人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,158名(単体) 1,716名(連結)
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平均年齢39.2歳(単体)
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平均勤続年数12.7年(単体)
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平均年収6,465,059円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 当社グループは、総合エネルギー企業として同一の従業員がLPガス事業、電気事業、都市ガス事業に従事しております。
2 全社として記載されている従業員数は、本社等の管理部門、システム部門に所属している員数であります
3 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であります。
4 従業員数は就業人員であり、嘱託及び臨時従業員数は[ ]内に外書で記載しております。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であります。
2 全社として記載されている従業員数は、本社等の管理部門に所属している員数であります。
3 従業員数は就業人員であり、嘱託及び臨時従業員数は[ ]内に外書で記載しております。
4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
5 前連結会計年度に比べ従業員数が106名増加しております。主な理由は、本年1月のグループ再編により、グループ子会社の小売事業に関する従業員を承継したことにより営業職が271名増加したことによるものです。一方、提出会社から㈱エナジー宇宙へ、保安や工場等の従業員が、㈱雲の宇宙船へ、システム事業部の従業員が異動しております。
(3) 労働組合の状況
提出会社の労働組合は日本瓦斯労働組合と称し、1972年9月1日に結成されましたが、加盟上部団体はありません。2024年3月31日現在の組合員数は938名(うち嘱託20名)であります。
連結子会社4社のうち、日本瓦斯工事㈱は労働組合を結成しておりますが、加盟上部団体はありません。なお、当社グループにおける労使の協調関係はきわめて円満に推移しており、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社 2024年3月31日現在
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.3月末に在籍している労働者の状況(旧在籍会社の実績を含む)を記載しております。
4.本年1月のグループ再編により、提出会社に営業職が増え、非営業職が連結子会社へ異動したことにより、管理職に占める女性労働者の割合が低下し、労働者の男女の賃金の差異は拡大(数値は低下)しております。
営業職は、緊急時にボンベ配送等の力仕事が求められることから男性社員の比率が高い傾向にあります。
② 連結子会社 2024年3月31日現在
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.エナジー宇宙は、3月末に在籍している労働者の状況(旧在籍会社の実績を含む)を記載しております。
③ 連結会社 2024年3月31日現在
(注) 1.「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としております。
2. 各連結会社数値を集計し、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
3. 各連結会社数値を集計し、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
気候変動、人的資本・多様性等のサステナビリティへの課題取組は、中長期の企業価値向上の前提と考えております。当社はこれらの取組みについて、有価証券報告書の他、統合報告書等で情報開示を行っております。
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
<サステナビリティ課題と当社経営戦略>
当社は、時代に合ったエネルギーを提供しながら地域社会に貢献してまいります。消費者がエネルギーを作ってコミュニティで融通し合い、エネルギーを最適利用する世の中を見据え、お客さま側(需要側)からのアプローチでエネルギーの需給バランスという社会課題を解決します。この実現に向け、太陽光、蓄電池、ハイブリッド給湯器等を普及させ、各家庭や地域コミュニティに対して最適なエネルギー利用を提案する「エネルギーソリューション」へと事業を進化させてまいります。また、当社の高効率なLPガスの充填や配送等のインフラを他社とシェアリングする「プラットフォーム」へと事業を進化させ、環境や労働力不足等の社会課題に対処しながら、持続的に企業価値を成長させてまいります("NICIGAS3.0")。
<サステナビリティに関するガバナンス体制>
企業の持続的成長には、利益に加え、環境、社会といった当社を取り囲む広範なステークホルダーとの共栄、その実現に向けたガバナンス体制が欠かせないと考えております。当社は取締役会の任意の諮問委員会として指名報酬・環境等委員会を設置し、持続性を重視して議論を行う体制を整えております。サステナビリティ各課題への対応方針は、同委員会で議論した上で取締役会にて決定し、経営会議や各部署が主体となって対応を進めております。
<リスク管理体制>
当社は、リスクとは事業を運営することで直面する不確実性と認識しております。グループリスク管理委員会を設置して発生頻度と事業に与える影響の大きさの観点からリスクの重要性を把握し、マイナスの影響を与えるリスクには適切な対策を講じ、プラスの機会には機動的な意思決定を行うことで新たな収益源創出を図っております。中長期で事業や業績に影響を与え得る課題については、指名報酬・環境等委員会で議論を行った上で、取締役会にてマテリアリティとして項目を特定、全社対応方針を決定しております。2023年は4つのマテリアリティとして、「脱炭素社会への対応」、「人材の育成とダイバーシティ推進」、「地域社会の基盤づくり」、「ガバナンスの強化」を設定し、それぞれの課題についての対応を進めました。
(2) 重要なサステナビリティ項目
①気候変動に関する取組み方針
地球温暖化等の気候変動への対応は、中長期的な企業価値向上に影響を与える重要な課題と認識し、ラストワンマイルを担う企業という立場からCO₂削減の取組みを強化しております。お客さまにエネルギーの最適利用を提案するエネルギーソリューションへ事業を進化させるとともに、他社とのパートナーシップによる共創で業界全体のCO₂排出量を削減し、中長期的企業価値の向上と2050年までのCO₂ネットゼロを目指します。当社は気候変動に関する取組みを、TCFDの枠組みにもとづいてお伝えしており、2023年3月にTCFD提言への賛同を表明しました。「2023年統合報告書」では、シナリオ分析を充実させ、定量的なインパクトを新たに開示しました。
<ガバナンス>
気候変動関連のリスクや機会の評価、目標設定、その進捗について、指名報酬・環境等委員会において客観的な視点で議論しております。その議論内容については、同委員会から取締役会に提案し、取締役会で議論しております。
<リスク管理>
当社は、4℃シナリオ、および1.5℃・2℃シナリオにもとづき、気候変動に関するリスクや機会を特定しました。
<事業戦略(リスクと機会)>
短期:今後3年程度、中期:2030年まで、長期:2050年までとして時間軸を分けて分類し、気候変動リスクとリスク発生時の財務インパクトを算出しております。事業機会には、当社は迅速な意思決定により取り組みます。
・リスク発生時の財務インパクト
①炭素税の導入等によるコストの増加(移行リスク):粗利5億円
炭素税等の規制強化でLPガス等の化石燃料調達コストが上昇する可能性があります。家庭用ガスと電気の利幅がそれぞれ1円/kg、0.1円/kWh減少する場合、合わせて粗利5億円程度の減少に繋がります。
②自然災害増による事業への影響(物理的リスク):粗利5億円
当社が仮に3日間、全世帯にガスが提供できなくなった場合、販売量は5~6千トン程度減少し(年間販売量をもとに計算)、粗利5億円程度の減少に繋がります。
③気温上昇によるガス需要の減少(物理的リスク):粗利22~28億円/1℃上昇
これまでの傾向にもとづく分析では、1年を通じ平均気温が1℃上昇すると家庭用ガス販売量が約5%程度減少し、年間で粗利22~28億円程度の減少に繋がります。
<指標と目標>
当社は、2030年までを目途としたCO₂削減目標として、下記の3つの目標を設定しております。
◆目標1◆ LPガス業界のCO₂排出量(LPG託送による):約▲50%
当社の高効率なLPガスオペレーションは一般的な充填・配送・検針に比べ世帯あたりのCO₂排出量が半分です。業界でシェアリングすることで、業界全体のCO₂排出量を半減します。
◆目標2◆ 世帯あたりCO₂排出量:約▲50%
調達電源の非化石化や、ソリューション機器の普及によるお客さま先のエネルギー利用の最適化で、お客さまの世帯あたりCO₂排出量を削減します。
◆目標3◆ 削減貢献量:約145万t-CO₂(2030年時点)
調達電源の非化石化、高効率なLPガスのボンベ配送、ソリューション機器の普及によるお客さま先のエネルギー利用の削減施策等の実施により、CO₂排出量を削減します。
②人的資本、多様性に関する取り組み方針
中長期的な企業価値向上の原動力は、内部・外部環境の変化に対応し、新たな取組みに挑戦し続ける一人ひとりの力です。当社の経営戦略である、エネルギーソリューション、プラットフォームの取組みの加速に向け、人的資本への投資を強化し、企業価値を最大化してまいります。
<当社が目指す姿/社員像>
・当社が目指す姿
脱炭素社会や分散型社会への移行等を踏まえ、当社はガスや電気を仕入れて販売する事業モデルから、各家庭、地域コミュニティに対して最適なエネルギー利用を提案する「エネルギーソリューション」と、当社の高効率なLPガスインフラを他社とシェアリングする「プラットフォーム」へ事業を進化させます。環境や労働力不足等の社会課題に対処しながら、持続的に企業価値を成長させてまいります("NICIGAS3.0")。
・目指す社員像
目指す姿の実現に必要なのは、性別、年齢、国籍、学歴等に関わらず、内部・外部環境の変化に対応し、新たな取組みに挑戦し続ける社員と考え、社員の育成を図っております。具体的には、エネルギー業界の変化を理解し、ガス、電気、次世代エネルギーを含むエネルギーを広く理解し、エネルギー最適利用の提案を行う「エネルギー小売人材」、事業課題とテクノロジー両方を理解し、法人向けの提案スキルを必要とする「プラットフォーム人材」、最先端の技術を理解しながらソリューションやプラットフォーム分野における新ビジネスを創出する「デジタル/DX人材」です。また、多様化する社会のニーズに対応し、より必要とされるサービスを提供するためには、様々なバックグラウンドや考えを持つ社員が必要です。
・現状の社員
当社はLPガスや都市ガスを安心、安全に提供することに特化し、地域の皆さまの信頼獲得に努めながら成長してまいりました。そのため、社員はLPガスや都市ガスの専門知識を有し、お客さまのお困りごとへの対応に強みを有しております。また、多様化するお客さまの要望に柔軟に対応するため、地域を統括する支店が地域ごとの特性にもとづき戦略を立て、営業活動を行っております。加えて新規獲得が得意な人材や既存のお客さまとのコミュニケーションが得意な人材等、長所を活かした配置をする等、各営業社員がより能力を発揮できる人材配置を行い、お客さまとの信頼関係を深めております。一方、中長期の企業成長に欠かせない次世代エネルギー、エネルギーの最適利用等のご提案については知識、ノウハウともに発展途上です。また、地域社会の個人をお客さまとするBtoC営業に十分な経験を有する一方、ソリューションやプラットフォームを広めるための営業、デジタル/DXもスキルアップが必要な領域です。インフラ事業者として、地震等の災害対応を含む、深夜問わずの緊急対応、約90kgものLPガスボンベ運搬等体力を使う業務を背景に、社員の約8割は男性です。
当社は目指す社員像と現状の社員とのギャップを、(1)人材育成 「人材ポートフォリオの組替」「リスキリング」「他社との連携」、(2)社内環境整備 「多様な働き方」「ダイバーシティーの推進」「健康経営/福利厚生」により埋めてまいります。
(1)人材育成方針
◆人材の配置(グループ組織再編による人材の活性化)
当社は、2024年1月を効力発生日とし、当社及びグループ都市ガス3社を統合し、その上で「総合エネルギー小売会社」と「エネルギープラットフォーム会社」の2つに分ける組織再編を実施いたしました。
・グループの営業を集約し、LPガス、電力、都市ガスと総合エネルギーの提案が可能な人材へと育成してまいります。競争市場で培ったLPガス営業のマインドを都市ガス含めた全営業社員に浸透させ、グループ全体の営業マインドを高めております。これまで既存のお客さま対応に注力していた旧グループ都市ガス会社出身者が高い営業マインドでLPガスの新規顧客獲得で活躍する等、グループ再編効果が徐々に表れております。
・プラットフォーム営業では、プラットフォーム会社である「エナジー宇宙」に6名の営業専門部隊を新たに設立し、法人向け営業を本格化してまいります。旧グループ都市ガス会社が持つ、大口法人顧客の要望に対応する高い技術力等を共有し、より丁寧な提案でソリューション営業の開拓能力も高めてまいります。
◆リスキリング
これまでの営業力強化は、先輩社員が実際の営業実務を通じて教育を行うOJTをメインとしていました。今後はさらなる企業成長に向け、一人ひとりが環境の変化に対応して新たな取組みに挑戦することを目指し、各種研修を通じてリスキリングしてまいります。営業、保安、コーポレート、工事等、部門・組織横断でジョブローテーションを行い、お客さま向け提案力の向上や経営の視点の習得を図ってまいります。
・ハイブリッド給湯器や太陽光、蓄電池等の機器をお客さまにご提供する営業ノウハウや知識等の研修会の実施ほか、説明動画・資料の提供を通じて多数が参加できる仕組みを構築しております。弁護士が監修する研修を営業社員や営業委託先が定期受講し、営業品質向上に資する取組みを継続的に実施しております。
・IT/DX関連では東大メタバース工学部に選抜派遣や、デジタル人材との共創等の取組み、全社員にITパスポート資格取得に向けてサポートを行う等、社員のIT/DX関連の知識向上に努めております。DX人材育成に向けた2023年の新たな取組みとして、事業部門と技術部門の両方から人材を選抜してプロジェクトチームを始動し、第一段階として「ニチガス版Chat GPT」をリリースいたしました(2024年3月)。「ニチガス版Chat GPT」は、通常の機能に加え、社内固有の情報検索も可能なシステムで、社員の業務生産性向上の一助となっております。また、各自が興味関心のあるITテーマの研修に自主的に受講できる体制を整え、社員のリスキリングを図っております。
◆他社との連携
当社が現状有していないスキルを外部から取り入れて価値を共創し、企業価値向上に繋げる方針です。目指す姿を明確にしながら、専門知識や技術を持つ外部人材との協業を構築してまいります。
既に当社では、電力事業部長(現当社執行役員)を含め東京電力グループからの出向受入により、電力事業のノウハウを当社に取り入れ電力事業部が立ち上がりました。また、当社と東京電力EPとの折半出資で設立したTEAにおいては、都市ガス小売事業参入を志向する異業種企業の受け皿となるプラットフォーム事業(ガス調達・保安・業務システム等の受託)を展開しております。更に、ガスメーターをオンライン化し、自動検針等を実現したスペース蛍も、当社とIoTプラットフォーム企業のソラコムで共同開発したプロダクトです。
・パワーエックスやITベンチャー、東京電力グループに出向させる等、人材交流を通じて専門人材を育成しております。2023年4月から1年間、パワーエックスに選抜社員を派遣し、蓄電池等のソリューション機器設置や販売、エネルギーマネジメント(アービトラージ取引)等のノウハウ蓄積を図っております。2024年4月から当社に帰任後は、電力事業部でソリューション事業の本格化に向けて取り組んでおります。出向を通じて得た、蓄電池等の機器知識、電源調達や卸等に関する知識、法人向けの提案力を活かし、ニチガス版・スマートシティ構築に向けた事業推進に貢献しております。
(2)社内環境整備方針
中長期的な企業価値向上には、全社員がそれぞれの特性を活かし、個々の人生の目的、人生のステージに合わせて、意欲を持って個人の能力を最大限発揮できるような環境の整備が必要と考えます。
◆多様な働き方
・働き方改革(場所や時間の制約を受けない柔軟な働き方)
場所や時間の制約を受けず、能力をフルに発揮できる職場環境の整備を目的とし、時差出勤・フレックスタイム制度、時間単位有給休暇、リモートワーク、育休取得、リフレッシュ休暇、誕生日休暇等、柔軟な働き方を可能とする各種制度を導入しております。
・ジョブ型雇用制度(高度人材向け)
高度な専門業務を担う役職員を、成果に応じて報酬が決定されるジョブ型雇用制度で処遇しております。個人は専門性にもとづいた職務遂行の結果で評価されるため、本人のモチベーションアップに繋がるとともに、多様な専門性を持つ個人に活躍の場を提供することで、経営戦略の実現に繋げていきます。
・副業の推進
2020年4月に副業制度を導入しました。多様な雇用形態や機会を提供することで組織に縛られることなく、成果をもたらす人材の活用を目指しております。副業により、より広い視野で当社の業務を行うことも可能となり、多様な考え方を取り入れることで当社のイノベーション創出にも繋がるものと期待しております。
◆ダイバーシティの推進
・女性の活躍
新都市ガスや電気事業等、当社業務の拡大に伴い、営業、ガスの保安検査員、配送員等、従前よりも多様な場で女性が活躍しております。管理部門では、人事部長、経財部長(共に執行役員)をはじめ、女性の活躍が徐々に拡大しております(本社管理職における女性比率は21.4%)。2024年3月末現在、当社グループ全体の女性社員比率(嘱託・パート含)は20.4%、女性管理職比率は3.6%です。女性キャリア研修等を通じて自己啓発・スキル向上等の人材育成と、配置等を工夫し女性の活躍を促進しながら、能力のある女性の登用を進めております。
・中途採用人材の活躍
当社の中途採用社員比率は56.5%、管理職における中途採用社員の比率は52.7%です(2024年3月末時点)。今後も比率にとらわれることなく、スキル等を持ち、当社の企業価値向上に向けて挑戦する意向のある方を積極的に採用していく方針です。
・世代の多様性
当社は年齢に関わらず能力のある人材を登用しております。これまでに、90ヶ所ある営業所のトップを20代が務める、200名以上を指揮する支店長に37歳が抜擢される等の実績があります。また採用についても、年齢を問わず当社の企業価値向上に向けて挑戦する人材を幅広く採用しており、2024年4月の新入社員は全62名、そのうち高卒採用者は13名、配送や保安、営業の分野で活躍しております。シニア世代も、これまでの経験を活かして営業・保安・配送等の本人が得意とする分野で活躍しております。若手社員の教育にも携わり、風通しのよい職場環境づくりにも寄与しております。2021年からは当社の定年を60歳から65歳に延長しました。
・外国籍人材の活躍
国籍に関わらず能力のある人材を採用し、登用しております。当社の外国籍の社員(派遣社員含)は、2024年3月末で25名です。LPガスの充填工場や提携先との出身地の言語を活かした交渉等で活躍が増えております。
◆健康経営の推進
・労働安全衛生
毎月、各事業所(支店・本社・グループ会社等15事業所)単位で、安全衛生委員会を開催し、職場の巡視点検、残業時間、休暇取得、労災、車両事故、健康診断受診等、社員の安全衛生に係る状況を把握しております。各分科会では、産業医も参加し業務効率化や安全確保に向けた取組み等を共有し、より働きやすい環境の整備に向け、議論しております。
・健康管理
毎年、全社員とパート社員を対象とした健康診断、管理職以上を対象とした脳ドックの受診を必須としており、それぞれの受診率は100%です。健康診断結果はデジタル化し、スマホから一目で過去の推移の把握が可能、個人の健康管理に繋げております。また当社では、健康診断二次検査受診率50%を目標とし、健康診断結果で二次検査の指示が出た社員にメール通知を行い、二次検査受診を推進しております(2024年3月期の二次検査受診率は32.6%(ニチガスのみ))。2023年からは二次検査の未受診者を管理し、受診の促進を図っております。そのほか、有所見者には産業医が個別に指導し、保健師が検診後の健康状態をモニタリングしております。さらに、社員やその家族が、臨床心理士等の専門家に電話・Web・対面で悩みを相談できる「心の健康ホットライン」や「first call」を導入しております。
・グループヘルプライン(内部通報制度)の設置
当社は、法令等違反行為および当社の信用や名誉棄損のおそれのある行為等の未然防止、速やかな認識と是正を目的に、グループ全社員向け内部通報制度として、グループ・ヘルプラインを設置しております。専用電話回線の設置に加え、時間外や土日祝日はヘルプラインフォームで通報を受け付けております。2024年3月期の相談件数は6件、コンプライアンス規定から逸脱する重大な事案はありませんでした。
◆福利厚生
・出生祝金、扶養手当
当社は社員が働きながら安心して子育てができるよう制度を充実させております。社員に大切な家族(子供)が増えた際、第1子に1万円、第2子に10万円、第3子に100万円、第4子以降は200万円を支給しております。2024年3月期の第1子、第2子の出生祝金の支給人数はそれぞれ、32名、25名でした。さらに、第3子出生祝金の支給人数は13名、第4子出生祝金の支給人数は1名でした。また、本一時金とは別に、扶養する子が18歳になるまで毎月扶養手当を支給しております。
(3)指標及び目標
当社グループでは、上記(1)人材育成方針及び(2)社内環境整備方針について、次の指標を用いております。
ダイバーシティの推進では、指名報酬・環境等委員会にて、ダイバーシティの定量目標や具体的施策を議論し、取締役会で方針を決定しております。2021年12月には女性、中途採用人材、外国籍の社員の活躍に向け定量的な目標、および行動計画を策定しました。目標や行動計画の実施状況は取締役会がモニタリングしてまいります。また、男性の育休取得率についても重要な指標として定めております。これは、当社が推進する女性活躍には、男性による育児と家事への積極的な参加が欠かせないと考えるためです。男性の育休取得率は、当社の中長期的な成長を表す重要な指標であることのみならず、我が国が持続的発展を遂げるために、社会の構成員である当社が積極的に負担する義務と考えております。2022年10月に同比率について30%を目標値に定めましたが、男性社員の育休が取得しやすい制度導入・風土醸成により2023年3月期の実績は36.1%、2024年3月期の実績は50.8%と大幅に向上しております。
当社が目指す人的資本を整えていく上での適切な指標・目標につきましては指名報酬・環境等委員会(取締役会の諮問委員会)で議論を行った上で、取締役会にて、議論・決定してまいります。