2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 4,596 100.0 1,273 100.0 27.7

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社は、医薬品開発における代行、支援業務として「安全性情報管理サービス」を主軸に、「ドキュメントサポートサービス」、「製造販売後調査支援サービス」、「臨床研究支援サービス」を展開しております。各サービスは、委受託契約によるサービス提供のみならず、一部、人材派遣契約によるサービス提供も行っております。なお、当社はCRO事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載せず各サービスについて記載しております。

 

(1) 安全性情報管理サービス

当サービスでは、医薬品開発における国内外の臨床試験や医薬品の市販後に発生する安全性情報について、入力・評価案作成、報告書案作成等の支援業務サービスを提供しております。

医薬品の臨床試験では、開発中の治験品を人体に投与することで、その望ましくない反応についての情報の収集、評価を行います。また、安全性が確認され上市された、優れた効能・効果を持つ医薬品であっても、様々な要因で望ましくない反応が生じる可能性があります。これらの望ましくない反応についての発現状況や有効性に関する情報(安全性情報)は、規制当局にあたる独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)への報告が製薬企業には義務付けられており、臨床試験中はもちろん、新薬としての承認を受けた後も継続的に収集・評価・報告をすることが求められております。当社では、収集された安全性情報について、安全性情報管理データベースでの症例管理番号の発番、安全性情報の入力や、PMDAへの報告要否についての評価案作成、報告書案の作成サービスを提供しております。また、安全性情報を管理する上で発生する日英/英日翻訳や紙資料のファイリング業務も行っております。

 


 

(2) ドキュメントサポートサービス

当サービスでは、医薬品開発の各段階で発生する様々な書類やPMDAへの上市の承認申請の際に必要な資料のQC(品質保証)・翻訳からCTD(日米EU3極共通の医薬品承認申請様式)と呼ばれる承認申請書の作成までの支援業務サービスを提供しております。

 

(3) 製造販売調査支援サービス

当サービスでは、新薬の承認後や適応追加後に実施される製造販売後調査において、調査を依頼する医療機関との契約書類等の作成・管理代行業務、調査票の管理、調査票のデータマネジメントや統計解析、調査関連文書のファイリング、コールセンター業務などのサービスを提供しております。

 

(4) 臨床研究支援サービス

当サービスでは、ヒトを対象とした医学系研究において、研究開始時の参加医療機関のサポート、臨床データの収集とチェック、研究実施状況のモニタリング、収集されたデータの統計解析/結果報告書作成まで、研究に係る一連のサービスをワンストップで提供しています。

 

[事業系統図]

 


業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の分析は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

(流動資産)

当事業年度における流動資産は4,060百万円と前事業年度末と比べ1,012百万円(33.2%増)の増加となりました。これは主に、現金及び預金656百万円の増加、売掛金及び契約資産247百万円の増加によるものです。

 

(固定資産)

当事業年度における固定資産は598百万円と前事業年度末と比べ14百万円(2.4%減)の減少となりました。これは主に、WDB臨床研究株式会社の吸収合併による関係会社株式237百万円の減少とのれん等の増加による無形固定資産208百万円の増加によるものです。

 

(流動負債)

当事業年度における流動負債は928百万円と前事業年度末と比べ209百万円(29.1%増)の増加となりました。これは主に、未払法人税等66百万円の増加、預り金162百万円の増加によるものです。

 

(固定負債)

当事業年度における固定負債は166百万円と前事業年度末と比べ27百万円(19.9%増)の増加となりました。これは主に、退職給付引当金20百万円の増加によるものです。

 

(純資産)

当事業年度における純資産は3,563百万円と前事業年度末と比べ760百万円(27.1%増)の増加となりました。これは繰越利益剰余金759百万円の増加によるものです。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、売上が好調に推移したことなどにより、2,658百万円(前事業年度末比656百万円増加)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動による資金の増加は、772百万円となりました。これは、主に税引前当期純利益1,272百万円、売上債権の増加額203百万円および法人税等の支払いによる354百万円等の資金の減少があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動による資金の減少は、91百万円となりました。これは、主に無形固定資産の取得による支出68百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動による資金の減少は、110百万円となりました。これは、主に配当金の支払いによる支出98百万円によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社はCRO事業(医薬品開発業務受託事業)を営んでおり、生産活動は行っておりませんので、該当事項はございません。

 

b. 受注実績

当社の提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載しておりません。

 

c. 販売実績

当社はCRO事業の単一セグメントであり、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

CRO事業

4,595,720

112.9

合計

4,595,720

112.9

 

  (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

中外製薬㈱

1,317,873

32.4

1,390,951

30.3

アッヴィ合同会社

379,497

9.3

409,078

8.9

グラクソ・スミスクライン㈱

357,398

8.8

408,922

8.9

MSD㈱

298,656

7.3

398,042

8.7

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果は、これら見積りと異なる可能性があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、原則として財務諸表に基づいて分析した内容であり、将来に関する事項にはリスクと不確実性を内在しており、将来生じる実際の結果と異なる可能性もありますのでご留意ください。なお、以下の記載のうち、将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

 

(売上高)

当事業年度における売上高は4,595百万円と525百万円(前事業年度比12.9%増)の増収となりました。これは、安全性情報管理、ドキュメントサポート、製造販売後調査支援の各サービスにおいて稼働を開始した複数の新規顧客からの受託案件、既存顧客からの追加受託案件のほか、2023年6月15日付けで吸収合併したWDB臨床研究株式会社における臨床研究サービスの売上が寄与したことが要因です。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度における売上原価は主に案件の増加に伴う人員増と育成による労務費の増加により2,655百万円(前事業年度比7.0%増)となり、売上総利益は1,940百万円(同22.1%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益、営業外収益、営業外費用、経常利益)

当事業年度における販売費及び一般管理費は667百万円(前事業年度比32.6%増)、営業利益は1,272百万円(同17.2%増)、経常利益は1,273百万円(同17.0%増)、売上高経常利益率は27.7%となりました。これは主に、販売費及び一般管理費において教育研修・システム開発部門の増強を行ったことが主な要因です。

 

(特別損益、当期純利益)

当事業年度における法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額は415百万円となり、当期純利益は857百万円(前事業年度比15.4%増)となりました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3. 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社の主な資金需要となる、運転資金及び設備投資等につきましては、市場からの調達及び自己資金を基本としております。

 

⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1. 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。