2024年6月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する記述は、当連結会計年度末(2024年6月30日)現在において、当社グループが判断したものです。

①  国・地方公共団体への高い受注依存

国および地方公共団体からの受注比率が高いことから、社会資本整備関係予算が縮減された場合には、経営成績に影響を受ける可能性があります。このリスクに対応するため、民間事業者等の受注増加に向けた活動を強化しています。

 

②  法的規制

会社法、金融商品取引法、独占禁止法、個人情報保護法、下請法、建設コンサルタント登録規程などの様々な法的規制の適用を受けています。関連する内容で会社の信頼を損なう事態が発生した場合には、国および地方公共団体からの受注の前提となる指名競争入札参加資格の取り消しや一定期間の停止も予想され、その場合には経営成績に影響を受ける可能性があります。このリスクに対応するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化、コンプライアンス姿勢の徹底を経営の重要課題として運営しています。

 

③  契約不適合責任

契約不適合責任が発生した場合には、当該顧客からの指名競争入札参加資格の停止等により経営成績に影響を受ける可能性があります。そのため、品質保証規格ISO9001を活用して、成果品質の確保と向上に努めています。なお、万一契約不適合責任が発生した場合の損害賠償請求に備え、建設コンサルタント損害賠償責任保険に加入しています。

 

④  情報セキュリティ

事業活動において個人情報等、種々の秘匿対象情報を取り扱う場合もあります。万が一情報漏洩等が発生した場合には、経営成績に影響を受ける可能性があります。このリスクに対応するため、プライバシーマークの取得(第17003301(03)号)による信頼性を確保するとともに、リスク管理マニュアルならびに情報セキュリティ管理規程に基づき、漏洩防止の徹底を図っています。IT化や電子納品制度の進展に伴い、情報セキュリティに関する潜在的なリスクが増大していることから、管理体制と社員教育の一層の強化を進めています。

 

⑤ 災害等による事業活動への影響

当社グループでは、万一の自然災害に備えたBCP(事業継続計画)を策定するとともに、定期的な訓練により防災管理体制を敷いています。しかし、自然災害の規模によっては事業活動が低下あるいは制約される等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 海外における内戦や政変等のカントリーリスク

当社グループでは、ОECD(経済協力開発機構)やR&Iが発表しているカントリーリスクの格付け情報によってリスクレベルを継続的に把握・モニタリングするとともに、海外展開地域の拡大・分散によるカントリーリスクの軽減を行い、経営への影響の最小化を図っています。しかし、今後当社グループが事業展開する地域において対象となる事案が発生した場合には、一時的に業務の中断や延期によって、経営に影響を受ける可能性があります。

 

 

⑦ 業績の季節変動

当社グループの売上高は、主要顧客である国および地方公共団体への納期が年度末に集中することから、売上高ならびに利益が第3~4四半期連結会計期間に偏重する傾向がありましたが、第6期期首から適用した「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等によりこの偏重傾向は緩和しています。

なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の各四半期連結会計期間の売上高、営業損益は下表のとおりです。

                                                                                   (単位:千円)

 

2023年6月

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

  合計

売上高

1,823,329

2,029,573

2,567,991

2,145,805

8,566,699

営業損益

192,898

156,910

408,934

436,006

1,194,750

 

 

                                                      (単位:千円)

 

2024年6月

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

  合計

売上高

1,743,805

2,013,132

2,624,998

2,144,780

8,526,716

営業損益

105,305

121,845

550,081

357,988

1,135,221

 

 

⑧ 業務提携・企業買収等のリスク

当社グループでは、中期経営計画に基づいて他社との業務提携を積極的に推進しています。加えて、企業買収等についても重要な成長戦略のひとつと位置付けています。企業買収等に際しては、対象企業の財務・事業等について事前に十分にリスクを吟味し正常収益力を分析した上で機関決定しますが、買収後に偶発の債務の発生や未認識債務の判明等事前調査で把握できなかった問題が生じた場合、また事業の展開等が計画どおりに進まず想定した企業価値の向上を生まない場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 人材確保と育成について

当社グループの事業は、人材への依存度が高く、成長戦略の推進においては専門性の高い人材の確保と育成が大きな鍵となっています。「Strong Culture」と位置付けた「基本は技術」を前提とした、多様な人材、専門性の高い人材採用施策を推進しています。また、社内外研修会、技術士資格取得支援制度、博士号取得支援制度に代表される教育訓練システムの活用と多様な働き方の制度導入によって、人材の育成施策、定着施策を強化しています。しかし、他産業を交えた工学系専門人材の獲得競争激化によって、人材採用が計画通り進まなかった場合や優秀な人材の流出が続いた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

 

配当政策

3 【配当政策】

当社グループでは株主配当、従業員賞与、内部留保金について、相互のバランスを勘案した上で、利益の達成水準に応じて配分する方式を基本としています。

配当政策については、配当性向及び配当利回りと長期金利の動向等から総合的に決定しています。なお、当社は、期末配当として年1回の配当を行うことを基本としており、その決定機関は株主総会としています。

当事業年度の剰余金の配当については、2024年9月26日開催の第8期定時株主総会において、1株当たり30円と決議しました。

内部留保した資金の使途については、当社の今後の事業展開及び不測の事態への備え等の原資といたします。

なお、当社は取締役会の決議によって、中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。

(注)  基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりです。

 

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たりの配当額(円)

2024年9月26日

定時株主総会決議

198,536

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