リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループの事業及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりです。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスクを十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をしてまいります。下記事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
(1) 当社グループの各事業のリスク
当社グループは、総合ロックメーカーとして、グローバルな事業展開を行っております。各事業セグメントにおけるリスクは以下のとおりです。
① 自動車部品事業(日本・北米・アジア・欧州)について
a.主要な販売先について
当社グループ連結売上高に占める自動車部品事業の比率は、前連結会計年度で75.2%、当連結会計年度で76.4%となっております。また、連結売上高に占める日産自動車株式会社グループに対する販売比率は、前連結会計年度で31.3%、当連結会計年度で34.7%となっております。
今後は、同社グループ以外の自動車メーカーとの取引や自動車部品事業以外の売上高も拡大していく方針ですが、主要販売先をはじめとした自動車メーカーの生産動向、当社グループ製品の装着率及び製品納入価格等によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
b.自動車部品の品質について
当社グループは、製品の不具合の発生防止には万全を期しておりますが、リコールやサービスキャンペーン等の重大不具合が発生した場合には、当社グループの経営成績が悪影響を受ける可能性があります。
② セキュリティ機器事業(日本・海外)について
a.住宅関連事業における住宅新築着工件数の影響について
住宅用ロックについては、住宅の新築着工の動向により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。当社グループは、住宅の新築着工の動向をモニタリングし、取締役会を含む各種会議体において、生産・販売計画の修正等の検討を適時に行っております。
b.ロッカーシステム分野における市場動向について
ロッカーシステムは、国内外の旅行者の増減による駅・空港関連施設の利用状況、レジャー関連施設の新設数やレジャー・観光市場の動向などにより、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、市場動向をモニタリングし、取締役会を含む各種会議体において、生産・販売計画の修正等の検討を適時に行っております。
(2) 全社的リスク
① 世界経済の急激な変動
当社グループでは、主要な事業分野であります自動車部品関連の製品をグローバルに供給していることから、世界的な景気の変動に強く影響されます。日本、アジア、北米及び欧州等世界の主要市場での予測を超える急激な景気後退と需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に多大な悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、世界経済全般のみならず、海外の特定地域に固有の経済動向に加え、近年の急速な技術革新等による産業構造等の変化が当社グループにおける既存のビジネスモデルや将来の財政状態、業績にどのように影響するかをモニタリングし、取締役会を含む各種会議体において検討を行っております。
② 為替及び金利変動の影響
当社グループの連結売上高に占める海外拠点売上高は、前連結会計年度で67.7%、当連結会計年度で68.6%となっております。
従いまして、当社グループの収益は、外国為替相場変動の影響を受けます。当社の連結財務諸表は、日本円で表示されているため、換算リスクと取引リスクという形で為替変動の影響を受けます。当社グループは、為替相場及び金利の変動リスクを軽減するために、現地調達や現地生産を拡大し為替リスクの低減を図るとともに、円建契約の推進やタイムリーな為替予約の実施等によるリスクヘッジに取り組んでおります。
③ 原材料価格の上昇
当社グループは、製品製造に使用する原材料、部品等を外部より調達しております。市況の変化による原材料価格の大幅な変動については、購入部品代や製造コストの上昇につながり、これらのコストを製品の販売価格に転嫁できない、あるいは仕入先がこれらのコストを十分に吸収できない結果、将来の収益性に悪影響を与える可能性があります。当社グループは、市況動向をモニタリングし、取締役会を含む各種会議体において、その影響度の確認を適時に行っております。
④ 海外事業展開のリスクについて
当社グループは、グローバルに事業を展開しているため、様々なカントリーリスクにさらされています。これらのリスクとは、自然災害、事故などによるインフラの障害や、戦争、テロ、ストライキ、操業の中断等があげられます。当社グループが製品を製造するための材料・部品・資材等を調達し、又は当社グループの製品が製造・流通・販売される主な市場において、これらの事態が生じた場合は、事業運営に障害又は遅延をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、世界各国の動向について各拠点から情報を入手しモニタリングしたうえで、適時に必要な措置を取れる体制を整えております。
⑤ 法的規制・訴訟
当社グループは国内外において、各種法令・規制に則り事業活動を行っております。グループ全体として法令遵守の徹底を図っておりますが、新たな法規制の導入や法規制の想定外の変更により、事業活動に対する制約、コストの増加等を通じ、当社グループ業績に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループがこれらの法規制に抵触したと当局が判断した場合には、当社グループが課徴金等の行政処分、刑事処分、訴訟等の対象となり、当社グループの社会的評価が低下し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 知的財産権
当社グループは、知的財産を重要な経営資源と位置づけ、第三者の知的財産権に対する侵害の予防と当社グループが保有する知的財産権の保護に努めております。しかし、見解の相違等の理由により、第三者からの特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償等を提起された場合、第三者による知的財産権侵害により当社グループの競争優位性が侵害を受けた場合等には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 環境規制
当社グループは、国内外において、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、廃棄物処理、省エネルギー・地球温暖化対策等に関し、様々な環境関連法規制の適用を受け、これに対応しております。将来、新たな環境に関する規制が導入された場合や既存の規制が厳格化された場合、当社グループがこれらの法規制に抵触したと当局が判断した場合等には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ ロシアによるウクライナ侵攻について
ロシアによるウクライナ侵攻による情勢については、金融市場への影響、エネルギー価格の上昇等、グローバルな政治的・経済的不確実性があります。この軍事的対立がさらに激化、長期化した場合にはエネルギー価格の高止まりだけでなく、地政学的リスクの高まりや世界的インフレーションの加速といったリスクが顕在化し、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 固定資産に関する減損リスク
当社グループが保有する有形固定資産、のれん及び無形資産等の固定資産は、減損リスクにさらされております。現時点において必要な減損等の処理を実施し、適時適切な各拠点の業績管理及び経営指導・助言を行っておりますが、今後、各種市況の悪化、需要の減退及び開発計画の変更等に伴い保有固定資産の経済価値が低下した場合には、さらに必要な減損処理を実施することになります。このような場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金配当を行うことを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、1株当たり45円の配当(うち中間配当20円(創業100周年記念配当10円が含まれております。))としております。
(注)2023年8月10日開催取締役会決議により、利益配分に関する基本方針を、「連結配当性向30%を原則とし、累進配当を目指します。」に変更しております。変更後の基本方針は2025年3月期より適用することとしております。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上にコスト競争力を高め、市場ニーズに応える新技術・新製品の開発体制を強化するとともに、グローバル戦略の展開を図るために有効投資してまいりたいと考えております。
当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。