2024年5月期有価証券報告書より
  • 社員数
    5,504名(単体) 5,512名(連結)
  • 平均年齢
    31.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    6.8年(単体)
  • 平均年収
    4,618,023円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の従業員数を事業部門別に示すと次のとおりであります。

(1) 連結会社の状況

2024年5月31日現在

事業部門等の名称

従業員数(名)

営業部門

5,310

 

(21,086)

管理部門

202

 

(670)

合  計

5,512

 

(21,756)

 

(注) 従業員数は就業人員であり、また従業員数の( )書は外数で、臨時雇用者の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年5月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

5,504

(21,719)

31.1

6.8

4,618,023

 

 

事業部門等の名称

従業員数(名)

営業部門

5,302

 

(21,049)

管理部門

202

 

(670)

合  計

5,504

 

(21,719)

 

(注) 1 従業員数は就業人員であり、また従業員数の( )書は外数で、臨時雇用者の年間平均雇用人員(1日8時間

         換算)であります。

2 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの労働組合は、UAゼンセンコスモス薬品労働組合と称し、ゼンセン同盟の専門店部会を上部団体として2000年9月24日に結成されました。2024年5月31日現在、2,830名の組合員を有しております。労使関係は、結成以来円滑に推移しております。

 

(4)  管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

 

 管理職に
 占める
 女性労働者
 の割合(%)
 (注1)

 男性労働者の
 育児休業
 取得率(%)
 (注2)

 労働者の男女の
 賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用
労働者

 パート
 有期労働者

12.6

28.3

48.4

78.0

112.1

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に定める公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(基本方針)

当社グループは、「コスモス薬品の店があることで、その地域の暮らしが豊かになることを目指します」を経営理念として掲げております。

「豊かな暮らし」とは、「日常生活で必要なものがすぐに入手できる便利で快適な生活」であると定義しております。そして、地域の皆様に生活必需品を家の近くで・便利に・しかも安く販売することで、「豊かな暮らし」を提供したいと考えております。当社グループが運営する店舗が、電気や水道のように「地域の生活に欠かせない店」となり、「その地域の社会的インフラ」、「その地域のライフライン」として機能することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、ドラッグストア事業を通して企業としての社会的責任を果たすことはもちろんのこと、事業活動を行う上での環境負担低減、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けても貢献してまいります。

当社グループは、当社グループの事業活動との関係性が深い4つのマテリアリティをサステナビリティ重要課題と認識し、課題の解決に取り組んでまいります。

 

重要課題(マテリアリティ)

当社グループの指針

主な取り組み

すべての人に健康と福祉を

当社グループの従業員はもとより、店舗を展開する地域の皆様の「健康」および「豊かな生活」を支えることが当社グループの事業そのものと言えます。

・一般用医薬品・処方箋薬の販売

・従業員への健康や美容に関する専門知識の教育

・店頭での健康や暮らしの相談等の実施

働きがいも経済成長も

当社グループでは、従業員1人ひとりが仕事を通して「人間としての成長」を目指し、目標を達成したときに味わう達成感を仲間と共に分かち合い、グループ全体で更なる成長を目指しています。

・性別や入社の経緯を問わず、やる気や能力による人事評価制度を採用

・従業員間で感謝を伝え合う「ありがとう」運動を実施

・自力出店、自力成長によって従業員が活躍できるポジションの創造

住み続けられるまちづくりを

当社グループは、日常生活の必需品が「近くで・便利に・しかも安く」購入できる店舗を展開することで、その地域の社会的インフラ・ライフラインとなることを目指しています。

・日常生活で使えばなくなる消耗品を満載した大型店舗を商圏人口1万人に1店出店

・ローコストオペレーションにより損益分岐点を引き下げることで、長期間安定的な店舗運営を実現

・地方都市でも安定的な雇用を創造

つくる責任つかう責任

当社グループの店舗で販売する商品は品質にこだわり、かつ、可能な限り低価格での販売を目指しています。また、環境負荷低減を意識した商品開発、店舗運営を目指しています。

・簡易梱包など環境負荷低減を考慮した商品開発

・廃棄ロスの削減

・レジ袋の使用削減、および、バイオマス配合比率90%のレジ袋採用

 

 

 

また、当社は気候変動への対応を重要な経営課題と認識し、TCFDの4つの開示項目(ガバナンス・戦略・リスク管理・指標及び目標)に沿って、その取り組みを開示いたします。

 

(1)ガバナンス

当社グループは代表取締役社長自らサステナビリティ推進の責任者となり、経営企画部が推進の事務局を担っております。そして、経営企画部が関係各部署と連携してサステナビリティに関わる基本方針や各種取り組みの実施状況を監視・管理し、適宜取締役会にて報告及び審議を行っております。

 

(2)戦略

① 気候変動リスクについて

気候変動に伴うリスク及び機会は、GHG(温室効果ガス)排出に関する規制等の低炭素社会への「移行」に起因するものと、気候災害の激甚化等の気候変動による「物理的」変化に起因するものが考えられます。当社グループでは、これらのリスクや機会を下記のように分類・評価し、事業戦略への影響度を分析しております。

 

分類

評       価

移行リスク

炭素価格

リスク:価格上昇により原材料およびオペレーションコストの増加

フロン規制

リスク:ノンフロン設備等の導入に伴う支出増

電気価格

リスク:単価上昇による支出増

消費者変化

機会:生活コストの上昇により、低価格業態への支持拡大

物理リスク

急性

リスク:異常気象による災害頻発、被災回数の増加

慢性

リスク:気温上昇による空調コストの増加

 

 

② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略について

<人材採用・教育 基本方針>

当社グループは、社是に「純情」を掲げ、「まじめで一生懸命な人材」の採用に力を注いでおります。そして、そのような人材が活躍できる企業文化を大切にしております。

人は、持って生まれた能力や、仕事に就くまでの経験の差が多少なりともあります。しかし、その差は仕事に対する情熱や熱意で埋められると考えます。よって、入社後は学歴・年齢・性別に関係なく、何よりも本人のやる気を重要視した上で責任のあるポストへの登用を進めております。

また、従業員の教育・育成に関しては、業務に必要な専門知識やマネジメントの知識を習得できる教育プログラムを構築しております。これに加えて、社員が心身ともに充実して仕事に取り組むには、良好な家庭環境が大事であるとの考えのもと、介護や育児に対してどのように取り組むかといった教育も実施しております。具体的には、従業員に対して親が元気なうちにどのような最期を迎えるべきかといった親子の会話を促したり、子育てを行う上での父性や母性のあるべき姿を社員教育の議題として取り扱うなどの教育を行っております。これらの取り組みが、従業員の介護や育児の精神的な負担軽減につながると信じております。

 

<人権方針>

当社は、「人を大切にする企業文化」に誇りを持っております。よって、様々なハラスメントには特に厳しく対処しております。セクシャルハラスメントやパワーハラスメントは当然ながら御法度であり、それが認定された場合は厳しい処分を課しております。同様に、カスタマーハラスメントに対しても、毅然とした対応を行っております。

通常のクレームに対しては真摯に耳を傾け業務改善に活かす活動を行っておりますが、当社従業員が当社店舗を利用する方から言われなき誹謗中傷や明らかな過剰要求を受けた場合は、当社グループ全店への入店禁止通告を辞さず対処しております。また、そのようなトラブルが生じた場合は、一時的には店長やエリア長といった営業現場の責任者が対処しますが、速やかな解決が図れないときは本社のお客様相談室の責任者が対応する体制を整えております。

上記のようなハラスメントに厳しく対処するなど、規律を重んじる企業文化があってこそ、営業現場のスタッフが安心して働くことができると考えます。それが従業員満足につながり、ひいては顧客満足の向上につながると信じております。当社が、公益財団法人日本生産性本部 サービス産業生産性協議会が実施する日本で最大規模の顧客満足度調査において、調査対象となって以来、ドラッグストア部門で14年連続の日本一という評価をいただいているのは、上記のような「人を大切にする企業文化」が功を奏しているのではないかと感じております。従業員満足度を客観的に計ることは難しいのですが、上記のような公的機関による大規模調査において高い顧客満足度評価をいただいていることは、従業員一同の誇りです。

また、当社が販売する商品の調達や購買においても、基本的人権を無視した過重労働や危険で劣悪な労働環境などが前提の供給や調達がサプライチェーンに存在しないように取り組まなければならないと考えております。今後も、取引先の協力を仰ぎながら人権尊重の取り組みを強化してまいります。

 

(3)リスク管理

当社グループは、事前に適切な対応策を準備し損失の危険を最小限にすべく、業務運営に係る全てのリスクについて適切に管理・対応できる体制の構築に努めております。代表取締役社長は、管理部門管掌取締役をリスク管理に関する統括責任者に任命し、当社および子会社の全社的なリスクを管理・統括しております。対応部署においては、必要に応じてマニュアルを制定し、所属する従業員に対する研修活動等を通じてリスク管理の徹底を図っております。不測の事態が発生した場合には、代表取締役社長が対応責任者となり、危機管理のためのチームを組成し対応することで、損失を最小限に止める体制を整備いたします。コンプライアンスに関するリスクに関しては、コンプライアンス相談窓口を設置し、当社および子会社の役職員による当該リスクの発生を未然に防ぐ努力を継続しております。

気候変動については、商品開発、物流、店舗運営、取扱商品、品揃えといった事業活動のすべてに関係し、グループの事業戦略に影響を及ぼします。つきましては、経営企画部が関係各部署と連携し、サプライチェーンのリスクと機会の状況把握を行い、その重要性評価に基づいた適切な対応を行ってまいります。

 

(4)指標及び目標

① 環境問題について

当社グループは、CO2排出量に対する目標数値を達成するために、LED照明への切り替えや、最新のインバータ機器を搭載した冷蔵・冷凍ケースの導入、太陽光発電の導入等を推進しております。

また、バイオマス90%配合のレジ袋の採用、てまえどり活動による食品ロスの削減、森林保護活動にも取り組んでおります。

なお、当社グループでは、CO2排出量削減への取り組みとして、1店舗あたりのCO2排出量について2030年度に2013年度比で50%削減することを目標としております。2023年度における1店舗あたりCO2排出量は205.2t-CO2となり、2013年度比45.4%の削減となっております。

 

年度

排出量

(t-CO2)

1店舗あたり排出量

(t-CO2)

2013年度

197,060

376.1

2014年度

218,254

367.4

2015年度

231,840

343.7

2016年度

241,198

317.8

2017年度

244,819

289.7

2018年度

260,548

280.6

2019年度

216,353

214.5

2020年度

215,695

201.0

2021年度

272,760

236.7

2022年度

251,771

199.3

2023年度

286,168

205.2

 

 

 

② 人材の活躍・育成について

当社は、性別等を問わず多様な人材が本人のやる気と実力次第でより重要なポストを担うことができる人事制度の構築が重要であると考えます。つきましては、会社として男性の育児休業取得目標や性別による管理職比率の目標を設定するのではなく、会社として目指す方向性と従業員個々の価値観を合わせていく努力を怠らず、結果として男女の賃金格差や管理職比率等があるべき姿になることが理想であると考えます。

当社が営むドラッグストア事業は、その事業特性から、ご来店いただくお客様・従業員の両方とも圧倒的に女性の比率が高くなっており、店舗運営における女性の視点は非常に重要であると考えております。当社では、昇進・昇格の基準や同一職務及び同一職位の賃金などで性別による差異はないものの、管理職の比率や統計的な平均賃金に性差が生じております。具体的には、2024年5月末時点での女性の管理職(本社管理職、店長・薬局長、および店舗等の従業員を指導管理する役割を担う指導的立場の役職者を含む)の比率は12.6%、2024年5月期の男女賃金格差は、全労働者のうち男性の賃金に対する女性の賃金の割合は48.4%、正社員のうち男性正社員の賃金に対する女性正社員の賃金の割合は78.0%、時給者のうち男性時給者の賃金に対する女性時給者の賃金の割合は112.1%でした。

これは、当社における経営幹部候補としての総合職女性の本格的な採用が2002年以降であり、女性管理職のロールモデルが十分に確立していないことが一因になっております。また、ドラッグストア店舗を多店舗展開する事業の特性上、全従業員に占める正社員の人数よりも短時間勤務の時給労働者の人数が圧倒的に多く、その大部分が女性であることから統計的な男女別の賃金は女性の方が低くなっております。よって、上記の各指標が必ずしも女性の活躍度合いを示すものではないと考えます。今後も従業員それぞれの「働き方」の要望をできるだけ正確に把握し、個人の希望と会社のニーズを合致させながら性別に関係なく活躍できる組織を築いていきたいと考えております。

なお、当社における男性社員による育児休暇の取得率は28.3%となっており、今後も女性従業員がもっと活躍できるように、仕事と結婚・出産を両立しやすい環境の整備や、産休等で休職した社員が復職しやすい雇用・就労形態の設計などを進めてまいります。

なお、当社グループでは、上記の人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取り組みが行われておりますが、連結グループにおける主要な事業に占める提出会社の割合が非常に大きいことから、提出会社の指標を記載しております。