2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    60名(単体) 60名(連結)
  • 平均年齢
    48.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    9.3年(単体)
  • 平均年収
    11,161,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

土地建物賃貸事業

60

合計

60

 

(注) 1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。

2.当社グループは、「土地建物賃貸事業」の単一セグメントであります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

60

48.9

9.3

11,161

 

(注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社は、土地建物賃貸事業の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載は行っておりません。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

 

管理職に

占める

女性労働者の

割合(%)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

正規雇用

労働者

有期労働者

全労働者

正規雇用

労働者

有期労働者

提出会社

8.3

59.5

55.9

95.0

 

(注) 1. 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づく項目を記載しております。当社は従業員数規模から記載必須項目ではありませんが、他社との比較可能性の観点等も鑑み任意で記載しております。

2. 連結子会社である京阪神建築サービス㈱の従業員は全て提出会社との兼任であるため、上記指標に含めて記載しております。

3. 育児休業の対象となる男性労働者はおりません。

 

(補足説明)

労働者の男女の賃金の差異(全労働者を対象、男性を100とした場合の割合)

当社は人員構成上、事業運営に必要な専門的かつ経験豊富な人材を外部からの登用(経験者採用やシニア世代の活用)によって補っておりますが、そのような人材は現状では男性に偏りがあることから男女別の平均年齢にも大きな乖離(男性54.1歳、女性35.9歳)が生じており、結果として男女の賃金差異の主因となっております。なお、新卒入社の正規雇用労働者に限定すれば、男女の賃金差異は99.5%となっており、男女の差異は殆ど見られません。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、取締役会で定めた「サステナビリティ方針」に基づき「サステナビリティ推進規程」を設け、この規程に従ってサステナビリティ推進に関する体制を整備しております。
 社内体制につきましては、最高責任者を代表取締役社長、執行責任者を執行役員管理統括と定め、各種ポリシーや目標、施策の検討・立案を目的に「サステナビリティ委員会」を設置するとともに、体制整備や各種施策の実行を目的として「サステナビリティ推進室」を設置しております。なお、「サステナビリティ委員会」の委員長は代表取締役社長とし、委員会はサステナビリティ推進室員及び各部より任命を受けた委員で構成しております。

 


 

 

委員会は原則として3ヵ月に1回以上開催し、主に以下の事項について、各部門と協力しながら全社横断的に対応しております。

 

① サステナビリティに関する取組方針の検討

② サステナビリティに関するリスクと機会の特定・評価・管理

③ サステナビリティに関するリスクの低減・機会の拡大のための取組の状況の管理

④ サステナビリティに関する取組の進捗を管理するための指標と目標の設定

 

サステナビリティ最高責任者の代表取締役社長は、サステナビリティに関する取組について、委員会の出席者による各議題についての審議・検討を踏まえたうえで意思決定を行うこととしております。

これら委員会の活動内容につきましては、サステナビリティ執行責任者である執行役員管理統括が、年に1回以上経営会議及び取締役会あてに報告を行い、これにより取締役会はサステナビリティへの取組を監督しております。

また、取締役会が監督機能を適切に発揮し続けるための取組の一環として、取締役・監査役に対して毎年実施している研修のテーマにサステナビリティ課題を組み入れ、適切な知見の維持・向上にも努めております。

 

 

(2)戦略

当社グループは、サステナビリティに関する取組が当社グループの事業活動に与える影響について、その重要性が相対的に高いと考えられるサステナビリティ課題から順次影響度を評価し、事業戦略に組み込むべきと考えております。

こうした考えのもと、当社グループが持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けて、重要度の高い課題の中から特に優先して取り組むべきものを、マテリアリティとして特定しております。

 


 

 

当連結会計年度の終了時点においては、当社グループが掲げるマテリアリティのうちE(環境)、S(社会)に関するものとして「気候変動に対するレジリエンス強化」「人的資本の向上・ダイバーシティ&インクルージョン」に関する取組を、特に重要性が高いものとして事業戦略に組み込んでおり、その内容については以下のとおりであります。

 

① 気候変動に対するレジリエンス強化

気候変動がもたらす当社グループへの財務的影響を評価し、当社グループの中長期的な事業戦略に組み込むため、TCFDが提言するフレームワークに沿って、シナリオ分析を行いました。

(イ)シナリオ分析の対象とした範囲

当社グループの事業活動全体を分析の対象としております。当社グループはオフィスビル、データセンタービル、ウインズビル(場外勝馬投票券発売所)、商業施設、物流倉庫等の賃貸事業と、それに付随するビル管理事業等を行っております。

(ロ)主に参照したシナリオ

TCFDの提言では、2℃以下を含む複数シナリオを踏まえて、自社の戦略のレジリエンスについて説明することが推奨されております。当社グループは主に以下のシナリオを参照しました。

 


 

(ハ)財務的影響度の評価手法

シナリオ分析を通じて特定したそれぞれのリスクと機会に対して、2030年までを「中期」、2050年までを「長期」と定義し、各時間軸における財務的影響度を下記の評価基準に基づき「高、中、低」の3段階で評価しました。併せて、累積的な影響についても検証を行っておりますが、現時点で大きな影響があるものは無いと判断しております。また、発生可能性についても「高、中、低」の3段階で評価しております。

 


 

財務的影響度の具体的な評価額の開示については、今後検討してまいります。

 

(ニ)1.5℃シナリオに基づく分析

(a)1.5℃シナリオにおいて特定した主要なリスクと機会

1.5℃シナリオでは、2050年のカーボンニュートラルに向けて事業の脱炭素化が強く求められると想定されます。当社が1.5℃シナリオにおいて発生可能性を「中」以上と認識する主要なリスクと機会は下記のとおりであります。

 


 

(b)リスクと機会を踏まえた取組

・省エネ機器への更新

1.5℃シナリオで想定される省エネ規制の強化に伴う対応コストを低減することを目的のひとつとして、設備の更新時期の到来やテナントの入れ替えといったタイミングに合わせて、照明や空調の省エネ機器への切り替えを順次進めております。これまでにオフィスビルを中心に照明のLED化を進めたほか、データセンタービルでは受変電設備、空調設備の省エネ機器への更新も順次行っております。

 

・グリーンビル認証の取得

環境性能の高いビルへの入居ニーズのさらなる拡大を見込み、外部評価を通じて保有するビルの状態を客観的に把握すると同時に、さらなる改善・向上のための参考とすべく、CASBEE不動産評価認証やBELS評価認証などのグリーンビル認証の取得を推進しております。

2024年3月期末におけるグリーンビル認証の取得実績につきましては、「指標及び目標」をご参照ください。

 

(ホ)4℃シナリオに基づく分析

(a)4℃シナリオにおいて特定した主なリスクと機会

4℃シナリオでは、気温上昇を抑えるための脱炭素化が1.5℃シナリオほど強く求められない一方で災害の激甚化が進み、防災・減災に対する社会からの要請が一層強まると想定されます。当社グループが4℃シナリオにおいて発生可能性を「中」以上と認識する主要なリスクと機会は下記のとおりであります。

 


 

(b)リスクと機会を踏まえた取組

・風水害対策への投資

℃シナリオで想定される風水害の激甚化に伴う損害・対応コストの低減を図るため、保有物件において防潮板の設置のほか、予防保全の考えに則り、外部から引き込んだ電力を建物内に供給するための設備である、特別高圧受変電設備の上層階への移設や、屋上防水工事を実施するなど、浸水リスクの発生可能性低減に努めております。

 

・パートナー企業との協働訓練

 4℃シナリオで想定される風水害の激甚化に伴う損害・対応コストの低減と、BCP性能の高いビルへの入居ニーズによる収益機会の拡大を目的のひとつに、ソフト面でのレジリエンス強化の取組として、ビルの管理・運営を担うパートナー企業と協働で定期的に訓練を実施しております。訓練では、水害を想定した防潮板の設置や外部からの電力供給遮断に備えた非常用発電機の稼働といったフローを実際に行っており、ハード・ソフト両面からのレジリエンス強化によって、テナント企業にとって信頼性の高い事業空間の提供に努めております。

 

 

② 人的資本の向上・ダイバーシティ&インクルージョン

当社グループは、多様な人格・個性・価値観をもつ従業員がそれぞれの能力を最大化することが多様化・複雑化する社会において当社グループが持続的な成長を実現するための基盤になると考えており、斯かる認識のもと、「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」を以下のとおり定めております。

 

(イ)人材育成方針

(a)京阪神ビルディングは、「革新と効率を尊び、活力ある企業風土」を築くことを経営理念に定め、今後の持続的な成長の実現に向けて、企業風土の根幹をなす人材育成に注力してまいります。

(b)「会社の成長は従業員一人一人の成長の総和」との考えのもと、多様な人材の確保と従業員一人一人の人格・個性・価値観に応じた育成に積極的に取り組んでまいります。

(c)新卒・経験者採用の別、性別、年齢を問わず、多様な人材が適材適所で自律的に成長することを促します。

 

(人材育成に関する取組み)  

・継続的な新卒採用と、経験者採用やシニア世代の積極的な活用等により、多様な人材の確保に努めます。 

・従業員の職務・階層別研修、自己研鑽の機会提供を目的とした資格取得支援制度等によって一人一人のスキルアップを図ります。 

 

(ロ)社内環境整備方針

(a)少人数で効率的な経営を実現するため、多様な人格・個性・価値観をもつ従業員がお互いを尊重し、全ての従業員が能力に応じて活躍できる職場環境を整備してまいります。

(b)生産性の向上と業務の効率化を図るとともに、従業員のワークライフバランスにも配慮した、多様な働き方を可能とする体制・制度の整備等により、従業員一人一人が最大限能力を発揮できる、安全で働きやすい職場環境づくりに努めます。

 

(社内環境整備に関する取組み)

・従業員が多様性を受容し、差別のない健全な職場環境を維持するために、人権研修等の社内啓蒙活動を推進しております。

・従業員を取り巻く環境の変化に拘らず、従業員一人一人が活き活きと働き、最大限のパフォーマンスを発揮できるように、育児・介護休業等の支援制度の充実に取り組むほか、書類の電子化や各種システムの導入を通じて、リモートワーク等の多様な働き方を可能とする体制の整備に努めております。

 

(3)リスク管理

 


 

 

① リスクと機会を特定・評価するプロセス

サステナビリティ執行責任者の執行役員管理統括は、サステナビリティ推進室に対して少なくとも年に1回以上、サステナビリティ課題に関連するリスクと機会の識別及び評価を指示しております。

サステナビリティ推進室は、それぞれのリスクと機会について財務的影響度、発生可能性、投資対効果など検証を行い、その進捗及び評価結果をサステナビリティ委員会へ報告しております。

サステナビリティ委員会では、サステナビリティ推進室によって特定されたリスクと機会について、その財務的影響度と発生可能性についての評価結果をもとに、優先して対応すべきリスクと機会の優先順位付けを行っております。

 

② リスクと機会を管理するプロセス

サステナビリティ最高責任者の代表取締役社長は、優先順位の高いリスクと機会についてのサステナビリティ委員会での審議結果を基に、それぞれについて対応担当部署または担当者を指定し、その対応策の策定を指示しております。

指定された担当部署あるいは担当者が策定する対策案は、その内容に応じて、サステナビリティ委員会、リスク管理委員会、経営会議、取締役会あるいは社内の適切な委員会等の会議体において審議のうえ、全社の事業・財務計画に統合され、実行されております。

また、サステナビリティ課題に関するリスクはリスク管理委員会にも共有しており、サステナビリティ課題に関連するリスクの識別・評価・管理プロセスは、全社のリスク識別・評価・管理プロセスとの統合が図られております。

 

 

(4)指標及び目標

当社グループはサステナビリティに関する取組の進捗を管理するための指標と目標として、サステナビリティ委員会での審議・検討を踏まえたうえで、それぞれのマテリアリティに紐づくKPIを設定しております。

そのうち特に重要性が高いものとして「戦略」の欄に記載のマテリアリティ「気候変動に対するレジリエンス強化」「人的資本の向上・ダイバーシティ&インクルージョン」に関する指標と目標は以下のとおりであります。

 

① 気候変動に対するレジリエンス強化

主に移行リスクの低減および収益機会の拡大のため、保有物件からのGHG(温室効果ガス)および排出原単位について、以下の削減目標とKPIを設定しております。

Scopeごとの排出量をモニタリングするとともに、テナントやパートナー企業と協力し、継続的な削減に取り組みます。

 

目標1.Scope1、Scope2のGHG排出量を、2031年3月期までに2020年3月期比で46%削減

上記のGHG排出量削減目標は、パリ協定が求める水準に適合したものとしてSBT(Science Based Targets)の認定を受けています。


 

2.2051年3月期までにGHG排出量(Scope1、2、3)のネットゼロ達成

KPI 1.2051年3月期までに、再生可能エネルギー由来の電力比率100%

2024年3月期実績:2024年3月期より、当社の保有するオフィスビル7棟(大阪4棟、東京3棟)、データセンタービルの一部では、Scope2、3にあたる電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えております。

 

2.2031年3月期までに、省エネを通じてエネルギー消費原単位を2020年3月期比で10%削減

 

※ 従来はGHG排出量を当該KPIにおける削減のターゲットとしていましたがGHG排出量は排出係数の推移によって変動するため、保有物件のエネルギー効率をより明確に示す指標として、2024年3月期からは床面積あたりのエネルギー消費原単位をターゲットとしています。

 

2024年3月期実績:LED化計画に則って各ビルの照明をLEDに更新し、消費電力削減を図りました。

 

3.2031年3月期までに、保有物件に占めるグリーンビル認証取得物件の面積率50%以上を達成、今後の新築物件のグリーンビル認証取得100%

2024年3月期実績:藤沢商業施設、ウインズ梅田B館ビルの計2棟のグリーンビル認証を取得しました。これにより当社グループのグリーンビル認証取得物件は計9棟となり、2024年3月期の保有物件に占めるグリーンビル認証取得物件の面積率は、43.1%となりました。

 

 

 


 

 

 


 

なお、集計時期の都合により2023年3月期の数値を記載しております。2024年3月期の数値は、2024年7月頃に弊社ウェブサイト(URL https://www.keihanshin.co.jp/sustainability/) に公開予定です。

 

② 人的資本の向上・ダイバーシティ&インクルージョン

戦略に記載した方針に基づく取組についての指標と目標は以下のとおりであります。

 

(イ)新卒採用の女性比率(5年平均値)

目標:50%

2024年3月期実績:62.5%

経験者採用やシニア世代の活用については時代背景等の影響があり、現状では男性に偏りがありますが、今後当社グループの将来を担っていく新卒採用については人材の多様化を前進させるとともに、性別を問わず全ての従業員が能力に応じて活躍できる環境整備の指標としております。

 

(ロ)有給休暇消化率

目標:70%以上

2024年3月期実績:82.1%

従業員のワークライフバランスにも配慮した、多様な働き方を可能とする体制・制度の整備等により、従業員一人一人が最大限能力を発揮できる、安全で働きやすい職場環境づくりの推進のため指標としております。

 

(ハ)人材育成に係る投資額

目標:100千円/人

2024年3月期実績:118千円/人

「会社の成長は従業員一人一人の成長の総和」との考えのもと、従業員一人一人の人格・個性・価値観に応じた育成に取り組むべく、各階層に応じた研修実施等社内制度を見直し、外部のビジネススクールや研修に積極的に派遣し、スキル向上に取り組んだ結果、目標を過達いたしました。引き続き、従業員の成長の機会を幅広く提供していく予定であります。