2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,140名(単体) 8,424名(連結)
  • 平均年齢
    41.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.0年(単体)
  • 平均年収
    9,772,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

カスタマーソリューション

2,505

(793)

海外地域

4,131

(296)

環境エネルギー

165

(38)

航空

229

(9)

ロジスティクス

167

(-)

不動産

229

(32)

モビリティ

294

(102)

全社(共通)

704

(113)

合計

8,424

(1,383)

(注)1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員です。

2.従業員数欄の( )内は、臨時従業員の当連結会計年度の平均雇用人員を外数で記載しています。

3.臨時従業員数は、パートタイマー、派遣社員および嘱託契約の従業員を含みます。

4.当連結会計年度より報告セグメントの名称を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

5.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定セグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

2,140

(283)

41.3

15年

7カ月

9,772

 

セグメントの名称

従業員数(人)

カスタマーソリューション

1,182

(152)

海外地域

49

(3)

環境エネルギー

77

(4)

航空

50

(5)

ロジスティクス

24

(-)

不動産

42

(2)

モビリティ

20

(4)

全社(共通)

696

(113)

合計

2,140

(283)

(注)1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員です。

2.従業員数欄の( )内は、臨時従業員の当事業年度の平均雇用人員を外数で記載しています。

3.臨時従業員数は、パートタイマー、派遣社員および嘱託契約の従業員を含みます。

4.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含みます。

5.当事業年度より報告セグメントの名称を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

6.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定セグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。

 

(3)労働組合の状況

 一部の連結子会社において労働組合があります。
 なお、労使関係について特記すべき事項はありません。

 

(4)多様性に関する情報

① ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進に係る取り組み

 当社グループのさらなる事業領域の拡大とグローバル展開に向けて、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)の推進を重要な経営戦略の一つに位置づけています。

基本的な考え方

 多様な人材が集結して、互いを活かし合い、個々の意欲と能力を最大限に発揮することで、新しい価値を創造できる活力ある組織風土を醸成する。

経営メッセージ

 三菱HCキャピタルでは、当社グループのさらなる事業領域の拡大とグローバル展開に向けて、DEI推進を重要な経営戦略の一つに位置づけ、さまざまな知識、経験、属性などを持つ人材が集結して互いを活かし合い、個々の意欲と能力を最大限に発揮できる環境づくりをめざします。

 多様な人材が力を発揮できる職場環境を実現するため、当社では国籍、年齢、性別、性的指向、性自認、人種、障がいの有無などにとらわれず人材を採用、登用し、個々の特性に応じたキャリア形成の支援、さまざまな働き方に対応できる支援制度の充実、社内風土の醸成を行い、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンをより一層推進してまいります。

 

三菱HCキャピタル株式会社 代表取締役 社長執行役員 久井 大樹

 

 

 

② 提出会社および連結子会社の多様性に関する各指標の実績

提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)2、3

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、4

全労働者

うち、

正規雇用労働者

うち、

パート・有期労働者

16.0

113.0

67.1

65.5

65.6

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.三菱HCキャピタル㈱における雇用管理区分ごとの男性労働者の育児休業取得率は、以下のとおりです。「※」は育児休業取得の対象となる男性労働者がいないことを示しています。

総合職

113.0%

ビジネスプロフェッショナル職

  ※

ビジネスアソシエイト職

  ※

なお、配偶者が出産した年度以外に育休を取得した男性労働者が増加したため100%を超過しています。

4.賃金は、職務、ポストに応じて同一の基準を適用しています。同一職務、同一ポストにおける男女の賃金に差異はありません。職種別採用や就業継続年数などにより男女の平均賃金に差異が生じています。引き続き女性の長期就業の促進、女性のキャリア形成に対する支援や積極的な登用を図っていきます。

連結子会社(注)1

当連結会計年度

名称

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)

(注)2

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)3

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)2、5

全労働者

うち、

正規雇用

労働者

うち、

パート・

有期労働者

三菱HCビジネスリース㈱

11.9

20.0

67.4

65.0

69.8

ディーアールエス㈱(注)4

30.3

MHCトリプルウィン㈱

7.7

三菱HCキャピタル債権回収㈱

26.3

㈱日医リース

9.0

(注)1.連結子会社については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)が定める常時雇用する労働者が101名以上の国内連結子会社を対象に、同法に基づき公表、もしくは直近で公表予定の指標を開示の対象としています。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

4.ディーアールエス㈱の男性労働者の育児休業取得率を「※」としていますが、育児休業取得の対象となる男性労働者がいないことを示しています。

5.賃金は、職務、ポストに応じて同一の基準を適用しています。同一職務、同一ポストにおける男女の賃金に差異はありません。職種別採用や就業継続年数などにより男女の平均賃金に差異が生じています。引き続き女性の長期就業の促進、女性のキャリア形成に対する支援や積極的な登用を図っていきます。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)サステナビリティについての基本的な考え方

 当社は、地球環境の保護や人権の尊重、多様性への対応など、サステナビリティへの取り組みは企業が担うべき重要な社会的責任と考えており、今後、企業が存続していくためには、環境・社会・経済の視点で、課題解決に向けた事業活動に取り組み、ステークホルダーからの信頼を獲得しつつ、長期的な成長をめざすことが必要になると考えています。

 

(2)マテリアリティ(重要課題)

 当社は、当社グループが持続的に成長するうえで優先的に取り組むべきテーマとして、以下の6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。

 近年における温暖化による気候変動、人口増加、都市化、資源不足といった地球規模のメガトレンドを背景に、私たちの生活や社会環境はグローバルに大きく変化しており、企業には、脱炭素社会の推進や循環型経済の構築など、多くの課題解決に向けた取り組みが求められています。

 当社グループにおいては、マテリアリティの重要性を認識したうえで、課題解決に向けた実効性のある経営、事業活動に取り組んでいます。

当社グループのマテリアリティ

マテリアリティ

重要性が高いと考える背景

SDGsとの関係

脱炭素社会の推進

・脱炭素社会の実現に向けた取り組みは、喫緊の課題として世界的に認知されており、再生可能エネルギー投資、EV化の促進などの成長・有力分野における当社グループの貢献の余地は大きい。

・この社会的課題の解決に逆行する取り組みの峻別などは、事業面における影響も大きく、重要性が高い。

 

 

 

サーキュラー

エコノミーの実現

・自社ならびに社会における廃棄を減らすこと、アセットの新たな価値を最大限に活用し循環型社会に貢献することは、リース業界のリーディングカンパニーとして、その重要性が高い。

・パートナーとの連携を強化することで、持続可能で豊かな社会の実現に貢献できる。

 

 

 

 

 

 

 

強靭な

社会インフラの構築

・修繕期や再構築期を迎えている国内インフラの整備や、さまざまなパートナーと協業する海外のインフラ支援の積極的な展開、スマートシティの構築は、多くの機会を有する領域。

・企業間の連携を支援する仕組みの構築、サービスの提供により、その事業の多様化や高度化、効率化に貢献できる。

 

 

 

健康で豊かな

生活の実現

・当社を取り巻く多くのステークホルダーの健康および安全・安心・文化的な生活の保全に関わるサービスの創出と提供は、豊かな未来の実現に向けてその重要性が高い。

・企業活動における価値と信頼の源泉は人材であり、従業員のモチベーション向上、優秀な人材の獲得などもその意義は大きい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マテリアリティ

重要性が高いと考える背景

SDGsとの関係

最新技術を駆使した

事業の創出

・お客さまのDX推進におけるファイナンスニーズを捉え、自社のテクノロジーやデジタル技術の利活用によりその解決を図ることで新たな事業モデルの開発を促進するもの。

・代替エネルギーの利活用にともなうサプライチェーンの構築も含めて、多様性と新規性を兼ね備えた事業創出の機会として重要性が高い。

 

 

 

世界各地との共生

・国や地域により抱えている社会的課題は異なることから、地域密着で独自のニーズを捉え、各国・地域のパートナーとの協業などをもってその解決を図ることの意義は大きい。

・当社グループの総合力を発揮することで、ともに成長する社会を実現できる。

 

 

 

※マテリアリティの特定プロセスについては、ウェブサイトをご覧ください。

https://www.mitsubishi-hc-capital.com/sustainability/materiality.html

 

 

(3)サステナビリティの基本方針

 当社は、グローバルに多くのステークホルダーとのつながりを構築しており、社会的課題の解決に貢献できる、大きなポテンシャルを有しているものと自任しています。そのうえで、お客さまやパートナー企業とともに社会価値を創出することで、持続可能で豊かな未来に貢献していくことを当社のありたい姿として「経営理念」に掲げ、それを実現するためにめざすべきものとして「経営ビジョン」を定めています。この経営理念、経営ビジョン、さらには、特定されたマテリアリティを一体とした姿勢こそが、当社グループの「サステナビリティの基本方針」となります。

 特に当社のマテリアリティのひとつとして掲げる「脱炭素社会の推進」に関連する気候変動への取り組みおよびマテリアリティの解決を実現する人的資本に関する取り組みについて適切な情報開示を推進しています。

マテリアリティと経営理念・経営ビジョンの関係性

 

(4)気候変動への取り組み

 気候変動問題は、持続可能な社会を実現するために解決すべき重要な課題です。当社グループは、今後、企業が存続していくためには、事業活動を通じてその課題解決に取り組むことが必要になると考えています。また、適切な情報開示により、ステークホルダーからの信頼を獲得することの重要性を認識しており、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同しています。

 

TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示

① ガバナンス

 持続可能で豊かな未来社会の実現に貢献する存在となるべく、当社グループでは「サステナビリティ委員会」を設置しています。本委員会は経営会議の諮問委員会の一つであり、気候変動問題をはじめとするサステナビリティに関連する重要課題について審議することを目的に開催し、その結果は、経営会議ならびに取締役会にて報告されます。「脱炭素社会の推進」を含むマテリアリティについても、サステナビリティ委員会、経営会議、取締役会での議論を経て特定したものです。当社グループは気候変動にともなう事業への影響を把握・管理する取り組みを進め、ガバナンスを強化していきます。

 

② リスク管理

 脱炭素社会への移行にともなう規制変更や技術革新、ビジネスモデルの転換、または地球温暖化にともなう異常気象などは、業績悪化などによる取引先の経営破綻、当社グループが保有するアセットの価値下落など、経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、気候変動リスクを全社的なリスク管理における重要なリスクの一つとして認識しており、リスクを特定・評価・管理するとともに、ビジネスの機会を捉え、脱炭素社会の実現に貢献します。

a. リスクマネジメント態勢の概要

 当社グループは、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事業などのリスクを「統合リスク管理」の枠組みで総合的に管理しています。

 統合リスク管理の枠組みで管理している重要なリスクには、信用リスク、アセットリスク、投資リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスクなどがあります。

 考えられるリスク要因を管理対象に、各リスクの所管部門が外部環境の変化などによる課題を把握し、定期的にこれらのリスクへの対策を検討のうえ、リスク管理委員会をはじめとした各委員会にて報告・審議しています。また、重要事項は経営会議・取締役会にて報告・審議する管理態勢としています。リスクマネジメント態勢の詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

b. 気候変動リスクの分類、影響事例

 気候変動リスクには、気候関連の規制強化・技術革新などにともなう移行リスク、異常気象や気候の変化にともなう物理的リスクがあります。TCFD提言ではそれぞれを政策と法・テクノロジー・市場・評判、急性的・慢性的のサブカテゴリーに分類し、影響事例を示しています。

 当社では、気候変動リスクは、信用リスクやアセットリスク、投資リスクなどといった既存のリスクを含む幅広い波及経路を通して、短・中・長期とさまざまな時間軸のなかで影響が発現するものと捉えています。

 また、当社の事業活動に対する直接的な影響に加えて、当社の顧客を通した間接的な影響の発現も想定されます。

 こうしたリスク特性とTCFD提言の内容を踏まえたうえで、当社のリスク管理の枠組みも考慮し、気候変動リスクの影響事例を当社の主要なリスクごとに整理しています。統合リスク管理態勢のもと、気候変動リスクもその他の主要リスクとの関係性を踏まえて、リスクを特定・評価、管理する体制の構築を進めています。

 今後、リスク分類や影響事例は、外部環境の変化、気候変動リスクに対する分析・評価の深化に応じて、その見直しを行っていきます。

 

c. 全体的なリスクマネジメントへの統合状況

 気候変動リスクによるその他の主要なリスクへのさまざまな影響は、リスク管理委員会にて報告・審議する態勢としています。シナリオ分析を通して判明したリスクも含めて、モニタリング体制を構築するなど、リスク管理全体への統合を進めていきます。また、気候変動に関する目標・計画策定、モニタリング内容は、サステナビリティ委員会にて報告・審議する態勢としています。両委員会の審議内容は取締役会の監督体制のもと、当社の経営戦略全体に反映し、リスクマネジメント全体、個別リスク双方の観点から適切に対応できる態勢としています。

 

③ 戦略

 当社は、将来の気候変動が当社グループに及ぼすリスクと機会を把握し、適切な情報開示、今後の施策の検討を目的に、「移行リスク」および「物理的リスク」に関するシナリオ分析をおこなっています。

 なお、シナリオ分析は、現時点で得られる限定的な情報やデータを基に分析したものです。分析結果を慎重に解釈し、ステークホルダーとの対話を通じて、引き続きより多くの情報と関連データを入手し、分析手法の改良や分析対象事業の拡大を図ることで、適切な開示に反映させることに努めていきます。

 

a. シナリオ分析の概要

移行リスク分析の概要

対象セクターおよび

主要セグメント

対象セクター

主要セグメント

エネルギー

(石油、ガス、石炭、電力会社)

環境エネルギー

運輸(航空貨物輸送、航空旅客輸送)

航空

素材、建築物(不動産管理、開発)

不動産

シナリオ

国際エネルギー機関(IEA)が公表しているNet Zero Emissions by 2050 Scenario(NZEシナリオ)およびStated Policies Scenario(STEPSシナリオ)

分析方法

対象セクターにおける脱炭素社会に向けた機会とリスクを特定し、事業影響を評価(定性分析)

物理的リスク分析の概要

分析対象

環境エネルギー事業本部、不動産事業本部、および当社グループの事業所、支店が保有する事業用資産

シナリオ

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表しているShared Socioeconomic Pathways(SSP5-8.5)

分析方法

事業用資産の所在地で起こり得る異常気象、気候の変化が及ぼす事業影響を評価(定性分析)

 

b. シナリオ分析結果

 シナリオ分析実施対象セグメントである、環境エネルギー、航空、不動産、カスタマーソリューションを所管する各本部および全社のリスク管理所管部署であるリスクマネジメント統括部と気候変動が及ぼす当社の事業影響に関する議論を行い、シナリオ分析結果と既存戦略方針との整合性を確認しました。

 当社グループは、気候変動に関するリスクと機会について、短期ないし長期にわたる対応策を講じることにより、リスクの最小化および機会の最大化を図っています。移行リスク分析の結果としては、再生可能エネルギーの拡大(環境エネルギー)、高燃費航空機・エンジンならびにSAFや水素などの低炭素燃料への移行(航空)、低炭素建物の需要拡大(不動産)などに関連するリスクと機会に適切に対処する必要性が認識されています。また、物理的リスク分析の結果としては、発電所の被災、太陽光パネルなど発電設備の劣化(環境エネルギー)、自然災害の激甚化による不動産価値の毀損、建築・運営費用・改修費用の増加(不動産)、当社グループ事業所の被災や運営費用・保険費用の増加などのリスクが想定されています。

 気候変動リスクに対しては、適切な対応策を策定する一方、気候変動による機会については、事業機会の獲得を戦略に織り込んでいます。今後、気候変動関連のKPIを中期経営計画の実行の過程で反映し、国内外における関連動向および当社グループの取り組み状況を定期的にモニタリングする体制を整備していきます。

 

④ 指標および目標

 脱炭素社会の実現に向けた取り組みは喫緊の課題との認識から、当社グループの温室効果ガス削減目標をパリ協定に準じて設定し、脱炭素社会への移行を推進していきます。なお、将来的に新規事業の取り組みなどにより温室効果ガス排出量が大幅に増加した場合、あるいは、サプライチェーンを含めたグループ全体の温室効果ガス排出量算定を高度化するなかで数値の変動が生じる場合などにおいては、適宜目標設定を見直す可能性はありますが、いずれも現在設定している目標と同様に、パリ協定の水準に沿うよう設定する予定です。

a. 当社グループの温室効果ガス排出量削減目標

Scope1およびScope2

短期(毎年)

中期(~2030年度)

長期(~2050年度)

国内のエネルギー使用量

前年度比 △1%

2019年度比 △55%

ネットゼロ

 

b. 今後の取り組み

 当社グループにおいて温室効果ガス多排出取引と考えられる建物リース取引、航空機リース取引(カテゴリー13(リース資産(下流)))、不動産投資取引(カテゴリー15(投資))について、計測方法を検討し、開示に向けた取り組みを行っています。

 今後、温室効果ガス多排出セクターに対する取り組み方針および移行計画の策定などを通じて、サプライチェーンを含めたグループ全体の温室効果ガス排出量削減を推進していきます。

 

(5)人的資本に関する取り組み

① 戦略の方向性

 当社グループは、人的資本を蓄積し活用することが「経営の基本方針」や「経営の中長期的方向性」の実現を通じて企業価値を向上させるうえでの重要課題と認識しています。なかでも、「経営の中長期的方向性」に示した「SX/DX」と「事業ポートフォリオ変革」を実現し、当社グループが目標とする経営指標を達成するために、質・量ともに必要な人的資本を確保・活用していきます。

 

② 成し遂げたいテーマ

 人的資本の確保・活用(人材の質的な転換、人材の量の確保)にあたり、中長期的に成し遂げたいこととして、二つのテーマを掲げています。

成し遂げたいこと(a)

人材ポートフォリオの充足

当社の戦略実現に資する人材(質・量)の育成・確保

「経営の中長期的方向性」の実現に必要な人材の質と量を定義し、人材ポートフォリオを可視化します。

必要な人材と現状の人材のギャップを質・量の観点から把握し、ギャップを埋めるための施策を実施することで、必要な人材を充足します。

成し遂げたいこと(b)

MHCエンゲージメントの維持・向上

当社グループでは従業員が一丸となって価値創造に取り組んでいる状態をMHCエンゲージメントと定義しています。MHCエンゲージメントを構成する3要素である「自発性」(=従業員が自発的に働いている状態)・「多様性」(=多様な従業員による多様な発想の掛け合わせができている状態)・「職場環境」(=従業員が自発性・多様性を最大限に発揮できる環境)の維持・向上に向けて取り組んでまいります。

 

 

③ 取り組み内容

 成し遂げたいテーマとして、「人材マネジメント基盤の再構築」「MHCエンゲージメントの維持・向上の仕組み化」の2点を優先的に取り組んでいます。

 

取り組み内容

人材マネジメント基盤の再構築

当社グループはこれまで人材情報を収集・蓄積し、人材を活用(配置・育成)してきました。

今後は、「成し遂げたいこと(a)人材ポートフォリオの充足」のため、人材マネジメント基盤を再構築し、「経営の中長期的方向性」実現のうえで必要な人材像を定義、人材のさらなる把握と質的な転換に資する育成を行います。

人材の把握では、従業員数をはじめとする量の観点に加え、経験・知識・スキルおよびコンピテンシー等の質的な要素を扱います。育成(質的な転換)では、人材ポートフォリオ充足のための質的な課題を特定し、能力開発に向けた施策を行います。

また、人材情報に加えて職務の情報も体系的に整備することで、人材と職務のマッチングの精度を上げ、より一層の適所適材を実現していきます。

MHCエンゲージメントの維持・向上の仕組み化

当社グループはこれまでサーベイにより足元の課題領域を特定し改善活動を行ってきました。

今後は、MHCエンゲージメントを指数化し、指数の維持・向上に努めてまいります。また、グループ全体でMHCエンゲージメントが高い状態を継続的に実現することで、結果として、人材の量の確保にもつなげていきます。

 

④ 指標および目標

 中期経営計画の非財務目標として人材ポートフォリオの充足度の可視化とエンゲージメントサーベイ結果の分析高度化を掲げていますが、人材ポートフォリオの充足度は2025年度決算発表時に、エンゲージメントサーベイ結果は2024年度決算発表時に、それぞれ定量目標を開示する計画です。