮し、EBITDAを参考指標として開示しております。
3.ECモール事業の受託型については販売された商品の手数料を、プラットフォーム事業についてはサービスの手数料を売上高として計上しております。
4.( )内は商品取扱高に対する割合を記載しております。
5.前連結会計年度より、従来記載しておりました出荷件数、平均出荷単価、平均商品単価は、当社のみの数値であるため記載しておりません。
各事業部の業績は以下のとおりであります。
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(単位:千円) |
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前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
|||
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JADE |
RBKJ |
相殺消去 |
連結 |
商品取扱高 |
22,939,396 |
1,458,636 |
△768,446 |
23,629,586 |
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(単位:千円) |
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当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
|||
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JADE |
RBKJ |
相殺消去 |
連結 |
商品取扱高 |
23,199,229 |
5,497,900 |
△2,782,159 |
25,914,970 |
当連結会計年度におけるマクロ経済環境は、昨年度対比新型コロナウィルス感染症の需要供給面への影響が解消したものの、第3四半期及び第4四半期は、猛暑により秋冬物の動きが伸び悩みました。また、消費者物価指数の上昇、各国の金融政策の変更に伴う景気減速懸念、地政学リスクの高まりなど、依然不透明感も解消しておりません。
一方で、当社グループの主たる事業領域であるファッションEC市場に関しては、2022年度は前年比+5%、ファッション市場全体に占めるEC割合、いわゆるEC化率も21.6%まで増加し(経済産業省調べ)引き続き成長して行く市場であると見込まれています。またECだけでなく店舗や物流などあらゆる領域をデジタル化を通じて効率化していくDX(デジタルトランスフォーメーション)需要も年々増加し、流通小売市場における国内DX投資額は2020年から30年までの10年間で5.6倍と大幅に増えて行く事が見込まれています(富士キメラ総研調べ)。
このような状況下、当社グループはECモール事業、プラットフォーム(DX)事業、ブランド事業という相互補完的かつ各々が競争優位性を有する3つの事業を展開しております。
ECモール事業における主軸のサービス「靴を買うならロコンド」でおなじみのLOCONDO.jpではウェブ広告等を通じた認知度向上とブランド数や品揃えの充実という需要供給両面での向上に引き続き努めて参りました。加えて当社グループは様々な消費者ニーズを捉えるためM&Aを通じた「多モール展開」戦略を実行しておりますが、現在はアパレルメインのFashion Walker、サッカー専門店のSWS、海外バイヤーの販売プラットフォームであるwajaと合計4つのECモールを展開し、これらも同様に需要供給両面での向上を進めて参りました。なお、これらのウェブサイトは全て異なるものの、その裏側であるITインフラや物流インフラは全て一元化されているため、複数のモールを効率的に運営できるのが当社グループの強みになります。
プラットフォーム(DX)事業においては、自社公式EC運営(BOEM)、倉庫受託(e-3PL)、店舗POSレジ(LOCOPOS)、店舗欠品フォロー(LOCOCHOC)、基幹システム(LoCORE)など、ファッション業界において必要とされるITインフラと物流インフラを全て有しているため一括受託(ALL-IN-ONE)が可能である事、またe-3PLにおきましては他のEC企業ではどこも対応できていない、百貨店や卸への出荷も全て対応できる事が当社グループの強みになります。さらにECモール事業における新機能や改修がシームレスにBOEM、LOCOPOS、LOCOCHOCに展開される体制を敷いているため、利用企業様については低コストで最新鋭の技術を享受頂ける事も本プラットフォームサービスの強みになっております。
ブランド事業においては、2020年以降、様々なインフルエンサーとコラボレーションブランド企画を展開し、売上増とジェイドグループの認知度向上の2つを実現しながらインフルエンサーマーケティングノウハウを蓄積して参りました。さらに、前連結会計年度からは伊藤忠商事株式会社との新設子会社であるRBKJ株式会社(出資比率はジェイドグループ66%、伊藤忠商事34%)を通じてグローバルスポーツブランドのReebok国内販売権を獲得し、ReebokのEC、直営店舗、卸事業を展開して参りました。Reebok事業の展開に際しては、弊社のプラットフォーム事業を活用し、PMI(Post Merger Integration: 買収後の統合)を予定通り行うことでスムーズな事業の立ち上げを実現するとともに、ECモール事業で培ったSNSマーケティングノウハウを活用する事でブランドの更なる知名度向上を実現してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度においてはReebok事業が牽引し、商品取扱高は25,914,970千円(前年同期比9.7%増)で着地致しました。売上高は13,356,170千円(前年同期比27.6%増)となりました。売上総利益は10,000,631千円(前年同期比19.7%増)となりました。当社グループは実質的な成長度合や収益性を評価するため、売上総利益から変動費用を差し引いた「限界利益(= 商品取扱高 × 限界利益率)」という指標を重視しておりますが、限界利益は商品取扱高の増加、および物流フローの効率化やウェブ広告の効率化、各種手数料の引き下げ等の変動費用の抑制、及びReebok事業が順調に開始されたことで5,264,878千円(前年同期比30.4%増)で着地できました。限界利益から「固定費用」を差し引いた数値が各種利益項目になりますが、固定費用面はReebok事業の開始に伴う賃料等の増加によって当連結会計年度の地代家賃等は1,647,047千円(前年同期比16.3%増)と増加しましたが、広告宣伝費を中心にコストコントロールを進めた結果、532,412千円の増加に留めることができました。なお、マガシークの買収に伴い、2025年3月よりロコポートIを新たに稼働させることとなることで、2025年度から賃料は年間約500,000千円増加することを見込んでおりますが、マガシーク社も含めたジェイドグループとしての効率化を実現することで通期業績への影響を緩和できるように取り組んでまいる所存です。結果、EBITDAは1,878,733千円(前年同期比60.6%増)、営業利益は1,685,233千円(前年同期比70.0%増)、経常利益は1,705,344千円(前年同期比76.9%増)と、倉庫家賃増の影響を受けながらも増益で着地できました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,001,796千円(前年同期比20.4%減)となりました。
なお、2024年度にはマガシーク、FASCINATE、BRANDELI、TCB jeansもグループの一員となります。弊社は、2018年からファッションEC市場における『圧倒的な2位』を目指すと中期ビジョンとしてお伝えしてまいりましたが、本株式取得によってグループ取扱高は286億円(2024年2月期、親子相殺前)から約600億円(マガシーク2024年3月期見込値を含む概算値)と2倍の規模へと拡大する事で、この中期ビジョンを実現する事ができます。
さらにマガシーク買収を通じて、日本の通信業界を牽引する携帯電話会社が「集客」を支援し、日本のファッション業界を牽引する総合商社が「品揃え」を支援するという、ECにとっての2大重要要素を、各業界のリーディングカンパニーが支える完璧なバックアップ体制が構築されることとなります。「ファッションEC業界の取扱高1位を目指すためのパートナーシップの構築」という、将来に向けた大きな価値を得られたとも言え、その実現を目指してまいります。
各事業別の業績は以下のとおりであります。
事業別 |
前連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
|||
商品取扱高 (千円) |
構成比 (%) |
売上高 (千円) |
構成比 (%) |
|
ECモール事業 |
17,361,097 |
73.4 |
7,307,839 |
69.8 |
うち、自社モール |
14,967,435 |
63.3 |
- |
- |
うち、他社モール |
2,393,662 |
10.1 |
- |
- |
プラットフォーム事業 |
5,591,762 |
23.7 |
2,475,091 |
23.7 |
その他事業(店舗・卸等) |
676,725 |
2.9 |
681,552 |
6.5 |
合計 |
23,629,586 |
100.0 |
10,464,483 |
100.0 |
事業別 |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
|||
商品取扱高 (千円) |
構成比 (%) |
売上高 (千円) |
構成比 (%) |
|
ECモール事業 |
16,243,358 |
62.7 |
7,071,988 |
53.0 |
うち、自社モール |
13,760,238 |
53.1 |
- |
- |
うち、他社モール |
2,483,119 |
9.6 |
- |
- |
プラットフォーム事業 |
7,463,011 |
28.8 |
4,154,598 |
31.1 |
その他事業(店舗・卸等) |
2,208,600 |
8.5 |
2,129,583 |
15.9 |
合計 |
25,914,970 |
100.0 |
13,356,170 |
100.0 |
事業別 |
前年同期比較 |
|||
商品取扱高 (千円) |
対前年増減率 (%) |
売上高 (千円) |
対前年増減率 (%) |
|
ECモール事業 |
△1,117,739 |
△6.4 |
△235,850 |
△3.2 |
うち、自社モール |
△1,207,196 |
△8.1 |
- |
- |
うち、他社モール |
89,457 |
3.7 |
- |
- |
プラットフォーム事業 |
1,871,249 |
33.5 |
1,679,507 |
67.9 |
その他事業(店舗・卸等) |
1,531,874 |
226.4 |
1,448,030 |
212.5 |
合計 |
2,285,384 |
9.7 |
2,891,686 |
27.6 |
(注)1.当社グループの事業セグメントは、靴を中心としたファッション関連商品等の販売、企画、仕入事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.「自社モール」とは、「LOCONDO.jp」「FASHIONWALKER」「SPORTS WEB SHOPPERS」「waja bazar」の取扱高等になります。
3.「他社モール」とは、「楽天市場」及び「Yahoo!ショッピング」など他社モールにて展開する取扱高等になります。
4.ECモール事業の受託型に係る売上高については、販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。
5.前連結会計年度より、従来記載しておりました受託型商品取扱高比率は、当社のみの数値であるため記載しておりません。
a.ECモール事業
ECモール事業につきましては、複数ブランドをジェイドグループの屋号でもって、通販サイト経由で販売する事業で、販売在庫の中には受託型と買取型の2種類があります。一部の海外輸入ブランドや当社が自社開発しているD2Cブランドは買取型に当たります。商品取扱高は商品の販売価格を基に記載しておりますが、売上高は買取型については商品の販売価格を計上し、受託型については販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。「LOCONDO.jp」、「FASHIONWALKER」、「SPORTS WEB SHOPPERS」、「waja bazar」の運営、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」など他社モールへの出店を行っており、当連結会計年度においては出店ブランド数3,283となり、商品取扱高は16,243,358千円(前年同期比6.4%減)、売上高は7,071,988千円(前年同期比3.2%減)となりました。
b.プラットフォーム事業
プラットフォーム事業につきましては、ブランドの自社公式EC支援(BOEM)、倉庫受託(e-3PL)、店舗の欠品及び品揃え補強(LOCOCHOC)の運営等を行っております。「BOEM」における支援ブランド数は当連結会計年度末時点で33ブランドとなりました。これにより、当連結会計年度の商品取扱高は7,463,011千円(前年同期比33.5%増)、売上高は4,154,598千円(前年同期比67.9%増)となりました。
なお、倉庫受託(e-3PL)に関しては、ユーザーへの販売を伴わない商品補充等の出荷も含まれるため、その出荷額は商品取扱高には含めておりません。
c.その他事業(店舗・卸等)
店舗・卸事業につきましては、主にRBKJにて、リアル店舗での販売及び小売店への販売を行なっております。
当該事業の当連結会計年度の商品取扱高は2,208,600千円(前年同期比226.4%増)、売上高は2,129,583千円(前年同期比212.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,809,197千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は814,529千円となりました。これは主に棚卸資産が751,171千円増加した一方で、税金等調整前当期純利益の計上1,656,693千円によるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は3,567,005千円となりました。これは主に、子会社株式取得に係る前払金の支出3,198,750千円によるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により得られた資金は948,971千円となりました。これは主に自己株式の取得による支出669,231千円の一方で、短期借入金の増加1,600,000千円によるものであります。
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、ECモール事業における買取型及び店舗・卸等事業における商品の仕入費用及び商品を販売するために投下する広告宣伝費、商品を保管する倉庫の賃借料等の販売費、一般管理費があります。また、設備投資資金需要として倉庫の設備増強及びEC基幹システムへの投資等があります。
加えて、当社グループは、競争が激化するファッションEC市場において、既存サービス等との相乗効果が期待できる場合や、新サービスを導入することにより将来的な事業展開につながる可能性があると判断した場合には、事業提携やM&A等について積極的に検討をしていく方針であり、これらの施策のための資金需要があります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
販売実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討の内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、当社グループは「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場の動向等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループは、靴を中心としたファッション関連商品等の販売、企画、仕入事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:千円) |
|
ECモール事業 |
プラットフォーム事業 |
その他事業 (店舗・卸等) |
合計 |
外部顧客への売上高 |
7,307,839 |
2,475,091 |
681,552 |
10,464,483 |
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客売上高のうち、売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:千円) |
|
ECモール事業 |
プラットフォーム事業 |
その他事業 (店舗・卸等) |
合計 |
外部顧客への売上高 |
7,071,988 |
4,154,598 |
2,129,583 |
13,356,170 |
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客売上高のうち、売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
当社グループは、靴を中心としたファッション関連商品等の販売、企画、仕入事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
当社グループは、靴を中心としたファッション関連商品等の販売、企画、仕入事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
当社グループは、靴を中心としたファッション関連商品等の販売、企画、仕入事業の単一セグメントであるた
め、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
当社グループは、靴を中心としたファッション関連商品等の販売、企画、仕入事業の単一セグメントであるた
め、記載を省略しております。