リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 季節的な要因及び天候の変動について
LPガスの消費量は、気温や水温の影響を受けますので、当社グループの主力商品であるLPガスの販売量は夏季に減少し、冬季に増加します。このため当社グループは利益が下半期に偏る収益構造を有しています。また、特異な天候の変動によっても、当社グループのLPガス販売量に影響を及ぼす可能性があります。
(2) LPガス輸入価格による影響について
当社はLPガスを中東と米国から輸入しており、輸入価格の変動による影響を平準化するため、多くの卸売先との間で、販売価格をCP(Contract Price)とMB(Mont Belvieu)に連動する価格体系としています。ただし、当社では在庫評価について「先入先出法」を採用しており、LPガスの輸入から販売までのタイムラグが約3ヶ月あるため、輸入価格の上昇時には安い原価の在庫を高く売ることから増益要因となる一方、下落時には高い原価の在庫を安く売ることから減益要因となります。
なお、当連結会計年度は7億円の増益効果(前連結会計年度は31億円の減益効果)が生じております。
(3) 気候変動に係るリスクについて
当社グループは、化石燃料であるLPガスを主力商品としている一方で、水素など脱炭素化に資する商品の普及拡大にも注力しており、今後の気候変動に係る規制等の動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、グループ全体のリスクを統合的に管理する「危機管理委員会」の傘下に設置している「サステナビリティ推進委員会」にて、気候変動に係るリスク・機会、取り組み方針、目標などについての議論や実績の進捗確認を行っています。
気候変動に係る詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。
(4) 為替変動による影響について
当社グループは貿易取引において為替リスクを負うことがありますが、為替予約等を行うことにより、為替相場の変動によるリスクを回避しています。なお、急激な為替の変動が起きた場合には、このリスクを完全に排除することは困難であるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 災害等について
当社グループは、高圧ガス保安法等に基づくLPガス・産業ガス等を取り扱っております。そのため、法律に基づいた定期的な法定検査及び自主的な検査・点検を行っております。ただし、大規模な地震等の天災により基地などの出荷設備やお客様側の消費設備に甚大な被害があった場合や感染症の大規模な流行などにより、安定供給ができなくなる可能性があります。
(6) 規制緩和等による競争激化について
電力・ガス小売事業の全面自由化や国内の人口減少・地方都市の過疎化等に伴い、同業者間及びエネルギー間の競争環境が変化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) カントリーリスクの影響について
当社グループは、貿易取引やアジアを中心とする海外事業展開を行っていますので、その地域における政治・経済情勢の悪化や、予期しない法律・規則・税制の変更、治安の悪化等の状況によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 金利変動による影響について
当社グループは、M&AによるLPガス直売顧客数の拡大や産業ガス事業拡大に向けた設備投資など、戦略的な投資に対する資金需要があり、金利変動が業績に影響を与える可能性があります。
(9) 取引先の信用リスクの影響について
当社グループは、取引先に対して様々な形で信用供与を行っており、債権の回収が不可能となるなどの信用リスクを負っております。これらの信用リスクを回避するため、当社グループでは取引先の信用状態に応じて、信用限度額の設定や必要な担保・保証の取得などの対応策を講じております。しかしながら、取引先の信用状態の悪化や経営破綻等により債権が回収不能となった場合などには、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 保有有価証券価格の変動による影響について
当社グループは、グループ企業の株式を保有するとともに、事業上の関係緊密化を図るために取引先などの有価証券を保有しております。今後の株式市場の変動によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。政策保有の目的で保有する株式については、毎年取締役会において個別に保有の適否を判断しております。
(11) 商品の欠陥について
当社グループが提供する製品・サービスについては、適切な品質管理体制のもと対応しておりますが、製造物責任賠償やリコール等が発生した場合には、当社グループの社会的信用や企業イメージの低下、多額の費用負担が発生するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 個人情報の取り扱いについて
当社グループは、LPガス事業をはじめとした各種事業において多くの個人情報を取り扱っており、個人情報保護法に定める個人情報取扱事業者として、個人情報の取扱状況について適切な管理を行い、法の遵守に努めております。ただし、当社グループの取り組みにもかかわらず、個人情報の流出が発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下、顧客からの損害賠償請求など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) コンプライアンスに係るリスクについて
当社グループは、国内外で各種の法令・規制・社会規範の下で事業を展開していることから、コンプライアンス委員会を設置して遵法体制の強化に努めております。さらに、当社グループの全構成員が遵守すべき規範として「イワタニ企業倫理綱領」を制定・周知するなど、コンプライアンスの徹底を図っております。ただし、当社グループの取り組みにもかかわらず、法令等に抵触する事態が発生した場合には、当局からの行政処分、利害関係者からの訴訟、当社グループの社会的信用の低下などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社の利益配分につきましては、継続的かつ安定的な配当により株主の皆様へ還元すると同時に、成長戦略を支えるための投資等に活用し、企業価値の最大化を図ることで株主の皆様のご期待に応えていくことを基本方針としています。中期経営計画「PLAN27」では、利益成長に応じて着実に増配し、最終年度にあたる2027年度には配当性向20%以上(市況要因を除く当期純利益(注)1ベース)、減配を行わない累進配当を目標に掲げています。
また、2024年3月28日付「コスモエネルギーホールディングス株式会社の株式追加取得(持分法適用関連会社化)に関するお知らせ」にて開示いたしましたとおり、当連結会計年度において、コスモエネルギーホールディングス株式会社(以下「コスモエネルギーHD」)を持分法適用の範囲に含めています。
これに伴い、配当方針については、以下のとおり区分して配当することとします。
<配当方針>
①コスモエネルギーHDの持分法化に伴う利益影響を除く当期純利益(注)1
②コスモエネルギーHDの持分法化に伴う利益影響
①の方針については、PLAN27で掲げた目標のとおりです。②の方針については、コスモエネルギーHDの在庫評価の影響を除く当期純利益(注)1に持分比率(注)2を乗じた金額の20%を配当することとします。
(注)1 親会社株主に帰属する当期純利益
(注)2 持分法に係る投資損益を算出する際に適用する比率
なお、当社の剰余金の配当は期末配当のみの年1回を基本的な方針としており、配当の決定機関は株主総会であります。
当事業年度の期末配当につきましては、1株につき130円としております。
(注)3 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
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2024年6月19日 |
定時株主総会決議 |
7,485 |
130 |
(1株当たり配当額の内訳)
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1株当たり配当額(円) |
①コスモエネルギーHDの持分法化に伴う利益影響を除く 当期純利益に対する配当 |
130 |
②コスモエネルギーHDの持分法化に伴う利益影響 に対する配当 |
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当事業年度の期末配当(2024年6月19日定時株主総会決議)におけるコスモエネルギーHDの
持分法化に伴う利益影響は負ののれん相当額に起因するため、②に該当いたしません。