2023年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    5,940名(単体) 53,239名(連結)
  • 平均年齢
    41.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.2年(単体)
  • 平均年収
    9,270,004円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

 

(1)連結会社の状況

 

(2023年12月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

たばこ事業

46,698

[7,763]

医薬事業

1,338

[59]

加工食品事業

4,299

[253]

提出会社の全社共通業務等

904

[118]

合計

53,239

[8,193]

(注)1.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外書で記載しております。

2.提出会社の全社共通業務等は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数です。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

(2023年12月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

5,940

41.4

15.2

9,270,004

[257]

 

    セグメントごとの従業員数は以下のとおりです。

セグメントの名称

従業員数(人)

たばこ事業

4,781

[236]

医薬事業

715

[16]

加工食品事業

24

[0]

提出会社の全社共通業務等

420

[5]

合計

5,940

[257]

(注)1.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外書で記載しております。

2.提出会社の全社共通業務等は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数です。

3.従業員数は契約社員(32人)、休職者(200人)、当社への出向者(87人)を含み、当社からの出向者(607人)は含んでおりません。

4.平均勤続年数には、日本専売公社における勤続年数を含んでおります。

5.平均年間給与(税込)は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

 当社グループにおいて、労使関係は安定しており特記すべき事項はありません。

 

(4)多様性に関する指標

当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりです。

①女性活躍推進法、育児・介護休業法に基づく開示

 

管理職に占める

女性従業員の割合

(%)

男性の育児

休業取得率

(%)

男女の賃金格差(%)

全従業員

従業員

臨時雇用者

当社

8.3

84.4

75.5

75.6

104.7

TSネットワーク㈱

1.7

100.0

34.4

77.6

66.0

ジェイティ物流㈱

100.0

91.7

84.6

130.0

日本フィルター工業㈱

5.1

60.0

65.8

75.2

87.3

ジェイティプラントサービス㈱

4.1

100.0

77.3

81.3

104.9

富士フレーバー㈱

4.2

66.7

84.7

79.2

107.3

鳥居薬品㈱

10.6

96.8

80.3

83.9

43.3

テーブルマーク㈱

6.8

84.6

60.7

63.2

74.2

富士食品工業㈱

11.0

100.0

62.5

67.4

100.6

ケイエス冷凍食品㈱

14.3

100.0

62.7

86.4

78.3

日本食材加工㈱

100.0

50.4

66.2

84.7

㈱フードレック

66.9

82.1

49.4

サンバーグ㈱

100.0

71.4

72.2

89.3

加ト吉水産㈱

12.5

67.6

82.2

74.7

一品香食品㈱

*

79.9

82.8

92.6

㈱光陽

100.0

73.3

70.5

80.1

㈱ジェイティクリエイティブサービス

21.4

100.0

72.6

89.6

48.4

㈱JTビジネスコム

23.3

150.0

71.4

94.0

106.9

(注)1.従業員数は、正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでおります。

2.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

3.全従業員は、従業員と臨時雇用者を含んでおります。

4.管理職に占める女性従業員の割合については、出向者を出向先の従業員として集計しております。

5.男性の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであり、出向者は出向先の従業員として集計しております。なお、過年度に配偶者が出産した従業員が、当事業年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。

6.「*」は男性の育児休業取得の対象となる従業員が無いことを示しております。

7.「―」は該当がないことを示しております。

8.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。出向者は、出向先の従業員として集計しております。

 

②連結会社の状況

 

管理職に占める

女性従業員の割合

(%)

男性の育児

休業取得率

(%)

男女の賃金格差

(%)

当社及び連結子会社

23.5

87.7*

70.3*

(注)1.正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含めて算出しております。

2.管理職に占める女性従業員の割合については、出向者を出向先の従業員として集計しております。

3.男性の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであり、出向者は出向先の従業員として集計しております。

   4.「*」は、集計を実施している国内連結子会社のみの集計値であり、集計を実施していない連結子会社は含めておりません。

5.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。賃金は、基本給及び賞与等のインセンティブを含んでおります。出向者は、出向先の従業員として集計しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、別段の表示が無い限り、当該事項は提出日現在において判断したものです。

 

(1)サステナビリティ全般

当社グループの長期的な成長には、事業活動を通じ、社会の発展に貢献していくことが必要不可欠であり、事業と社会のサステナビリティ実現に向けた取組みは従来から経営の根幹をなすものと考えています。当社グループでは、経営理念である「4Sモデル」及びJT Group Purposeに基づき、事業と幅広いステークホルダーにとっての重要課題(マテリアリティ)を特定し、これを基にサステナビリティ戦略を定めています。グループ全体で推進力を持って取組むことにより、社会課題の解決及び事業の持続的な成長を実現していきます。

 

  ①ガバナンス

サステナビリティの重要事項については、取締役会決議事項・報告事項としています。具体的に近年ではマテリアリティの改定について取締役会での決議を得たほか、JTグループ環境計画や各事業における注力分野及び目指す姿と中期取組み目標の進捗、マテリアリティの改定を踏まえた全社サステナビリティターゲットであるJT Group Sustainability Targetsの策定について、取締役会に報告しました。

 

また、当社グループのサステナビリティ課題を議論する場として、2020年から定期的にサステナビリティ検討会を開催しています。サステナビリティ検討会はChief Sustainability Officerを議長とし、当社グループの各事業・コーポレート部門の責任者が参加しています。2023年には3回開催し、マテリアリティの改定を踏まえたJT Group Sustainability Targetsの策定、温室効果ガス(以下「GHG」という)排出量削減についての取組みと目標に対する進捗、人権尊重の取組みとガバナンス、事業毎のサステナビリティ課題、CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive:企業サステナビリティ報告指令)、ステークホルダーエンゲージメントといった課題やテーマについて、議論と情報共有の場を設けました。なお、検討会で議論された内容は、適宜社長及び取締役に報告しています。

 

  ②戦略

自然や社会と人の暮らしはつながっており、自然や社会の持続性があってはじめて人の暮らしや企業の活動も持続的となるという考えのもと、「4Sモデル」の追求を経営理念とし、JT Group Purposeを掲げる当社グループとして特定した5つの課題群を、取締役会での議論も経て、JT Group Materiality(重要課題)として策定しました。また、JT Group Materialityを踏まえ、当社グループが取組んでいく具体的な内容をより明確にすべく、JT Group Sustainability Targetsを策定いたしました。当社グループはJT Group Purposeの具現化を通じて持続可能な自然や社会づくりに貢献していくために、JT Group Sustainability Targetsに基づく具体的な取組みをもって、JT Group Materialityに取組んでいきます。

 

JT Group Purpose

心の豊かさを、もっと。

Fulfilling Moments, Enriching Life

 

JT Group Materiality

自然や社会と人の暮らしはつながっており、自然や社会が持続可能であってはじめて、人の暮らしや企業の活動も持続可能となります。JTグループはJT Group Purposeの具現化を通じて持続可能な自然や社会づくりに貢献していくために、以下のマテリアリティ(重要課題)に取組んでいきます。

 

自然との共生

 

お客様の期待を

超える価値創造

 

人財への投資と

成長機会の提供

 

責任ある

サプライチェーン

マネジメント

 

良質なガバナンス

自然環境に与える影響の改善に向けた取り組みを通じて、自然と人や企業の健全な関係性を保全

 

お客様の期待を超える多様な製品・サービスを創出

 

人財の多様性に着目した成長支援を含む人財への投資や、多様な個性がその能力を最大限発揮できる組織風土の醸成を通じた人的資本の拡充

 

人権尊重や自然環境保全など多様化する社会課題への適切な対応を通じ、事業環境の急激な変化に耐えうる持続可能なサプライチェーンを構築

 

さまざまなステークホルダーの満足度を高め、信頼される企業体であり続けるためのガバナンスの充実

 

JT Group Sustainability Targets

(JT Group Sustainability Targetsついては、④指標と目標をご覧ください)

 

  ③リスク管理

当社グループでは、当社グループに影響を及ぼす可能性があるリスクを明確化し、その動向を注視するとともに、当該リスクの顕在化防止、又は仮に顕在化した際にその影響を最小限に抑えるための対策を講じています。また、当社グループは、これらすべてのリスクを統合的に把握・管理できる体制を構築しており、リスクマネジマントプロセスは以下の4ステップから構成されます。当社グループは、中長期に亘る持続的な利益成長の実現に向けて、これらのリスクを適切に管理することにより、機会を適切に捉え、戦略的な事業展開に繋げております。

 

(リスク特定)

 社長に指名されたリスクマネジメント推進責任者(現担当はコーポレートガバナンス ・コンプライアンス担当執行役員)は、当社グループに影響を及ぼす可能性があるすべてのリスクを把握します。

(リスク評価)

 各執行役員は、顕在化する可能性と顕在化した場合の影響度の観点から自部門のリスクを評価し、優先して対応すべき重要リスクを選定し、リスクマネジメント推進責任者に報告します。

 リスクマネジメント推進責任者は、それを基に、グループの経営目標及び事業戦略の達成に対して重大な損失を与える可能性がある当社グループの重要リスクを決定し、社長に報告します。

(リスク対応計画の策定)

 当社グループの重要リスクは、各執行役員が中心となってリスク対応計画を立案し、リスクマネジメント推進責任者及び社長に報告されます。

(リスク対応計画のモニタリング)

 当社グループの重要リスクの対応計画の進捗状況は、各執行役員により、定期的にリスクマネジメント推進責任者及び社長に報告されます。

詳細については「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

  ④指標と目標

マテリアリティの改定を踏まえ、JT Group Sustainability Targetsを策定いたしました。JT Group Sustainability Targetsは、JT Group Materialityを踏まえた当社グループにおける様々なサステナビリティ課題への取組みを設定しており、また全事業におけるサステナビリティの取組み目標を包含しています。なお、JT Group Sustainability Targetsについては以下をご参照ください。

・JT Group Sustainability Targets:https://www.jti.co.jp/sustainability/pdf/JTGS_TargetsJ_202402.pdf

 

なお、2022年度のJTグループ環境計画、各事業における注力分野、目指す姿と中期取組み目標の進捗については、以下をご参照ください。また、2023年度の実績については、2024年6月発行予定の「統合報告書2023」をご確認ください。

・JTグループ環境計画:

https://www.jti.co.jp/sustainability/environment/pdf/EP2030_FY22_JP.pdf

・たばこ事業:

https://www.jti.co.jp/sustainability/strategy/materiality_strategy_sdgs/pdf/strategy_chart_tobacco_FY22.pdf

・医薬事業:

https://www.jti.co.jp/sustainability/strategy/materiality_strategy_sdgs/pdf/strategy_chart_pharma_FY22.pdf

・加工食品事業:

https://www.jti.co.jp/sustainability/strategy/materiality_strategy_sdgs/pdf/strategy_chart_food_FY22.pdf

 

JTグループ環境計画については、各目標を含め、その内容の維持・更新を図ったうえ、JT Group Sustainability Targetsに統合しております。また、各事業において設定していた中期取組み目標(KPIs)については、JT Group Sustainability Targetsに包含するとともに、新たなターゲットも策定しています。なお、JT Group Sustainability Targetsに基づく実績の開示は、2024年度実績を皮切りに、2025年から開始いたします。

 

(2)気候変動

気候変動は、社会そして私たちの事業が直面する最も深刻な環境課題です。地球温暖化や異常気象をはじめとする気候変動の影響は、農産物を主要原料とする当社製品のサプライチェーンのみならず、世界各国での事業活動そのものにも及ぶため、当社グループでは、気候変動への取組みに力を注いでいます。2022年2月には、2050年までにバリューチェーン全体でのネットゼロ実現を掲げ、そのマイルストーンとして、2030年までに自社事業におけるカーボンニュートラル実現を目標としております。この目標は、科学的知見と整合した野心的な目標であり、2022年にSBT(Science Based Targets)イニシアティブから「1.5℃目標」の認定を取得しました。

なお、当社グループは気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が提言する情報開示フレームワークに沿った開示を進めています。

詳細は、当社の統合報告書(https://www.jti.co.jp/investors/library/integratedreport/index.html)をご参照ください。

 

  ①ガバナンス

当社グループでは、統合型リスク管理(ERM:Enterprise Risk Management)プロセスにおいて、気候変動が一つの最重要リスクであることを特定し、国・地域レベルでのリスクの洗い出しや評価を進めております。気候変動リスクにおける対応計画及び進捗状況については定期的に取締役へ報告しており、必要に応じて取締役会での共有及び議論を適宜実施しています。ガバナンス体制についての詳細は、JTウェブサイト(https://www.jti.co.jp/investors/strategy/governance/index.html)をご参照ください。

 

  ②戦略

当社グループでは複数の気候変動シナリオ(1.5℃、2℃、4℃)を用いたシナリオ分析を実施しています。この複数のシナリオに基づく分析は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による代表的濃度経路シナリオ(RCP2.6、RCP4.5、RCP8.5)を用いています。シナリオ分析の結果、脱炭素社会への移行に伴う「カーボンプライシング(炭素税の引き上げ)」と「葉たばこ生育環境の変化」という2つの主要な気候変動リスクを特定しました。これらのリスクに対しては、バリューチェーン全体を対象とした気候変動対策と継続的改善により、その軽減に努めております。

 

  <シナリオ分析結果>

・移行リスク:カーボンプライシング(炭素税の引き上げ)

影響

炭素税は、原料または二次原料あるいは農業バリューチェーンの各段階で利用するサービス(農薬、農業用機械、葉たばこ加工用機械、保管、流通など)に課されるものです。炭素税の引き上げにより、葉たばこをはじめとする原材料調達コストが押し上げられ、ひいてはグループ全体のコストにも影響を与える可能性があります。複数のシナリオに基づき、気温上昇に伴う炭素税の引き上げによる影響を算出した結果、7億円~150億円の実質的な財務的影響が生じる可能性があります。財務的影響については、炭素税導入の可能性のある国における2050年の想定GHG排出量に当該国の炭素価格を乗じることにより、算出しています。また、2050年の想定GHG排出量は、当社グループの排出量削減見込みと、売上成長予測に基づき算出しています。

軽減策

このリスクに対応するため、設備投資や省エネ施策によるエネルギー消費量の削減に取組むとともに、再生可能エネルギーの積極活用(再生可能エネルギーによる自家発電・発熱、グリーンエネルギー購入)を行っています。また、事業活動に使用する車両の脱炭素化を積極的にすすめるほか、それぞれのサプライヤー固有の気候変動リスクを理解し、適切な緩和策を講じるための協働・支援を行っています。

 

・物理的リスク:葉たばこ生育環境の変化

影響

葉たばこ生育環境の変化として挙げられるのが、気候変動に伴う大気中二酸化炭素濃度の上昇や、作物に被害をもたらす病害虫の発生・広がりの変化、水不足、気温上昇、異常降水などです。いずれの現象も、葉たばこを含め当社グループにとって重要な自然資源の確保と質に影響を与えかねず、複数の葉たばこ調達国で発生する可能性があります。複数のシナリオに基づき、葉たばこ調達コストの増加による影響を算出した結果、80億円~370億円の財務的影響が生じる可能性があります。

軽減策

このリスクに対応するため、特定された気候変動の影響を踏まえた葉たばこ調達国変更、気候変動適応策(スマート農業、品種改良など)を行っております。また、葉たばこ産地において収量増加に向けた取組みを行い、コスト増加と調達量減少への対策を行っています。レジリエンスを備えたサプライチェーンの構築を企図し、サプライヤーとの強固な協力関係を築くとともに、サプライチェーンの地理的分散を行ってきました。その結果、現在、当社グループは30を超える国から効率的かつ安定的に葉たばこの調達を行っております。

 

  ③リスク管理

当社グループでは、ERMプロセスを通じ、気候変動リスクを評価し、リスクの対応計画を策定しています。策定の際は、国別気候変動シナリオ分析により特定したそれぞれの国・地域におけるリスクを反映しています。そのうえで、当社グループ全体の事業上のリスク評価と、各国・地域別の評価を基に、対応の優先順位を明確化しています。

 

  ④指標と目標

当社グループでは、気候変動リスクの軽減及び脱炭素社会の構築に向けた社会的責任を果たすため、2050年までにバリューチェーン全体でのネットゼロ実現を掲げています。そのマイルストーンとして、2030年までに当社グループの事業におけるカーボンニュートラル達成を目指しており、Scope1,2のGHG排出量を2019年比で47%削減することを目標としています。加えて、GHG排出量の削減に資する取組みとして、再生可能エネルギー由来の電力導入に係る目標を設定し、注力しています。

また、ネットゼロ実現に向けては、Scope3カテゴリ1のGHG排出量を2030年までに2019年比で28%削減するべく取組んでいるところです。なお、当社グループの直近のGHG排出量は以下のとおりです。

        (単位:千t-CO2e)

 

2022年度

Scope1

340

Scope2

277

Scope1+2計

617

Scope3 カテゴリ1

6,960

 

当社グループにおける目標及び2022年度の実績、環境データ/第三者検証、データの算出・連結方法については、JTウェブサイトをご参照ください。

・JT Group Sustainability Targets:

  https://www.jti.co.jp/sustainability/environment/index.html

・JTグループ環境計画2030に基づく実績:

  https://www.jti.co.jp/sustainability/environment/pdf/EP2030_FY22_JP.pdf

・環境データ/第三者検証、データの算出・連結方法:https://www.jti.co.jp/sustainability/environment/data_verification/index.html

また、2023年度の環境データについては、2024年6月発行予定の「統合報告書2023」をご確認ください。

(3)人的資本

当社グループは、社会、事業環境が非連続に変化していく中においても、社会とその中に存在する当社グループが持続可能であるために、目指すべき方向を示すJT Group Purpose 「心の豊かさを、もっと。」を策定しています。JT Group Purposeは未来社会における当社グループの価値提供領域を表すだけでなく、中長期戦略の策定・遂行、新規事業開発、サステナビリティ活動及び企業風土醸成等あらゆる取組みの求心力となるものです。JT Group Purposeの実現に向けた活動全ての起点となるのは当社グループ従業員一人ひとりであり、今後、その重要性は更に高まっていくと認識しています。このような認識のもと、引き続きJTグループ人財マネジメントポリシーを基本的な考え方としたうえで、以下のとおり人的資本を定義し、その拡充に努めています。

 

①ガバナンス

当社グループにおいては、従業員の声に耳を傾けることを重視しており、多面的に従業員とコミュニケーションを行うことで、働きがいのある会社に向けて不断の改善に努めています。具体的には、当社グループで働く全従業員を対象とした従業員意識調査(EES)、各事業所単位での調査(パルスサーベイ)等を行うことで、グループレベルから事業所レベルまで、それぞれの組織における課題を特定・把握し、速やかな対応を行っています。

また、当社グループで働くすべての従業員に、安全かつ安心な職場環境を提供することは、当社の責務であると考えています。そのため、当社グループの多くの事業所では、ISO 45001(OHSAS 18001)に基づく高い労働安全衛生規準を設けており、当社グループの基準はすべての地域において法規制に準ずる、もしくはそれより高いものとなっています。

さらに、当社においては、社長が「健康経営宣言」を行うとともに、People & Culture担当執行役員を健康経営推進責任者と位置づけ、充実した健康支援体制の構築に努めています。具体的には全国11カ所の主要エリアに専門の産業保健スタッフ(医師、保健師)を配置し、個別に健康面談を実施する等、従業員一人ひとりが心身ともに健康で持てる力を最大限に発揮できるよう取組みを行っています。

このような人財に関わる取組みやその進捗状況については、適宜、社長・取締役会へ報告を行っております。

 

②戦略

<当社グループにおける人的資本>

当社グループにおいては人的資本の明確化及び拡充に資する人事施策の高度化を進めています。人的資本を、企業活動を支える「人財」、活動の判断基準・行動様式となる「組織風土」、人財と組織風土の好循環を生み出すための「オーナーシップ(一人ひとりの主体性)」と定義するとともに、それぞれの状態及びそれらに紐づく人的資本活動(人事施策)の進捗や結果を把握するための指標を設定し、定期的なモニタリングを通じて着実な人的資本の拡充へ取組んでいきます。

 

<人財>

当社グループは、これまでも、「人財の多様性こそ、競争力の源泉」と捉え、年齢、ジェンダー、性自認、性的指向、障がいの有無、民族、宗教、国籍、そして経験、専門性といった異なるバックグラウンドや価値観を持つ人財の確保に取組んでいます。更に、これらの当社グループの企業活動をドライブする人財一人ひとりが、持てる能力を最大限発揮できるよう努めています。今後も、既存事業(たばこ事業、医薬事業、加工食品事業)の拡大・最適化を推進する人財、時代とともに変化していくであろう心の豊かさに対応する新たな事業の開発を推進する人財、当社グループの経営・事業をリードする人財の戦略的な確保と成長の支援に一層注力していきます。

また、多様な人財一人ひとりから選ばれ続ける企業であるため、People come firstという考えのもと、従業員の心身の安全・健康を大前提とし、当社グループという職場でいきいき働けるよう、様々なライフステージの従業員が自身の志向するワーク・ライフ・バランスやキャリアを実現できる制度の充実にも努めています。

 

<組織風土>

多様な人財が当社グループの一員として、ともに企業活動を推進していく際に重要となるものが、組織風土(組織で共有すべき価値観)です。この価値観が組織に根付き、企業活動における判断基準・行動様式になることは、我々が当社グループらしいユニークな価値を持続的に創造していく上での重要な要素と考えています。

当社グループでは、高い倫理観に基づく誠実さ、お互いの成長を支援する風土を培ってきました。これらの風土を引き続き大切にするとともに、価値観の多様化が進む不確実な時代の中で、様々な「心の豊かさ」を社会に提供していくために、従業員のチャレンジをこれまで以上に後押しすることに加え、社内のみならず社外との共創を推進していくことで、時代に適応した当社グループらしい組織風土の醸成に努めていきます。

 

<オーナーシップ(一人ひとりの主体性)>

多様な人財がその能力を最大限発揮しながら、当社グループらしい価値を創造していくためには、一人ひとりが当社グループの組織風土を形成するとともに、組織の価値観が多様な人財の判断基準・行動様式として伝播していく好循環(人財と組織風土の相互影響)が必要です。そのためには、一人ひとりがJT Group Purposeを理解し共感したうえで、当社グループの重視する価値観・行動(行動指針)を主体的に実践・推進していくオーナーシップが重要と考えています。

 

このように、人的資本を「人財」「組織風土」「オーナーシップ(一人ひとりの主体性)」と定義するとともに、それらに紐づく人事施策の推進・検証・改善を通じて、当社グループにおける人的資本の拡充に取組んでまいります。

 

③リスク管理

当社グループにおいては、人財の多様性を今後も最重要と位置づけ、優秀な人財を惹きつけられるよう、様々な取組みを推進していますが、中核であるたばこ事業に対する社会的イメージの低下等により、人財の確保等を十分に行うことができなかった場合、将来の事業運営が困難となり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、すべての企業活動及び成果は人財によって生み出されていることを強く認識しております。また、多様な人財こそが競争力の源泉であると認識のもと「人財マネジメントポリシー」を掲げ、世界中から優秀な人財を採用し、その育成・確保を一層強化しております。

具体的には、地域・事業ごとにベンチマークを設定し、魅力的で競争力のある報酬水準を設定しています。また、幅広い領域での経験を通じてキャリアの方向性を見極めていく総合職採用に加えて、入社段階からのカテゴリ別採用や、職務をベースとしたキャリア採用も行うことで、本人の志向や希望に合わせたキャリア形成が実現しやすい環境と、それを実現するための議論プロセスを充実させています。

また、役職者を含むすべての従業員を対象に、それぞれのキャリアにおいて必要なスキルを身に付けられる研修を実施する等、当社グループのすべての従業員に成長の機会を提供し、人財の育成に努めています。同時に、ダイバーシティの推進を含め、働きやすい職場環境の維持・改善、公正な人事・処遇制度の整備及び適正な運用を行うとともに、多様性を尊重する制度と組織風土を整えています。

 

④指標と目標

当社グループの人的資本の拡充に資する複数の領域において定性・定量目標を定め、様々な指標をモニタリングしながら、取組みを推進していきます。

とりわけ、DE&Iの推進における、女性の活躍推進では、「2030年までに女性マネジメント比率30%」というグループ目標を掲げ、一層取組みを推進していきます。なお、2023年12月末時点の当社グループにおける女性管理職の比率は23.5%(1,437名)となっております(参考:当社における同比率は8.3%(82名))。また、提出日現在、取締役・監査役の総数15名の内、3名が女性です。

このほか、仕事と家庭の両立支援を推進する上での育児休職取得率、労働災害ゼロを目指す上での労働災害発生件数を指標として設定し、取組みの状況をモニタリングしていきます。

詳細については、JT Group Sustainability Targetsにおける「DE&Iの推進」・「人財の戦略的な確保」・「働きやすい環境の整備」・「心身の安全・健康の推進」・「自律的な成長の支援」・「社内外との共創の促進」をご参照ください。

   ・JT Group Sustainability Targets:https://www.jti.co.jp/sustainability/pdf/JTGS_TargetsJ_202402.pdf