2024年6月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社グループでは、これらのリスクの存在を認識した上で、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済安全保障等の国際社会状況

当社グループは事業構造にグローバルなサプライチェーンや資源あるいは部品調達等がないため、直接的な影響を受ける要素は少ないものの、顧客企業の国際情勢への対応により人材ニーズの変化が生じることを通じての影響に留意する必要があると考えております。たとえば顧客企業の開発や生産拠点の稼働の変化のみならず移転等の動きが大きくなる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)気候変動

当社グループは直接的に自然資本の利用や排出が極めて軽微である特性があり、気候変動による事業へのリスクで顕在化しているものはないと考えております。しかしながら、地球温暖化対策を強化する国策として炭素税の導入がなされた場合や、顧客企業が人材サービスの取引先選定基準においてもカーボンニュートラルへの取組みを要請する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお当社グループでは、購買品や販促品の環境性能を選定基準に適用し、社用車の削減、資材の再利用などCO2等の低減に取り組んでおります。また気候変動に関するリスク評価を年度毎に行い、重要なリスクを認知した場合、取締役会と経営会議に報告と対応の検討を行います。

 

(3)自然災害

当社グループの事業拠点は国内外で広く展開をしており、地震、津波、台風などの自然災害により一部地域等での事業活動が停止する、あるいは顧客企業の設備等に被害が及び就業が出来ないという事態が発生する可能性があります。一定の影響が生じても他拠点でバックアップできる電子化を含めた体制整備を随時アップデートしておりますが、大規模の災害が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4)法的規制

派遣や職業紹介の事業は、国内において労働基準法はもとより労働者派遣法や職業安定法の規制下にあるため、当社グループではこれらの法令に違反するような行為や事象が発生しないよう、業務フローにおける確認・牽制を行い、コンプライアンス会議を通じた定期的なモニタリングと未然予防に取り組んでおります。しかしながら、督官庁の指導方針の強化や当社グループの取り組みが派遣先にて十分に反映されない場合には、許可取消や事業停止の処分などを受ける恐れがあります。

また、将来の関係法令の改正や監督官庁の指導方針の強化等により顧客企業が派遣や請負の活用を見直す事態となり需要が低下する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、海外の事業においても国別の法令や規制の影響下にあり、同様の可能性があります。

 

(5)顧客情報管理

当社グループの社員は、就業先の顧客企業において機密性の高い情報に触れる機会があるため、全社員に対して入社時及び定期的に機密情報の取り扱いに関する指導・教育を行っております。しかしながら顧客企業の機密情報の流出や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)個人情報管理

当社グループは多くの個人情報を取り扱っており、その適正な管理を行うため、個人情報保護に関する規程や関連する諸規定を定め、プライバシーマークの取得や社員教育等を行っております。また、個人情報を扱うIT機器のアクセス制御や漏洩対策を行っております。しかしながら個人情報の流出や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)労働災害

当社グループの社員は派遣や請負を通じて顧客企業の様々な現場で就業を行っております。このため配属時等に顧客企業との協力のもとで安全衛生教育や研修を行う等、労働災害の未然防止に努めております。

しかしながら当社グループの社員が不測の事態に遭遇した場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)業務請負(受託等)

当社グループでは派遣以外に請負契約に基づく役務提供を行っておりますが、請負においては派遣と異なり当方が業務執行指示を行い、管理監督責任を負うこととなります。このため、請負により発生しうるリスクについて事前検討し準備の上で役務提供を行っておりますが、品質低下、納期遅れ、成果物の瑕疵等により顧客企業との取引停止や損害賠償請求等の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)企業買収、業務あるいは資本提携等

当社グループでは経営戦略としてM&A(提携等を含む)に積極的に取組む方針としております。投資に際しては対象企業の事業内容や契約関係、財務内容等について詳細に検討を行い、投資効果を慎重に見極めております。しかしながら当初期待した成果をあげられない場合には、のれんの減損が生じるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

当社は株主の皆様への利益配分を重要な経営課題と認識し、安定的な配当の実施を基本としながら、当社グループの今後の発展と企業体質の強化のための内部留保を行いつつ、業績に応じた配当を加味することを基本方針としており、この方針のもと、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うこととしております。累進配当ならびに連結配当性向は50%以上を目途に行ってまいります。

上記の方針に基づき、当期の期末配当金については、1株当たり45円とし、中間配当金20円と合わせた年間配当金は前期に比べ15円増配の65円とすることを決議いたしました。

剰余金の配当の決議機関は、取締役会であります。また、当社は、「当会社の期末配当の基準日は、毎年6月30日とする。」旨、及び「当会社の中間配当の基準日は、毎年12月31日とする。」旨を定款に定めております。

次期の配当金は、1株当たり中間配当30円、期末配当45円の年間では10円増配の75円の普通配当となる予定です。

 

基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たりの配当額(円)

2024年2月9日

1,737

20

取締役会決議

2024年8月9日

3,916

45

取締役会決議

(注)当社及び当社子会社の取締役、執行役員及び執行役員と同等の扱いである上級役職者に対する株式報酬制度の信託財産として、2024年2月9日開催取締役会の決議による配当金の総額には、株式会社日本カストディ銀行が保有する株式に対する配当金4百万円が含まれており、2024年8月9日開催の取締役会の決議による配当金の総額には、株式会社日本カストディ銀行が保有する株式に対する配当金9百万円が含まれております。