リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要リスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)販売業等の許可等に関するリスク
当社グループの販売する歯科材料や歯科用機械器具類、薬用歯みがき類及び体外診断用医薬品は、人の口腔内疾患の診断、治療若しくは予防等に使用されるため、開発・製造段階から流通(販売後)に至るまで、細部にわたって医薬品医療機器等法の規制を受けており、法によって医薬品や医薬部外品、医療機器等に分類されます。これら商品を市販するには、販売業許可を都道府県知事から受ける必要があります。この許可要件としては、申請者に欠格要件が無いことや資格を有する管理者を相当数確保配置すること、また、医薬品や医薬部外品、医療機器等を医療機関に販売するためには、販売業許可も必要になります。当社グループではこれらの許可等の継続は事業にとって最重要課題のひとつとして認識をし、対応しておりますが、何らかの理由によりこれらの許可等を取り消される事態に至った場合、当社グループの事業の継続にとって悪影響を及ぼす可能性があります。上記許可等の有効期間は、販売業許可が6年、製造業許可が5年であり、法令で定める許可要件を満たさなくなった場合には、許可の取消がなされる可能性がありますが、本書提出日現在において、その継続に支障を来す要因は発生しておりません。なお、主な許認可は以下のとおりであります。
許認可等の名称 |
会社名 |
所管 官庁等 |
許認可等の内容 (有効期限) |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
医薬品販売業許可 |
株式会社歯愛メディカル |
石川県 |
許可番号卸第2C0040号 (2023年9月1日から 2029年8月31日まで) |
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という)その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は役員等が欠格条項に該当したとき(法第75条) |
高度管理医療機器等販売業・貸与業許可 |
株式会社歯愛メディカル |
石川県 |
許可番号第2H0197号 (2023年9月1日から 2029年8月31日まで) |
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動物用医薬品店舗販売業許可 |
株式会社歯愛メディカル |
石川県 |
石川県指令南畜第459号 (2023年9月1日から 2029年8月31日まで) |
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動物用高度管理医療機器等販売・貸与業許可 |
株式会社歯愛メディカル |
石川県 |
石川県指令南畜第461号 (2023年9月1日から 2029年8月31日まで) |
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第二種医療機器製造販売業許可 |
株式会社歯愛メディカル |
石川県 |
許可番号第17B2X10001号 (2023年3月5日から 2028年3月4日まで) |
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医療機器製造業登録 |
株式会社歯愛メディカル |
石川県 |
登録番号第17BZ200048号 (2023年9月18日から |
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医薬品販売業許可 |
株式会社デミライン |
石川県 |
許可番号卸第2C0042号 (2023年12月1日から 2029年11月30日まで) |
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高度管理医療機器等販売業・貸与業許可 |
株式会社デミライン |
石川県 |
許可番号第2H0202号 (2023年12月1日から 2029年11月30日まで) |
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高度管理医療機器等販売・貸与業許可 |
株式会社デンタルフィット |
石川県 |
許可番号第3H0148号 (2020年10月10日から 2026年10月9日まで) |
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第一種医療機器製造販売業許可 |
株式会社RayVision |
埼玉県 |
許可番号11B1X10032 (2023年2月27日から 2028年2月26日まで) |
(2)品質及び安全性に関するリスク
当社グループは「医薬品医療機器等法」やその他規制要求事項を遵守し、適切に品質管理を行っておりますが、当社グループが販売する医薬品や医薬部外品、医療機器等の使用によって、保健衛生上の危害が発生し、又は拡大するおそれがある場合には、これを防止するために、商品の自主回収、廃棄、販売の停止、情報の提供等必要な安全確保措置を講じなければなりません。その結果によっては当社グループが販売する商品の品質及び安全性に対する信用を損ない経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)法規制又は訴訟に関するリスク
当社グループの事業は、「医薬品医療機器等法」、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、その他にも環境規制等の様々な法規制に関連しております。当社グループでは法令遵守をはじめコンプライアンスを常に考慮した経営に努めておりますが、意図せざる理由により法令違反又は訴訟提起等が生じた場合、その結果によっては当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)知的財産に関するリスク
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないように、また当社グループの知的財産権が第三者に侵害されないように、知的財産保護のための体制を整備しております。しかし、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟が提起されたり、また第三者から知的財産権の侵害を受ける可能性を排除することは不可能であるため、このような事態が生じた場合、その結果によっては当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)医療保険制度の動向に関するリスク
当社グループの取扱製品・商品は、歯科医療に直接・間接に使用されますが、国内における歯科医療はその大半が健康保険による診療となるため、医療保険制度の動向が歯科材料の需要にも影響を与える可能性もあり、制度の変更があった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(6)市場のグローバル化及び他業種の市場参入に関するリスク
日本の歯科市場はアメリカ、欧州に並ぶ大市場であり、中国を中心とするアジア市場の成長性を考えた場合、欧米の材料・機器メーカーにとって、日本を含むアジア市場は、世界で最も有望な市場としてとらえることができます。世界的には、すでに欧米企業主導の市場再編の動きが活発化してきており、これらは欧米メーカーの世界戦略、とりわけ対日本・対アジア戦略の一環として認識する必要があります。これまで日本市場は、世界的に見ても特殊な健康保険制度や複雑な流通機構の影響もあり、外資の影響は比較的少なかったといえますが、市場のグローバル化に伴い、国際的な競争にさらされることになります。また、他業種からの参入についても販売競争の激化を引き起こし、これらの要因が当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)外国為替変動に関するリスク
当社グループが販売する商品の一部は、海外から輸入されており、当社グループが為替リスクを負っている外貨建取引における影響のほか、邦貨建取引においても価格引き下げ要求等、間接的な影響を受ける可能性があります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)倉庫の閉鎖又は操業停止に関するリスク
火災、地震又はその他の人災若しくは自然災害により当社グループの倉庫、設備等が閉鎖又は操業停止を余儀なくされた場合、当社グループの経営成績に対して深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)コンピュータ情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、ISO27001/ISMSの認証を取得するなど、情報セキュリティ委員会の設置・運営により情報管理の徹底を図っておりますが、コンピュータウイルス等の侵入やハッカー等による妨害の可能性が全く排除されている訳ではありません。もしこれらの被害にあった場合は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
(10)個人情報の保護に関するリスク
当社グループは、個人向け販売サイトである「デンタルフィット」の会員情報や「Ciモール」に会員として登録される医院(歯科医院・その他)、歯科技工所、動物病院、介護施設等に関する個人情報を保有しております。これらの情報管理については、ISO27001/ISMSの認証を受けるとともに、「個人情報の保護に関する法律」に基づき社内規程の整備、管理体制の構築、外部からの侵入防止対策の実施等を講じるとともに、従業員等に対し個人情報保護に係る啓発活動を実施し、その漏洩や不正使用の未然防止に努めております。しかしながら、人為的なミスや何らかの不正な方法等により当社グループが保有する個人情報が漏洩した場合には、当社グループの信用力の低下や損害賠償の請求等によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である清水清人は、当社グループの創業者であり、当社グループの経営方針や経営戦略の立案及び決定をはじめ、営業戦略や業務遂行等の経営全般において重要な役割を果たしております。当社は、ノウハウの共有、人材の獲得及び育成等により組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めてまいります。しかしながら、不測の事態により同氏の当社における職務執行が困難となった場合は、当社グループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)自然災害について
当社グループが行う通信販売事業は、火災・地震・台風等大規模な自然災害の影響を受ける可能性があります。災害の状況によっては、在庫商品が被害に遭うことにより価値が減少する可能性や、商品の確保が困難になる可能性があります。このため万一に備えて各種保険への加入や倉庫等の設備の充実に努めておりますが、予測を超えた事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)棚卸資産について
当社グループは、通信販売事業を行っており、棚卸資産として商品及び製品を計上しておりますが2023年12月末現在における残高は、商品及び製品85億63百万円となっております。
当社グループでは、見込んでいた価格での販売が困難な場合には、在庫リスクを軽減するため、販売価格の値引きにより販売を促進させる施策をとることがあります。その際、値引きによる利益の減少や棚卸資産の評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(14)製造物責任法(PL法)について
当社グループが販売する商品の一部は、当社グループで企画し海外の協力工場で委託生産した製造物を輸入し販売していることから、当社グループは製造業者としてPL法の適用を受けます。当社グループは、製造物の欠陥が発生しないよう細心の注意を払っており、万が一の場合に備え、製造物責任賠償についてはPL保険に加入しておりますが、製造物の欠陥により顧客の身体、財産等を毀損した場合、損害賠償義務の負担等が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)エア・ウォーター株式会社との関係について
当社は、同社との資本業務提携を通じ、医療関連事業において高いシナジーの実現により、今後当社グループの業績拡大と発展に大きく繋がるものと考え、2016年10月18日開催の取締役会において、同社との間で資本業務提携を決議し、同日付けで本提携を締結いたしました。本提携により、同社の当社総株主議決権の保有割合は38.98%であり、当社の主要株主及びその他の関係会社となっております。
本提携は、同社グループ内には当社グループと競合するような通販機能を保有していないこと、同社グループとの取引につきましては独立した第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っていることなどにより、当社グループの経営の独立性を損なうものではございません。
上記方針について、本書提出日現在では変更の予定はありませんが、将来変更された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)物流業者の値上げについて
当社グループは、商品配送のほとんどを大手物流業者に委託しております。当社グループとしては、リスク分散の観点からも各社との良好な取引関係の維持に努めるとともに、その他の配送業者との関係構築も常に模索しておりますが、今後、既存物流業者各社からの大幅な送料の値上げ要請があった場合、当社グループ事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)新型コロナウイルス感染症について
現時点では当社グループへの影響は限定的ですが、今後、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い当社グループ従業員や取引業者への感染拡大による事業の中断及び遅延等により、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、継続的な企業価値の向上を図るべく経営基盤の強化を進めていくと同時に、株主への利益還元を経営の最重要課題の一つとして位置付けております。このため、剰余金の配当につきましては、中長期的な成長のため戦略的投資等に必要な内部留保の充実に留意しつつ、連結での当期純利益の約10%を配当性向の目標として、将来にわたって業績に見合った安定的な配当を行なうことを基本方針としております。
上記の基本方針に基づき、当期の普通配当としての期末配当金につきましては、1株当たり25円22銭としました。
この結果、年間配当金は1株当たり25円22銭、連結での配当性向は12.1%となりました。
また、次期の配当につきましては現在未定ですが、上記の配当方針を踏まえ、業績の進捗や事業環境等を勘案して決定する予定です。
なお、剰余金の配当を行う場合には、年1回の期末配当を基本方針としており、配当の決定機関は株主総会であります。また、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を取締役会の決議によって行うことができる旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2024年3月26日 |
252 |
25.22 |
定時株主総会 |