人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数39名(単体) 5,182名(連結)
-
平均年齢39.1歳(単体)
-
平均勤続年数10.1年(単体)
-
平均年収7,358,031円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年1月20日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(名) |
|
国内飲料事業 |
3,776 |
(68) |
海外飲料事業 |
749 |
(-) |
医薬品関連事業 |
332 |
(13) |
食品事業 |
272 |
(255) |
希少疾病用医薬品事業 |
14 |
(-) |
全社(共通) |
39 |
(-) |
合計 |
5,182 |
(336) |
(注)1.従業員数は就業員数であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、持株会社である当社の従業員数であります。
3.従業員数が前連結会計年度末と比べて1,060名増加しておりますが、その主な理由は当連結会計年度において、ダイナミックベンディングネットワーク㈱を2023年1月23日付で新たに設立し、共同株式移転を実施したことにより、ダイナミックベンディングネットワーク㈱、アサヒ飲料販売㈱、九州アサヒ飲料販売㈱、㈱ミチノクを連結子会社としたためであります。
(2)提出会社の状況
|
|
|
2024年1月20日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
39 |
39.1 |
10.1 |
7,358,031 |
セグメントの名称 |
従業員数(名) |
全社(共通) |
39 |
合計 |
39 |
(注)平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
当社グループには、主にダイドードリンコ株式会社及び一部の連結子会社が一体となったダイドー労働組合及びダイドー管理職労働組合が組織されております。2024年1月20日現在の組合員数は合計2,324名で、上部団体はありません。
なお、労使関係は円滑に推移しております。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下、「女性活躍推進法」という。)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)(以下、「育児介護休業法」という。)における公表義務がないことから、提出会社の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休暇取得率及び労働者の男女の賃金の差異について、記載しておりません。
②連結子会社
当事業年度 |
|||||
名 称 |
管理職に占める女性 労働者の割合(%)(注)1 |
男性労働者の 育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1 |
||
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
|||
ダイドードリンコ㈱ |
8.9 |
50.0 |
80.1 |
77.1 |
66.4 |
ダイドービバレッジサービス㈱ |
0.0 |
11.1 |
65.9 |
67.1 |
71.9 |
アサヒ飲料販売㈱ |
1.8 |
12.9 |
88.8 |
93.3 |
91.3 |
大同薬品工業㈱ |
3.7 |
25.0 |
- |
- |
- |
㈱たらみ |
25.0 |
54.5 |
56.7 |
78.6 |
77.1 |
(注)1.女性活躍推進法の規定に基づき算出したものであります。
2.育児介護休業法の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定により公表義務の対象ではなく、公表していない指標については「-」で記載しております。
③主要子会社の合計
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) |
男性労働者の育児休業取得率(%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) |
||
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
||
13.2 |
48.3 |
58.7 |
75.1 |
50.9 |
(注)ダイドードリンコ㈱、大同薬品工業㈱、㈱たらみ、ダイドーファーマ㈱を主要子会社とし、4社を合計して算出しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ
当社グループは、環境に関するマテリアリティとして「脱炭素社会・循環型社会への貢献」を掲げ、2022年1月に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明するとともに、グループとしてのCO2排出削減目標を設定しております。TCFD提言では、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。当社グループのTCFDのフレームワークに基づく気候関連情報は、以下の通りです。
① ガバナンス
ⅰ. 気候関連のリスクと機会についての取締役会による監督体制
当社グループは、事業を通じて社会的課題の解決に貢献すべくサステナビリティ課題への取り組みを強化し、持続的成長の実現と中長期的な企業価値向上をめざしています。当社グループのサステナビリティ経営全体の方針の検討及び承認、全社的なサステナビリティプログラムの決定及び改善指示等を行うことにより、当社グループのコーポレートブランドの価値向上を図ることを目的として、「グループサステナビリティ委員会」を年2回開催するほか、必要に応じて都度開催することとしています。取締役会は、「グループサステナビリティ委員会」において検討・協議された内容について報告を受けることにより、当社グループの気候変動リスクと機会への対応方針及び実行計画について監督を行う体制としています。
ⅱ. 気候関連のリスクと機会を評価・管理する上での経営者の役割
代表取締役社長は、当社グループのサステナビリティ経営における最高責任者として、「グループサステナビリティ委員会」の委員長の職務を担っています。
② リスク管理
ⅰ. 気候関連リスクの特定・評価プロセス
当社グループは、TCFDが提唱するフレームワークに則り、シナリオ分析の手法を用いて、2050年時点における外部環境の変化を予測し、気候変動が事業に与えるリスクや機会についての分析を実施しました。2024年1月期は、国内飲料事業、医薬品関連事業及び食品事業に加え、海外飲料事業に関するシナリオ分析を実施したほか、当社グループのビジネスにおいて、最も影響度の高い国内飲料事業における財務インパクトを試算しています。
ⅱ. 気候関連リスクの管理プロセス及びグループリスク管理との統合状況
事業の持続的成長を実現するためには、環境や社会の変化を適切に把握し、事業におけるリスクの低減と機会の最大化に取り組む必要があるものと認識しています。当社グループは、リスクマネジメントとサステナビリティ経営の推進の進捗管理(サステナビリティプログラム)を連動させるべく、代表取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」「グループサステナビリティ委員会」を設置し、両委員会を中心としたそれぞれの取り組みを連動させながらマネジメントを行っています。
気候関連リスクは中長期的に顕在化する可能性を有することから、短期のみならず、中長期の時間軸で、低炭素社会への移行に伴うリスク及び気候変動の顕在化に伴う物理的リスクを評価する体制を構築すべく取り組みを進めています。
③ 戦略
ⅰ. 当社グループの気候関連のリスクと機会の概要と事業及び財務への影響
シナリオ分析に基づく気候関連リスク・機会の評価結果は、以下の通りです。
(移行リスク)注釈のない記載については、中核事業である国内飲料事業を対象としています。
リスク/機会項目 |
事業インパクト |
↑:非常に大きな影響 ↗:やや大きな影響 →:軽微な影響 |
現時点で実施している対応策 |
||||
中分類 |
小分類 |
リスク /機会 |
考察 |
1.5℃ |
4℃ |
||
政策・ 規制 |
カーボンプライシング |
リスク |
炭素税導入に伴う、自販機オペレーションコスト、自販機調達にかかるコスト、配送費の増加 |
↑ |
↗ |
・スマート・オペレーションの推進 ・ルート車両のEV化の導入検討 |
|
・ダイドー・シブサワ・グループロジスティクス株式会社による配送の最適化 |
|||||||
・自販機の長寿命化:2030年までに15年 |
|||||||
リスク |
炭素税導入に伴う、自販機設置先の電気代負担によるコスト増、自販機引上げリスク |
↑ |
↗ |
・省エネ自販機の展開 ・自販機ビジネスのカーボンニュートラルの検討 |
|||
リスク |
水使用量・消費量の削減規制により、各種飲料の生産量が減少 ※海外飲料事業 |
↑ |
↗ |
・トルコ国外での水源および製造拠点の確保 |
|||
リスク |
炭素税の導入により、原材料コスト、包材コスト、エネルギーコスト、物流費など、製造に関連する全般的な費用が高騰 ※医薬品関連事業・食品事業 |
↑ |
↗ |
・省エネに向けた改善活動及び再生可能エネルギーの導入検討 ・調達先の分散などの検討 |
|||
機会 |
炭素税導入に伴う、カーボンニュートラルに対応した自販機のニーズの上昇 |
↑ |
↗ |
・計画的な新品自販機の展開 ・自販機ビジネスのカーボンニュートラルの検討 |
|||
市場 |
需要の 変化 |
リスク |
廃棄処理時に排出するCO2への炭素税導入に伴う、廃棄に関わる処理費用(商品・自販機)の増加 |
↑ |
↗ |
・容器のリデュース ・ラベルを極小化した商品展開 ・自販機の長寿命化:2030年までに15年 |
|
リスク |
消費者や自販機設置先から、環境負荷が高い商品や販売チャネルが選ばれなくなる |
↑ |
↗ |
・自販機ビジネスのカーボンニュートラルの検討 ・環境配慮型商品の開発 ・「みんなの LOVE the EARTH PROJECT」※の推進 |
|||
機会 |
消費者や自販機設置先から、環境負荷が低い商品や販売チャネルが選ばれるようになる |
↑ |
↗ |
※従業員一人ひとりが事業活動のみならず、自身の日常生活においても環境配慮を意識した行動を促進する取り組み
(物理的リスク)注釈のない記載については、中核事業である国内飲料事業を対象としています。
リスク/機会項目 |
事業インパクト |
↑:非常に大きな影響 ↗:やや大きな影響 →:軽微な影響 |
現時点で実施している対応策 |
||||
中分類 |
小分類 |
リスク /機会 |
考察 |
1.5℃ |
4℃ |
||
慢性 |
平均気温上昇 |
リスク |
コーヒー豆などの原材料において、調達先が限定されることによる調達コスト増、品質の低下 |
↗ |
↑ |
・コーヒー豆の分散調達、生産地に対する情報収集 ・コーヒーのみに依存しない品揃え |
|
リスク |
平均気温の上昇に伴い、特に植物由来の原材料において、調達量の制限並びに大幅な価格上昇 ※医薬品関連事業・食品事業・海外飲料事業 |
↗ |
↑ |
・複数社購買・産地の分散等の検討 ・代替方法の検討 |
|||
リスク |
自販機オペレーション活動が過酷な労働条件になることによる労働者不足 |
↗ |
↑ |
・スマート・オペレーションの推進 |
|||
海面の上昇 |
リスク |
・自販機の設置可能エリアの減少 ・販売拠点の減少もしくは見直し ・日本全国で多数の人が浸水や冠水の影響を受け、販売減少 |
↗ |
↑ |
・地域・ロケーションに偏りが少ない自販機網 |
||
熱中症搬送人口の増加 |
機会 |
熱中症対策飲料のニーズが高まりによる、自販機設置要望の増加 |
↗ |
↑ |
・トリプルペット自販機※の導入増 ※ペットボトル飲料の販売構成比を上げることを可能にする自販機 |
||
汚染・水質悪化 |
リスク |
・土壌汚染や水質の悪化により商品の品質に影響が生じ、製造の停止 ・浄化設備の追加設置などのコスト増 ※海外飲料事業 |
↗ |
↑ |
・複数製造拠点の確保 ・製造委託の検討 |
||
急性 |
自然災害の激甚化 |
リスク |
自販機調達先の稼働停止による供給停止 |
↗ |
↑ |
・自販機の長寿命化:2030年までに15年 |
|
リスク |
・洪水・台風により自販機の浸水被害が多発し、収益へ影響 ・サプライチェーンが寸断し、お客様へ商品を届けることができなくなり、売上・利益が低減 |
↗ |
↑ |
・スマート・オペレーションの推進 ・拠点別ハザードマップの作成 |
|||
リスク |
異常気象(大型台風や局地的な豪雨など)により、工場や倉庫の崩壊、従業員の被災などが発生し、製造が長期間休止する ※医薬品関連事業・食品事業 |
↗ |
↑ |
・事業継続計画(BCP)の整備 ・外部倉庫拡大検討 |
ⅱ. 気候関連リスクと機会への対応・戦略のレジリエンス
当社グループの中核事業である国内飲料事業を担うダイドードリンコ株式会社は、製造と物流を全国各地の協力企業に委託するファブレス経営を採用し、商品開発と主力販路である自販機のオペレーションに経営資源を集中しています。2050年の自販機ビジネスにおけるカーボンニュートラル実現をめざして、気候変動への緩和策と適応策を強化し、脱炭素社会・循環型社会の形成に貢献していくことが、当社グループのサステナビリティに係る重要課題であると認識しています。
低炭素社会への移行リスク(1.5℃シナリオ)といたしましては、炭素税の導入を含む規制強化により、配送コストや自販機オペレーションにかかるコストの増加が見込まれるほか、自販機設置先の電気代負担増による引上げリスクが高まる等、国内飲料事業の売上構成比のうち約90%を占める自販機チャネルの事業運営に多大な影響が出ることが想定されますが、営業車両のEV化やスマート・オペレーションの推進による車両台数の削減に取り組むほか、省エネ型自販機の計画的投入や、カーボンニュートラルに対応した“お客様と共にサステナブルな未来を創る”自販機「LOVE the EARTHベンダー」の展開等により、お客様とのパートナーシップを推進し、事業機会の創出につなげていきます。
気候変動の顕在化に伴う物理的リスク(主に4℃シナリオ)としましては、自然災害の激甚化により、自販機の水没や生産工場・配送拠点の浸水等による被害が多発するリスクも想定されます。また、自販機ビジネスは、労働集約型産業の側面を持つことから、夏季の平均気温の上昇が、自販機オペレーションに係る労働環境に影響を及ぼし、労働力不足のリスクが高まることも懸念されます。
気候変動による平均気温の上昇は、熱中症対策飲料の販売増が事業機会となり得る一方で、主要原材料であるコーヒー豆の調達に大きな影響が出るものと認識しています。
当社グループは、これらのリスクと機会に対応していくために、日頃からコーヒー豆等の生産地に対する情報収集を行い、分散調達できる体制を築き上げるとともに、コーヒーのみに依存しない魅力ある商品ラインアップの拡充に取り組んでいます。また、スマート・オペレーション体制の構築に加え、AIの導入によって現場における働き方の多様化を図る等、労働力不足の時代への対応を進めるほか、個々のロケーションの特性にあった品揃えの最適化に努める等、自販機の店舗としての魅力をより高めていきます。
なお、国内飲料事業においては、全国各地の協力工場へ商品の生産を委託することや、全国広範囲に自販機を設置することにより、リスク分散を図っています。
④ 指標及び目標
ⅰ. 気候関連リスク・機会の管理に用いる指標及び目標
当社グループは、2022年1月、サステナビリティの観点をより一層事業活動に組み込むため、「脱炭素社会・循環型社会への貢献」を環境に関するマテリアリティとして特定し、環境価値創出に向けた非財務KPIとして、当社グループにおけるCO2排出削減目標を設定しています。
また、国内飲料事業においては、循環型社会への貢献に向けて、以下の3つの重点目標を設定しています。
ⅱ. CO2排出量
当社グループの国内主要グループ会社※におけるScope1、Scope2及び重要なScope3(自販機の電力消費による排出)のCO2排出量は、以下の通りであります。
※ダイドードリンコ株式会社、ダイドービバレッジサービス株式会社、ダイドービジネスサービス株式会社、大同薬品工業株式会社、株式会社たらみ
CO2排出量実績(2022年4月1日から2023年3月31日)
単位:tCO2
(カッコ内の数値は基準年度からの増減率)
|
国内飲料事業 |
医薬品関連事業 |
食品事業 |
合計 |
Scope1 |
7,195 |
4,333 |
3,734 |
15,262 |
Scope2 |
1,511 |
3,778 |
4,273 |
9,562 |
小計 |
8,706 (90.6%) |
8,111 (106.7%) |
8,007 (98.1%) |
24,824 (97.9%) |
|
|
|
|
|
Scope3 (カテゴリ13) |
91,952 (94.4%) |
|
|
91,952 (94.4%) |
CO2排出量実績 売上高原単位(2022年4月1日から2023年3月31日)
単位:tCO2/百万円
(カッコ内の数値は基準年度からの増減率)
|
国内飲料事業 |
医薬品関連事業 |
食品事業 |
合計 |
Scope1 |
0.07 |
0.35 |
0.19 |
0.11 |
Scope2 |
0.01 |
0.30 |
0.22 |
0.07 |
小計 |
0.08 (95.4%) |
0.65 (88.0%) |
0.41 (104.8%) |
0.17 (101.2%) |
|
|
|
|
|
Scope3 (カテゴリ13) |
0.84 (99.3%) |
|
|
0.84 (99.3%) |
注1:国内飲料事業における排出量実績は、ダイドードリンコ株式会社、ダイドービバレッジサービス株式会社及びダイドービジネスサービス株式会社が対象となります。
注2:ダイドードリンコ株式会社、ダイドービバレッジサービス株式会社及びダイドービジネスサービス株式会社の国内87拠点における温室効果ガス排出量情報について第三者検証を受けています。
注3:売上高原単位は、対象グループ会社の排出量合計(期間=2022年4月1日~2023年3月31日)÷売上高合計(期間=国内飲料事業、医薬品関連事業:2022年1月21日~2023年1月20日、食品事業:2022年1月1日~2023年12月31日)にて算出しています。
今後とも、「DyDoグループSDGs宣言」のもと、企業としての持続的成長と持続的社会の実現に向けた取り組みをさらに強化していきます。
(2)人的資本経営
当社グループは、人財に関するマテリアリティとして「従業員のワークライフシナジーの実現/ダイバーシティの推進」を掲げ、以下の考え方や指標及び目標を設定し、人的資本経営を推進しています。
① 戦略
〔人的資本経営の全体像〕
グループミッション2030を達成するためには、社会の変化へ柔軟に対応しながら、事業変革および新規領域獲得を推進することが重要課題であり、その実現には、多様な価値観や能力を有する人財からなる組織の構築と、人財一人ひとりの主体的な成長と活躍が不可欠だと考えています。
当社グループは、人財に求める資質として「志」を中心に、「チャレンジ精神」「成長意欲」「達成意欲」「自律心」を重視しています。この5つの資質を持つ人財の成長・活躍を支援するために、当社グループは、人財一人ひとりの主体的なキャリア形成を支援する仕組み(DyDoキャリア・クリエイト)を提供します。併せて多様な価値
観が尊重され、誰もが能力を発揮できる心理的安全性を重視した組織開発を行い、またワークライフシナジー(心身ともに健やかで生産性高く働ける状態)を実現できる環境を提供します。
これらの取り組みにより5つの資質を兼ね備え、高い成果を出し続ける人財、すなわち自律型プロフェッショナル人財を育成します。
当社グループは、この人的資本経営の方針に基づき人財とのエンゲージメントを高めながら、国内外の事業において変化への対応力・価値の創出力を向上させ、事業の持続的な成長を実現していきます。
② 指標及び目標
当社グループがめざす人的資本経営における目標は、多様な自律型プロフェッショナル人財からなる組織を構築し、個人の主体的な成長・活躍により社会の変化に柔軟に対応して、国内外の事業変革・事業創造に貢献することと設定しています。その実現度を図る重要な指標として「従業員エンゲージメントスコア」を設定していますが、その目標数値とその他の指標については「人財戦略」、「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)※」、「労働環境・企業文化」における対応策の具体化に合わせて適切に設定していきます。
※多様性を尊重し、個々の状況に合わせた公平性のある機会を提供し、全員が能力を発揮できる環境を実現するという考え方
■人的資本経営の実現に向けた方針と取り組み
ⅰ.人財戦略に関して
当社グループの人財戦略の方針は、主体的なキャリア形成の支援による、人財の能力とエンゲージメントの向上です。外部環境の変化に対応して目標達成するためには、多様な分野における専門性の強化と、様々な環境における組織やプロジェクトのマネジメント力の強化が極めて重要となります。また、グループミッション2030では「海外での事業展開の拡大」を基本方針の一つに掲げており、グローバルな視点を持つ人財の育成・獲得が欠かせません。当社グループは、その実現に向けて、これまでの人財に関する取り組みを進化させ、従業員の主体的キャリア形成を支援する仕組み「DyDoキャリア・クリエイト」を導入します。グループ全体で個人のキャリア形成に主眼を置いた人事制度・育成プログラム・評価制度等を導入し、これらの運用を通じて、求める資質を備えた人財一人ひとりの成長とエンゲージメントの向上を図り、最終的に能力の多様性に富む強い組織の構築をめざします。なお、「DyDoキャリア・クリエイト」における施策は、優先度の高いものから、各セグメントの状況に合わせて段階的に導入を進めていきます。
主要子会社であるダイドードリンコ株式会社では、その先行事例として、人事総務部内に自販機営業部門専属のHRBP(ヒューマンリソースビジネスパートナー)を配置し、事業計画達成に必要な営業人員の確保及び飲料補充を行うルート担当者からの転身者や中途採用者など未経験者への体系的な育成プログラムの展開による自販機営業における活躍を支援する取り組みをスタートしました。
また、国内飲料事業におけるビジネススキル習得支援として2020年9月より副業制度を導入し約60名が本制度を活用していますが、2024年9月より食品事業での本制度導入を計画しており、今後はグループ全体でさらなる活用促進を図っていきます。
ⅱ.DE&Iに関して
当社グループは、人財一人ひとりの活躍を後押しするために、多様な価値観が尊重され、誰もが自由に意見を述べ、能力を発揮できる心理的安全性を重視した組織開発を進めます。多様性の実現に向けた課題は事業毎に異なりますが、まずは2023年1月に新設した「ダイバーシティ推進グループ」を中心に、グループ各社のDE&Iにおける課題を把握しながら、解決に必要な制度の拡充、業務プロセスの改善やテクノロジー活用した効率化を実現し、多様な人財が活躍できる組織作りを推進していきます。
主要子会社であるダイドードリンコ株式会社では、従来は男性中心だった自販機設置先の新規開拓を担う営業職において女性比率を向上させることで、自社における女性人財の活躍推進とともに、女性の視点を生かした新たな価値を提供する自販機の展開を通じて、女性が働きやすい社会・環境づくりへの貢献という付加価値の創出をめざしています。
ⅲ.労働環境・企業文化に関して
人的資本経営を実行するための基盤となるのが、労働環境・企業文化です。当社グループは、心身ともに健やかでかつ生産性高く働ける状況、すなわちワークライフシナジーを実現できる環境を整備すべく、健康経営の推進やリモートワークなど柔軟な働き方を推進しています。主要子会社ダイドードリンコ株式会社は、経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」において、「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。
また近年、重要性が高まっているのが、自社やサプライチェーンにおける人権配慮です。当社グループは、創業以来大切にしている「共存共栄の精神」に基づき、一人ひとりの人権が尊重される社会の実現に向け、2024年3月に「DyDoグループ人権方針」を策定しました。これは、当社グループの企業活動における人権尊重を徹底するための最上位方針です。今後、この方針に基づく人権デュー・デリジェンス等の実施に向け、グループサステナビリティ委員会の下に「グループ人権分科会」を新設し、人権尊重に関する取り組みをさらに推進していきます。