2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

マルチリンガルCRM事業 セールスアウトソーシング事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
マルチリンガルCRM事業 2,224 66.9 524 68.7 23.6
セールスアウトソーシング事業 1,099 33.1 239 31.3 21.8

事業内容

3【事業の内容】

 当社は、「マルチリンガルCRM事業」と「セールスアウトソーシング事業」を軸とし、クライアントの多様なニーズや課題に対応するビジネスモデルをプログラムし、画一的なサービス提供にとらわれない柔軟なビジネスソリューションを展開しております。特にクライアントに対して要件分析から課題抽出、企画提案、開始準備、業務実行、アフターフォローまで一貫対応できる体制が強みになります。

 かつて電話やFAXだけであった通信手段は、情報技術の発達に伴いウェブサイト、電子メール、SNS(注1)など選択肢が拡がっております。CRM(注2)においては、電話による「コール」だけではなく、様々な通信手段を利用することによりエンドユーザーとの接点を包括的に示す「コンタクト」という言葉が浸透してきております。当社では、単なるコールセンターに留まらず、エンドユーザーとの多様な接点を有するコンタクトセンターを標榜しております。

 当社では、クライアントとエンドユーザーの接点であるコンタクトセンターを基点としつつ、2つの事業セグメントのサービスメニューを組み合わせることにより、当社の対応領域を拡大させる一方、クライアントに対してCRMをコストセンターからプロフィットセンターへ転換を図るビジネスソリューションを提供し、それを実行する体制を備えております。

 

<当社のサービス提供イメージ>

 なお、これら2つの事業については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(注)1.SNS:Social Networking Service/インターネット上で人と人とのつながりを促進するサービス

 2.CRM:Customer Relationship Management/顧客満足度の向上を通じて売上・利益拡大を目指す経営手法

 

(1) マルチリンガルCRM事業

  「マルチリンガルCRM事業」は、株式会社インバウンドテックと連結子会社である株式会社OmniGridが運営しており、主にコールセンター運営の受託を通じたカスタマーサービス、IVRシステムの機能の提供、クラウド型通話サービス及び生成AIサービスを提供するOmniGrid事業、レンタルサーバーの提供をするデスクウイング事業などのクライアントの顧客(エンドユーザー)との関係の管理・維持を支援するサービスを中心としております。当社の特徴としては、カスタマーサービスについては24時間365日体制で稼動しているため、夜間や休日などでもエンドユーザーからの問い合わせを逃すことなく対応が可能である点、また、日本語を含めた12カ国語(日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、ベトナム語、ロシア語、フランス語、タガログ語、ネパール語)に常時対応している点であります。さらに、エンドユーザーとのコミュニケーションについては電話による音声形式に加え、タブレット型デバイスを使った映像通信、ウェブサイト、電子メール、SNSなど様々な通信手段に対応しており、国内における日本語を対象としたサポートだけでなく、外国語でのサポートや海外マーケティング等が必要な業種など、時間帯・通信手段・言語を問わず幅広い活用が可能になります。また、1人のオペレーターが複数案件対応できるシェアード体制を採っているため、専用の人員を用意する規模にない小型案件にも柔軟に対応でき、かつ、新規案件開始時のオペレーター確保を短期間で行うことができます。さらに、小規模オフィス・店舗向けにクラウド型ビデオ通話システムを利用した1分150円(最低利用限度額3,000円/月)から利用可能な通訳サービス「エコノミー通訳®」を開発し、当社からの直接販売に加えて、代理店への委託による販売や提携企業へのサービス卸売なども行っております。

 クライアントでは、当社の多言語カスタマーサービスを利用することで事業領域を拡大し、その結果、これまで逃していた利益獲得につながる事業展開が可能となっております。

 

<マルチリンガルCRM事業概略図>

<サービスの例>

 日本を取り巻くインバウンド環境においては、2020年初頭より新型コロナウイルス感染症が世界的な猛威を振るったことで急速に停滞し、訪日外国人は激減する形となり、在留外国人においても2019年の293万人をピークに減少に転じたものの、2022年には296万人に増加いたしました(出典:法務省出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。新型コロナウイルス感染症の収束によって、今後は更なる在留外国人の増加が見込まれます。こうした中、在留外国人をサポートする生活インフラ回りの多言語対応は課題となっております。

 当事業においては、当社のコンタクトセンターにてクライアントの顧客向けサービスを提供する他に、コンタクトセンター自体の設計、運用検討、オペレーターの採用及び研修、マニュアルやトークスクリプト作成等の構築サービスも提供しております。

 「マルチリンガルCRM事業」における多言語事業については成長途上の市場であり、当社のように専門で行っている競合他社は小規模の非上場企業が中心であります。当社は同業他社のアウトソーシングを含めて当事業を運営しております。

 

(2) セールスアウトソーシング事業

「セールスアウトソーシング事業」は、株式会社インバウンドテックと株式会社シー・ワイ・サポートが運営しており、当社グループがクライアントに代わって、クライアントの見込み顧客に対して営業を行うサービスを提供しております。一般的な「セールスアウトソーシング事業」では、成果報酬型と呼ばれる契約形態が多く、見込み顧客との契約が成立した段階でクライアントへの売上が発生するため、業務に従事する営業スタッフがどれだけ契約を獲得できるかという点がポイントになるビジネスモデルですが、当社では営業スタッフの契約獲得量のみではなく、稼動人数あたりの固定売上が併せて支払われる契約を前提とする方針の下で活動しております。このため、より安定した収益構造が形成されている点、及び、クレームになるような過剰な販売勧誘を抑止するコンプライアンス体制である点が特徴であります。

 当事業は、当社がクライアントに代わって、当社のコンタクトセンターや業務委託先から、クライアントの見込み顧客に対して、商品等の紹介、販売勧誘、アンケート調査等の営業活動を電話(アウトバウンド)及び訪問により行うことに加え、クライアントの営業員や営業スタッフに対する研修の展開など、営業に関連する様々な業務を請け負っております。さらにクライアントの事務所内において、オペレーターの採用・育成、業務設計、並びにオペレーターを指導・監督するスーパーバイザー(SV)業務など、営業に関する業務を一括して受託する場合もあります。

 こうした柔軟な運用体制が当社の「セールスアウトソーシング事業」における最大の特徴となっております。

 

 事業系統図は、以下のとおりであります。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

資産の部

 当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末と比較して222,903千円減少し2,282,457千円となり、主な内訳は現金及び預金1,701,535千円、売掛金535,430千円であります。また、固定資産は前連結会計年度末と比較して19,520千円増加し1,495,408千円となり、内訳は有形固定資産143,090千円、無形固定資産1,151,987千円、投資その他の資産200,330千円であります。以上により、資産合計は前連結会計年度末と比較して203,383千円減少し3,777,866千円となりました。

 

負債の部

 当連結会計年度末における流動負債は前連結会計年度末と比較して110,087千円減少し842,206千円となり、主な内訳は買掛金132,890千円、短期借入金300,000千円、1年内返済予定の長期借入金144,000千円であります。また、固定負債は前連結会計年度末と比較して143,988千円減少し253,026千円となり、主な内訳は長期借入金252,000千円であります。以上により、負債合計は前連結会計年度末と比較して254,075千円減少し1,095,233千円となりました。

 

純資産の部

 当連結会計年度末における純資産合計は前連結会計年度末と比較して50,691千円増加し2,682,632千円となりました。主な内訳は資本金547,696千円、資本剰余金582,784千円、利益剰余金1,168,121千円、非支配株主持分554,333千円であります。

 

② 経営成績の状況

 当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による国内のインバウンド需要は急速な回復を見せておりますが、コロナ禍によって激減したサポートニーズについては回復のペースが追いついておらず、マルチリンガルCRM事業における多言語分野に係る業務の受注及び入電数についても増加傾向にあるものの、不透明な状況が続いております。一方、コロナ禍による生活様式の変化に伴い、ワクチン接種受付業務などのスポット案件を受注してまいりましたが、これらの業務はほぼ終了する形となったため、その減少分を官公庁や自治体などの公共関連業務の受注に注力することで、当事業全体としては成長軌道で推移しております。また、当社グループにおいては、連結子会社である株式会社OmniGridが計画通りの進捗となり、マルチリンガルCRM事業におけるセグメント売上高及び利益に貢献いたしました。

 もうひとつの事業セグメントであるセールスアウトソーシング事業においては、主力業務である東京電力グループとの委託業務が前年度に比べて縮小となり、また、期首から計画しておりました新案件が期待通りの収益計画に至らなかったために撤退したことなどから計画との乖離が生じた一方、大手携帯キャリアの契約切替勧奨業務が予想を上回る形で推移したこと及び外注費の圧縮を始めとしたコストコントロールによって利益の確保に努めてまいりました。また、連結子会社である株式会社シー・ワイ・サポートについて、期中より業務内容の見直しによってセールスアウトソーシング事業関連の業務に取り組む形で組織のリニューアルを行っております。

 その結果、当期の売上高は前期と比べ26,246千円増加し3,318,078千円、営業利益は前期と比べ64,279千円減少し330,230千円、経常利益は前期と比べ65,370千円減少し324,680千円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期と比べ46,186千円減少し208,291千円となりました。

 セグメント別の状況は以下のとおりであります。また、各事業分野のセグメント利益は、全社管理部門費用433,524千円を含まない額であります。

 

(マルチリンガルCRM事業)

 マルチリンガルCRM事業におきましては、日本語を含む13言語を活用し、外国人と日本人のコミュニケーション問題を解決する多言語・通訳ソリューションを24時間365日体制で提供しております。

 今般訪日外国人観光客はコロナ禍以前の水準を取り戻し、実需における多言語によるサポートニーズも復調傾向にありますが、当社のビジネスモデルはエンドユーザーからの直接課金ではないため、セグメントにおける業績への貢献については限定的であると認識しております。また、コロナ禍において発生した企業のテレワーク推進による一次受付需要の発生や、ワクチン接種受付業務及び新型コロナウイルス感染者のサポート業務といった利益率の高いスポット案件はシュリンクしておりますが、官公庁や自治体などの公共関連業務の受注拡大が続いております。こうした点から、日本語を中心とした国内におけるサポート業務の受託が安定して増加を続ける形となりましたが、売上高及び利益面において前期と比較して微減する形となりました。また、当社グループの株式会社OmniGridについては計画通りの進捗となりました。

 以上の結果、マルチリンガルCRM事業全体では、売上高は前期と比べ128,212千円減少し2,224,390千円、セグメント利益は前期と比べ12,010千円減少し524,470千円となりました。

 

(セールスアウトソーシング事業)

 セールスアウトソーシング事業では、主に当社がクライアント企業に代わって見込みユーザーに対してインサイドセールス等を行っております。当期については、主力業務である東京電力グループとの委託業務が前期に比べて縮小となり、また、期首から計画しておりました新案件が期待通りの収益計画に至らなかったために撤退したことなどから計画との乖離が生じた一方、大手携帯キャリアの契約切替勧奨業務が予想を上回る形で推移したことから売上高においては前期を上回る着地となりました。また、連結子会社である株式会社シー・ワイ・サポートについて、期中より業務内容の見直しによってセールスアウトソーシング事業関連の業務に取り組む形で組織のリニューアルを行っており、セグメント売上高、利益共に貢献しております。しかしながら、利益面においては大手携帯キャリアの契約切替勧奨業務における外注費の増加及び、セグメント利益を牽引している東京電力グループとの委託業務が縮小となったことに連動する形での利益減少などが重なったことで前期を割り込む結果となりました。

 以上の結果、セールスアウトソーシング事業全体では、売上高は前期と比べ158,909千円増加し1,099,468千円、セグメント利益は前期と比べ50,730千円減少し239,284千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ343,062千円減少し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は1,701,535千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、186,539千円の収入で、税金等調整前当期純利益の減少、減価償却費、のれん償却額などの発生により前年同期に比べ465,952千円の収入減少となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、207,720千円の支出で、固定資産の取得及び子会社株式の取得並びに事業譲受などによるものです。前年同期に比べ78,367千円の支出増加となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、321,881千円の支出で、長期借入金の返済及び自己株式の取得などによるものです。前年同期に比べ185,714千円の支出増加となりました。

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社の提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社の提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

マルチリンガルCRM事業

2,218,609

94.6

セールスアウトソーシング事業

1,099,468

116.9

合計

3,318,078

100.8

(注)1.合計販売高は、セグメント間の取引について相殺消去後の数値を記載しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東京電力エナジーパートナー株式会社

653,567

19.9

509,560

15.4

株式会社NTTマーケティングアクトProCX

511,179

15.5

ソフトバンク株式会社

463,929

14.0

(注)1.前連結会計年度のソフトバンク株式会社に関する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

2.当連結会計年度の株式会社NTTマーケティングアクトProCXに関する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性のため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

b.経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ26,246千円増加し、3,318,078千円となりました。これは主にマルチリンガルCRM事業における日本語を中心とした引き合い増、官公庁や自治体などの公共関連業務の受注及びセールスアウトソーシング事業における東京電力グループの訪問営業案件並びにソフトバンク株式会社におけるテレマーケティング案件が伸長したことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 売上原価は、前連結会計年度に比べ96,602千円増加し、2,427,120千円となりました。これは主にセールスアウトソーシング事業における事業拡大に伴う人員の急増によって人件費が増加したことなどによるものです。その結果、売上総利益は、前連結会計年度に比べ70,356千円減少し、890,958千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益、売上高営業利益率)

 販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ6,077千円減少し、560,728千円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ64,279千円減少し、330,230千円となりました。また、売上高営業利益率は10.0%となっております。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

 営業外収益は主に還付加算金の受取により84千円、営業外費用は主に借入金の利息支払いにより5,633千円となり、この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ65,370千円減少し、324,680千円となりました。

 

(特別利益、特別損失及び当期純利益)

 短期売買益受増益により特別利益を222千円、固定資産の除却により特別損失を4,518千円計上し、税金等調整前当期純利益は320,384千円となりました。また、法人税等合計が101,116千円、非支配株主に帰属する当期純利益10,976千円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ46,186千円減少し、208,291千円となりました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社の資金需要の主なものは、運転資金、法人税等の支払、借入金の返済等であり、その資金の源泉といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの長期及び当座貸越による短期借入により、必要とする資金を調達しております。これらの資金需要に対し、現状は自己資金の範囲内で賄えており、当連結会計年度末における現金及び預金残高は1,701,535千円であり、現状の当社グループの資金需要に対して十分な流動性を確保しております。今後は当社サービスの認知度向上のための広告宣伝費及び事業拡大にかかる人材採用費並びに人件費に加え、さらにシステム開発等の投資を実施していく方針であります。これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入及び新株発行等により資金調達していくことを基本方針としておりますが、財政状態を勘案しつつ、資金使途及び需要額に応じて柔軟に検討を行う予定であります。

 

⑤ 目標とする経営指標

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。当連結会計年度における分析につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の分析」に記載の通りであります。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループの事業に関係が深いインバウンド環境の現状については、中長期的にみれば、コロナ禍の収束に伴う訪日外国人旅行者の回復によって更なる市場拡大が予想され、それに伴う企業の取り組みが拡大及び深化するものと見込まれます。特に、民泊関連やホテルなどからの受注が見込まれていることから、当社グループとしては、積極的に同業種への拡販に努めてまいります。

 このような環境の中、当社グループは引き続き幅広い業種のクライアントに満足頂けるソリューションの提供に努め、質の高いサービスを提供し、継続的な取引をして頂くことで、売上及び利益の最大化を図ってまいります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

1.報告セグメントの概要

 当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、クライアントとその顧客(エンドユーザー)の窓口となる機能を提供することを主なサービスとしております。そのサービスの種類・性質の類似性等を基礎としたセグメントから構成されており、「マルチリンガルCRM事業」と「セールスアウトソーシング事業」の2つを報告セグメントとしております。

 「マルチリンガルCRM事業」は、株式会社インバウンドテック、株式会社シー・ワイ・サポート、株式会社OmniGridが運営しており、主にコールセンター運営の受託を通じたカスタマーサービス、IVRシステムの機能の提供及びクラウド型通話サービスの提供を中心とするOmniGrid事業、レンタルサーバーの提供を中心とするデスクウイング事業などのクライアントの顧客(エンドユーザー)との関係の管理・維持を支援するサービスを中心としております。「セールスアウトソーシング事業」は、株式会社インバウンドテックが運営しており、クライアントに代わり、クライアントの見込み顧客に対して営業を行うサービスを提供しております。なお、株式会社シー・ワイ・サポートに関しては、2024年3月期中より事業内容を変更し、セールスアウトソーシング事業の報告セグメントに含まれております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益、資産、その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益、資産、その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額(注)1、2

連結財務諸表計上額(注)3

 

マルチリンガルCRM事業

セールスアウトソーシング事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

2,351,273

940,559

3,291,832

3,291,832

セグメント間の内部売上高

又は振替高

1,329

1,329

△1,329

2,352,602

940,559

3,293,161

△1,329

3,291,832

セグメント利益

536,480

290,014

826,494

△431,985

394,509

セグメント資産

1,698,831

136,685

1,835,516

2,145,732

3,981,249

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

81,762

5,967

87,730

664

88,394

のれんの償却額

87,955

87,955

87,955

有形固定資産及び無形固定

資産の増加額

102,836

102,836

531

103,368

(注)1.セグメント利益の調整額△431,985千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に管理部門等に係る費用であります。

2.セグメント資産の調整額2,145,732千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、主に当社の運転資金(現金及び預金)及び管理部門に係る資産です。

3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額(注)1、2

連結財務諸表計上額(注)3

 

マルチリンガルCRM事業

セールスアウトソーシング事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

2,218,609

1,099,468

3,318,078

3,318,078

セグメント間の内部売上高

又は振替高

5,780

5,780

△5,780

2,224,390

1,099,468

3,323,859

△5,780

3,318,078

セグメント利益

524,470

239,284

763,754

△433,524

330,230

セグメント資産

1,649,028

249,765

1,898,793

1,879,072

3,777,866

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

98,375

6,751

105,127

907

106,034

のれんの償却額

83,537

5,687

89,225

89,225

有形固定資産及び無形固定

資産の増加額

93,657

93,657

59,383

153,041

(注)1.セグメント利益の調整額△433,524千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に管理部門等に係る費用であります。

2.セグメント資産の調整額1,879,072千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、主に当社の運転資金(現金及び預金)及び管理部門に係る資産です。

3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

 (1)売上高

   本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

 (2)有形固定資産

   本邦以外に所在している有形固定資産がないため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

東京電力エナジーパートナー株式会社

653,567

マルチリンガルCRM事業

セールスアウトソーシング事業

株式会社NTTマーケティングアクトProCX

511,179

マルチリンガルCRM事業

 

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

 (1)売上高

   本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

 (2)有形固定資産

   本邦以外に所在している有形固定資産がないため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

東京電力エナジーパートナー株式会社

509,560

マルチリンガルCRM事業

セールスアウトソーシング事業

ソフトバンク株式会社

463,929

セールスアウトソーシング事業

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

合計

 

マルチリンガル

CRM事業

セールスアウト

ソーシング事業

当期償却額

87,955

87,955

87,955

当期末残高

718,704

718,704

718,704

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

合計

 

マルチリンガル

CRM事業

セールスアウト

ソーシング事業

当期償却額

83,537

5,687

89,225

89,225

当期末残高

616,893

17,062

633,955

633,955

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。