2023年9月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避や発生した場合の対応に努めて参ります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 公共事業の削減による官公庁工事の減少

当社グループの経営成績は、国及び地方自治体の公共投資予算を反映します。建設事業部門において、国及び地方自治体が発注する公共事業が一般に想定される規模を超えて削減された場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、公共事業以外の受注活動も強化することで、リスクの低減を図っております。

 

(2) 取引先の信用不安によるリスク

当社グループは、受注に際して信用リスクの回避には最大限に注意しているところでありますが、建設市場全体が縮小傾向を続けるなか、注文者である取引先が信用不安に陥った場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、与信管理の徹底により貸倒れ防止に努めております。また、リスクに備えるため、下請債権保全支援事業による債権保証ファクタリングを利用し、貸倒れが発生した場合でも損失を回避、または低減しております。

 

(3) 建設資材価格及び労務費の変動リスク

建設資材価格や労働者不足による労務費などの高騰により工事採算が悪化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、資材調達先や工事下請業者との取引関係を強化し、常に市場の最新情報を入手することで、資材価格高騰などによる影響を最小限に抑えられるように努めております。

 

(4) 労災事故等によるリスク

当社グループの建設事業部門においては、重大な労災事故、第三者事故等を惹起すると、発注者から指名停止等の処分を受け、その後の受注に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、安全教育、安全パトロールの強化により、事故や労働災害の防止に努めております。

 

(5) 従業員の確保等に関するリスク

当社グループの建設事業部門においては、国家資格を有した管理技術者が必要となるほか、施工管理を担当する人員を必要とします。少子高齢化の進展や建設業界への就労人口が減少傾向にある状況から、人材獲得の停滞や離職者の増加等により人材が不足する状況に陥った場合、受注機会の減少が考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、新たな人材の獲得に向けた採用活動を積極的に展開するとともに社員の定年後の継続雇用の充実を図り、人員の確保に努めております。また、工事施工管理業務を希望する女性の雇用も積極的に行っております。

 

(6) 新型コロナウイルス感染症等の拡大によるリスク

新型コロナウイルス、インフルエンザ等の感染症が拡大し、建設市場の縮小、施工中案件の中断等が発生した場合は、受注機会の減少、工事採算の悪化等が考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、新型コロナウイルス、インフルエンザ等の感染症への対策として、時差通勤やテレワークの導入、また事務所にマスクや手指の消毒液を設置するなどの感染予防対策を施し、社員及び協力業者等の健康管理を徹底したうえで事業を継続しております。

 

(7) M&Aにおけるのれん等の減損リスク

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を目的として、M&Aを事業展開の選択肢の一つとして考えております。

M&Aによる事業展開においては、当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大等の効果が得られない可能性があります。これらに加えて、子会社化後の業績悪化やのれんの償却又は減損等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、M&Aを行う際には、対象企業の財務内容や契約関係等について公認会計士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施すること等により、各種リスクの低減に努めております。また、M&A実施後には、グループ会社の業績等について常時管理する体制を構築しており、定期的に取締役会に報告しております。

 

(8) 有価証券の価格変動等のリスク

当社グループは、既存の事業基盤を拡大するために、中長期的な友好関係の維持を目的とした資本提携や戦略的な企業買収等を行っております。当社グループが保有している投資有価証券及び関係会社株式の時価又は実質価額が著しく下落した場合、その程度によっては、売却損や評価損の計上を強いられることも想定され、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、資本提携先や買収先企業については、取締役会及び経営会議等で定期的にモニタリングし、監督機能を強化することにより、リスクの低減に努めるとともに業績向上を目指した経営を行っております。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、株主各位への利益還元を経営の重要課題と認識しており、安定的な経営基盤の確保に努め、株主配当につきましても、安定的に継続することを基本方針としております。

当事業年度の剰余金の配当につきましては、事業年度の業績、今後の事業展開及び財務状況並びに株主の皆様への利益配分等を総合的に勘案し、普通株式につきましては、1株当たり17円の配当としております。また、第1回優先株式につきましては発行要領の定めに従い、1株当たり8円の配当としております。

内部留保資金の使途につきましては、今後の事業展開への備えとしていくこととしております。

なお、当社は、期末配当と中間配当の年2回の剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めております。剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 

(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

株式の種類

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2023年12月21日

定時株主総会決議

普通株式

84,272

17

第1回優先株式

16,000

8