2023年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    4,688名(単体) 19,629名(連結)
  • 平均年齢
    43.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.8年(単体)
  • 平均年収
    8,611,499円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

報告セグメント

 

 建築・産業

7,490

 エネルギー

3,259

 インフラ

1,555

 環境

2,755

 精密・電子

3,374

  報告セグメント計

18,433

その他・共通部門

1,196

合計

19,629

 

(注)

従業員数は就業人員数です。

 

 

(2)提出会社の状況

2023年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

4,688

43.6

15.8

8,611,499

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

報告セグメント

 

 建築・産業

1,289

 エネルギー

69

 インフラ

888

 環境

12

 精密・電子

1,362

  報告セグメント計

3,620

その他・共通部門

1,068

合計

4,688

 

(注)

1.

従業員数は就業人員数です。

 

2.

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 

 

 

(3)労働組合の状況

提出会社及び国内連結子会社には以下の労働組合があり、会社との間に特記すべき事項はありません。

会社名

労働組合名

所属従業員数

(名)

所属団体

㈱荏原製作所

荏原合同労働組合

3,148

無所属

㈱荏原エリオット

荏原合同労働組合

214

無所属

㈱荏原風力機械

荏原風力機械労働組合

190

無所属

㈱荏原フィールドテック

荏原フィールドテック労働組合

144

無所属

 

(注)

上記のほか、海外連結子会社従業員の中には、産業別等外部労働組合に直接加入している者がいますが、会社との間に特筆すべき事項はありません。

 

 

(4)「女性管理職比率」「男性の育児休業取得率」及び「男女間賃金格差」の状況

会社名

管理職に占める女性労働者の割合(%)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金差異(%)

(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)

全労働者

正規労働者

非正規労働者

㈱荏原製作所

7.2

90.8

84.8

85.2

58.1

荏原冷熱システム㈱

3.0

77.8

65.9

71.0

66.3

㈱荏原電産

3.9

100.0

82.8

79.3

70.4

㈱荏原風力機械

1.8

100.0

84.4

82.8

93.6

㈱荏原エリオット

8.1

100.0

86.0

88.8

59.8

荏原環境プラント㈱

3.8

88.5

86.7

117.6

68.4

㈱荏原フィールドテック

1.1

100.0

77.5

79.8

70.3

 

(注)

1.

提出会社及び常時雇用する労働者が101名以上の国内子会社を対象とし、社外への出向者を含まず、他社からの出向者を含んでいます。

 

2.

管理職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、2023年12月31日時点で算出しています。「管理職」は、当社において「基幹職」と同義であり、部下を持つ職務以上の者、部下を持たなくともそれと同等の地位にある者を指します。

 

3.

男性労働者の育児休業取得率は「育児休業、介護休業等または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を2023年1月1日から2023年12月31日の期間で算出しています。

 

4.

労働者の男女の賃金差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき、2023年1月1日から2023年12月31日の期間の男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。

 

 

<各数値に関する補足説明>

・管理職に占める女性労働者の割合について

荏原グループの中期経営計画「E-Plan2025」の非財務目標の1つとして、管理職に占める女性労働者の割合について荏原製作所単体で2025年までに8%とする目標を掲げております。現状の数値の背景としては、女性労働者の比率がそもそも低いことが挙げられ、女性管理職比率を向上させるためには、女性のキャリア形成において、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の視点に立ったキャリアサポートや育成を現状以上に進めていく必要があると認識しています。2023年より昇格試験制度の見直し(管理職登用までの期間短縮・抜擢受験の実現)等を通じて、出産・育児等のライフイベントの影響なく挑戦をサポートする体制を整えました。さらに今後はより早期から学びの機会を増やしていくことでスキルアップを図るとともに、年代別の研修等を通じて中長期のキャリアをより明確に描けるような仕組みづくりを推進しています。

 

・男性労働者の育児休業取得率について

荏原グループの中期経営計画「E-Plan2025」の非財務目標の1つとして、男性労働者の育児休業取得率について荏原製作所単体で2025年までに100%とする目標を掲げています。取得率向上のために、制度の周知や啓蒙活動・制度の柔軟な運用・育児休業を取得しやすい風土作りに取り組みます。

 

・労働者の男女の賃金差異

正規雇用労働者:役割等級制度を導入しており、同一役割等級内での賃金差異は原則生じておりません。一方で管理職に占める女性の割合が前述のとおり低いため、男女間の賃金に差異が生じております。

パート・有期雇用労働者:女性労働者ではパート労働者の割合が高い一方、男性労働者では嘱託社員の割合が高いため、男女間で賃金差が生じています。

今後の取り組みについて、女性がライフイベントなどに関わらず全キャリアを通じて活躍できる環境を整備する施策に取り組んでいくことで、差異の解消を目指していきます。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、SDGsをはじめとする社会課題の解決に事業を通じて持続的に貢献し、社会・環境価値を向上するとともに中長期的に企業価値を向上させることを目的として、環境問題への取り組み(E)、社会とのつながり(S)、ガバナンスの強化(G)を柱とするサステナビリティ経営を実践しています。

 

(1)ガバナンス

当社グループのサステナビリティに関するガバナンス体制は、取締役会とサステナビリティ委員会を中心とする「監督・業務執行体制」と、役員報酬の一部をESG指標と紐づける「報酬制度」をその柱としています。

 

①監督・業務執行体制

当社グループは、下図に示す体制によりサステナビリティ経営を実践しています。

業務執行側では、「サステナビリティ委員会」が重要な役割を果たしています。同委員会の委員長は代表執行役社長が務め、議題は、環境、社会、ガバナンス全般に及びます。加えて、当社グループの人権に関する方針及び各種施策を決定する「人権委員会」、全グループの労働安全衛生に関する方針を決定し、全社の状況をモニタリングする「中央安全衛生委員会」において議論された内容についても、サステナビリティ委員会にて、報告及びレビューがなされています。サステナビリティにおけるリスク管理は、全社のコーポレート・ガバナンス体制に包含されており、全社の重要リスクに対処する「リスクマネジメントパネル」がサステナビリティにおけるリスクについても対応しています。詳細は「3 事業等のリスク」をご参照ください。
 監督側では、取締役会が業務執行側の取り組みについて、サステナビリティ委員会から報告を受け、内容をレビューし、必要な助言と指示を与えています。

各委員会の役割と機能は以下の通りです。

 

(i)取締役会

取締役会は、執行側の社会、環境、ガバナンスに対する取り組みの監督をさらに強化していく必要があるという認識のもと、E、S、Gについて定期的に議論することを2022年から行っています。重要議題として気候変動への対応や人的資本への取り組みを取り上げています。議論の結果をサステナビリティ委員会に共有するとともに、取締役はサステナビリティ委員会に陪席し、執行側のサステナビリティに関する取り組み状況を把握し、監督しています。

 

(ii)サステナビリティ委員会

社会、環境並びに当社グループのサステナビリティに資する活動の対応方針、戦略、目標及びKPIを審議し、成果の確認及び見直しを行う会議体として、サステナビリティ委員会を業務執行の一機関として設置しています。サステナビリティ委員会は代表執行役社長を委員長とし、執行役が委員を務め、サステナビリティに関する社外有識者がアドバイザーとして参加しています。監督機能を発揮するため、本委員会への非業務執行の取締役の陪席を推奨し、非業務執行の取締役が必要に応じて助言等を行っています。サステナビリティ委員会の審議内容は取締役会に報告され、取締役会は情報を的確に捉えて、監督機能を発揮できる体制を整備しています。

 

(iii)リスクマネジメントパネル

各カンパニーのリスク管理部門が定期的に行うリスクアセスメントの結果に基づき、リスクマネジメントパネル(以下、RMP)が、サステナビリティに関するリスクを含む全社共通の重要リスクを特定しています。リスクアセスメントでは、想定し得るリスク項目の中から、事業責任者・部門責任者へのアンケートとヒアリングにより、対応すべきリスク項目を特定したうえで、リスク対応体制を再評価し、主管部門を明確にしてリスクに対応しています。

 

(iv)経営会議・経営計画委員会・経営課題行動計画モニタリング会議

中期経営計画を年度別に具体化し、各組織の年度ごとの予算と行動計画を明らかにするため、経営会議及び経営計画委員会で審議・決定しています。また、経営課題行動計画の進捗をモニタリングする会議体として、経営課題行動計画モニタリング会議を設置しています。2023年からは、従来の予算達成のための目標設定に加えて、非財務目標達成のための行動計画も立案し、同会議でモニタリングをしています。

 

(v)中央安全衛生委員会

荏原グループ安全衛生方針に基づき、荏原グループで働く人すべてに対し、ワークライフ・バランスの実現や心の健康づくりを含む安全衛生を優先する職場環境を構築・維持するため、中央安全衛生委員会を設置しています。同委員会では、各部門の安全衛生計画を審議し、モニタリングしています。活動状況はサステナビリティ委員会に報告され、レビューされます。

 

(vi)荏原グループ人権委員会

荏原グループ人権方針に基づき、人権方針の実践と人権マネジメントの仕組みを継続的に改善することを目的として、荏原グループ人権委員会を設置しています。同委員会では当社グループの人権に関する取り組み方針を設定し、人権マネジメントの継続的な改善を行っています。従業員とサプライヤの人権デューデリジェンスの結果と改善計画の進捗をモニタリングしています。活動内容はサステナビリティ委員会に報告され、レビューされます。

 

<サステナビリティ推進体制>

 

②報酬制度

当社の報酬委員会は、事業活動を通じて持続可能な社会に向けた高度なESG経営を実践するため、ESGに関する目標の達成度を役員報酬に反映することが適切であると考え、グローバルな役員報酬に関する外部専門家の意見も参考に議論を重ね、2022年12月期より短期業績連動報酬(STI)の一部をESG指標の達成度と紐づけています。
 
評価項目は、“E”(環境):CDP*1の評価、及び“S”(社会):GES(グローバルエンゲージメントサーベイ)*2の結果とし、評価ウェイトはSTIの10%としています。なお、これらの評価指標については今後も継続的に見直してまいります。

*1. CDP:気候変動対応の戦略やGHG排出量削減の取り組みなどを評価するESG評価機関

*2. GES:2019年より国内外グループ会社従業員を対象に、中長期的に目指すありたい姿の達成に向け会社や職場における従業員のエンゲージメントの 現状について調査をしているもの。

 

<短期業績連動報酬(STI)における評価指標について>

評価指標

評価ウェイト

業績指標

ROIC

45%

連結営業利益

MBO

担当事業ごとのKPIに基づき

45%

ESG指標

“E”(環境):CDP(気候変動)

10%

“S”(社会):グローバルエンゲージメントサーベイ

 

 

(2)戦略

中期経営計画E-Plan2025の基本方針に、「5:ESG経営の更なる進化」を設定しています。持続可能な社会づくりに貢献するため、下表の戦略に基づき、高度なESG経営の実践を進めています。なお、ガバナンス(G)についての戦略及び取り組みについては、 「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 


①E(環境)

E(環境)に対しては、現在及び将来の気候変動に対処しつつ、2050年のカーボンニュートラル達成のため、自社製品・サービス提供を通じた環境負荷低減を進めています。 

 

 

(i)<気候変動を想定したシナリオ分析~TCFD提言への対応~>

当社グループでは、気候変動は世界が直面している重大な課題であると認識し、2019年にTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)を支持する署名を行いました。ステークホルダーとの対話を通じて、気候変動に対するガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標について情報を開示し、取り組みを推進することの重要性を認識しています。事業ごとに気候関連のリスクと機会をより明確にすることを目的とし、対面市場別のシナリオ分析を行いました。脱炭素社会に向けて進化しているオイル&ガス市場向けの事業、社会全体の高効率化に欠くことのできない半導体製造市場向けの事業、ビルやマンション、また様々な産業の工場におけるエネルギーマネジメントにより脱炭素化が期待される建築・産業市場向け事業、ごみの再資源化や廃熱をエネルギーとして循環させることが期待される固形廃棄物処理市場向け事業、豪雨や洪水など気候変動に伴う災害への適応が期待される水インフラ市場向け事業について、気温上昇を4℃シナリオ、1.5℃シナリオで、それぞれの事業に、どのような財務インパクトが生じるのかを分析し、その結果に基づき、気候関連リスク・機会に対する2050年までの対応策を検討しました。気候関連シナリオ分析には、各カンパニープレジデントの責任の下に行いました。

検討結果は、TCFD提言に基づき開示を行っています。開示に際しては取締役会に開示案を提案し、助言を得ています。シナリオ分析の結果は、2023年にスタートした中期経営計画E-Plan2025に気候関連の戦略に反映されています。シナリオ分析のレビューは中期経営計画策定と同じサイクルで行います。

当社グループの開示内容は「環境省「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ」2022年度版シナリオ分析開示事例(国内外)」に掲載されているほか、GPIFの国内株式運用機関が選ぶ2023年の優れたTCFD開示にも選ばれています。TCFDに基づく情報開示の詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

https://www.ebara.com/sustainability/think/information/tcfd.html

 

(ii)<気候変動を回避するための取り組み~カーボンニュートラルの達成に向けて>

当社グループでは、持続可能な社会の実現と、グループの成長との両立を目指し、自社とバリューチェーンにおけるGHG(Greenhouse gas)排出量を低減することにより、2050年にGHG排出ネットゼロを目指しています。このため、カーボンニュートラル推進に関するガバナンス体制を強化しました。具体的にはこれまで実務レベルでの化石エネルギー使用の合理化等を所掌してきたエネルギー管理委員会を、再エネや非化石エネルギーも含めたすべてのエネルギーを所掌する組織に改組いたしました。本委員会を中心として、CO2排出量の削減目標達成に向けた具体的な取り組みを進めるとともに、サステナビリティ委員会において、当社グループの方針、戦略、目標及びKPIを審議し、成果や進捗の確認を行うことで、着実にカーボンニュートラルに向けた取り組みを推進していきます。また、具体的な取り組みとして、社内事業活動における省エネを徹底するとともに、グループのエネルギー使用の約8割を占める電力について、国内の主要な事業拠点では低CO2電力を導入しています。国内外の事業拠点においては太陽光発電設備の拡充を進めており、藤沢事業所では2020年に竣工した新工場建屋の屋上への1.6MW級の太陽光発電設備の設置に加え、オフサイトPPAモデルによるCO2フリー電力の調達も行っています。さらに、GHG排出係数の高い排ガスを無害化する排ガス処理設備の製造販売や、二酸化炭素回収・貯留技術(CCUS)に貢献するCO2インジェクションポンプの開発・製造・販売、廃プラスチックのケミカルリサイクル技術の商用化実現、水素・アンモニアなどの次世代燃料の製造や活用に関するインフラ設備開発などを通じ、社会全体のGHG排出量削減にも取り組んでいます。

 

 

②S(社会)

S(社会)に対しては、人的資本経営の強化を進め、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進します。サプライチェーンにおける人権デューデリジェンスへの対応も進めています。

 

(i)<人的資本経営の強化>

長期ビジョンE-Vision2030のマテリアリティ4「人材の活躍促進」に向けて、荏原グループは「チャレンジ精神をもって創意工夫する多様な人材を世界中から獲得し、働きやすい職場環境下での適切な競争や挑戦によって実力が最大限発揮され、公正に評価され、個々の社員が充実し、成長する企業風土を目指す」という人事・人材開発基本方針を掲げています。

この方針のもと、多様な人材の活躍推進とグローバルでの人材マネジメント基盤を確立するための具体的な取り組みを実現するため、2023年にCHROオフィスを設置しました。各事業の人材ニーズや人材に関する経営課題を解決するため、グループ全体の人事戦略(ONE EBARA HR)に基づいた施策を遂行し、「人的資本経営」の強化を図っています。人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出し、「グローバルでの持続的成長」を実現するための基盤整備をより加速させ、「競争し、挑戦する」人材を育成し、グローバルモビリティの向上を通じて、人材の最適配置をグループ全体で強化しています。

      <中期経営計画E-Plan2025期間中の主要施策>

    1. 学びたい人、挑戦したい人に対して、早期選抜・育成に資する様々な機会を提供するとともに、自らキャリアチェンジを目指せるような仕組みを構築し、適所でモチベーション高く働けるよう支援します。 

 

    2. 海外グループ会社のローカル社員がより重要なポジション(グローバルキーポジションGKP:Global Key Position)で活躍するための、グローバルで統一された役割等級制度の導入の推進、グローバル人材育成プログラムの全社展開、国内外のサクセッションの戦略的な実行を推進します。

 

    3. リファラル採用、アルムナイ制度を活用し、多様な人材の獲得を進めます。また、多様な人材がより働きやすい環境を提供するために、EBARA New Workstyleの更なる拡大を行います。

 

    4. 「人材の見える化」をグローバルに加速させるための基盤となる「グローバルHCM(Human Capital Management)プラットフォーム」を構築し、各人事施策の効果を定量的にモニタリングできる体制を構築していきます。

 

         「グローバルHCMプラットフォーム構築の取り組み」<技術元素表>

当社では技術と人の結びつきを技術・人材マップにより整理する試みを継続しており、それを可視化したものが、技術元素表です。5カンパニー別の技術と、複数のカンパニーに共通する共通技術、さらには全社横断的な重要な共通技術について整理しています。この技術元素表の活用により、社内外のコラボレーションを進めるとともに、人材が不足する重要な技術については人材の補強、さらにはローテーションを行って、確実に技術を継承、発展させていく体制を整えていきます。

 


 

 

(ii)<ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)に向けた取り組み>

当社は、より強い企業となり、成長し続けるために、多様な人材の登用を目的としたダイバーシティ推進に力を入れています。2023年9月からは、DE&I を強力に推進していくために、ダイバーシティプロジェクトをダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進部に再編しました。実施する施策として、①採用・育成の多様化、②女性活躍推進、③障がいのある社員の活躍促進を掲げています。

特に女性管理職比率を向上するために、2023年より昇格試験制度の見直し(管理職登用までの期間短縮・抜擢受験の実現)等を通じて、出産・育児等のライフイベントの影響なく挑戦をサポートする体制を整えました。さらに今後はより早期から学びの機会を増やしていくことでスキルアップを図るとともに、年代別の研修等を通じて中長期のキャリアをより明確に描けるような仕組みづくりを推進していきます。

 

(iii)<人権の尊重>

a.「人権尊重の基本方針」

荏原グループは、世界人権宣言の「すべての人間は、生まれながらにして尊厳と権利とについて平等である」との規定に基づき、荏原グループCSR方針に掲げる「人権と多様性を尊重する」経営を実践するために、「荏原グループ人権方針」を定め、社内外に公表しています。3つの基本方針とともに、それを実践していくための対応方針を定めています。荏原グループ人権方針は、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」と国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を尊重しています。

荏原グループ人権方針の全文は、ウェブサイトをご覧ください。

https://www.ebara.co.jp/sustainability/social/information/respect.html

 

b.「人権に関する救済」

国内グループ会社においては、コンプライアンス相談窓口が人権を含む苦情を受け付け、対応しています。海外グループ会社にもホットラインを設置し対応しています。社外からの相談は、当社ウェブサイトのお問い合わせ窓口で受け付けています。2022年6月改正公益通報者保護法施行にあたり、人権に関する苦情や相談を受け付けた場合には、コンプライアンス相談窓口が当該法に則って対応します。

 

 

c.「2023年の取り組み」

外部との対話

人権委員会は、人権に対する課題認識の範囲を広げることや当社グループの人権マネジメントの改善につなげることを目的として、人権に関する社外有識者と対話を行っています。

【2023年】

・「ITと人権」をテーマに社外有識者による講話を聴講し、意見交換を行いました。

人権デューデリジェンス

人権委員会では、従業員の人権に配慮することや、サプライヤにも人権尊重の意識を持って活動していただくことが当社グループの事業活動において特に重要であると考え、人権デューデリジェンスを行っています。

 

【従業員に対する人権デューデリジェンス】

人事部門が全グループ会社の従業員を対象に毎年行っているグローバルエンゲージメントサーベイを利用し、「職場の公正・公平性」「差別」「労働安全衛生」をグループ共通の人権項目として、約60組織のスコアをモニターしています。人権項目のエンゲージメントのスコアが一定水準に達していない会社に対して、人権委員会が人権アクションプランの策定を指示し、各社が改善策を実行します。活動の成果は翌年のエンゲージメントサーベイスコアにより評価しています。

<2023年結果>

・2023年に改善策を求めた5組織の内、2組織が目指す水準に達しました。まだ課題が残る3組織に引き続き人権アクションプランの策定と実施を求めました。

 

【サプライヤに対する人権デューデリジェンス】

・2022年に人権尊重を含む当社CSR調達ガイドラインについて、サプライヤの皆様に理解と実践を求めることを目的とし、グローバルの一次サプライヤに対してCSR調達アンケートを実施しました。

・アンケートの内容には人権に関する設問が含まれており、人権委員会は、サプライヤにおいて児童労働や強制労働、差別が起きないような取り組みがなされているか、適正な労働環境が維持されているかなど、人権に関する設問の結果を調達部門と共有し、健全なサプライチェーンマネジメントの構築を推進しています。詳細について「(4)指標と目標③人権の尊重」をご覧ください。

 

 

(3)リスク管理

当社グループのサステナビリティに関するリスク管理は、リスクマネジメント体制に包含されています。当社グループのリスク管理活動を統括し、審議、改善指導・支援を行う機関である、リスクマネジメントパネルは、全社共通のリスクとして、「地球環境・気候変動」、「サプライチェーンリスク」、「働き方と人材のリスク」等を認識し、これらのリスクに対処する体制を整えています。詳細については、3[事業等のリスク]をご参照ください。

 

 

(4)指標及び目標

当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、「(i) 気候変動・(ii)カーボンニュートラル」、「(i)人的資本、(ii)ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」、「(iii)人権」について、次の指標を用いて進捗を評価しております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。

 

①気候変動・カーボンニュートラル

項目

目標

19/12

20/12

21/12

22/12

23/12

CDP評価(気候変動)

(2025年)B以上を維持

B

C

D

B

B

Scope1,2 GHG排出量

(2025年)2018年度比32%削減

174千t

排出(2018年度比9.2%増加)

165千t
排出(2018年度比3.2%増加)

167千t

排出(2018年度比4.2%増加)

157千t

排出(2018年度比1.6%増加)

127千t

排出(2018年度比17.1%削減)

※1

Scope3/削減貢献量/他

(バリューチェーン)

(2025年)バリューチェーンにおけるGHG排出量の合理的測定手法の確立

項目を「Scope3/削減貢献量/他」に見直し

※2

 

※1 速報値。確定値は2024年6月以降に当社ホームページを参照。

※2 WBCSD (World Business Council For Sustainable Development)が2023年3月に発行した、Guidance on Avoided Emissionsを踏まえ、バリューチェーンにおける目標の記述に「削減貢献量/他」を追記しました。「他」には、当社グループ製品が無害化するGHG排出係数の高い排ガスのCO2換算相当量などを含んでいます。

 

人的資本・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)

項目

目標

19/12

20/12

21/12

22/12

23/12

競争し、挑戦する風土へ変革し、多様な社員が働きやすさを感じて活躍できる環境づくりを目指す

・エンゲージメントサーベイスコア向上(連結)

(2025年)83以上

(2030年)86以上

75

78

79

79

78

グローバルモビリティの向上を

目指す

・Global Key Position(GKP)における非日本人社員比率(連結)

(2025年)30%以上

(2030年)50%以上

19%

20%

22%

23%

23%

男女の賃金差異解消

①GKP女性ポジション比率(連結)

②女性管理職比率(単体)

①(2025年)8%以上

 (2030年)10%以上

②(2025年)8%以上

①-

②6.2%

①5%

②6.1%

①5%

②6.4%

①7%

②6.5%

①8%

②7.2%

性別に関係なく仕事と育児を両立できる企業風土を醸成

・男性育児休業取得比率(単体)

(2025年)100%

※2023年11月に目標設定

85.4%

76.7%

81.3%

79.6%

90.8%

・障がい者雇用比率

(単体+グループ適用会社4社)

(2025年)2.6%以上

2.27%

2.58%

2.56%

2.37%

2.54%

 

 

 

人権の尊重

目標

23/12実績

サプライヤ向けの人権デューデリジェンスの結果に基づく必要な施策の実施

人権尊重を含む当社CSR調達ガイドラインについて、サプライヤの皆様に理解と実践を求めることを目的とし、グローバルの一次サプライヤに対してCSR調達アンケートを実施しました。主要取引先国内2023年までに国内852社、海外449社、合計1,301社から回答をいただきました。

 

アンケートの内容には人権に関する設問が含まれており、人権委員会は、サプライヤにおいて児童労働や強制労働、差別が起きないような取り組みがなされているか、適正な労働環境が維持されているかなど、人権に関する設問の結果を調達部門と共有し、健全なサプライチェーンマネジメントの構築を推進しています。

 

2023年に以下の施策を実施しました。

①アンケート未回答サプライヤへの回答要請

②低スコアサプライヤへの訪問指導

③アンケート結果に基づく得点計算及びリスクの顕在化

④教育資料の作成・サプライヤへの展開

⑤代表執行役社長からのメッセージ配信