2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,007名(単体) 2,472名(連結)
  • 平均年齢
    39.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.2年(単体)
  • 平均年収
    6,845,835円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

当社グループは、軸受等ならびに諸機械部品の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメントへの関連付けを省略しております。

 2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

軸受等ならびに諸機械部品

2,387

(291)

全社(共通)

85

 

合計

2,472

(291)

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 「従業員数」欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

 

(2) 提出会社の状況

 2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,007

(272)

39.8

16.2

6,845,835

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

3 「従業員数」欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合とは相互信頼を基調として、関係する諸問題の円満解決を図るなど、労使関係は安定しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

女性管理職比率(%)

(注1)

男性育児

休業取得率(%)

(注2)

男女間賃金差異(%)(注1)

全労働者

うち正規雇用労働者

(正社員)

うち非正規雇用

労働者

1.9

65

52.5

79.8

66.5

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 女性管理職比率は、2024年3月末時点のデータであります。

4 男女間賃金差異は、女性労働者の平均年間賃金÷男性労働者の平均年間賃金×100%として算出しております。

5 非正規雇用労働者のうち、パートタイマーは実際に支給した賃金をフルタイム換算して算出しております。

 

 ② 連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

 

<開示情報に対する補足説明>

①女性管理職比率

当社では、近年、女性の積極採用により正社員に占める女性比率は上昇傾向にあります。それに加えて、計画的な育成やリテンションの実施によって女性監督職比率も着実に上昇しており、女性管理職数を「2025年3月末までに1.5倍以上(2022年3月比)」「2030年3月末までに5倍以上(2022年3月比)」とする目標に向かって着実に取り組みを進めております

 

 

2022年3月

2023年3月

2024年3月

女性比率

(%)

12.3

12.8

13.3

女性監督職比率

(%)

10.9

11.9

13.1

女性管理職比率

(%)

1.0

1.5

1.9

 

 

②男性育児休業取得率

男性の育児休業取得率は、積極的な取得推進活動により2021年度(12%)、2022年度(51%)と比較して着実な上昇傾向にあります。

 

③男女間賃金差異

当社において、男女間で賃金体系を含めた制度上の違いはなく、雇用形態別や階層別での男女間賃金差異は、全労働者での差異と比較して少ない傾向にあります。なお、全労働者での男女間の賃金差異が大きい主な要因は以下によります。

・非正規雇用労働者の賃金が正規雇用労働者と比較して低いこと

・男性労働者における正規雇用労働者の割合が高いこと

・女性労働者における非正規雇用労働者の割合が高いこと

雇用形態

階層

男女間賃金差異

正規雇用労働者

(%)

全体

79.8

管理職

96.9

監督職

92.7

一般職

94.4

非正規雇用労働者

(%)

全体

66.5

定年後再雇用社員

76.6

パートタイマー等

96.2

 

 

雇用形態

人数比率

男性

女性

正規雇用労働者

(%)

91.4

40.7

非正規雇用労働者

(%)

8.6

59.3

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1) サステナビリティ基本方針と取り組み

① サステナビリティ基本方針

当社グループは、「社会に貢献する技術開発型企業」という経営理念の下、当社ブランドであるIKOの理念に込められた革新的で(Innovation)、高度な技術に立脚し(Know-how)、創造性に富む(Originality)企業活動の推進により、当社グループの持続的成長と社会の持続可能性の両立を図ります。また、会社と当社グループの全役職員が価値観を共有し、行動するための指針である「行動憲章」や「IKOグループマテリアリティ」の実践を通じ、ステークホルダーの皆様との信頼関係の構築に努め、企業価値の向上と豊かな地球環境の実現、社会が求める商品提供による持続可能な社会の発展に努めてまいります。

 

② サステナブル経営の推進体制と取り組み

当社グループは、サステナビリティ基本方針をもとにサステナブル経営を全社的かつ組織横断的に推進するため、代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ委員会」を2022年1月に設置しました。当委員会は、原則として半期に一度の定期開催等で、サステナビリティ推進体制の整備や各マテリアリティの取組課題に関するレビュー等を実施することにより、サステナブル経営を確実に推進し、企業価値の向上を目指しております。

サステナブル経営の推進にあたっては、経営理念である「社会に貢献する技術開発型企業」を基本とし、サステナビリティ基本方針に沿って、様々な社会課題よりマテリアリティ(重要課題)を特定し、各種取り組みを進めております。当該マテリアリティ(重要課題)の詳細については、当社ホームページに掲載の「統合報告書2023」37頁~38頁をご参照ください。

https://www.ikont.co.jp/ir/finance/pdf/integrated_report2023.pdf

 

(2) 気候変動に対する取り組み(TCFD提言に基づく情報開示)

当社グループは、「気候変動」を重要な経営課題の一つとして認識しており、2023年1月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に賛同を表明いたしました。当社グループでは、企業活動を通じて、持続的な成長と社会の持続可能性の両立を実現するために、サステナブル経営を推進しており、様々な社会課題の中から特定したIKOグループマテリアリティの一つとして『豊かな地球環境の実現に向けた企業活動の推進』を掲げて気候変動への対応に取り組んでおります。

TCFD提言に基づく情報開示の要旨は以下の通りです。詳細については、当社ホームページに掲載の「TCFD提言に基づく情報開示」をご参照ください。

https://www.ikont.co.jp/pdf/tcfdreport20240625.pdf

 

① ガバナンス

当社グループは、2022年1月より代表取締役社長を委員長とした社内取締役から構成される「サステナビリティ委員会」を設置しております。当委員会は、経営企画部、人事総務部を事務局として半期に1回以上開催され、気候関連課題を含むサステナビリティにおける基本方針の策定と推進体制の整備、中長期的なリスク・機会の特定とマテリアリティおよび取組課題の策定・見直し、実施状況の定期的なレビュー等を行っております。 また、その内容を半期に1回以上取締役会に報告しており、取締役会はグループ全体のESG課題におけるリスク・機会および中長期目標に関する取り組みの進捗状況の監督・助言を行う仕組みとしております。 当社グループは、気候変動対策など環境への取り組みをサステナブル経営における重要課題と位置付け、本推進体制のもと、各部門での取り組みの強化を図っております。

 

② 戦略

当社グループでは、TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社グループの事業に及ぼすリスク・機会に関して、①リスク・機会の特定と評価、②シナリオ群の定義、③財務インパクト評価、④対応策の検討の4段階のステップで検討いたしました。また、1.5℃~2℃シナリオと、4℃シナリオを用いて、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)に関する分析と、災害などによる物理的変化(物理リスク・機会)に関する分析を実施しました。主なリスク・機会のインパクトと対応策は、次のとおりです。

 

リスク

要因

事業への影響

時間軸

財務
インパクト

対応策

移行リスク

政策・規制

炭素税の導入・

炭素税率の上昇

・炭素税の負担費用の増加

中期~

長期

・再生可能エネルギーの導入
・省エネルギー設備の導入

・カーボンフットプリント算定による低炭素製品開発

・炭素税導入に伴う原材料価格の高騰

中期~

長期

・低炭素材料/部品の購入

・サプライヤーとの協業による新たな低炭素材料の開発

技術

低炭素設備の導入

・最新技術を用いた設備への投資費用増加

中期

・ICP(インターナルカーボンプライシング)導入による投資促進を検討

再生可能エネルギーの普及

・短期的な発電コスト高騰による電力購入コストの上昇

短期~

中期

・社内外の敷地における太陽光発電所の建設および導入計画の策定と実施

・「追加性」を中心とした様々な調達方法による、各事業所で使用するエネルギーの100%再エネ化の実現

市場

顧客需要の変化

・カーボンネガティブ事業の需要減少

中期

・低炭素貢献製品へのシフト

・製品の長寿命化の追求

・需要の多様化に応える対応レベルの向上

評判

気候変動対応への

遅れ

・気候変動対策および情報開示不足による欧米向けの売上減少

短期~

中期

・気候変動対策の確実な実施と情報開示の

充実

物理リスク

慢性

平均気温の上昇

・労働環境の悪化による従業員の生産性低下

長期

・休憩室の拡充、局所冷風機の設置

・熱処理・表面処理工程における空調使用増加に伴う電力コストの増加

中期~

長期

・省エネルギー空調設備の導入

・設備総合効率の向上

海面の上昇

・自社製造拠点の被災による生産能力の低下(ベトナム・中国の生産拠点)

中期~

長期

・各工場におけるBCP策定/継続的な見直し

・主要サプライヤー被災による操業度低下

中期~

長期

・サプライヤーの拡充

・各サプライヤーにおけるBCP策定/継続的な見直し

・工場移転費用の増加(ベトナム・中国の生産拠点)

中期~

長期

・災害対策への投資促進

急性

異常気象の激甚化

・洪水による自社生産拠点損壊に伴う生産能力の低下、設備損壊に伴う対応費用の増加(国内生産拠点)

中期~

長期

・ハザードマップの定期的な確認とBCP

見直し

・災害対策への投資促進

機会

資源効率

未利用資源の価値化

・滞留在庫の削減、レール端材の再利用による廃棄物処理コストの削減

短期~

中期

・需要予測精度の向上

・再利用率の向上に向けたオペレーションの見直し

CO2排出量削減

・炭素税の負担費用の低減

中期~

長期

・再生可能エネルギーの導入
・省エネルギー設備の導入

エネルギー源

再生可能エネルギーの普及

・長期的な発電コスト低減による電力購入コストの低減

長期

・様々な調達方法による、再生可能エネルギー調達の実施

製品と

サービス

脱炭素社会への移行貢献

・低摩擦で壊れにくいベアリングの需要増加

・「オイル・ミニマム」製品の需要増加

・お客様にあわせたカスタマイズ需要の増加

中期

・効率生産に向けた需要予測精度の向上と、生産リードタイム改善による納期短縮

・「オイル・ミニマム」機能を徹底的に追求した製品開発

市場

電動化の促進

・メカトロ製品やメカユニット製品の需要増加

・駆動部品増加に伴うベアリングの需要増加

短期~

中期

・パートナー企業と連携した生産対応力

強化

・新工場建設も含めたグローバル生産体制の強化

EV、蓄電池市場の

拡大

・直動案内機器、液晶潤滑剤の

需要増加

短期~

中期

・将来の需要拡大に向けた生産能力の増強

・新工場建設も含めたグローバル生産体制の強化

レジリエンス

BCP対応製品の

拡大

・災害対策機器における当社製品の需要増加

中期~

長期

・高剛性、高品質の徹底的な追求

 

(注) 1 想定時期 短期:~2026年度/中期:2027年度~2030年度/長期:2031年度~2050年度

2 リスク・機会の財務インパクト評価は、公表されている報告書や専門家のアドバイス等を参考に、売上または利益にもたらす影響を定性と定量の両面より評価し、大中小の3段階に分類しました。

 

③ リスク管理

1)気候関連リスクを識別・評価するプロセス

サステナビリティ委員会では、特定した「IKOグループマテリアリティ」に含まれる気候変動に関して、当社グループの持続的な企業活動に対するリスクの特定と影響について審議を行い、その内容を半期に1回取締役会に報告しております。また、気候変動リスクを含む事業運営上において発生しうるあらゆるリスクの予防、発見、是正、再発防止に係る管理体制の整備と、発生したリスクへの対応指針を決定するために、代表取締役社長を含む社内取締役および常勤監査役にて構成される「リスク管理委員会」を設置し、リスクマネジメント体制を構築しております。

2)気候関連リスクを管理するプロセス

「リスク管理委員会」は、「リスク管理規程」に基づき、年度毎に実施しているリスクアセスメント結果によりリスクのコントロールの方向性を明確にし、気候変動リスクを含む特定されたリスク項目毎に、関連する対応部署または対応組織(委員会・会議体など)を定めて、リスク対応を行っております。また、3年ごとに大規模なリスクアセスメントを実施し、リスク対応の優先順位付けおよび対策を実施すべきリスクの特定など、大幅な見直しを行っております。具体的には、現行のリスク対策状況を基に、継続して認識すべきリスクおよび新たに認識したリスクについて明確にし、そのリスクが発生する可能性(確率)、そのリスクが発生した場合に企業価値に及ぼす影響度、およびそのリスクへの対応状況の程度を評価し、優先して取り組むべきリスクの特定・対応を行っております。

なお、気候変動に係る移行・物理リスクとして抽出した項目については、「緊急度」と当社グループに対する「財務インパクト」を3段階で評価したうえ、2軸でマッピングを行い「緊急度」と「財務インパクト」の積である「重要レベル」によって評価を行っています。また、各項目の対応策は、それらの「難度レベル」を「高(1.0)・中(2.0)・低(3.0)」の3段階で評価し、「重要レベル」と「難度レベル」の積である「優先レベル」によって各対応策の優先度を評価しております。

3)気候関連リスクの全社的リスク管理への統合プロセス

原則として、半期に1回「リスク管理委員会」を開催し、各リスク項目への対応状況に関する報告内容を評価し、気候変動に係るリスクを含む組織全体のリスク管理に関する重要な意思決定を行うとともに、審議内容については取締役会に報告しております。

 

④ 指標と目標

当社グループでは、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、GHGプロトコルの基準に基づき温室効果ガス排出量の算定を実施しております。また、温室効果ガスの削減目標は、当社グループ(財務上連結範囲)を対象とし、SBT(Science Based Targets)が求める水準に準拠したレベルとしております。具体的には、Scope1,2削減目標では、2022年度を基準とし2030年度までに42%以上の削減、2050年度までにカーボンニュートラルを目指しております。Scope3削減目標では、カテゴリ1について2022年度を基準とし2030年度までに25%以上の削減、2050年度までに全てのカテゴリでカーボンニュートラルを目指してまいります。また、上記目標の達成に向けて、2030年度までに当社グループで使用する電力の約50%の再エネ化をターゲットに取り組みを進めてまいります。

2021年度より、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量の算定を開始しております。Scope3排出量は、算定対象と考える全てのカテゴリで算定を実施いたしましたが、ほぼ全ての算定において2次データを使用していることから、さらなる算定精度の向上を図ることに加え、Scope3の排出量削減に向けては、1次データを活用した算定が必須の課題と考えております。

なお、当社グループにおける2023年度の温室効果ガス排出量は、Scope1は2,639t-CO2、Scope2は24,637t-CO2、Scope3は251,724t-CO2であります。

今後は、さらに算定精度の向上を図るとともに、2050年度のカーボンニュートラルに向けて、サプライチェーン全体での排出量削減の取り組みを強化してまいります。

 

 

(3) 人的資本に関する取り組み

① 多様性確保を含む人材育成方針

1)人材戦略についての考え方

当社グループは、「社会に貢献する技術開発型企業」の企業理念に基づき、社会、お客様の課題解決が持続的な企業価値向上に繋がると捉えております。そのためには、社会、お客様から信用・信頼される企業であり続けることが必要不可欠であり、それを支える誠実、真面目な社風と人材(人的資本)が当社グループの価値創造の源泉であると位置付づけております。そのような強みに立脚した上で、さらなる人的資本の高度化を通じた企業価値向上を目指して、「果敢なチャレンジ精神を持つ人材集団」を人材戦略の柱として、従業員社員の挑戦意欲の醸成、自律的な成長支援、エンゲージメント向上等を志向した採用、人材育成・教育、処遇や評価制度、働きやすい環境整備に取り組んでまいります。

2)教育活動を通じた人材育成

当社は、従業員社員の誠実、真面目さを通じた社会やお客様からの信用・信頼が価値創造の源泉と捉えております。その上でそれらに立脚しつつ、人材戦略に基づき、チャレンジ精神を促す人材育成が特に重要と捉え、OJTを育成の柱に据えて取り組んでおります。各職場にて若手社員に対して重要業務を積極的に参画させ、職場全体で一人一人に丁寧に寄り添い教育する体制が当社の企業風土を支えております。また、Off-JTにて人材戦略を意図した教育活動を実施し、入社時研修や入社3年目研修といった初等教育だけではなく、主任、副主査、管理職といった昇進のステージに応じた研修プログラムを毎年実施することでリーダー層育成に努めているほか、部門内での実践的な研修活動も積極的に実施しております。今後は上級管理職研修を実施し、次世代の経営幹部の育成にも努めてまいります。

3)ダイバーシティ&インクルージョンに対する基本方針と取り組み

当社グループは、人材の登用等における多様性を確保し、偏った思考に陥ることを防ぎ、利益を永続的に生み出していくことが必須の取り組みと考えております。そのため、当社グループでは、ジェンダー等の多様性やスキルなど複数の視点から企業価値を高めることができるよう、ダイバーシティ&インクルージョンへの積極的な取り組みを推進し、社員一人ひとりがやりがいを持って主体的に働けるよう環境の整備に努めてまいります。その上で、多様化する社会ニーズに対応するために、人材の多様性確保を重要課題として、性別、年齢、国籍、職歴等に関わらずあらゆる人材に対し、能力開発およびキャリアアップの機会を公平に提供することを基本として、それぞれの働き方に合わせ、自身の目指すキャリアに応じた社員の支援ができるよう積極的な施策を講じることで人材の育成に取り組んでまいります。

当社では、ダイバーシティ&インクルージョンに対する基本方針に基づき、採用や人材登用に関しても多様性の確保を進めております。当社は製造業とりわけ機械産業という性質上、男性社員比率が高い傾向にあります。そのような状況を打破するために、採用活動において女性対象の会社説明会などの工夫により、近年では一定比率の女性採用を継続しております。その結果、着実に全社員ならびに中核人材の女性比率が向上しております。今後もこのような活動を継続するとともに、育児支援の取り組み強化を組み合わせて、中核人材への女性登用の促進を含めた人材の多様性確保を目指してまいります。

4)多様性の確保を含む人材育成方針に対する指標と目標

指標:正社員の採用者に占める女性比率および管理職以上の女性人数

目標1:正社員の採用者に占める女性比率を安定して20%以上とする。

(計画期間:2022年4月1日~2025年3月31日)

 2022年4月~ 女性優先の会社説明会を2回/年以上実施する。

 2023年4月~ 女性優先のインターンシップを2回/年以上実施する。

 2024年4月~ 女性の管理職・監督職のロールモデルの発信を実施する。

目標2:管理職以上の女性を2022年3月比で1.5倍以上にする。

(計画期間:2022年4月1日~2025年3月31日)

 2022年4月~ 経営層を対象に、女性活躍に関する意見交換を実施する。

 2022年9月~ 管理職養成のための研修カリキュラムの検討を行う。

 2023年4月~ 管理職候補の女性を対象として研修を実施する。

 2024年4月~ 管理職候補の女性を対象とした、キャリアプランに対する面談を実施する。

目標3:管理職以上の女性を2030年3月末までに2022年3月比で5倍以上にする。

 

② 社内環境整備方針

1)働きがい・エンゲージメント

当社が志向する人材戦略の遂行には、中長期目線での人材育成が必要であり、その実現には社員が安心して働くことができる環境が必要不可欠と考えております。社員の安心感の醸成にあたり、福利厚生を重要事項と捉え、住宅関係や食事の補助等、社員満足度を高めるべく、良好な関係を保つ労働組合との協調により各種制度の充実に注力しております。加えて、自己申告制度や目標管理制度による面談の実施にて、個人個人の成長意欲の醸成、キャリアプランの実現を通して、社員のエンゲージメント向上を図っております。これらの取り組みを通じて、当社は長年にわたり離職率を低水準に抑えることが出来ており、中長期的な目線での人材育成を実現できております。今後も、社員の安心感を支えるべく、時代に即した制度検討を進めてまいります。

2)自律的な成長の支援

社員の「自律性」の観点から自己啓発支援にも注力しております。当社では公的資格の奨励制度を有しているだけでなく、技能検定等の国家資格の取得奨励を実施しており、毎年多くの資格保有者が誕生しております。このような活動による社員のスキル向上を通じて、一層の品質向上や高付加価値製品の提供を目指してまいります。

3)育児と仕事の両立支援

キャリア形成の観点では、マミートラックの防止に注力し、社員の安心感醸成のために可能な限り社員に寄り添いながら育児支援を行っております。当社ではそのような観点にて制度整備を実施しており、育児休業や育児短時間勤務制度においては法定を上回る水準としております。また、育児休業の取得者の所属部署と人事部門とで密に連携し、個別の悩みにも可能な限り対応することで、育児と仕事との両立を支援しております。

今後もこのような活動を継続するとともに、育児支援の取り組み強化を組み合わせて、中核人材への女性登用促進を含めた人材の多様性確保を目指してまいります。

4)社内環境整備方針に対する指標と目標

指標:育児休業制度の利用を促進ならびに男性社員の育児休業取得率向上

目標1:育児休業制度の利用を促進する。

(計画期間2022年4月1日~2025年3月31日)

 2022年4月~ 育児休業等の制度についての制度概要説明資料を作成する。

 2022年7月~ 社内報にて会社の育児休業等の支援制度の周知を実施する。

 2022年9月~ 育児休業等の制度についての制度概要説明資料を改定し、再度周知する。

 2023年3月~ 育児休業等の取得状況を確認し、取得事例を社員に紹介する。

 2023年4月~ 上記取り組みを継続する。

目標2:男性社員の育児休業取得率を2030年度末までに85%以上にする。

 

なお、人的資本に関する取り組みにつきましては、当社グループ全体として取り組みを推進しておりますが、必ずしも当社グループに属する全ての会社では行われておらず、かつ当社グループ全体での定量的な指標の把握が難しいことから、上記「人的資本に関する取り組み」の記載は提出会社単体での指標ならびに目標としております。