2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態に影響を与える可能性があると認識している主なリスクを記載しております。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、リスク発生の回避及び発生した場合の極小化に努めて参ります。

 

(1)食品に関するリスク

①食の安全性

 食材の安全性確保に疑問が生じた場合、調達先の見直し、調達先の分散、メニューの主要食材の見直し、原産地表示などトレーサビリティーを確立し、お客様の不安を抑える必要があります。当社グループでは、取引先の協力を仰ぎながら、産地、加工工程、添加物などをデータベース化し、食材の安全を担保しておりますが、万一、表示内容に重大な誤り等が発生した場合には信用低下等を招き、店舗売上高減少などにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②食品事故

 当社グループの各営業店舗及びセントラルキッチン(工場)は、飲食業界の一員として、何よりも食中毒の発生を未然に防ぐべく、厳正な品質管理及び衛生管理を徹底し、お客様に安心して頂ける料理の提供に努めております。万一、食中毒が発生した場合、損害賠償による損失の発生、一定期間の営業停止などにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業に関するリスク

①外食業界の動向

 当社グループが属する外食産業市場では、ライフスタイルの変化や健康志向の高まり、また、新たなコンセプトや食材・料理などの出現により消費者の行動・意識が日々変わっております。

 当社グループは、環境の変化に対応すべくライフスタイルの変化に順応した店舗戦略、嗜好の変化や新たな人流トレンドに適応した施策の実施などを行っておりますが、当社の想定以上に市場が変化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②原材料調達

 当社グループは、使用する食材が多岐にわたる為、疫病の発生、天候不順、自然災害の発生等により必要量の原材料確保に困難な状況が生じたり、市場価格や為替相場の変動により調達価格が高騰したりした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③出店政策

 当社グループの営業店舗は、駅前から郊外立地まで幅広く出店しておりますが、新規出店につきましては、立地条件や賃貸条件などを総合的に勘案して決定している為、条件に合致する物件が確保できない場合、計画通りの新規出店が実行出来ず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④敷金及び差入保証金

 当社グループでは、出店に際して賃貸人に対し敷金及び差入保証金を支払っております。敷金及び差入保証金は賃貸借期間中、賃貸人に預けておくことになる為、賃貸借契約の時点で賃貸人の資産状況などを審査しておりますが、経済事情の急変の影響による預託先の経済的破綻等により、預託金の一部又は全部が回収不能となる場合や期間満了前に中途解約した場合には返還されない場合があります。このような事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤加盟店との関係

 当社グループは、加盟希望者とフランチャイズ契約を締結し、特定地域において出店する権利を付与しておりますが、加盟契約締結後、長期間出店場所が確保できない状態が続いた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

⑥人材の確保及び育成

 当社グループの継続的な業績拡大には優秀な人材の確保が不可欠であり、採用体制の整備や確保した人材の育成を最重要課題として継続的に注力しております。

 しかしながら、人材の採用環境の悪化等により必要な人材が集まらない場合、人件費が上昇した場合、採用した人材の育成が順調に進まない場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)財務に関するリスク

①経済事情の急変

 想定外の経済事情の急変があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。

 

②店舗固定資産の減損

 当社グループでは、営業店舗を中心に土地、設備等を保有しており、直営店舗等について営業活動から生ずる損益が著しく低下、又は資産の市場価格が帳簿価額より著しく下落した場合には、減損損失が計上され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③のれんの減損

 当社グループでは、M&Aを成長戦略の重要な柱と位置づけ実行して参りました結果、連結財政状態計算書にのれんが計上されております。のれん対象資産の評価額が帳簿価額より著しく下落した場合には、減損損失が計上され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④有価証券の時価変動

 当社グループでは、売買を目的とした有価証券は保有しておりませんが、成長戦略の柱の一つに位置付けておりますM&Aに関連して、売却可能な有価証券を保有する場合があります。

 これらの有価証券のうち、時価を有するものについては、全て時価にて評価されており、市場における時価の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤為替変動

 現在、当社グループは海外事業として12の国と地域で389店舗を直営又はFCで展開しており、資産・負債を現地通貨建て保有し、収入も現地通貨にて計上しておりますが、今後も各地での出店を加速させる中で現地通貨建ての資産・負債・収入の更なる増加が見込まれます。為替リスクを管理する体制を整備しているものの、予期せぬ要因で為替レートが急変した場合は為替評価損を計上する可能性があります。

 

(4)リーガルに関するリスク

 当社グループが展開する事業は、各種法令・規則等の規制を受けております。当社グループはこれらの法令・規則の改正状況の適時適切な把握に努めると共に、当社グループ役職員に対して各種コンプライアンス研修を実施しております。

 しかしながら、これらの法令・規制等に違反したことにより、賠償義務を負った場合や、当社グループの社会的信用が低下した場合、また、新たな法的規制により多額のコストが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5)情報に関するリスク

 当社グループは、営業秘密の他、お客様の個人情報を保有しております。個人情報・営業秘密の取扱いに関して、当社グループ全体で適正な管理に努めておりますが、万一、個人情報・営業秘密の漏洩や不正使用などの事態が生じた場合には、社会的信用の低下、損害賠償義務により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6)環境に関するリスク

①大規模災害

 当社グループの営業店舗は、47都道府県に渡り位置しております。従って、いずれかの地域での大規模災害が発生した場合、店舗施設の損害やシステム障害で店舗営業において多大な影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②感染症等

 感染症等の発生による外食機会減少の可能性、行政からの要請による店舗営業制限の可能性があります。

 当社グループでは、行政からの各種要請に従い、社会機能の維持、お客様と従業員の安全安心の為、店舗営業を制限した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③気候変動・環境対応

 当社グループでは、サステナビリティ専門部署を立ち上げリスクの低減に取り組んでおりますが、気候変動による自然災害や異常気象などにより営業の継続が困難になる場合、当社グループの気候変動・脱炭素の対策が不十分であると評価され、社会的信用が低下した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は株主への利益還元を経営の最重要課題の一つとして認識し、収益に応じて積極的に還元していきたいと考えております。

 今後の利益配分につきましては、長期的な事業成長と経営体質の強化の為に必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続していくことを基本方針としております。内部留保資金につきましては、事業拡大と効率化の為のM&A、新規出店、設備投資、人材の育成等に充当し、企業価値の向上に努めて参りたいと考えております。

 当社の剰余金の配当は、現在、期末配当の年1回を基本的な方針としており、配当の決定機関は取締役会であります。

 尚、当社は、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる。」旨定款に定めております。

 当期につきましては、2024年5月9日の取締役会にて決議されました通り、当社普通株式1株につき金5円、優先株式1株につき金3,149,090円、第2回優先株式1株につき金3,649,090円及び第3回優先株式1株につき3,500,000円と致します。尚、この場合の配当総額は普通株式につき434百万円、優先株式につき94百万円、第2回優先株式につき109百万円及び第3回優先株式につき315百万円となり、併せて952百万円となります。