2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

また当社は「神栄グループリスクマネジメント規則」に基づき、当社グループの事業の遂行上、想定し得る重要な個別リスクに関し、組織的・体系的に対処することとしております。これらの個別リスクは、当社グループ横断的に設置する常設の内部統制委員会で適切な管理を行い、リスクの未然防止を図るとともに、管理対象とすべき新たなリスクが生じた場合は、速やかに、当該リスクに対する施策を講じます。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) 事業上のリスク

① 自然災害、感染症および国際情勢などにかかるリスク

当社グループは国内をはじめとして、中国、東南アジア、米国等の世界各国における事業を展開し、情報ネットワークを構築しており、気候変動により起こる異常気象や自然災害、感染症の流行、一部の地域および国家間における戦争や紛争ならびに緊張状態等の地政学リスクの増大、テロ、疾病、社会的混乱、公的規制の制約等が発生した場合、その地域においては原材料購入、生産加工、製品の販売および物流等に一時的な遅延や停止が生じる可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 訴訟にかかるリスク

当社グループは国内外で事業を遂行する上で、訴訟やその他の法的手段の当事者となる可能性があり、重要な訴訟等が提起された場合または事業遂行の制限が加えられた場合、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社は2014年11月に米国で提起された当社グループを含む日系コンデンサメーカーにおける取引において米国反トラスト法に違反したと主張する複数の訴訟等(集団訴訟を含む)への対応を行ってまいりましたが、米国におけるすべての訴訟について原告との間で和解の合意に達しております。しかしながら、米国外で提起されている訴訟等の動向によっては当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 商品および原材料の調達にかかるリスク

当社グループの食品関連における商品および原材料の調達は、その多くを中国から輸入しております。中国以外の調達ルートの開拓も進めており、中国への輸入依存リスク軽減に努めておりますが、中国の政治・経済情勢等の変化、法律の改正、紛争、気候変動、自然災害、感染症の流行等の不測の事態により調達できなくなった場合には、当社グループの販売活動に影響が生じ、当社グループの財政状態、経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④ 取扱商品の品質にかかるリスク

当社グループは国内および海外に生産拠点や協力工場を有しており、社会への貢献という当社グループの経営理念にもとづき、安全・安心のための品質基準を設けて、製品・商品の品質管理には細心の注意を払い万全の体制をとっていますが、食品の安全に関する問題など製造および販売に関して予期しない何らかの問題が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 情報システムの障害にかかるリスク

当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、セキュリティの高度化などシステムやデータの保護に努めております。それにもかかわらず、災害やサイバー攻撃など外的・人為的要因などにより情報システムに障害が生じた場合、業務の停止や機密情報・個人情報・その他データの盗取や漏洩などの問題を引き起こし、事業活動の継続に支障をきたし、その結果、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 法令および規制にかかるリスク

当社グループにおいて展開する事業は、食品衛生法、建築基準法ならびに独占禁止法など各種の法令および規制の適用を受けております。そのため、法令および規制の変更、または規制当局による措置その他の法的手続きにより、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 財務・会計上のリスク
① 資金調達および金利上昇にかかるリスク

当社グループは商品を輸入して国内の販売先に供給する事業のウエイトが高く、輸入商品の支払サイトに比べて国内販売の受取サイトが長いことから運転資金の負担が発生し、有利子負債が比較的多額となっております。現時点においては、借入金・社債による資金調達に支障はありませんが、今後、金融システム・金融情勢の大きな変化や取引金融機関の融資姿勢の変化によっては、資金調達や借入条件に影響が出てくる可能性があります。

また、市場金利が上昇する局面においては、支払利息等の資金調達コストが増加することが想定されるため、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 債権の貸倒れにかかるリスク

販売先の倒産等による与信リスクについては、当社グループ独自の与信管理システムにより債権管理に万全を期していますが新型コロナウイルス関連の制度融資等にかかる返済本格化による与信リスクの増大など、経済環境の変化による予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、売上債権の回収に支障を来たした場合には、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 繰延税金資産にかかるリスク

当社グループは、過年度に生じた税務上の繰越欠損金を有しており、予測される将来の課税所得の見積りに基づき、税務上の繰越欠損金に対する繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得がその見積り額を下回ることとなり、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産が取り崩されて税金費用が計上されることで、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3 【配当政策】

株主の皆さまへの利益還元を経営の最重要課題と位置付けた中、当社の利益配分は、業績や配当性向に加え、企業価値の向上・拡大に向けた戦略的投資や健全な財務体質構築に向けた内部留保などとのバランスを総合的に勘案し進めていくことを基本方針としております。

当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本的な方針としており、配当の決定機関は株主総会であります。

当事業年度の配当につきましては、上記基本方針に基づき、当期の業績を踏まえ、財務体質の強化も考慮しつつ利益に応じた株主還元を実施する観点から、1株当たり80円といたしました。

また、内部留保資金の使途につきましては、今後の事業展開への備えといたします。

 

(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2024年6月26日

327

80.00

定時株主総会決議