人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,654名(単体) 5,031名(連結)
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平均年齢42.5歳(単体)
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平均勤続年数15.9年(単体)
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平均年収10,684,654円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 全社(共通)は、本社・本部及び一部連結子会社の管理部門の従業員であります。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 全社(共通)は、本社・本部の従業員であります。
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 係長級以上の女性社員が少ないことを要因の一つとして格差が生じております。現行制度上、同一等級内における男女の格差はありません。
4 職務の違いによる差を要因の一つとして格差が生じております。
(3) 労働組合の状況
現在提出会社には労働組合は結成されていませんが、組合の代わりを果たすものとして、従業員の選出による代表委員で組織された「組織風土改善委員会」があります。同委員会は、「労使一体」の精神を基本方針とし、労使双方の立場から労務上の問題、業務遂行上の問題に自主的、積極的に取り組んでおり労使関係は円満に推移しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) サステナビリティへの対応
大気社グループのサステナビリティへの考え方は「創業理念」「企業理念」に示され、従来より引き継がれてきたものですが、昨今、国際社会においてサステナビリティをめぐる課題解決への機運が高まる中、本業を通じて豊かな環境の創造と産業社会の発展に貢献していくことこそが当社グループの存在意義(パーパス)であるとの認識を深め、持続可能な社会の実現と企業の永続的成長に向けて、グローバルな社会的課題への積極的な取組を進めています。
サステナビリティをめぐる課題への対応は、中長期的な企業価値向上の観点から、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題です。こうした趣旨のもと、2050年を念頭においた経営環境の見通しやビジネスモデルの変化等をテーマに、役員のオフサイト・ディスカッションを継続的に実施しています。2023年度においては、こうした長期目線での議論に次世代の発想を取り入れるべく、将来の経営を担う若手・中堅社員が当社の未来についての提案を行い、役員とともに討議する場を設けました。次世代の社員に経営の視点で会社の未来を考えてもらう機会を早期に提供することで、未来を創造することができる人材の育成も視野に入れております。また業務執行取締役に対しては、ESG等の非財務目標を評価要素とし、企業の中長期的な成長を促すべく業績連動報酬を導入いたしました。この制度に関しては、報酬諮問委員会において客観性・透明性ある評価を実施しております。
(サステナビリティ経営の推進体制)
サステナビリティ全般に関するガバナンスにつきましては、経営会議の諮問機関として、執行側の会議体という位置づけで、2023年2月にサステナビリティ推進委員会を発足し、モニタリングを実施しております。さらに2024年2月には、社外役員の客観性のある意見を取り入れ、一層の活動推進を図るべく、新たに取締役会の第四の諮問機関として、独立社外取締役を委員長としたサステナビリティ委員会を設置いたしました。サステナビリティ委員会では取締役会からの諮問事項を討議・検討し、その結果を少なくとも年1回以上の頻度で取締役会へ答申しております。
<サステナビリティ推進体制図>
サステナビリティ全般に関するリスク管理につきましては、リスクマネジメント委員会において、当社グループの総合的な観点から、各リスクのリスク度評価、対応すべきリスクの選定、リスク低減に向けた方針等の策定・実行を行っています。同委員会は代表取締役社長を委員長として、年2回及び必要時に開催することとし、全社的なリスクマネジメントの基本方針及び責任体制、運営などを定め、周知・徹底を図っています。
当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
・気候変動に関する取組
・人的資本・多様性に関する取組
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、当社の企業統治の体制については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要」をご参照ください。
(2) 気候変動に関する取組
当社グループは、優先的に取り組むべき経営上の重要課題(マテリアリティ)の一つに「気候変動の緩和と適応」を位置づけ、本業である省エネルギー性能の高い空調・衛生設備や塗装プラントの提供を通じて、環境負荷低減に取り組んでおります。
なお、2021年12月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明しております。
① ガバナンス
気候変動への対応に関してはリスクや機会を認識しビジネスチャンスとして捉え、経営戦略に織り込む活動を行っています。経営会議では、環境保全活動に係る全社的な行動計画を策定しており、当該計画について取締役会に付議し決定しています。
また、全社方針検討会では、計画に基づいた環境保全活動の取組状況を確認・評価するとともに目標の見直しを実施し、その結果を年2回以上の頻度で取締役会へ報告しています。
これらの報告を受けた取締役会では、気候関連のリスク・機会について監督を行い、目標及び進捗のモニタリングを実施しています。
気候関連リスク・機会の評価及び管理については、リスクマネジメント委員会の委員長である代表取締役社長に責任を付与しています。
② 戦略
気候関連のリスク及び機会を特定・評価し、事業に与える影響を把握するため、環境システム事業及び塗装システム事業を対象に、2035年度において、当社グループへの影響度が高いリスクと機会の要因を洗い出し、世界の平均気温上昇が2℃未満に抑制されることを想定した2℃未満シナリオと、4℃程度上昇する4℃シナリオについて、それぞれ政策や市場動向の移行に関する分析と、災害などによる物理的変化に関する分析を実施しました。当社グループは「炭素税」「顧客行動の変化」「省エネ・再エネ技術の普及」を移行の要素、「平均気温の上昇」を物理的な要素と認識し、重要なリスク・機会として特定しました。
ア 4℃シナリオ
政府による低炭素政策も限定的で、低炭素社会への移行は限定的な範囲に留まり、平均気温の上昇によりヒートストレスや自然災害リスクが高まります。これらは当社グループの事業に対し、以下のような影響をもたらすと想定されます。日本国内では炭素税が導入されない想定のため、炭素税導入による資材原価の上昇の影響は限定的です。事業ごとにみると、環境システム事業ではネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)、塗装システム事業では省エネ設計プラントの需要が広がるものの、顧客からの低炭素対応要請による売上への影響も限定的と想定されます。その一方で、平均気温の上昇に伴い、植物工場・空調システムの需要の取り込みや施工現場における熱中症・感染症対策の強化が必要になります。
イ 2℃未満シナリオ
物理リスクの影響は限定的な範囲に留まりますが、各種規制や顧客からの要請など移行リスクへの対応が必要になります。これらは当社グループの事業に対し、以下のような影響をもたらすことが想定されます。政府による低炭素政策の強化により、炭素税負担及び資材原価の上昇の影響がもたらされ、コストの上昇が見込まれます。事業別にみると、環境システム事業では、顧客からの低炭素対応要請が強まり、省エネ規制、新築のZEB義務化等により、既存の空調施工売上は減少する一方で、当該要請等に対応した製品・技術の開発により売上が拡大することが見込まれます。塗装システム事業では、塗装工程の低炭素化への需要が拡大し、低炭素化・省エネ化非対応の既存の製品売上が減少する一方で、これらの対応をした製品・技術の開発により売上が拡大することが見込まれます。
シナリオ分析の結果、当社グループの事業に影響を与える重要な気候関連のリスク及び機会、2035年度時点における財務影響は以下のとおりです。
ⅰ)移行リスク・機会
ⅱ)物理リスク・機会
詳細は当社ウェブサイトにて開示しております。
https://www.taikisha.co.jp/sustainability/taikisha/tcfd/
③ リスク管理
当社グループでは、気候変動を含む重大なリスクの低減と顕在化するリスクの最小化に努めています。
リスクマネジメント委員会においては、当社グループの総合的な観点から、各リスクのリスク度評価、対応すべきリスクの選定、リスク低減に向けた方針等の策定・実行を行っています。同委員会は、代表取締役社長を委員長として、年に2回及び必要時に開催することとし、全社的なリスクマネジメントの基本方針及び責任体制、運営などを定め、周知・徹底を図っています。
気候変動を含む重大なリスクに関しては、各所管部門において項目を抽出し、「経営への影響」や「発生の頻度」を考慮に入れ、大・中・小の3段階で「リスク度(重要度)」を判定しています。その中で戦略や財務上、重要な影響を与える大の項目に関しては、優先的に対応すべきリスクとして選定し、重点管理方針・目標の立案を行った上でリスクマネジメント委員会へ報告します。これを受け、リスクマネジメント委員会では、全社的・統合的な観点から各リスクのリスク度評価及び重点管理方針・目標について討議し、基本方針の策定を行います。その後、各所管部門では活動計画の遂行状況のモニタリングを実施し、結果をリスクマネジメント委員会へ報告します。リスクマネジメント委員長(代表取締役社長)は、全社のリスクマネジメントの状況を取りまとめ、内部統制委員会での討議を経て、年に2回、取締役会への報告を行います。
また、経営全般の重要事項を決定する経営会議では、気候変動のリスクや機会に対する討議をはじめ、気候変動シナリオの見直しや長期戦略への反映を行っています。気候変動リスクを含めた関連の課題に関しては、リスクマネジメント委員会の報告と並行して、取締役会への報告の検討も行います。
④ 指標と目標
ア 気候関連のリスク及び機会の管理・評価に用いる指標
気候関連のリスク及び機会の管理のため、温室効果ガス(GHG)排出量だけでなく、エネルギー消費量や水使用量、廃棄物排出量等の指標を設定して種々の対策を実行しています。
(注) 1 上記GHG排出量につきましては、株式会社サステナビリティ会計事務所による第三者保証を取得しています。
2 2023年度のGHG排出量につきましては、2024年10月発行の統合報告書で開示予定です。
イ 削減目標
当社グループは、気候変動問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、事業活動に伴うCO2排出量を指標とし、SBT認定を視野に、2030年度までに2022年度比でスコープ1・2を42%削減、スコープ3を25%削減する目標を設定しました。今後も当社グループの設計施工による設備の運用段階におけるCO2排出削減に関して積極的に提案活動に取り組むとともに、国内・海外拠点の使用電力の再エネメニューへの切り替えや、オフサイトPPA導入などを通じて脱炭素社会の実現に貢献していきます。なお、これらの情報については、当社ウェブサイトや統合報告書でも開示しております。
当社ウェブサイト
https://www.taikisha.co.jp/sustainability/taikisha/tcfd/#anc-04
統合報告書(当社ウェブサイト内)
https://www.taikisha.co.jp/sustainability/report/
(3) 人的資本・多様性に関する取組
当社では、人的資本・多様性に関する経営上の重要課題(マテリアリティ)について「人材確保と人材育成」「働きやすい職場環境の整備」を位置づけ、イノベーションを創出し、競争力を支える優秀な人材の確保・定着・育成を行い、会社の原動力を高め、企業理念である「永続的に成長し、社会に貢献する会社づくり」の実現を目指しております。
中期経営計画(2022年度~2024年度)において、「変革・成長を支える経営基盤の強化」を基本方針の一つに掲げ、断続的に付加価値を創造できる事業構造への転換に向けて、「イノベーションを生み出す組織風土づくり」「社員エンゲージメントの向上」「計画的な人材価値の開発」に取り組んでおります。
なお、本項に記載する方針及び指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、本項は連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
① 戦略
Ⅰ 育成(人材の育成・確保)
(ア) 人材育成・スキルアップ
エンジニアリング会社である当社の最大の資産は「人」であり、「人材育成」を最も重要な経営課題の一つと位置づけ、プロフェッショナル及びリーダー人材の育成を目指しております。
育成は社員の能力を最大限に発揮できるように、階層(新入社員、若手・中堅・幹部社員)に合わせた研修プログラムを実施しております。具体的には経営知識を高め経営感覚を養う「経営職候補者育成プログラム制度」を設け、新たに高度な専門性を追求する「高度専門人材認定制度」、主体的な自己のキャリア形成を目指す「社内公募制度」を導入し、社員が成長できる機会を提供しております。
また、人材育成の中核として個人の成長とスキルアップを目指す中長期的な「キャリアプラン制度」を導入しております。本制度では全社員が自律的に能力開発に取り組むためのキャリアプランを作成し、定期的な上司との1on1面談を通じて、目標達成に向けた必要なスキルや能力の向上と可視化を進めております。
(イ) 日本国内組織のグローバル教育
日本国内組織向けに運用されている経営職候補者育成プログラムを海外現地法人向けに展開させる形で、将来の海外組織の経営幹部育成を目指し、外国籍社員とともに日本国内組織の上位職層を対象とした育成を推進しております。
2024年度から海外経営候補者の早期育成を目的とし「海外トレーニー制度」を導入し、年間3~5名程度、若手社員(20~30歳代前半を目安)を対象として、様々な海外現地法人に約1年間派遣し、実務経験と海外生活を通じてグローバルな社会に通用する人材の育成に努めてまいります。
Ⅱ エンゲージメント(人材の育成・確保)(社内環境整備)
当社の最大の資産である「人」の潜在能力を引き出し、成長できる仕組みづくりの一環としてエンゲージメント調査を実施しており、管理職が集団分析結果から自組織の現状を把握し、職場環境の改善に役立てております。今後はより様々な視点からエンゲージメントを測る「パルスサーベイ」を短期間のPDCAサイクルで実施し、職場環境のより一層の改善や人事施策等の効果検証を行ってまいります。
また、心理的安全性に関する研修を行い、コミュニケーションや相互理解といった社員間の関係性の質を高めることで、エンゲージメントの向上につなげてまいります。
(ア) ワークエンゲージメント
ワークエンゲージメントを「①仕事に対して好奇心・ワクワク感を持ち、②果敢に挑戦している状態」とし、これらを高めることで、新たな価値を断続的に生み出す職場環境を目指しております。
(イ) エンプロイーエンゲージメント
エンプロイーエンゲージメントを「組織へ愛着があり、信頼関係が構築されている状態」とし、これを高めることで経営層と社員がともに成長を実感できる職場環境を目指しております。
Ⅲ 流動性(人材の育成・確保)(社内環境整備)
(ア) 採用・維持
採用市場の状況を踏まえたうえで、人事部と事業部による社員年齢構成の将来予測と長期的な事業計画に基づいた採用計画を作成し、積極的な採用活動を行っています。一方、人材の流出を抑制するため当社離職者の就業環境や離職理由を把握・分析し、社内環境の整備等の施策に取り組んでおります。また、日本への留学生を中心とした新卒・キャリア採用に加え、海外拠点から日本への出向・短期派遣等の人的交流を行い、日本国内組織のグローバル化への対応強化を進めております。
(イ) 高年齢者の就業機会確保
高年齢者の就業機会確保の施策として、2022年度に60歳定年後再雇用制度を廃止し、定年年齢を65歳とし、社員自身が60歳から65歳の間で退職年齢を決定できる選択定年制を導入しました。2024年度は会社が求める人材要件に合致する社員について、職種限定社員として最長70歳まで雇用する制度を導入します。
これにより、高年齢者の就業意欲を向上させ、恒常的な人員不足の解消と次世代への高年齢者の技術継承につなげてまいります。
Ⅳ ダイバーシティ(人材の育成・確保)(社内環境整備)
(ア) ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社は2016年4月に「ダイバーシティマネジメント推進のための基本方針ならびに活動方針」を策定し、年齢、性別、人種、国籍、宗教、障害の有無等にかかわりなく、様々な価値観や考え方を有した人材が最大限に能力を発揮できる職場環境に整え、企業価値の向上に結び付く施策に取り組んでおります。
2023年4月にはダイバーシティアンドインクルージョン推進課を新設し、「ダイバーシティ&インクルージョンが根付く企業文化・組織風土の醸成」「多様な人材の確保と個性の尊重・発揮」「自分らしくいきいきと働ける環境づくり」を柱として活動計画を立て、段階的に実施してまいりました。
(イ) ワークライフバランスの支援
仕事と家庭の両立支援に向けた様々な施策に断続的に取り組み、働きやすい職場環境の整備を進めております。育児・介護においては、一部法律を上回る制度を取り入れ、社員が有効活用できるように社内報や社内アンケート等を通して啓発活動を進めております。
(ウ) 女性活躍推進
当社では女性活躍推進法に基づく行動計画において、管理職に占める女性管理職の割合を2024年度末までに3%以上とする目標を掲げておりますが、2023年度は3.2%となり、前倒しで目標を達成いたしました。
今後は、新卒・キャリア採用の女性社員数を増加させることで、女性社員構成比率を高め、また、仕事と家庭の両立支援制度を浸透させることで、女性の働きやすさと意欲向上を図り、次期管理職候補の育成を進めてまいります。組織の中にある無意識の性別役割意識の影響を最小限にするために、理解を高めるアンコンシャスバイアス研修等を実施してまいります。
(エ) 障害者雇用推進
当社では国内主要事業所での雇用に加え、指定障害者福祉サービス事業所と連携しリモート雇用に取り組んでおります。勤務場所を事業所内に限らないことで社員が安心して働くことが出来る環境づくりを実現し、合理的配慮を実施しております。
(オ) 海外事業における人的資本の強化
①グローバル体制
当社は1954年に初めて海外プロジェクトを手掛けて以来、現在に至るまで積極的に海外展開を進めております。当連結会計年度末現在、19の国と地域に28社の海外連結子会社を有し、社員数は、連結ベースで5,031人、単体ベースで1,654人となっており、海外では多くのナショナルスタッフが活躍しております。
②海外現地法人の経営体制のグローバル化と社員の能力向上
当社では昨今のグローバル化の流れに沿って、現地雇用社員の技術力・経営力の強化を図り、営業活動から設計・調達・工事活動をはじめ、顧客サービスに至る一連の対応を現地で完結できる一貫体制の実現を目指しております。同時に、経営体制の現地化への移行を進めており、2021年に米国、2024年4月にインドネシアの現地法人社長に現地雇用社員を任命しております。
今後も経営職を担う後継者候補の育成を目的とし、計画的・継続的な教育を実施し、その国の事業環境に合致する資質・能力を含む適性を見極めながら積極的に登用を進めてまいります。また、各国の慣習や特性を勘案しつつ、個々の社員の目標管理を実効性のあるものとし、社員の業務能力・意欲の向上を図り、当社グループへの帰属意識を高めてまいります。
Ⅴ 健康・安全(社内環境整備)
(ア) 社員の健康
社員は会社の成長を支える人材として重要な経営資源の一つであることから、社員の心身の健康維持・増進を重要な経営課題の一つと位置づけ、2020年に「健康経営宣言」を発表し、2021年度から4年連続で「健康経営優良法人ホワイト500」を取得しております。
代表取締役社長を健康管理責任者とする社員の健康推進体制を構築し、社員の健全な心と体の維持・増進のため、生活習慣や健康意識の改善施策を計画・実行し、評価・改善を行っております。
<健康経営の取組・社員の健康推進体制・戦略マップ>
https://www.taikisha.co.jp/sustainability/society/health-management/#anc-02
・健康戦略① 長時間労働の低減
2024年度の時間外労働の上限規制順守と社員のワークライフバランス向上のため、経営企画本部長を議長とする「長時間労働対策会議」において、労使が一体となり長時間労働の現状把握と意見交換及び各部門での支援策の報告を行っております。2023年度は間接部門の社員への分業の推進、現場のデジタルツール採用による効率化、社員の業務量の可視化による標準化の推進等、現場業務に従事する社員の業務量軽減対策を検討し、実施しました。
・健康戦略② 生活習慣の改善
社員の健全な心と体の健康維持・増進を図るため、社員それぞれが健康管理の目標を定めて自身の体の状態に関心を持ち、運動習慣の定着や食生活の改善といった健康的な生活習慣の確立を目指した活動を推進しております。
また、当社全体の施策としてウォーキングイベント・禁煙支援・禁煙タイムの設定、健康に関するeラーニング等を実施しております。定例化したウォーキングイベントが評価され、スポーツ庁より「スポーツエールカンパニー2024」の認定を受けております。
・健康戦略③ ヘルスリテラシーの向上
健康セミナーやeラーニングを通じて、健康情報の理解、適切に行動する力を向上させ、心身の不調や病気の予防に努めております。セミナーの動画や資料はいつでも視聴できるよう、社内イントラネットに掲載しております。
・健康戦略④ メンタルヘルスの向上
メンタル不調に陥ると正常な業務遂行が困難となり、仕事・私生活にも大きな影響を与えると考えられております。そうした不調の兆しがある社員を早急に見極め、就労環境や人間関係を是正していくことが求められております。当社では、その対策として産業医・産業保健師と連携しながら社員に対して支援を行っております。また、産業医・衛生管理者の職場巡視以外にも産業保健師による建設現場を中心とした職場巡視を実施しており、メンタル不調者の早期発見・早期対応に向けて取り組んでおります。
2023年度は特定大型現場の管理職層を対象としてラインケア研修を実施し、心身の不調の早期発見のための知識の習得を図りました。今後も研修等を通してメンタルヘルス向上の取組を全社的に展開してまいります。
(イ) 職場の安全
建設業界における「安全第一主義に徹した計画・施工」を実践するため、労働安全衛生法に則った教育に加え、当社で発生した過去の労働災害の事例を基に動画を作成し、安全教育に活用し、海外拠点に対しても展開しております。また、VRによる危険体感を交えた安全研修を実施し、テクノロジーの活用も進めております。
今後は、大型現場の巡視強化による管理体制の評価・改善の実施、社内ルール順守状況のモニタリング強化、階層別の安全研修を実施することで、当社グループの安全管理技術の向上を目指してまいります。
※1 労働災害の発生状況を評価する指標で、100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で労働災害の頻度を表したものです。統計をとった期間中に発生した労働災害のうち、4日以上の休業災害による死傷者数を同じ期間中の全労働者延べ実労働時間数で割り、それに100万を掛けた数値です。
※2 1,000延べ実労働時間当たりに起こった労働災害により、どの程度の損失が発生したかの程度を表したものです。統計をとった期間中に発生した労働災害による延べ労働損失日数(労働災害により労働不能となった日数)を同じ期間中の全労働者の延べ実労働時間数で割り、それに1,000を掛けた数値です。
Ⅵ 労働慣行(人材の育成・確保)(社内環境整備)
(ア) 人権
当社は、グローバルに事業を展開する企業として、人権尊重を最も重要な事項の一つとして認識しております。当社グループの事業活動における人権に関する規範として「大気社グループ人権方針」を定め、「大気社行動規範」においても基本的人権を尊重し、差別的取り扱いやハラスメントなどの個人の尊厳を損なう行為は行わないことを規定しております。
また、「世界人権宣言」や「労働における基本原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」など国際的に認められた人権を尊重するとともに、国連が示した「ビジネスと人権に関する指導原則」や「国連グローバル・コンパクト」の10原則を支持しております。
今後も国際規範や人権方針などに基づき、お客さまやお取引先を含めたステークホルダーの皆さまとも連携しながら、人権尊重に向けた具体的な取組を推進してまいります。
(イ) 組合との関係
当社では労働組合が結成されていないため、法的に求められる労使協議において「組織風土改善委員会」が社員の過半数を代表する組織として存在し、「組織風土改善委員長」が労働者代表としての役割を担っております。
組織風土改善委員会は全社員が「労使一体の精神」を基本方針とし、働きがいを感じられる組織風土を作ることを目的として発足しました。発足以来、労使が双方の立場から職場環境の改善・働きがいの向上のための活動に取り組み、社員の意見が積極的に取り入れられる組織風土の醸成に資する組織体となっております。当社は社員の意見が起点となる活動が活発に行われることを奨励し、一定の予算を付けながら活動支援を行っております。
(ウ) 福利厚生
当社では「魅力ある会社づくり」の一環として、2019年10月よりGLTD(団体長期障害所得補償保険)制度を導入し、就労不能時のセーフティネットとして、所得補償が受けられるようになっております。万一、病気やケガ・介護で長期間休職するような状況となった際に社員とそのご家族を守る制度となります。経済的な心配や不安を小さくし、安心して治療や療養・介護に専念でき、早期の就労復帰が目指せる環境の整備と介護休業期間の長期化による介護離職リスクの抑制を目的としております。定年延長に伴い、2023年4月より補償対象期間を65歳まで拡大しております。
Ⅶ コンプライアンス(人材の育成・確保)(社内環境整備)
(ア) コンプライアンス・倫理
社員のコンプライアンス意識の醸成と知識の定着を図るため、コンプライアンス教育を実施しております。全社員を対象とするeラーニングで入札談合防止、工事原価の不正処理防止、ハラスメント防止等、当社の社員として理解しておくべき事項を取り上げるほか、職種別や新入社員を対象とした研修を実施しております。毎年10月に実施するコンプライアンス推進月間では、全社員を対象としたコンプライアンス・マニュアルの読み合わせと誓約書の提出を実施しております。
また、コンプライアンス違反行為の早期発見と是正を図るために内部通報制度を整備し、当該制度の実効性を高めるための教育、社員の意識調査等を通じて、社員が安心して声を上げられる組織風土づくりに努めております。
② 指標及び目標
上記「①戦略」で記載した「人材の育成・確保」と「社内環境整備」における方針の指標に関する2023年度実績と2024年度KPIは次のとおりとなります。
※1 当社実施のエンゲージメントサーベイの該当項目の因子に対する肯定的な回答の割合をもとに算出しております。
※2 病気やケガがないときの出来栄えを100%としたとき過去4週間の自身の評価となります。
※3 「男女間賃金格差」「男性労働者の育休取得率」は「第1企業の概況5従業員の状況」に記載しております。