2023年11月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 市場環境及び競合について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

外食産業を取り巻く環境は、人口減や高齢化に伴う需要の減少、消費者ニーズの多様化、食に対する安全意識の高まり、価格競争の激化等により、今後も厳しい状況が継続するものと想定されます。このような状況の下で、当社は店舗の独自のコンセプトを展開することで、競合他社との差別化を図っておりますが、今後、市場環境がさらに悪化した場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(2) 新規出店計画について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は新規出店計画に基づいて新規出店、事業の拡大を行っております。新規出店にあたっては立地条件や賃料等を勘案して総合的に検討を行っておりますが、必ずしも計画通りのスケジュールで最適な物件を確保できるとは限らないため、実際の新規出店の進捗と、新規出店計画の間に乖離が生じた場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 出店後の環境の変化について

(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は新規出店の際は、店舗周辺の環境を十分に調査した上で出店しておりますが、競合店舗の出店や店舗周辺の往来人口の減少など、環境が変化することにより、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) イベントに関するリスクについて

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

当社では、お客様の満足頂ける魅力あるイベントを企画し、全店共通、各店独自にて開催しております。当該イベントはお客様から好評を得ており、来店動機の向上に繋がっております。当社としては、今後ともお客様に満足して頂ける、より魅力あるイベントを企画・開催していく方針であります。しかしながら、その成果が意図したものに至らない場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 材料価格の高騰について

(発生可能性:中、発生する時期:数年以内、影響度:中)

当社は原材料の調達については、厳正な品質チェックのほか、適正な価格交渉を行うこと等により原材料価格の低減に努めておりますが、当社が購入している原材料価格が市場動向の変化等の要因により高騰した場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 衛生管理の強化、徹底について

(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、「食品衛生法」に基づき、各自治体から飲食店営業許可を取得し、すべての店舗に食品衛生責任者を配置しております。また、セントラルキッチン及び各店舗では、衛生管理マニュアルに基づき衛生や品質に対する管理を徹底するとともに、外部業者及び担当エリアマネージャーによる衛生チェックを実施し、衛生管理には万全を期しております。しかしながら、食中毒など衛生面に起因する事故が発生した場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(7) 個人情報の管理について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は従業員及びお客様の個人情報を保有しております。これらの個人情報については、「個人情報の保護に関する法律」に基づく「個人情報取扱事業者」として厳正な管理に努めておりますが、万一、漏えいや不正使用等の事態が生じた場合には、社会的信用の失墜、損害賠償請求の提起等により、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 商標の模倣について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)

当社は、当社ブランドの商標権を取得し管理することで、ブランドの保護を図る方針です。しかしながら、第三者が類似した商号等を使用する等により当社の知的財産権が侵害され、ブランドの価値が毀損された場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(9) 商品表示について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

外食産業においては、食材の産地偽装や賞味期限の改ざん等の問題が生じたことにより、食材の安全性の確保に対する社会的な要請が強くなっております。当社は、適正な商品表示のための社内体制の整備、強化に取り組んでおりますが、万一、表示内容に重大な誤りが発生した場合には、社会的信用の失墜等により、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(10) 店舗における酒類提供について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の店舗は、「未成年者飲酒禁止法」「道路交通法」等による規制を受けており、アルコールの注文をされたお客様に対し、自動車等でのご来店の事実がないこと、また、未成年のおそれがあると判断した場合には未成年ではないことの確認を行うことを徹底しております。しかしながら、万一、未成年者の飲酒やお客様の飲酒運転等により、当社及び従業員に法令違反等が生じた場合には、社会的信用の失墜等により、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(11) 短期時間労働者の労働条件に係る法令等について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)

当社の店舗においては、短時間労働者が多数勤務しており、法令に基づく加入対象者については社会保険へ加入することを徹底しております。これに関連し、今後、短時間労働者の社会保険加入義務化の適用が拡大された場合、保険料の増額、アルバイトの就業形態の変化、アルバイト就業希望者の減少等により、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(12) 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の店舗のうち深夜0時以降も営業する店舗については、新規出店時において、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の規制に基づいて所轄警察署への届出を行うこととし、法令遵守に取り組んでおります。しかしながら、万一、法令違反等が発生した場合、一定期間の営業停止等が命じられる等、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(13) システム障害について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、店舗の業績管理、食材の受発注業務、勤怠管理及び給与計算、その他財務関連業務等について、ITシステムに依存しております。その適切な整備及び運用については万全を期しておりますが、万一、第三者による意図的な攻撃や自然災害、ネットワークの障害等不測の事態が発生した場合、これらITシステムが正常に機能しないことにより、業務活動に著しい影響が生じ、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(14) フランチャイズ加盟店について

(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は直営店のほか、加盟店との間にフランチャイズ契約を締結し店舗展開を行っております。フランチャイズ契約に基づいて、フランチャイジー様への店舗の運営指導等を行っておりますが、加盟店において当社ブランドに悪影響を及ぼすような事態が生じた場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 自然災害について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は全国の繁華街をターゲットに店舗を展開しておりますが、特定の地域において大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合には、売上の低迷や店舗の修繕費等の発生により、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 差入保証金・敷金について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

直営店及び業務委託店における店舗については、賃借による出店が中心であり、賃貸借契約を締結する際に賃貸人に対して敷金及び差入保証金の差し入れを行っております。賃貸人の財政状況が悪化した場合には、敷金及び差入保証金の回収が困難となり、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 有利子負債依存度について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、店舗設備及び差入保証金等の出店に係る資金を主に金融機関からの借入により調達しております。この結果、総資産に占める有利子負債(借入金)の割合が、2023年11月30日現在で55.9%と高い水準となっております。今後は自己資本の充実に注力する方針でありますが、変動金利による金利上昇リスクに晒されており、有利子負債依存度が高い状態のまま金利が上昇した場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 減損会計の適用について

(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、減損会計の枠組みにおける固定資産のグルーピングについて、キャッシュ・フローを生み出す最小単位を、主に各店舗としております。そのため、店舗における業績の悪化が継続し、収益性の低下が認められた場合には、固定資産について減損損失を計上することとなり、当社の財政状態及び経営成績の状況に影響を与える可能性があります。

 

(19) 特定人物への依存について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)

当社の代表取締役社長大谷光徳は、創業者として店舗運営、商品開発、店舗開発等に精通しており、当社の事業運営において重要な役割を果たしております。当社は、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、組織の体系化、人財の育成及び強化並びに権限の委譲等組織的な事業運営に注力しておりますが、同氏が何らかの理由により業務執行できない事態となった場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(20) 人財の確保・育成及び人件費の高騰について

(発生可能性:中、発生する時期:数年以内、影響度:大)

現在国内において、少子化による労働人口の減少等により、人手不足や賃金の上昇が社会問題化しております。当社が出店を継続し、事業の拡大を続けていくためには優秀な人財の確保と育成が不可欠ですが、それらの人財が確保・育成できない場合、また、人件費の高騰が長期化した場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) インターネット等による風評被害について

(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

ソーシャルメディアの急激な普及に伴い、インターネット上の書き込みや、それに起因するマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散した場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(22) 新型コロナウイルス等感染症の拡大について

(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)

新型コロナウイルス感染症や新型インフルエンザ等の感染症の罹災が大規模に拡大した場合には、外出人口が減少し、政府より外出自粛等の要請がなされることにより、来客数の減少、サプライチェーンの混乱、店舗の営業時間短縮や休業につながり、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

当社は、株主への利益還元を行うことを重要な経営課題と認識しておりますが、現状において成長過程であり、さらなるブランド強化、人財確保、経営基盤の強化等、まずは内部留保の充実と事業推進に必要な投資活動を積極的に行っていくことが重要と考え、創業以来配当を実施しておらず、当面は同様の状況が続くものと考えております。しかしながら、株主への利益還元は重要な経営課題として認識しており、今後の経営成績及び財政状態を鑑みつつ、事業・投資計画、事業環境等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりつつ配当について検討していく方針であります。

内部留保資金については、店舗の新設及び改装費のほか、今後の事業展開のための人財の採用や教育など、将来の利益に貢献する有効な投資資金として活用しつつ、より一層の財務体質強化にも努める所存であります。

なお、当社は、剰余金の配当を行う場合は、年1回期末配当を行うことを基本的な方針としており、その他に年1回中間配当を行うことができる旨及び上記の他に基準日を設けて剰余金の配当を行うことができる旨を定款で定めております。また、当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めております。