2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

(1)事業展開について

 当社は日本国内で回転寿司事業(直営による回転寿司のチェーン展開)を行っており、店舗は概ね120席以上の大型店を郊外に展開しております。競合他社との競争の激化、消費者ニーズの変化、米・魚等の材料価格の上昇等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)減損会計の適用について

 当社グループでは、回転寿司事業を中心に店舗設備等を保有しており、店舗損益の悪化等により営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなる場合には、固定資産の減損に係る会計基準の適用により減損損失が計上され、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3)有利子負債依存度について

 当社グループは、設備資金・敷金及び保証金等を主として借入金・社債によって調達しております。負債及び純資産合計に占める有利子負債依存度は、2023年3月期に38.3%、2024年3月期に37.0%となっております。変動金利による借入金・社債は金利変動リスクに晒されており、金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(単位:百万円)

期別

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

科目等

 

 

 

 

 

有利子負債合計

7,602

12,004

11,766

11,087

11,164

 

短期借入金

4,000

 

1年以内返済予定の長期借入金

180

980

1,380

1,980

 

1年以内償還予定の社債

1,490

1,720

1,015

580

490

 

未払金(割賦)

928

1,155

1,024

1,345

1,370

 

リース債務

359

192

81

15

 

社債

3,005

2,185

1,170

590

100

 

長期借入金

730

5,550

4,170

4,890

 

長期未払金(割賦)

1,819

1,840

1,944

3,007

2,334

有利子負債依存度

26.3%

37.5%

37.2%

38.3%

37.0%

 

(4)敷金及び保証金について

 当社グループは、出店等に際して賃借物件(土地・建物)により店舗開発を行うことを基本方針としております。2024年3月末現在、296店舗中292店舗が賃借物件であり、敷金及び保証金の連結総資産に占める割合は、2024年3月末現在11.4%となっております。従いまして、賃借先の経営状況によっては、当該店舗にかかる保証金の一部又は全部の回収不能や店舗営業の継続に支障等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)商品の品質管理及び衛生管理について

 当社グループの各社において商品の鮮度管理を徹底し、厳正な品質管理及び衛生管理を実施し、食中毒を起こさぬよう注力しておりますが、衛生問題及び社会全般の一般的な衛生問題が発生した場合には信用低下等を招き、店舗売上高減少などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、工場等にて衛生問題以外の問題の発生により、工場が一時的な操業停止又は工場稼働率が低下した場合においても、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)災害・事故等について

 地震等の自然災害や火災・事故などにより、店舗の営業に支障が生じたり従業員が被害を受ける可能性があります。これに伴う売上高の減少、営業拠点の修復又は代替のための費用発生等、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)感染症について

 新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類感染症へ移行して以降、当社グループの売上高は回復が進みましたが、今後も感染拡大が続き再度緊急事態宣言・措置が発動された場合には、感染症拡大防止措置を講じつつ、店舗運営の継続に努めることとしておりますが、各自治体からの要請等に基づく、営業時間の短縮及び臨時休業等の措置がとられた場合は、来店客数の減少等が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)システム障害について

 当社グループは、積極的にDX化、IT化を推進しております。商品の注文および提供、食材の発注、勤怠管理、売上管理等の店舗管理システムの運営管理は万全の体制を整えておりますが、停電や機器の欠陥、コンピュータウィルス等の不足の事態によりシステム障害が発生した場合には店舗運営に支障をきたすことになり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)仕入れコストについて

 仕入価格の変動が経営成績に与える影響を抑制するための施策を実施しておりますが、円安の想定以上の長期化、ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢などを背景とした地政学リスクなどの影響による原材料・エネルギー価格の高騰は継続しており、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)訴訟等について

 当社は、元役員及び社員による競合会社の営業秘密に係る不正競争防止法違反の疑いに関して、2022年10月21日に元役員及び社員と共に同法の両罰規定に基づき起訴されており、元役員については、2023年5月31日に有罪判決が言い渡され、同判決が確定しております。当社及び社員は2024年2月26日に東京地方裁判所より有罪判決(当社罰金30百万円、社員罰金2百万円)が言い渡されましたが、これを不服とし東京高等裁判所に控訴いたしました。当社は、当社の主張に確固たる根拠があるものと考えており、社外弁護士と連携の上、応訴体制を整備し、適切に対応しております。今後の推移によって当社の将来の連結業績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点において最終的な判決の結果を予想することは不可能であり、その影響額を合理的に見積ることが困難であるため、連結財務諸表には反映をしておりません。

 また、当社は、株式会社はま寿司から営業秘密に係る損害賠償として、2023年12月27日付けで東京地方裁判所に5億11百万円の支払いを求める訴訟を提起されております。本件について、社外弁護士と連携の上、応訴体制を整備し、適切に対処してまいります。今後の推移によって当社の将来の連結業績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点でその影響額を合理的に見積ることが困難であるため、連結財務諸表には反映をしておりません。

 なお、当社は、従前より食品衛生・メニュー表示、ハラスメント、インサイダー情報管理、個人情報保護、ソーシャルメディアリスク等のコンプライアンスに注力しておりましたが、2022年10月21日の起訴を受け、営業秘密管理を含むコンプライアンス教育を継続不断の取組みとし、コンプライアンスに関する取組みをより一層強化し徹底しております。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、会社法第459条第1項に基づき取締役会決議によって毎年3月31日、9月30日を基準日として剰余金の配当ができる旨を定款に定めております。株主及び一般投資家保護の基本原則を十分認識し、経営基盤の確保と株主資本利益率の向上を図りつつ、安定配当及び株主優待制度を継続するとともに、業績に応じた株主還元を積極的に行うことを基本方針としております。

 当社は、中間配当制度を導入しておりますが、期末の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、取締役会であります。内部留保金につきましては、今後の経営環境の変化に対応すべく、経営体質の強化を図るための諸施策等に有効投資してまいりたいと考えております。この方針に基づき、当期の期末配当につきましては、取締役会決議により1株当たり5円とさせていただきました。