リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループでは、会社が直面する不確実性について、CSR推進委員会コンプライアンス・リスクマネジメント部会が、当社及びグループ会社より提出されたリスク評価シートに基づき、財務諸表の重要な虚偽表示のリスクを中心として把握を進め、そのリスク評価を財務統制委員会にて検討し、経営会議においても認識しております。
各部門の長として業務執行にあたる当社の取締役は、それぞれが自部門に整備するリスクマネジメント体制の下、財務統制委員会の検討結果も踏まえながら、内在するリスクを把握、分析、評価して適切な対策を実施しております。
当社グループの事業、財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクについての主な事項は以下のとおりであります。
なお、記載内容について将来に関する事項については当連結会計年度末(2024年5月31日現在)において判断したものであります。
(1) 経済情勢に関するリスク
当社グループは、カーペットや壁紙、自動車や鉄道等の内装材、消臭関連商材といった製品を、国内外の各地で生産し、様々な市場で販売しております。このため、当社グループの生産拠点や主要市場において政治的混乱や深刻な景気後退が生じた場合には、消費低迷による在庫の増加、販売数量の減少や固定資産の減損等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 株価の下落に関するリスク
当社グループは、市場性のある株式を相当量保有しており、国内外を含めた情勢の変化等により株価が大幅に下落した場合には、有価証券の評価や売却における損失の発生等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。保有する株式については、定量・定性の両面から保有する合理性を定期的に検証し、保有数を見直しております。
(3) 製品の品質に関わるリスク
当社グループは「第二次環境対策宣言~KKR+Aのテーマのもとに~」をキーワードに掲げ、より快適で環境に優しい製品とサービスの提供を行うために、常に徹底した安全性と品質の確認を実施しております。しかしながら、予測できない原因により製品に重大な欠陥や品質トラブルが発生した場合、その欠陥や品質トラブルに起因した損害に対して多大な補償費用や賠償費用等の発生だけではなく、社会的信用や当社グループの事業に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料価格の高騰によるリスク
当社グループは、カーペットや壁紙、自動車や鉄道などの内装材、消臭関連商材といった製品を生産するために様々な取引先から原材料を仕入れており、その原材料価格は常に市況により変動しております。取引先とは、取引基本契約を結び、安定的な取引を前提とし、適正な価格での仕入れに努めておりますが、原材料価格の高騰が原価高につながり、製品価格に転嫁できない、又は転嫁できる時期が遅延した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 海外での事業活動に関わるリスク
当社グループは、海外市場における事業拡大を重要な戦略の一つとしております。現在、米国をはじめ中国、タイ、インドネシア、インド、メキシコ、ベトナムの7ヵ国に関係会社があり、今後、著しく経済成長の見込まれる海外市場には積極的に投資を行い進出していく可能性があります。海外における投資や事業展開は、各国における諸規制のほか、経済的、社会的及び政治的リスク等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、海外子会社の責任者との情報共有を密にし、現地の経済・社会情勢に関する情報を収集して事業展開への影響を把握しております。
(6) 為替変動によるリスク
当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、為替レートの変動の影響を大きく受ける状況にあります。また、当社グループの取引先には外貨による輸出・輸入が含まれております。そのため、為替予約等により為替相場の変動リスクを軽減する措置を講じておりますが、そのリスクをすべて排除することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害及び事故等に係るリスク
当社グループは、国内外に生産拠点を配置しておりますが、大規模な地震、台風、洪水等の自然災害や火災等の突発的な事故の発生により、当社グループの生産設備等が多大な被害を受けた場合は、操業が一時的に中断され、生産及び出荷が遅れる可能性があります。また、災害及び事故等の発生による破損した建物や設備の復旧に多額の費用が発生する恐れがあり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、災害発生時の速やかな情報収集が重要と考えており、災害発生初期段階の行動指針となるBCP行動計画を策定し、緊急時の体制整備に努めております。
(8) 貸倒れリスク
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、貸倒引当金を計上しておりますが、景気後退等により重要な取引先が破綻した場合や取引先の信用不安によって予期せぬ貸倒れが発生した場合には、貸倒引当金を大幅に超える貸倒損失が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループでは与信管理規定に則った取引先別の与信限度額を設定し、契約履行の過程で常に細心の注意を払い取引を行っております。
(9) 情報管理に関するリスク
当社グループは、様々な事業活動を通じ、個人情報をはじめとする多数の重要な機密情報を管理しております。これらの情報については、社内体制の整備や情報システム等に対する徹底した従業員教育により対策を講じておりますが、不測の事態により情報漏えい等が発生した場合、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすだけではなく、損害賠償責任の発生等により経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、昨今のサイバー攻撃増大の情勢を受け、標的型メール訓練の実施や端末へのハッキング検知防御機能、外部業者による常時監視の導入などの取り組みを行っております。また、外部によるリスクアセスメント結果に基づき、セキュリティ対策の強化とインシデント発生時の対応体制の整備に向けて、全社的な取り組みを進めております。
(10) 知的財産に関するリスク
当社グループは、他社製品との差別化を図るために独自の技術とノウハウを蓄積し、常にその保護に努めております。しかしながら情報技術の急激な進展やグローバル化等により、当社グループ独自で開発した技術やノウハウが外部へ流失する可能性や類似製品の製造を完全に防止できない可能性があります。
さらに、当社グループでは、他社の知的財産権を侵害しないよう配慮しながら、製品や技術の開発を行っておりますが、これらの開発成果が他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性もあります。このように、当社グループの知的財産権が侵害され、あるいは当社グループが他社の知的財産権を侵害しているとされた場合には、当社グループで売上減少や損害賠償支払いが生じる等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、グループ内での教育・啓蒙活動を定期的に実施し、当社グループの保護・活用、第三者の知的財産権侵害防止に努めております。
(11) 訴訟によるリスク
当社グループは日々、事業活動を展開する中で、法令遵守によるコンプライアンス経営に努めております。知的財産権、製造物責任、環境、労務といった様々な法規制の適用を受けており、それらによる訴訟の対象となる可能性があります。その結果、経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
(12) 新たなウイルス感染症・疫病発生に関するリスク
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、新たなウイルス感染症・疫病発生などにより一時的に事業活動を停止又は制限せざるを得ない状況となった場合に、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(13) その他のリスク
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主への利益還元を重要な経営課題の一つと考え、安定した株主還元及び継続的な還元拡充を基本方針としております。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としており、配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
これらの方針と当事業年度の業績等を勘案し、中間配当については1株当たり35円とし、期末配当については1株当たり35円とさせていただきました。
内部留保資金につきましては、将来の企業価値向上に向けた設備投資・研究開発等の資金に活用してまいります。
当社は、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。なお、基準日が当事業年度に係る剰余金の配当は、2024年1月12日の取締役会決議によるものが総額236百万円(1株当たり配当額35円)、2024年8月29日の定時株主総会決議によるものが236百万円(1株当たり配当額35円)であります。