リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループは、リスク管理体制の構築をリスク管理推進委員会で行っており、その内容につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)砂糖事業への依存に関するもの
当社グループでは、売上高の約7割を砂糖事業が占めており、他の事業におきましても、ほとんどが砂糖事業に付随、又は関連する事業から成り立っております。このため、消費者の低甘味嗜好や代替甘味料の増加等による国内の砂糖消費量の減少が、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。
(2)農業政策の影響に関するもの
主力のビート糖事業は、国が策定する食料自給率の達成、北海道寒地農業の振興、砂糖の安定的な供給を使命として遂行されており、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」等、国の農業政策に大きく関わっております。
また、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)等の国際経済協定の進展が、農業政策にも大きく反映される可能性が高く、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。
(3)原料てん菜の生産状況に関するもの
ビート糖の原料であるてん菜は、農産物のため、生産量、糖分、品質は天候に大きく左右され、その結果、工場の操業度等に影響を与え、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。
(4)燃料等製糖資材の調達に関するもの
ビート糖の製造に必要な燃料などの資材については、多くを海外から調達しております。このため、資材輸出国の地政学事象を要因とした国際的な需給の逼迫や相場の高騰、さらに為替及び物流事情等により、調達コストに大きな影響が生じ、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。
(5)輸入粗糖及び輸入穀物の価格変動に関するもの
精製糖の原料である輸入粗糖、配合飼料の原料である輸入穀物は、海外商品相場や為替相場の影響を受け、調達価格が大きく変動することがあります。また、当該製品の販売価格は、基本的には輸入原料の調達価格の変動に準じた動きをしておりますが、相場の急激な変動を適宜販売価格に反映できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。
(6)製品の販売価格に関するもの
主力のビート糖事業において、ビート糖は国の糖価調整制度のもと国内産糖交付金の交付を受け、一般顧客向けの白糖と国内精製糖企業向けの原料糖に区分し販売されており、原料糖には入札価格に応じて複数の価格帯が存在しております。その製品販売価格は、海外砂糖相場等の影響を受け大きく変動することがあり、相場が急落し製品の販売価格が下落する場合、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。
(7)食品の安全に関するもの
当社グループでは、安心安全な製品を提供するため、「品質保証規程」に基づく管理体制を整えております。加えて、当社の製糖工場は国際的な食品安全マネジメントシステムである「FSSC22000」を取得しており、品質管理体制を継続的に改善し続けていく仕組みを導入しております。しかしながら、万が一、食品安全に影響を及ぼすような事態が起きた場合には、製品回収、再発防止対策等の費用が発生するなど、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。
(8)災害、感染症による生産停止等に関するもの
当社グループは、北海道の生産拠点を中心に全国へ製品供給を行う事業活動を行っておりますが、台風や地震等の大規模自然災害や火災・停電等の事故災害、北海道の冬期の悪天候等により、製品生産や物流機能に支障が生じるリスクがあります。また、製糖工場等では大規模な装置を保持し稼働させているため、感染症の蔓延、労働災害の発生、重要な設備の故障等による生産停止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)気候変動に関するもの
当社グループは、気候変動に伴う深刻な気温上昇により、主要な原料であるてん菜が生育不良となり、製糖工場の生産効率が大きく低下する等の影響を受ける可能性があります。また、脱炭素社会に向けた政府等の規制強化により炭素税等のコストや脱炭素化の進展に伴う省エネ設備導入や燃料調達コストが増加する可能性があります。
気候変動により想定されるリスク等の詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
(10)情報システムに関するもの
当社グループでは、生産、販売、管理等の業務にコンピュータシステムを利用しております。これらを適切に管理するため、情報セキュリティ対策を講じておりますが、サイバー攻撃等により想定を超える事態が発生した場合、大規模なシステム障害や機密情報・個人情報の漏洩により、正常な事業運営が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクを踏まえ、当社としては安定した経営基盤を築くため、高品質原料の調達及び製糖工場の製造能力を最大限に発揮できるよう取り組むとともに、環境に配慮し省エネや製糖資材使用の抑制や調達等のリスクマネジメント等を推し進め、製造コストの削減に努めてまいります。
それらに加え、砂糖以外の事業についても、経営の多角化を推進しグループ全体の事業の事業基盤の強化に努めてまいります。
配当政策
3 【配当政策】
当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本的な方針とし、配当の決定機関は、株主総会としております。
第2次日甜グループ中期経営計画において、「1株当たり配当金50円以上、必要に応じて自己株式の取得」としております。上記方針に基づき、株式価値の向上と資本効率の改善を図るため、当期の期末配当につきましては、1株当たり50円の普通配当に加え、5円の特別配当を実施し、合計1株につき55円といたしました。
内部留保金につきましては、将来にわたる企業体質の改善及び事業の拡大に備え、設備の新設、更新等の資金需要に有効に活用していきたいと存じます。
次期の配当金につきましては、2024年2月22日に公表しましたとおり、2025年3月期第1四半期の連結決算及び個別決算において、当社本社ビルの譲渡に伴う固定資産売却益を特別利益に計上予定であり、株主の皆様のご支援にお応えするため、1株につき50円の普通配当に加え、1株につき30円の特別配当を実施し、合計1株につき80円の配当を予定しております。