2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,059名(単体) 2,692名(連結)
  • 平均年齢
    45.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    19.7年(単体)
  • 平均年収
    7,010,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

航空機内装品等製造関連

1,625

(53)

航空機シート等製造関連

279

(6)

航空機器等製造関連

221

(23)

航空機整備等関連

401

(26)

その他

32

(-)

全社(共通)

134

(7)

合計

2,692

(115)

 

(注) 1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3 臨時従業員は、パートタイマーの従業員であります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,059

45.0

19.7

7,010

   (62)

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

航空機内装品等製造関連

434

(22)

航空機シート等製造関連

89

(5)

航空機器等製造関連

153

(20)

航空機整備等関連

249

(8)

全社(共通)

134

(7)

合計

1,059

(62)

 

(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3 臨時従業員は、パートタイマーの従業員であります。

4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社の労働組合はジャムコ労働組合と称し、航空連合に加入しております。2024年3月31日現在の組合員数は  698名であり、労使関係については良好であります。

なお、連結子会社については、労働組合はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の

割合(%)(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

嘱託従業員

パート・

有期労働者

4.9

65.0

70.2

79.5

74.8

95.3

賃金は性別に関係なく同一の基準を適用していますが、職位別の男女比率、男女間の在籍年数の相違などにより男女で差が生じています。

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の

割合(%)(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)(注2)

労働者の男女の賃金の
差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

㈱新潟ジャムコ

-

41.7

68.1

70.9

73.4

賃金は性別に関係なく同一の基準を適用していますが、職位別の男女比率、男女間の在籍年数の相違などにより男女で差が生じています。

㈱宮崎ジャムコ

7.1

70.0

76.2

90.8

140.3

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在において当社グループが合理的に判断したものであります。

 

当社は、2022年5月に次のサステナビリティについての基本方針を策定しました。

ジャムコグループは、自然との共生をはかり、企業活動を通じて人々の幸せと豊かな社会づくりを追求し、世界の持続的な発展に貢献していきます。

・ グローバル社会が直面する地球環境問題をはじめとした様々な課題に挑戦します。

・ 地球温暖化の問題を喫緊の課題と認識し、あらゆる環境負荷低減施策に取り組みます。

・ 事業環境の変化を新たな成長の機会と捉え、より安全で安心な製品・サービスの提供を通じて持続可能な社会づくりと企業価値の向上を目指します。

 

この基本方針に基づき、サステナビリティに関して当社グループでは次のような取組みを行っています。

 

(1)ガバナンス

当社の取締役会は、経営方針や経営計画等の経営の重要事項の審議・決定・監督を通じて、気候関連リスク・機会への対応など気候関連課題を含むサステナビリティ活動に係る重要な方針や課題対応、人員計画や設備投資等のリソース配分の決定等に関与しています。

サステナビリティに関する取組みの執行体制は以下のとおりです。

 

① サステナビリティ推進ボード(Sustainability Promotion Board:以下「SPB」という。)

SPBは、経営層によるサステナビリティに関する内部統制組織と位置付け、代表取締役社長を議長にサステナビリティ推進、業務統括、経理財務をそれぞれ担当する執行役員で構成しています。

SPBでは、当社のビジョンや経営戦略に影響を及ぼすようなサステナビリティに関する重要な方針の決定及び重要課題(マテリアリティ)の特定、並びにこれらに関する施策や重要事項を決定すると共に、サステナビリティ活動全体の実効性の監視、監督を行っています。又、その決定事項や活動状況については、適時、取締役会に報告しています。

SPBでは、2050 年に向けたカーボンニュートラルをはじめとした環境課題への対応はもとより、ESG、SDGs を踏まえた中長期的な視点でサステナビリティへの取組みを推進しています。

 


 

② サステナビリティ活動の推進体制

本社機構にサステナビリティ推進部を置き、同部はSPB事務局として、グループのサステナビリティ全体の取組みを統括すると共に、SPBの方針に沿ってマテリアリティ等の実務対応をするワーキング・グループの活動を主導して、気候変動課題への取組みを含めた活動を推進しています。サステナビリティ推進担当執行役員は、これらの活動状況を定期的に取締役会へ報告しています。

・EMS推進委員会

EMS推進委員会は、社内規程及びISO14001環境マネジメントシステムに則した環境保全活動を推進する組織です。サステナビリティ推進担当執行役員(環境統括責任者)を委員長にサステナビリティ推進部にEMS推進委員会事務局を置き、各事業部長及びサステナビリティ推進部長(以上、環境管理責任者)並びに各職場のエコリーダーを委員として構成しています。

・CSR推進委員会

CSR推進委員会は、ISO26000の中核主題等の社会的な課題全般に対応するためのCSR活動を推進する組織です。サステナビリティ推進担当執行役員を委員長にサステナビリティ推進部にCSR推進委員会事務局を置き、それぞれの社会課題を主管する事業部及び本社各部門を代表する委員で構成しています。

 

(2)リスク管理

経営環境の変化に伴い、対処すべきリスクの種類や影響の度合いも常に変化しています。こうした変化に迅速且つ的確に対処できるリスクマネジメント能力とリスクへの対応の優劣は、企業の存続や企業価値の評価にも直結して来るものと認識しています。当社グループの総合的なリスク管理体制は以下のとおりです。

 

① リスクマネジメント体制

当社の「内部統制規程」において「内部統制体制の構築と維持に関する基本方針」を定めています。この方針に従い、内部統制を統括するCompliance Risk(CR)会議(議長:代表取締役社長)の下、代表取締役社長が取締役又は執行役員の中から指名したチーフ・リスクマネジメント・オフィサー(CRO)が責任者となり、リスクマネジメントを統括しています。

・リスクマネジメント委員会

リスクマネジメント委員会は、全社のリスクマネジメントを統括し、リスクマネジメントを推進する組織です。CROを委員長に業務統括部にリスクマネジメント委員会事務局を置き、事業部及び本社部門の委員により構成しています。同委員会では、全社リスクの識別、分類、分析及び評価を行い、主要なリスクへの対策を立案してCR会議へ提言しています。CR会議はリスクマネジメント委員会の提言を受けて、リスク対策を行う部門を定め、その実行を指示しています。

 


 

 

② リスクの評価・特定と管理

当社の「リスクマネジメント規程」において以下の事項を定めてリスクマネジメントを運用しています。

・リスクマネジメント方針

・リスクマネジメント体制

・リスクマネジメント取組内容

・リスクの評価、対策の立案と実施

・研修

・活動の監視

当社では、災害リスク、社会リスク、政治リスク、経済リスク、戦略リスク、オペレーションリスク、ガバナンス・企業文化リスクに対処するため、およそ160 項目のリスクを洗い出し、全社に影響を及ぼす主要リスクへの対応はリスクマネジメント委員会で、又、部門固有のリスクに対してはそれぞれの部門のリスクマネジメント責任者が評価、分析、対策立案、対策について継続的に管理しています。

又、事業上、グループ企業と直接的に関係する部門は、グループ企業においてもリスクが顕在化し得ることを認識し、グループ企業の日常のリスクマネジメントに協力する体制をとっています。

 

(3)戦略

当社グループでは、JAMCO Vision 2030 で掲げる価値創造企業へのロードマップと長期経営戦略としてAction Plan 2030(以下「AP2030」)を策定し、その取組みの柱のひとつであるサステナビリティ・トランスフォーメーション推進プログラム(全社サステナビリティ課題対応プロジェクト)に取り組んでいます。サステナビリティについての基本方針に基づき、グローバル社会が直面する様々な課題の解決に挑むと共に、社会の変化(リスク)を事業の新たな成長機会と捉え、航空業界で培った技術力と確かな品質を進化させ、持続可能な社会づくりとその発展に貢献していきます。

SPBは、気候変動への対応を柱に、「2050年カーボンニュートラル」を念頭に置いたグループ全体のESG及びSDGsへの具体的な取組みを推進します。 又、SPB傘下のワーキング・グループは、新たなビジネスの創出に取り組み、JAMCO Vision 2030の実現(価値創造企業グループの実現)に貢献します。なお、サステナビリティ・トランスフォーメーション推進プログラムでは、CSR活動の取組みと併せてサステナビリティ全般に係る課題抽出と対応についても推進していきます。

当連結会計期間においては、2023年3月に特定したマテリアリティ(ESG重要課題)の取組み体制の構築を進めました。事業部及び本社部門において、マテリアリティに対する具体的な取組み事項の洗い出しを行うとともに、事業部において、事業部長及び事業部の執行役員を責任者としてマテリアリティへの取組み管理部門を選定し、事業部内のマテリアリティへの対応・施策関係部門が具体的なアクションを主体的に実行する体制の基盤をつくりました。

又、取組み体制の構築と並行して、マテリアリティのなかで優先課題として認識した、「カーボンニュートラルへの取組み」、「資源循環への取組み強化」の重点ワーキング・グループ会議を全社横断的に行い、GHG排出量削減と廃棄物の総排出量削減における課題とその取組みを阻害する真因の分析を進めました。

加えて、「生き生きとした職場づくり」の重点ワーキング・グループ会議では、人的資本経営の施策と人事部門のこれまでの施策を比較検討し、人財育成・教育、人事制度、社員とのエンゲージメント等に係る人的資本に関する課題とその取組みを阻害する真因の分析を進めました。

次期以降、全社横断的ワーキング・グループ会議で決定した優先的に取り組む施策について、社内の合意形成を進め、中長期的な取組み計画及び価値創造ストーリー策定に向けた取組みを継続してまいります。

 

■ ジャムコグループが取り組む重要課題(マテリアリティ)

国際ガイドライン(GRIスタンダード、SASB)やSDGs、ESG評価機関の評価項目などをベースに、自社の事業活動での課題やお客さま及びサプライチェーン・パートナーとの取組み課題を整理、抽出し、ステークホルダー及び自社の視点による評価を実施しました。その評価結果に基づき、SPB傘下のワーキング・グループや外部専門家を交えた検討を経て、SPBにおいて次の7項目のマテリアリティを特定しました。

 

マテリアリティ

目指す姿

カーボンニュートラルへの取り組み

a. 技術開発を通したカーボンニュートラルへの取り組み

b. 生産効率向上等によるGHG排出削減、再生可能エネルギーの積極的導入

当社グループは、軽量化技術と低炭素製品技術開発による製品やサービスを提供し、脱炭素を推進するビジネスを通じて、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献していきます。又、CO2排出量削減目標が達成できる製造プロセスへ転換します。

資源循環への取組み強化

当社グループは、「技術力と品質」を更に磨き、「経験と知識」を融合し進化させ、サーキュラーエコノミーへの移行に向けて廃棄ロスの削減、資源の循環を推進します。

あんしん、快適な移動空間の実現

当社グループは、進化・発展する航空宇宙分野において、又、生まれて来る革新的な次世代モビリティにおいて、当社の提供した製品やサービスを通じて、より多くの人々が安心して快適に移動できる社会の実現に貢献します。

社会・地域への貢献

当社グループは、良質な雇用環境の提供と社会貢献活動を通じて、コミュニティの発展に貢献し、社会との信頼関係を構築します。

サプライチェーンにおける関係者との信頼関係強化

当社グループは、ビジネスパートナーへ調達方針を十分に周知し、公正で健全なビジネス関係を築きます。又、それぞれの国の文化や習慣を尊重し、サプライチェーン全体で誠実な経営に取り組むことで、信頼関係を構築します。

生き生きとした職場づくり

a. 新たな未来を切り拓く人財育成

b. 生き生きと働くための職場環境整備

当社グループは、誠実で社員を大事にする会社であり続けます。国内・海外を問わず、グループ全体で、社員の成長を支え、社員一人一人が仕事への誇りと高い技術力を持って業務に取り組み、生き生きと働く事のできる職場環境づくりに取り組みます。

組織のレジリエンス強化

当社グループは、「技術のジャムコは、士魂の気概をもって」を基軸とする経営理念のもと、顧客への製品・サービスの提供を通じて社会に貢献し、誠実な経営を通じて、企業としての社会的責任を果たし、あらゆるリスクに対して迅速に対応できる体制を整えて、社会からの信頼に応えていく企業として永続していきます。

 

 

<気候変動及び人的資本への取組みについて>

気候変動課題及び人的資本への取組みについては次のとおりです。

 

① 気候変動への対応

サステナビリティに関係する各種社会課題のうち、喫緊の対応が必要な事案として先進各国政府が協働して推進を強化している温室効果ガス(GHG)排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向けた取組みを進めています。

航空機内装品事業部の国内拠点における、自社施設内での再生可能エネルギーの生産の取組みを進め、オンサイトPPAによる電力供給契約締結等の活動を進めました。

今後、航空機整備・製造事業部の国内拠点においても同様の取組みを進めてまいります。

気候変動への対応(TCFD提言に基づく情報開示)については、当社のウェブサイトのサステナビリティ情報のページに公開しています。

https://www.jamco.co.jp/ja/csr.html

 

② 人的資本への対応

当社グループは、「航空業界を基軸に、技術力を生かした付加価値の高い製品及びサービスを供給する。」を経営基本方針のひとつに掲げており、飛行安全の確保と品質の向上を最優先に、顧客のニーズに応える製品・サービスの供給に努めています。その実現には、専門的で高度な知識・技量・能力、経験を有する人財が必要であり、人財は最も重要な資産であると言えます。又、最近では、産業構造の恒久的変質やデジタル技術の進展などによって、新たな事業リスクへの対応や事業機会の創出がより一層求められており、このような対応に順応するための人財の確保や育成が急務となっています。こうした人財に必要な知識やスキルの継続的な習得機会を設けるために、長期経営戦略AP2030におけるアクションプランの柱のひとつにHRXプログラムの推進(戦略的DX人財育成)を掲げ、変革リーダーマインドセット向上に資する社外教育プラン等を活用した取組みを開始しています。

なお、人的資本についてのサステナビリティ課題に関しては、ガバナンスについては(1)項のガバナンスに記載の体制にて、又、リスク管理については(2)項のリスク管理に記載のリスクマネジメント活動において、それぞれ対応しています。

 

A.  人財育成について

A-1. 人財育成方針
人財育成において教育訓練は重要な施策であり、教育訓練方針を社内規程に定めています。
 又、2024年度には、「持続可能な企業価値の向上」を実現するために必要な「あるべき人財像」を定め、人財育成方針を策定していきます。

A-2. 人財育成制度
次に示す研修制度等を通じて人財育成を推進しています。

a. 階層別研修
 階層別研修は、新たな昇格者向けにエントリー研修とブラッシュアップ研修で構成し、当該役職に期待される役割の理解とそれに応じた能力の向上及び職場で直面する課題解決の思考や手法等の習得を目的としています。

b. 選抜式研修
 将来の幹部候補者を選抜して早期に育成するための研修で、事業環境を認識させながら気付きを与えて自覚と行動変革を促すと共に、マネジメント能力の向上を図っています。
 又、女性活躍推進も重要な経営課題としており、女性リーダー及びその候補者育成のためのトレーニングプログラムを通じて、リーダーとしての役割を理解して自覚を促すと共に、ビジネススキルを向上させる研修を実施しています。

c. 専門スキル研修
 職務上必要となる社内資格や公的資格、専門的な知識・技術・技能等を習得するため、各事業部による専門教育を計画的に実施しています。

d. 語学研修
 会社の国際競争力向上に向けて、グローバル人財育成のための海外語学研修制度の中で、海外派遣プログラム、語学学校の研修プログラム、E-ラーニングやオンライン英会話など種々のカリキュラムを実施しています。海外派遣プログラムでは、語学力の向上に加え、異文化や社会的構造の違いなどを理解しグローバル思考を醸成する目的で、北米の大学及びフィリピンの語学学校に8週間程度派遣しています。

e. テーマ別研修
 各種法令、社会情勢や事業環境の変化等に応じて、コンプライアンスや情報セキュリティをはじめ、一般的、専門的知識の醸成を目的とした研修を随時実施しています。

f. 自己啓発研修
 個人のキャリアアップ、スキルアップに資する各種通信教育、E-ラーニング等の自己啓発教育を自律的に受講する制度を設けています。

g. DX人財育成
 デジタル・トランスフォーメーションを推進すべく、DX人財の育成を進めています。長期的且つ幅広い視野を備えた次代の変革リーダーを育成すると共に、役職員全体の変革意識の向上及びデジタルリテラシーの醸成を目的に、教育のコースを「マインドセット向上」、「ビジネススキル向上」、「デジタルリテラシー向上」に区分して教育を行っています。

h. キャリア・ディベロップメント・プログラム(CDP)
 従業員一人ひとりが長期にわたって高いモチベーションを維持し、能力を発揮していけるようにCDPを人財育成施策として策定しています。
 CDPにおいてキャリアローテーション制度は、従業員が自身の職務経験や適性を踏まえて主体的にキャリアの目標を定め、その実現に向けた行動を支援する制度で、キャリアに必要な複数の職種を異動希望にも配慮しながら経験させるよう運用しています。又、サクセッションプランを運用して次代を担う経営層・経営幹部候補者を計画的に育成しています。

 

 

A-3. 多様な人財の確保と育成について
 当社グループにおける採用活動は、経営戦略及び経営計画に基づいて男女の隔たりなく人物本位で選考のうえ採用しています。又、キャリア採用にも注力し、必要とする即戦力人財を通年採用しています。キャリア人財は、貴重な戦力であるのみならず多様性のある組織づくりにも貢献しています。
 一方、創業以来、航空機に係る製造・整備を生業としてきてたことから、従来、役職員に占める女性比率は常に低い水準で推移してきましたが、女性活躍推進に注力し、経営幹部や管理職に占める女性割合の引き上げに向けた取組みを推進しています。

 

B.  社内環境整備について

B-1. 社内環境整備に関する方針・体制・施策等

a. 安全衛生
 当社は、労働安全の確保は経営の最も重要な基盤、且つ社会的責務であることに鑑み、役職員・組織が密接に協力、連携しながら安全で働きやすい職場環境の実現を目指しており、安全に関する基本方針を社内規程に定めています。又、安全衛生管理体制として人事総務担当執行役員を委員長に中央安全衛生委員会を本社に置き、各地区には地区安全衛生委員会を設置して組織的に活動しています。

b. 人権
 人権尊重の責任を果たすべく、国際人権基準に準拠した人権方針を社内規程に定めています。又、コンプライアンス規範には、「個人の人格・個性を尊重すると共に、差別・ハラスメント等の行為のない、安全で働きやすい環境の確保に努めます。」を掲げ、職場環境の維持改善に努めています。
 2023年度より、ジャムコグループにおける人権デューデリジェンスに着手しました。

c. ダイバーシティ(多様性)
 さまざまな背景を持つ社員が活躍できる職場環境を整え、人財のダイバーシティの推進を図ることで、グループの持続的成長とより良い社会づくりに貢献していきます。女性活躍推進については、一般事業主行動計画において女性役職者(主任以上)の割合の引き上げ、女性・男性社員それぞれの育児休業取得率の向上を目標に掲げています。又、女性の管理職の育成にも近年注力してきましたが、2022年度には社外取締役に女性を初めて登用しました。

d. 障がい者雇用
 当社グループでは、障がいを持つ人の雇用創出と活躍推進に継続的に取り組んでいます。グループ各社において、障がい者が共に働きやすい職場環境の整備に努めると共に、特例子会社である(株)オレンジ・ジャムコ(当社100%出資 1999年設立)における障がい者雇用も積極的に進めています。

e. ワークライフバランス
 当社では育児や介護などにおけるワークライフバランスを支援する諸制度を整備しています。産前産後・出産時休暇、育児休業、育児時短制度、子の看護休暇、介護休暇・休業制度等の制度の利用促進に向けた周知や相談窓口の設置、各職場での協力体制をとっています。男性従業員の育児休業取得にも注力しています。又、入社年次が浅い社員のワークライフバランス向上のため、入社3年までの社員の年次有給休暇の付与日数を引き上げ、一律20日としました。

f. 健康への取組み
 当社では社員の健康を守るため全従業員に対して、法定のストレスチェックに加えてメンタルヘルス教育を行っているほか、健康診断受診の義務化、一定年齢以上の人間ドック受診支援(全額補助)、24時間健康相談を受け付ける外部相談窓口を設置するなどの健康維持のための環境を整えています。又、従業員がけがや病気で働けなくなり収入が減少した場合に備えるため、GLTD(団体長期障害所得補償保険)制度を導入しております。

 

 

(4)指標及び目標

環境・社会課題を解決するための取組みとしてJAMCO Vision 2030、AP2030におけるサステナビリティ・トランスフォーメーション推進プログラムの中で指標や目標を設定し進捗管理を行っています。

 

①気候変動課題に関する指標及び目標

GHG排出量の推移と削減目標について、日本政府は、米国主催気候サミット(オンライン開催)において、2050年カーボンニュートラルと整合的で野心的な目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指すこと、更に50%の高みに向け挑戦を続けることを表明しました。

これを受けて当社も2050年カーボンニュートラル、2030年については、Scope1とScope2の合計で、2019年度を基準として50%以上の削減目標を設定いたしました。

なお、GHG排出量データを、当社のウェブサイトのサステナビリティのページ、「気候変動への対応(TCFDに基づく情報開示)」に公開していますのでご参照ください。

 

②人的資本に関する指標及び目標

戦略において記載した人的資本への取組み等により、既存事業の更なる成長に加えて、航空宇宙産業を通じて社会に貢献できるイノベーティブな企業集団づくりに努めてまいります。職場環境については、2023年度中に厚生労働省「くるみん」認定を申請し、2024年5月に認定されました。2024年度は、従来実施していた従業員意識調査アンケートよりもエンゲージメント要素を充実させた、従業員エンゲージメントサーベイを実施することを通じて、安全に、心身共に健康で働ける職場づくりはもとより、ダイバーシティ及びワークライフバランスの推進にも継続的に取り組んでまいります。

又、2023年度から目標としている「一般事業主行動計画」については、下表のとおりです。

 

計画期間 2023年4月1日~2026年3月31日までの3年間

施策と目標

状況

年次有給休暇の時間単位取得の導入

労働組合と運用について協議中

航空業界人財創出のための就業体験機会の提供

インターンシップの実施、航空人財育成プログラムによる高専向けeラーニングの動画提供、対面講義、工場見学の実施

女性の役職者(主任以上)の割合を10%以上とする

2024年3月31日現在 10.27%

計画期間内において女性社員の育児休業取得率100%を維持するとともに、男性社員の育児休業取得率の維持、向上(50%以上)を目指し、男性の育児への参画に取り組む

2023年4月~2024年3月までの男性育休取得率は、65.0%。引き続き高水準の取得率が維持できるよう、制度説明や取得希望者のフォローに努める