事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
CRM事業 | 148,107 | 99.6 | 10,985 | 97.9 | 7.4 |
その他 | 933 | 0.6 | 240 | 2.1 | 25.7 |
調整及び消去 | -323 | -0.2 | N/A | N/A | N/A |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、持株会社である当社、連結子会社7社(株式会社ベルシステム24、CTCファーストコンタクト株式会社、Horizon One株式会社、BELLSYSTEM24 VIETNAM Inc.、株式会社シンカー、株式会社ベル・ソレイユ他1社)及び持分法適用関連会社2社(True Touch Co., Ltd.、株式会社TBネクストコミュニケーションズ)で構成されており、コンタクトセンター業務を中心とするCRM事業を主たる事業として、全国及び海外で事業を展開しております。
当社グループの中核である株式会社ベルシステム24は、1982年の創業以来約40年にわたり、企業と生活者の接点となるコンタクトセンターを中心とした幅広いアウトソーシング事業を展開し、業界のスタンダードモデルを創出してまいりました。人とテクノロジーの力を掛け合わせることで培ってきた運用知見をもとに、事業価値の向上を目指し、電話を主なサービスチャネルとする従来型のサービス提供方法に加え、新たなソリューションの開発に積極的に取り組む等、グループとしての成長を実現してまいりました。
当社グループの事業における当社及び関係会社の位置づけ及びセグメントとの関連は、以下の通りであります。
当社グループの連結財務諸表における報告セグメントは「CRM事業」のみでありますが、「その他」として、株式会社ベルシステム24の営むコンテンツ事業及び株式会社ベル・ソレイユの営む事業を記載しております。
① CRM事業
CRM事業では、電話を主なコミュニケーションチャネルとする従来型のインバウンド・アウトバウンドコールの業務に加え、WEBや急速に拡大するソーシャルメディア等のIT技術を駆使した様々なサービスを、クライアント企業へ提供しており、具体的には、以下の通りであります。
・クライアント企業のカスタマーサポート業務(主に、クライアント企業の商品・サービスに関する質問に対応する業務)
・クライアント企業のセールスサポート業務(主に、クライアント企業の商品・サービスの販促をサポートする業務)
・クライアント企業のテクニカルサポート業務(主に、クライアント企業のIT製品の操作方法等に関する質問に対応する業務)
・BPO業務(主に、経理・人事分野における業務、市場調査・データ入力作業等を請け負う業務、医薬品・医療機器の開発支援業務)
(主な関係会社)株式会社ベルシステム24、CTCファーストコンタクト株式会社、Horizon One株式会社
BELLSYSTEM24 VIETNAM Inc.、株式会社シンカー、True Touch Co., Ltd.、
株式会社TBネクストコミュニケーションズ
② その他
株式会社ベルシステム24のコンテンツ事業は、モバイル・PC等を通じ、一般消費者向けの月額課金によるコンテンツ販売や、事業者向けに気象予報コンテンツの販売も行っております。
また、株式会社ベル・ソレイユは、障がい者の雇用促進を目的とする特例子会社として、当社グループの総務業務及び事務代行の受託を主な業務としております。
(主な関係会社)株式会社ベルシステム24、株式会社ベル・ソレイユ
なお当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
事業の系統図は、以下の通りであります。
(注) →は、営業取引の流れを示しております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種施策の効果もあり、個人消費や設備投資の持ち直しが続いていることから緩やかな景気回復の動きが見られました。一方で、中東地域をめぐる情勢の深刻化・長期化によって原油価格の更なる上昇につながり、我が国の物価・経済に影響を及ぼし得るため注意が必要な状況が続いております。また、各企業の業況が回復しているのに伴い業種や規模に関わらず人手不足への対応が課題となっております。
そのような環境の下、当社グループの主力事業であるCRM(Customer Relationship Management)事業は成熟期を迎えており、周辺領域への事業拡大が重要となっております。他社との差別化を図るために、顧客接点多様化に伴う対応領域の拡大とVOC(Voice Of Customer)などを駆使したデータ活用により、業務品質や付加価値の向上に努めるとともに、新たな事業への領域開拓が求められております。
当連結会計年度においては、中期経営計画で掲げた「人材(総力4万人の最大活躍)」「型化(データ活用の高度化)」「共創(NEW BPOの領域開拓)」の3つの重点施策を推進することで、持続的な成長の実現を目指してまいりました。
データ活用の高度化においては、コンタクトセンターに蓄積されるVOCに加えたあらゆる顧客接点のデータを利活用することで、最適なCX(Customer Experience)を一貫して実現するデータマーケティング事業の推進に向け、株式会社シンカー(以下、「㈱シンカー」)を子会社化いたしました。これまでのマーケティング領域での豊富な知見やソリューションを持つパートナーとの協業に加え、㈱シンカーとの連携により、当社グループが保有する年間5億件の膨大なVOCやCRMデータを活用した、あらゆる顧客接点での適切なアクションかつ、成果が持続するマーケティングモデルの構築を目指し、クライアント企業の最適なCXコミュニケーションを支援してまいります。
また、コンタクトセンタービジネスの変革に向け、日本マイクロソフト株式会社及びグーグル・クラウド・ジャパン合同会社とともに生成AIを活用したコンタクトセンター業務の実証実験を共同で実施いたしました。この実証実験における実績を基に、当社が目指す「ヒト」と「AI」の連携による「ほぼ自動化」を実現するハイブリッド型のコンタクトセンターオートメーションの構築を推進してまいります。さらに、最先端のAIプラットフォームの開発・提供事業を展開する台湾のIntumit Inc.と、顧客対応の自動化を実現するソリューションの開発・提供と運用連携を目的に、業務提携契約を締結いたしました。これにより、台湾を皮切りに日本・ベトナム・タイなどの各国に向けた新たな共同サービスの開発を行うことに加え、両社の顧客に向けた販路拡大を進めてまいります。
NEW BPOの領域開拓においては、株式会社Blueship(以下、「㈱Blueship」)とともに神奈川県藤沢市のデジタル市役所の実現に向けた「藤沢市コンタクトセンター」を開設し、2023年10月1日より運用を開始いたしました。㈱Blueshipは自治体の課題に沿ったDXサービスの提供を推進し、住民サービスの向上及び自治体職員の負担軽減を支援しており、当社グループの持つ業務改革支援や、生成AIや音声認識などの最新ソリューションの導入、DX人材育成サポートなどの知見と掛け合わせることで、自治体ならではの課題に沿ったDXサービスの提供を推進し、住民サービスの向上及び自治体職員の負担軽減を支援してまいります。
また、フィンテック事業を展開するナッジ株式会社とクレジットカード市場向けの新サービス提供に向けた資本業務提携契約を締結し、クレジットカード利用者向けのカスタマーサポートや提携クレジットカード発行先に向けた新たなサービス開発などの検討を共同で進めております。その他、一次産業において養豚業界のDX化を推進する株式会社Eco-Porkと養豚現場の課題を解決する新サービスの創出・展開に向けた資本業務提携契約を締結するなど、今後も当社グループの強みとパートナー企業の知見・技術を融合し、NEW BPOの領域開拓を推進してまいります。
海外においては、ASEANを海外拠点の重点エリアと位置づけ、ベトナム・台湾・タイでの事業拡大に注力しました。具体的にはグループ会社でベトナム国内12拠点にてコンタクトセンター事業を展開する「Bellsystem24-Hoa Sao Joint Stock Company」への追加出資により子会社化しました。また、それに伴い社名を「BELLSYSTEM24 VIETNAM Inc.」に変更しました。また、先述の台湾のIntumit Inc.との顧客対応の自動化を実現するソリューションの開発・提供と運用連携を目的とした業務提携契約の締結により、台湾を皮切りに日本・ベトナム・タイなどの各国に向けた新たな共同サービスの開発を行うことに加え、両社の顧客に向けた販路拡大を進めてまいります。海外においては、今後も現地企業 のほか、現地に進出する多くのお客様企業の売上拡大・コスト最適化を支援するサービスを拡大してまいります。
総力4万人の最大活躍という点では、在宅コンタクトセンターの積極的な推進とともに、これまで担ってきた知見を活かし、コンタクトセンター業務の在宅化に課題を抱える企業に対して、最適な在宅化のグランドデザイン設計や具体的なプロセスの策定を行う「在宅業務コンサルティングサービス」の提供を開始いたしました。また、LGBTQ+(LGBTQ等の性的少数者)に関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体work with Prideが策定した企業・団体等職場におけるLGBTQ+への取り組みの評価指標「PRIDE指標2023」にて、5年連続最高位である「ゴールド」を受賞しました。
さらに、D&Iに関する研修・コンサルティング、ダイバーシティ採用支援等を手がける株式会社JobRainbowが実施する「D&Iアワード」において、最高評価である「BEST WORKPLACE」に3年連続で認定され、併せて認定企業の中でもダイバーシティスコアが高く、ロールモデルになるような取り組みを行う企業に贈られる「D&Iアワード賞(大企業部門)」を受賞しております。当社グループは、多様なバックグラウンドを持つ従業員が安心して、長期に亘って勤務できる環境の創出に向け、社内外の環境整備にこれからも取り組んでまいります。
当社グループは、多様なバックグラウンドを持つ従業員が安心して、長期に亘って勤務できる環境の創出に向け、社内外の環境整備にこれからも取り組んでまいります。
その他、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組みとしては、2040年のカーボン・ニュートラル化に向けて、気候変動方針での中期目標の対象施設である自社コンタクトセンターの松江ソリューションセンターと神戸ソリューションセンターの2拠点及びデータセンターに再生可能エネルギーを導入いたしました。当社グループは事業活動を通じた環境負荷の低減と、持続可能な社会の実現に向け「サステナブル・センター構想」を進めており、「ヒト」「エネルギー」「モノ」の3つの領域をテーマに、サステナブルな取り組みを推進しております。結果として、ESGのグローバル基準を満たす日本企業を対象とした株価指数「FTSE Blossom Japan Index」及び「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定されました。当社として、「FTSEBlossom Japan Index」は初めての選定となり、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」は2年連続の選定となっております。
今後もESGへの取り組みを当社グループの成長戦略の重要な要素として位置づけ、社会への貢献と、その実践を通じた当社グループの成長の両方につなげてまいります。
各セグメントの業績は以下の通りであります。
(CRM事業)
前連結会計年度からの既存継続案件の売上が拡大した他、伊藤忠商事株式会社及びTOPPAN株式会社との協業強化によるシナジー案件も堅調に推移したもののスポット需要による売上が減少したことにより、売上収益は前年同期比で減収となりました。また利益面では収益改善活動による効果等もありましたが、高収益のコロナ等国策関連業務が大きく縮小し、税引前利益は前年同期比で減益となりました。
この結果、CRM事業の売上収益は1,481億7百万円(前年同期比4.5%減)、税引前利益は109億85百万円(同21.0%減)となりました。
(その他)
コンテンツ販売収入が減少したため、その他のセグメントの売上収益は6億10百万円(前年同期比32.0%減)、税引前利益は2億40百万円(同6.7%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益は1,487億17百万円(前年同期比4.7%減)、税引前利益は112億25百万円(同20.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は75億45百万円(同19.1%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末現在における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2億15百万円増加し、72億13百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、135億87百万円となりました(前年同期は181億72百万円の収入)。これは主に、税引前利益が112億25百万円、減価償却費及び償却費が91億71百万円、営業債権の減少が25億77百万円、法人所得税の支払額が49億42百万円、営業債務の減少が21億66百万円、段階取得に係る差益が8億38百万円及び未払消費税の減少が7億43百万円それぞれ生じたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、30億97百万円となりました(前年同期は18億3百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出が13億79百万円、無形資産の取得による支出が8億17百万円及び有価証券の取得による支出が6億51百万円それぞれ生じたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、102億86百万円となりました(前年同期は155億83百万円の支出)。これは主に、短期借入金の増加が44億円、長期借入れによる収入が40億円、長期借入金の返済による支出が70億43百万円、リース負債の返済による支出が69億11百万円及び配当金の支払額が46億44百万円それぞれ生じたこと等によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産の実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
(2) 受注の実績
当社グループが顧客企業と締結している契約は、料金算定の基礎となる単価等であり、受注金額の算定に必要な座席数、時間等についてはコール予想等に応じて頻繁に変動いたします。従って、受注金額の特定が極めて困難な状況であるため、同数値の記載を省略しております。
(3) 販売の実績
当連結会計年度における販売の実績をセグメント毎に示すと以下の通りであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下の通りであります。
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.3 重要性がある会計方針及び3 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(2)経営成績の分析
① 売上収益
当連結会計年度の売上収益は、主力事業であるCRM事業において、既存継続案件の売上が拡大した他、伊藤忠商事㈱及びTOPPAN㈱との協業強化によるシナジー案件も堅調に推移したもののスポット需要による売上が減少したことにより、前連結会計年度に比べて73億37百万円減少(前年同期比4.7%減)し、1,487億17百万円となりました。
② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、収益改善活動による効果等もありましたが、高収益のコロナ等国策関連業務が大きく縮小し、前連結会計年度に比べて、48億23百万円減少(前連結会計年度比15.1%減)し、271億39百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に人件費等が減少したことにより、前連結会計年度に比べて、6億33百万円減少(前連結会計年度比3.7%減)し、165億98百万円となりました。
④ その他の収益及び費用
当連結会計年度のその他の収益及び費用の純額は、段階取得に係る差益8億38百万円の計上により9億38百万円の収益(前連結会計年度は1億86百万円の収益)となりました。
⑤ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、主に売上収益及び売上総利益が減少したことにより、前連結会計年度に比べて、34億38百万円減少(前連結会計年度比23.0%減)し、114億79百万円となりました。
⑥ 金融収益及び費用、持分法による投資損益
当連結会計年度の金融収益及び費用、持分法による投資損益の純額は、2億54百万円の費用(前連結会計年度は7億60百万円の費用)となりました。
⑦ 税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は、営業利益の減少等により、前連結会計年度に比べて、29億32百万円減少(前連結会計年度比20.7%減)し、112億25百万円となりました。
⑧ 親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、法人所得税費用の減少があったものの、税引前利益が減少したことにより、前連結会計年度に比べて、17億85百万円減少(前連結会計年度比19.1%減)し、75億45百万円となりました。
(3)財政状態の分析
① 資産の分析
流動資産は、主に営業債権が20億37百万円及びその他の短期金融資産が7億59百万円減少したため、前連結会計年度末より23億76百万円減少し、282億97百万円となりました。
非流動資産は、主に有形固定資産が11億79百万円、持分法で処理されている投資が4億93百万円及び繰延税金資産が2億63百万円それぞれ減少しましたが、のれんが18億72百万円、無形資産が12億1百万円及びその他の長期金融資産が4億80百万円それぞれ増加したため、前連結会計年度末より15億91百万円増加し、1,471億68百万円となりました。
これらにより、資産合計は前連結会計年度末より7億85百万円減少し、1,754億65百万円となりました。
② 負債の分析
流動負債は、主に営業債務が21億3百万円、未払法人所得税が18億8百万円、その他の流動負債が8億6百万円及び未払従業員給付が4億31百万円減少しましたが、借入金が64億円及びその他の短期金融負債が10億64百万円増加したため、前連結会計年度末より23億61百万円増加し、485億99百万円となりました。
非流動負債は、引当金が5億75百万円増加しましたが、長期借入金が49億87百万円及びその他の長期金融負債が17億78百万円減少したため、前連結会計年度末より59億74百万円減少し、591億27百万円となりました。
これらにより、負債合計は前連結会計年度末より36億13百万円減少し、1,077億26百万円となりました。
③ 資本の分析
資本は、主に資本剰余金が50億94百万円減少しましたが、利益剰余金が75億45百万円及び非支配株主持分が3億22百万円増加したため、前連結会計年度末より28億28百万円増加し、677億39百万円となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資金需要及び資金調達については、当社グループは事業運営に伴う新規拠点の構築及び設備の更新を継続的に実施しております。これらの資金需要は手許資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主力事業であるCRM事業においては、サービス提供価格の変動と、オペレーター人材の確保及び人件費の変動が、経営成績に重要な影響を与える主要因と認識しております。当社グループを取り巻く事業環境は非常に競争が激しく、昨今の経済状況により、クライアント企業の費用削減傾向が強まる場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当事業における原価の大部分は、主にオペレーターの人件費であるため、人材不足による採用難や賃金上昇によるオペレーションコストの増加は、当社グループの経営成績に影響を与えます。
対応策といたしましては、当社グループが約40年にわたって築き上げてきた実績と経験を活かして他社との差別化を図り、品質向上及び新しいソリューション提供に努めることで業務の効率化及び売上規模の拡大を実現し、併せて、当社グループのブランド価値向上によりオペレーターの確保及び人件費増に対応する適切な価格設定に努めてまいります。また、今後も戦略型のCRM事業の開発や新しいソリューションを提供し続け、顧客企業とともに成長できるパートナーへの進化を目指してまいります。
(6)経営戦略の現状と見通し
当社グループが属する派遣売上を加えたコンタクトセンターアウトソーシング市場の総市場規模は1兆円を超え、2022年度以降年平均成長率5%程度で拡大すると予測されており、2026年度には1兆3,060億円になると推定されております。また、当社グループを含む売上高上位3~5社の大手による寡占化が続く中、2023年には大手コンタクトセンター事業者の経営統合が発表され、新たな付加価値を持つ事業体に変貌する期待が寄せられております。(出典:デロイトトーマツミック経済研究所株式会社「BPO総市場の現状と展望2022年度コンタクトセンター&フルフィルメントサービス版(第17版)」)。そうした中にあり、上位の競合企業は、当該コンタクトセンターアウトソーシング市場に一定のシェアを確保しつつも、海外市場の開拓、グループシナジーの活用、他社リプレイスの積極展開、「ヒト」と「AI」の連携によるハイブリッド型のコンタクトセンターオートメーションによって差別化を図ろうとしているものと考えられますが、当社グループにおいては、引き続き当該コンタクトセンターアウトソーシング市場に軸足を置き、成長路線を描いていく方針であります。
当該市場は上述の通り上位数社で過半のシェアを占める一方、差別化を図るために、音声基盤を軸にした顧客接点の拡大と、オペレーション業務の効率化、VOCなどを駆使したデータ活用などが重要であるとともに、音声認識、感情解析、生成AIなどに対する従業員のリテラシーとスキルが必要不可欠になってくると言われております。このようなデータ活用の高度化を進め、業務品質や付加価値の向上に努め、高い利益率が見込めるソリューションモデルが新たな事業の柱となる可能性があります。
当社グループの強みは、国内随一の広範な自社コンタクトセンター拠点をベースにした「規模」、約40年にわたり培った「対話力」、生成AIなどの新技術による「データの活用」、困難な課題にも一丸となって取り組む「チームワーク」にあります。これまでに培ってきたこうした強みに加え、伊藤忠商事グループ及びTOPPANグループ等、パートナーとの営業、事業開発、及びテクノロジー分野におけるシナジーを創出していくことにより、クライアント企業と同じ目線で経営課題に取り組み、改善提案を実践するパートナーとして、今後さらなる成長を果たしてまいりたいと考えております。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。当社グループは、主要ビジネスであるCRM事業を中心に、既存クライアントとの取引拡大及び伊藤忠商事グループやTOPPANグループの多様な企業ネットワークを活用した新規クライアント獲得強化による売上規模拡大、及び人件費増に対応する適切な価格設定の実施、業務の効率化及びコストコントロールの徹底による収益性向上との相乗効果により、収益基盤の拡充策を強力に展開してまいります。
株主に対しては、利益還元を最重要課題の一つとして認識しており、剰余金の配当を安定かつ継続的に実施し、業績の進捗状況に応じて配当性向及び必要な内部留保の充実等を総合的に勘案した上で、中期的には親会社所有者に帰属する当期利益をベースに、連結配当性向50%を目標として、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本的な方針としております。
また、従業員に対しては、“プロフェッショナル”が集う、“働きがい”のある企業の実現に向けて、新たな人事制度、人材育成施策の導入を段階的に進める他、女性活躍推進を目的とした育成プログラムの実施、企業内保育所の設置、及び教育研修施設の開設等、より多様な働き方を実現する環境整備の取り組みを続けてまいります。これらに加え、D&Iと健康経営の更なる推進を図り、多様な人材の活躍を促進してまいります。
さらに、生成AI等の新技術を活用した自動化対応への取り組みと人特有のホスピタリティー溢れる価値提供を通じたハイブリッド運用により、クライアントが感動するCXを実現する他、クライアントへの最適なソリューション提供により、クライアント企業の新しいビジネス価値を創造してまいります。
「中期経営計画2025」に掲げた生成AI等の活用による新たな価値の創造、並びに当社グループの強みとパートナー企業の知見・技術を融合した新たな総合BPO領域の開拓を推進し引き続き事業基盤を強化してまいります。
セグメント情報
4.セグメント情報
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち、分離された財務情報が入手可能であり、取締
役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う事業セグメントを基礎に決定されて
おります。なお、当社グループの事業セグメントは、CRM事業及びその他事業から構成されており、サービスの種
類、性質、販売市場等から総合的に区分しております。
当社グループは、主にコンタクトセンター運営及びその付帯業務を取り扱うCRM事業で構成されております。
当社グループの収益、純損益の絶対額及び資産の金額のいずれにおいても、大部分が当該事業から構成されており
ます。そのため、報告セグメントはCRM事業のみとしております。
セグメント間の振替価格は、概ね市場実勢価格に基づいて行っております。
報告セグメントの情報は、以下の通りであります。
前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
(単位:百万円)
(※)1.セグメント間収益は連結時に消去され、「調整及び消去」の欄に含まれております。
2.売上収益は、全て顧客との契約から認識した収益であります。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
(単位:百万円)
(※)1.セグメント間収益は連結時に消去され、「調整及び消去」の欄に含まれております。
2.売上収益は、全て顧客との契約から認識した収益であります。
4.1 地域毎の情報
(1) 売上収益
連結損益計算書の売上収益の大部分は、日本国内の顧客への売上収益によるものであり、日本国外の顧客への売上収益は僅少であることから、地域毎の売上収益の記載を省略しております。
(2) 非流動資産
連結財政状態計算書の非流動資産合計金額の大部分は、日本国内に所在している非流動資産であることから、地域毎の非流動資産の記載を省略しております。
4.2 主要な顧客毎の情報
主要な顧客毎の情報は、以下の通りであります。
(単位:百万円)