人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数94名(単体) 2,373名(連結)
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平均年齢42.6歳(単体)
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平均勤続年数15.3年(単体)
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平均年収7,327,273円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
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2024年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
鉄構 |
918 |
土木 |
592 |
建築 |
135 |
ソリューション |
198 |
その他 |
387 |
全社(共通) |
143 |
合計 |
2,373 |
(注)1 従業員数は就業人員数であります。
2 全社(共通)は、総務及び経理などの管理部門並びに研究開発部門の従業員であります。
(2)提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
94 |
42.6 |
15.3 |
7,327,273 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
全社(共通) |
94 |
合計 |
94 |
(注)1 従業員数は就業人員数であります。
2 平均勤続年数は、当社グループでの勤続年数を加算しています。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
4 全社(共通)は、総務及び経理などの管理部門並びに研究開発部門の従業員であります。
(3)労働組合の状況
当社グループには、主に川田労働組合(組合員数 881人)が組織されています。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性 労働者の割合(%)(注)1 |
男性労働者の育児 休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1 |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
11.9 |
- |
79.6 |
79.9 |
56.2 |
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 当社の登用基準は知識、経験、能力をもって判断するものであり、賃金制度においても同一労働・同一賃金の原則に則り、性差は設けていません。
②連結子会社
当事業年度 |
||||||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
|||||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
川田工業㈱ |
0.6 |
72.7 |
- |
- |
(注)2 |
71.7 |
73.2 |
41.8 |
川田建設㈱ |
1.3 |
- |
100.0 |
* |
(注)1 |
58.4 |
61.3 |
40.2 |
川田テクノシステム㈱ |
- |
25.0 |
- |
- |
(注)2 |
68.6 |
70.7 |
55.6 |
㈱橋梁メンテナンス |
- |
50.0 |
- |
- |
(注)2 |
77.4 |
77.6 |
- |
富士前鋼業㈱ |
* |
* |
- |
- |
(注)2 |
* |
* |
* |
東邦航空㈱ |
- |
50.0 |
- |
- |
(注)2 |
74.6 |
80.3 |
51.8 |
新中央航空㈱ |
- |
* |
- |
- |
(注)2 |
62.0 |
69.5 |
68.5 |
カワダロボティクス㈱ |
- |
* |
- |
- |
(注)2 |
78.7 |
79.3 |
- |
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 「*」は割合算出の対象となる労働者が無いことを示しています。
4 当社グループの各企業における登用基準は知識、経験、能力をもって判断するものであり、賃金制度においても同一労働・同一賃金の原則に則り、性差は設けていません。
③連結会社
当連結会計年度 |
||||
管理職に占める女性 労働者の割合(%) |
男性労働者の育児 休業取得率(%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
1.3 |
67.3 |
67.8 |
71.2 |
45.5 |
(注) 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、以下のとおりであります。
なお、本文書は、提出日時点での情報に基づいて作成されています。ただし、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在での当社グループの判断に基づいています。
当社グループは、グループ理念である「安心で快適な生活環境の創造」を基に、「八方よし」(※)の精神に則り、全てのステークホルダーとの対話や共創を通じて、「持続可能な社会の実現」と「グループの持続的な成長」を目指し、2022年3月に以下のサステナビリティ基本方針を制定しました。
※「八方よし」とは、近江商人の心得と言われる「三方良し」を独自に、さらに拡張し、ステークホルダー全てに利をもたらす企業グループを目指すという考え方です。
〇サステナビリティ基本方針
当社グループは、企業経営と社会課題の長期的なトレンドを重視し、事業環境や社会・地球的な課題の長期的な展望やビジョンを検討することにより、様々なリスク・機会を抽出しています。また、業界として期待される役割や社会的使命にも目を向け、企業が果たすべき役割を考えています。さらに、組織全体で共有する企業理念や価値観を明確化し、それに基づいた行動を求めています。これらの要素を考慮し、組織としての持続可能性に関する重要課題(マテリアリティ)を2023年3月に特定しました。また、組織や個人がリソースの最適化や効果的な時間管理を行い、重要課題の解決に向けた取り組みが行えるよう重点課題を設定しました。
そして、2024年6月に重点課題についての考え方を明確化し、重点課題の統合や重要課題(マテリアリティ)及び重点課題の名称変更を行いました。さらに、各重点課題に対する対策、具体的な内容、指標、一部目標値及び2023年度実績を追加しました。
〇重要課題(マテリアリティ)における検討要素
○重要課題(マテリアリティ)
詳細な内容につきましては、弊社ウェブサイト(https://www.kawada.jp/csr/materiality/)をご参照ください。
(1)ガバナンス
取締役会の諮問機関として、サステナビリティ推進委員会を設置しています。委員長は取締役であるサステナビリティ推進室長が務め、取締役会が選任する委員で構成されます。委員会は原則として毎月開催され、同委員会の下部組織として当社グループ各社の総務部長等をメンバーとしたサステナビリティ推進会議、さらにその下部組織として当社グループ各社のサステナビリティ推進委員会が存在します。これらの委員会への指示・諮問に対する報告・答申に基づき、幅広いサステナビリティ課題について、その相互連関性などを含めたリスクや機会を議論し、対応策を検討し、定期的または必要に応じて取締役会に報告・答申を行います。
取締役会は重要な方針や課題についての審議・決定を行い、その後、サステナビリティに関するさまざまな活動の内容や進捗状況等についてモニタリングを行います。また、指揮・監督の責任も担い、サステナビリティへの取り組みがサプライチェーンを含めて適切に進められているかを確認します。
このように、取締役会並びにサステナビリティ推進委員会がそれぞれの役割分担を通じて、そしてそれらが有機的に連携することで、サステナビリティ経営を着実に推進しています。
〇サステナビリティ推進体制
(2)リスク管理
サステナビリティ推進委員会は、当社グループ各社の取締役や経営幹部に対して意識調査を実施し、サステナビリティ課題に対して高い関心を持っていることを確認するとともに、重要なリスクや機会を網羅的に抽出します。さらに、外部専門家の助言を活用し、専門知識に基づいた重要なリスクや機会の特定を行っています。
特定されたリスクや機会は、取締役会に報告され、審議・決定の対象となります。取締役会の関与により、組織全体のリスク管理の透明性と責任を確保しています。さらに、取締役会はリスクや機会への対応状況等のモニタリングを行い、適切な指揮・監督を行っています。以上のようなサイクルを回すことで、変化する状況の中での新たなリスク要因や事業機会に対応するための努力を継続的に行っています。
(3)重点的に取り組んでいく課題
上記のガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重点的に取り組んでいく課題の中で、本報告書に「戦略」並びに「指標及び目標」を開示する項目は以下のとおりです。
・気候変動問題への積極的な貢献
・人的資本経営の徹底
・人権尊重経営の徹底
① 気候変動問題への積極的な貢献
国際連合「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、産業革命前からの気温上昇を1.5℃以内に抑えられない場合、異常気象や生物多様性の損失などのリスクが大きく高まると警鐘を鳴らし、その実現のためには温室効果ガス排出量を2035年に2019年比で60%減らす必要があると提言しています。当社グループは、重要課題(マテリアリティ)として「地球環境への貢献」を掲げ、その重点課題として「気候変動問題への積極的な貢献」を設定しています。地球温暖化を含む気候変動問題は、当社グループのステークホルダーを含め、この地球に暮らす全ての人々にとって喫緊の課題となっています。
2023年6月、当社グループはTCFD(※)の提言への賛同を表明し、気候変動問題への取り組みとTCFDの提言に沿った情報開示を進めるとともに、気候変動に関するリスク・機会に適切に対応し、「カーボンニュートラル社会の実現」と「中長期的な企業価値の向上」を目指しています。
※TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
G20の要請を受け、2015年に金融安定理事会(各国の金融関連省庁及び中央銀行からなり、国際金融に関する監督業務を行う機関)により設置された組織。金融市場の安定化を図ることを目的に、企業等に対して気候変動リスク及び機会の財務的影響の把握と情報開示を促している。
<戦略>
当社グループは、気候変動問題をリスク・機会の両面で捉えており、非常に重要な社会課題と認識しています。そして、移行リスクについては1.5℃以下シナリオ(※)、物理的リスクについては4.0℃シナリオ(※)を活用し、主に2030年代までを中心に、事業への影響度を勘案し、当社グループの全ての事業を対象にリスク・機会を検討・分析しました。以下に特定したリスク・機会を示します。
※1.5℃以下シナリオ
2050年までに地球規模で温室効果ガス排出量ゼロを実現する規範的シナリオ。
政策、エネルギー・産業構造、資源価格等は、IEA「World Energy Outlook2023」の「NZE2050シナリオ」、平均気温等気候変動に関する想定は「IPCC第6次評価報告書」の「SSP1-1.9シナリオ」に原則として準拠。
※4.0℃シナリオ
現時点で公表されている温室効果ガス削減に関する政策や目標の撤回を含めて、気候変動問題に対する有効な政策が実施されないシナリオ。
政策、エネルギー・産業構造、資源価格等は、IEA「World Energy Outlook2023」の「STEPSシナリオ」、平均気温等気候変動に関する想定は「IPCC第6次評価報告書」の「SSP5-8.5シナリオ」に原則として準拠。
〇気候変動に関するリスク・機会
また、当社グループは、2024年6月に移行リスクの財務的なインパクトの算出を完了しました。以下に算出結果を示します。
なお、物理的リスクについては現在も精査中です。以下にその現状を示します。
(移行リスク)
・炭素価格上昇のリスク
IEA「World Energy Outlook 2023」のNZEシナリオでは、2030年の炭素価格が140ドル/t-CO2と予想されています。後述のとおり当社グループの2030年度の直接排出(Scope1)と間接排出(Scope2)の排出量目標11,047t-CO2に対する潜在的な炭素税負担は1,546千ドルと試算されます。為替レートを1ドル145円(当連結会計年度平均値)と想定すると、この炭素税負担は224百万円(当連結会計年度の売上高に占める割合は0.2%)となります。ただし、実際の炭素税は、温室効果ガス排出量全体に一律に課されるのではなく、業界や企業の特性に応じて設定される可能性があるため、この試算額は上限と考えられます。当社グループでは、さらなる温室効果ガス排出量削減に取り組むことで、移行リスクの低減を目指します。
(物理的リスク)
・浸水被害のリスク
近年、日本国内では洪水や水害などによる浸水被害が甚大な経済損失を引き起こしており、これらは主要な物理的リスクとして認識されています。気候変動の影響により、浸水被害のリスクがさらに増大すると予測されており、企業の事業継続性を確保する観点からも浸水被害のリスクを検討することが重要です。さらに、日本は地震活動が活発な国であり、地震による津波の浸水被害についても考慮する必要があると考えています。
浸水被害のリスク検討の取り組みとして、国土交通省の「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き」を参考にし、各自治体のハザードマップや浸水ナビを活用して、浸水被害が大きいと考えられる主要事業拠点を特定しています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のRCP8.5シナリオ(4℃上昇に相当)を適用し、2030年度及び2050年度の浸水被害による資産への影響及び操業停止による売上高の減少などを精査しています。
<指標及び目標>
当社グループは、気候変動に関するリスク・機会を管理するための指標として、環境負荷に関する重要な要素である温室効果ガス排出量を考えています。また、気候変動に対する取り組みを推進し、環境への影響を最小限に抑えるため、当社グループによる温室効果ガス排出量の削減に加えて、サプライチェーン全体での削減に向けた取り組みも重要であると考えています。
(Scope1、2排出量)
GHGプロトコルの基準に基づき、2022年度を基準年度として、当社及び連結子会社8社の直接排出(Scope1)と間接排出(Scope2)の排出量を算定しました。これにより、当社及び連結子会社8社は使用電力をCO2排出量削減プランに切り替えるなど、環境負荷の低減に向けた取り組みを推進しています。そして、2024年5月、当社グループは温室効果ガス排出量削減目標として、2050年度までに実質ゼロ、2030年度までに2022年度比47%削減(内訳は、航空2社合計で4%削減、その他会社合計で70%削減)を設定しました。
(Scope3排出量)
GHGプロトコルの基準に基づき、2023年度のサプライチェーンを含む間接排出(Scope3)についても算定を行いました。今後、Scope3においても、2023年度を基準年とする温室効果ガス排出量削減目標を設定する予定です。
このように、当社グループでは、サステナビリティ推進委員会が中心となって、GHGプロトコルの基準に基づいた温室効果ガス排出量の算定と、中長期的な温室効果ガス排出量削減目標の設定及びその達成のための取り組みを推進し、気候変動への対応を引き続き行っていきます。
〇温室効果ガス排出量の削減目標と実績
(注)2023年度、当社グループはScope1・2の排出量算出の精緻化に向けた取り組みを行い、その結果を反映して2023年度の排出量を新たに算出しました。また、2022年度のScope1についても、精緻化の取り組みに基づき排出量をより適正な数値に変更しました。
② 人的資本経営の徹底
経済産業省の「人材版伊藤レポート2.0」や内閣府の「人的資本見える化ガイドライン」など、人的資本経営に関する重要な提言がなされています。当社グループは、重要課題(マテリアリティ)として「安心で公正な労働環境の整備」を掲げ、その重点課題として「人的資本経営の徹底」を設定しています。
<戦略>
2024年3月に以下のとおり「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」を制定しました。
(人材育成方針)
KTI川田グループは、グループ理念である「安心で快適な生活環境の創造」の実現において社員が企業の最も重要な財産であり、社員の成長と幸福感を尊重し共有することが組織の持続的発展に繋がると考えています。いつの時代にも技術を持って社会に貢献するために、経営理念に共感する多様な人材を採用し、培った技術の確実な伝承と専門性の向上に努めるとともに、時代の先を読み変革を推進できる人材の育成に努めてまいります。
また、グループの価値創造力の向上を図るため、人材のグループ内外の交流を促進してまいります。
(社内環境整備方針)
KTI川田グループは、社員の誠実さと主体性を引き出し、グループの一員としての誇りとやりがいを育む多様性と包摂性を兼ね備えた職場を重要と考えています。そのため、人権尊重経営の徹底をはじめとする適切な施策を実施し、社員が心身ともに健康で安心して働くことができる職場環境を整備してまいります。
また、安全と効率性・快適性を確保するため多彩なグループの専門性をもって技術的に職場の課題解決に当たるとともに、豊かな人生の実現とグループの持続的な発展に向けて、社員のキャリア形成を支援する教育体系の整備、多様な働き方を選択できる社内制度の拡充、働き方の変化に応じた公正な人事制度づくりを進めてまいります。
<指標及び目標>
当社グループは、重点課題である「人的資本経営の徹底」を図る上で、「多様な人材の採用」、「人材の育成及びキャリア構築支援」及び「ワークライフバランス・健康経営の継続的推進」はより重要度の高い課題と認識しています。
(多様な人材の採用)
今後の専門技術者やマネジメント人材の育成にあたり多様な母集団形成を進めるべく、労働者全体における割合の小さい女性労働者や外国人材について、正社員採用数を一定数維持していくことを目標として掲げています。
また、中途採用者については他業界からの人材も含め中核人材への登用が進んでおり、今後も積極的に採用を進めることを目的として目標を設定しています。
(人材の育成及びキャリア構築支援)
当社グループでは、各社独自のOJTや選抜型などの研修により社員の育成を図るとともに、グループ合同での研修などを通して交流を促進し、シナジー効果の最大化を目指しています。
また、資格の取得支援についてはグループ各社が独自の制度を運用しています。2020年度より役割等級制度を導入したグループ会社については各等級への昇級要件として職務上重要な公的資格を設定しており、キャリア構築の支援にも繋がっています。人材の育成及びキャリア構築支援の両面で有効な施策として、資格取得の支援について目標を設定しています。
(ワークライフバランス・健康経営の継続的推進)
ワークライフバランスの推進においては、当社グループ各社がそれぞれの事業特性に合ったさまざまな働き方改革の施策や各種教育を確実に実行することが不可欠と考えています。男性労働者の育児休業取得率は、いわゆる「仕事と家庭の両立支援」の風土醸成及び柔軟な勤務体制の整備状況を端的に示すものと考え、指標としています。また、特定の企業において管理職者に「メンタルヘルス・マネジメント検定(Ⅱ種)」の取得を要件として定めており、マネジメント人材におけるメンタルヘルスの理解促進を図っています。管理職登用前の取得やより早期の取得を促進するため、当該資格の取得率を目標として設定しています。
今後さらに人的資本に関する課題を掘り下げ、より企業価値の向上に資する施策の実施及び目標の設定を継続していきます。
③ 人権尊重経営の徹底
国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」や一般財団法人日本経済団体連合会の「企業行動憲章」が示すように、従業員の人権はもちろん、サプライチェーンや地域社会における人権尊重にも配慮することが、企業に強く求められるようになってきています。当社グループは、重要課題(マテリアリティ)として「安心で公正な労働環境の整備」を掲げ、その重点課題として「人権尊重経営の徹底」を設定しています。当社グループは、この課題に真摯に取り組み、社会的責任の実現を目指していきます。
<戦略>
2024年3月に以下のとおり「人権方針」を制定しました。
(人権方針)
1.人権に関連した国際規範の尊重・法令遵守
当社グループでは、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」等に定義される国際的な人権規範を尊重します。
2.適用範囲
本方針は、当社グループすべての役員・従業員に適用されます。また、当社グループの事業活動に関連する協力会社等のビジネスパートナーにも、本方針への支持を期待します。
3.人権デュー・デリジェンスの実施
当社グループは、人権デュー・デリジェンスの仕組みを構築し、継続的に実行していきます。また当社グループの事業活動における人権に対する負の影響を特定し、その防止または軽減を図ります。
4.救済・是正
当社グループが、人権に対する負の影響を直接的・間接的に引き起こした場合、または助長した場合は、適切な手段を通じて、その是正・救済に取り組みます。
5.教育・研修
当社グループでは、本方針を事業活動全体に定着させるため、すべての役員・従業員を対象にした教育・研修を実施します。
6.ステークホルダーとの対話・協議
当社グループでは、本方針を実行するにあたり、実際のまたは潜在的な人権への負の影響に関する対応について、関連するステークホルダーとの対話・協議を行っていきます。
7.情報開示
当社グループでは、本方針に基づく取り組みに関して、ウェブサイト等を通じて情報開示を行います。
8.責任者
当社グループは、本方針の実行等人権尊重への取り組みに責任を持つ担当役員を置き、実効性を担保します。
また、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿って、人権デュー・デリジェンスの仕組みを構築し、人権尊重経営の徹底に取り組んでいます。人権デュー・デリジェンスの構築にあたり、当社グループにおける重要な人権リスクの特定を以下のとおり行いました。
・ハラスメント対策
・労働安全衛生
・過剰不当な労働時間
・環境・気候変動に関する人権問題
・腐敗防止・企業倫理
今後は人権デュー・デリジェンスにおいて特定された重要な人権リスクに対し、適切な措置の実施・追跡調査・情報公開に取り組みます。
なお、当社グループ各社では内部通報制度が確立され、通報窓口が設置されていますが、現在の制度が人権尊重の観点から求められる水準に達しているかどうかを検証する必要があります。通報者の保護や公正な対応を強化するために、是正・苦情処理メカニズムの構築の改善に取り組みます。
〇人権尊重経営における全体の取り組み
<指標及び目標>
当社グループの役員・従業員の人権意識を高め、人権尊重の企業文化を醸成することが企業の持続的な成長に不可欠であると考えています。そのため人権啓蒙研修会を開催し、その受講率を指標として設定しています。
今後さらに人権に関する課題を掘り下げ、より企業価値の向上に資する施策及び目標の設定を継続していきます。