2024年2月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

建築関連製品 不動産賃貸
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
建築関連製品 10,710 98.4 689 87.6 6.4
不動産賃貸 171 1.6 98 12.4 57.1

事業内容

3 【事業の内容】

 当社グループは、当社及び子会社1社により構成されております。

 当社グループは、建築金物、外装用建材、エクステリア製品等の製造、販売を行っており、また、製品の施工・取付工事を行っております。さらに、不動産賃貸事業を営んでおります。

 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

 

建築関連製品

 ドアーハンガーなどの建築金物、物置などのエクステリア製品やアルミ型材を利用した外装用建材などの製造販売及び取付を行っております。

 

不動産賃貸

 単身者向け賃貸マンション及び貸店舗を運営しております。

 

 事業の系統図は次のとおりであります。

 

(注)※1 非連結子会社

 

 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置付けられたことで、経済活動の正常化が進み、回復基調となりました。一方で、地政学的リスクは依然として高い状況が続いており、これに伴う物価高や各国におけるインフレ抑制のための金融引き締め政策など、大きな景気下振れリスクをはらんだ状況となっております。

 当社が属する建築金物市場におきましては、政府による各種政策や経済活動の正常化の影響はあったものの、人手不足による工事遅延や価格の上昇などから持家、分譲住宅を中心に新設着工戸数は減少し、企業の設備投資につきましても足踏みがみられる状況となりました。また、地政学的リスクの長期化から原材料価格やエネルギー資源価格の高止まりは続き、製造コストの上昇は避けられず、厳しい経営環境となりました。

 このような中、当社は、駐輪ラックやごみ収集庫、庇などの主力製品については、引き続きインターネット広告を展開し、2023年10月には、Instagramの公式アカウントを開設するなど、SNSを活用した情報発信を強化いたしました。

 また、新たに販売を進めている分野を含めて、全国の展示会へ積極的に参加し、多くの製品について、手に触れてもらう形でのアプローチにも努めました。

 原材料価格高騰などによるコスト増加に関しましては、販売価格の改定や生産の合理化、設備投資による省力化を進めていくとともに、物流の最適化へも取り組んでおります。

 以上の結果、当事業年度の売上高につきましては、前事業年度比2.7%増の10,881百万円となりました。利益面では、営業利益は前事業年度比4.0%増の448百万円、経常利益は前事業年度比2.5%増の485百万円となりました。当期純利益は前事業年度に比べ4.0%増の328百万円となり、自己資本利益率は、前事業年度比0.1ポイント増の2.6%となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(セグメント売上高):当事業年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

構成比(%)

建築関連製品

10,710,362

102.7

98.4

不動産賃貸

171,398

101.7

1.6

合計

10,881,761

102.7

100.0

 

(建築関連製品)

 建築関連製品におきましては、開発、製造、販売の連携を密にして、既存市場へ付加価値の高い製品を提供していくとともに、用途提案を通じた新市場の獲得に注力して参りました。

 既存市場では、ハウスメーカーなどへのアプローチが奏功し、駐輪ラックやクリーンストッカーなどのエクステリア関連製品が伸長いたしました。また、インターネット広告などの情報発信に加えて、運送会社の再配達問題に対する補助金などの政策も相まって、宅配ボックスが比較的好調に推移しました。

 用途提案を通じた新市場の開拓につきましては、メンテナンスレールなどの認知が広がり、販売拡大につながりました。

 一方で、海外市場に関しましては、現地法人のみならず海外展開を行う日本法人へのアプローチなど様々な取り組みを行っておりますが、需要獲得にまで至っておらず、厳しい状況が続いております。

 その結果、売上高は10,710百万円(前事業年度比2.7%増)、セグメント利益(営業利益)は、688百万円(前事業年度比1.2%増)となりました。

 

 

(不動産賃貸)

 不動産賃貸関連につきましては、収益の主力でありますワンルームマンションにつきまして、入居率の改善に努めることで、主に学校寮としての需要が改善し、順調に稼働いたしました。また、法人向けテナントにつきましても、安定した収益を確保できたことから、売上の増加につながりました。

 経費面につきましては、老朽化対応の設備投資や修繕費が増加したものの、入居者の入れ替わりが少なかったため、ハウスクリーニングや仲介に関する費用が抑えられました。

 その結果、売上高は171百万円(前事業年度比1.7%増)、セグメント利益(営業利益)は97百万円(前事業年度比5.9%増)となりました。

 

b.財政状態

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末に比べ450百万円減少し、10,039百万円となりました。これは、売上高が前期よりも伸長したことから売上債権が293百万円増加したものの、仕入債務等の決済早期化への対応によって現金及び預金が778百万円減少したことが主因であります。

 

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ369百万円増加し、5,811百万円となりました。これは、時価評価により投資有価証券が213百万円、生産能力の向上のための投資により有形固定資産が90百万円、BIMデータへの対応などによる投資により無形固定資産が60百万円、それぞれ増加したことが主因であります。

 

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ527百万円減少し、2,495百万円となりました。これは、前期消費税等について還付を受けたため、当期の中間納付額が少なかったことから未払消費税等を含むその他の流動負債が208百万円増加したものの、決済早期化により未払金を含む仕入債務が740百万円減少したことが主因であります。

 

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末に比べ54百万円増加し、303百万円となりました。これは、退任役員への支払いにより役員退職慰労引当金が14百万円減少したものの、繰延税金負債が66百万円増加したことが主因であります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ391百万円増加し、13,052百万円となりました。これは、当期純利益による増加などによって、繰越利益剰余金が246百万円、投資有価証券の時価評価によりその他有価証券評価差額金が145百万円それぞれ増加したことが主因であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ778百万円減少し、3,214百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により支出した資金は165百万円(前事業年度は355百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益485百万円や減価償却費329百万円などの収入と仕入債務の減少による561百万円、売上債権の増加による293百万円、法人税等の支払額148百万円などの支出によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は530百万円(前事業年度は249百万円の支出)となりました。これは主に、事業投資に関する有形固定資産の取得による支出446百万円及び無形固定資産の取得による支出80百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により支出した資金は82百万円(前事業年度は303百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払額82百万円によるものであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2020年2月期

2021年2月期

2022年2月期

2023年2月期

2024年2月期

自己資本比率

80.3%

81.1%

80.9%

79.5%

82.3%

時価ベースの自己資本比率

27.6%

28.4%

27.3%

25.8%

28.5%

キャッシュ・フロー対有利子

負債比率

インタレスト・カバレッジ・

レシオ

150,607.6倍

175,957.7倍

170,847.9倍

299,447.3倍

(注)1.各指標は、以下の計算式により算出しております。

自己資本比率           :自己資本÷総資産

時価ベースの自己資本比率     :株式時価総額÷総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー÷利払い

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。

5.2024年2月期は営業キャッシュ・フローがマイナスであるため、インタレスト・カバレッジ・レシオについて記載しておりません。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 セグメントのうち、建築関連製品において生産活動を行っており、当事業年度における生産実績を示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

品目

 

 

金物

2,101,550

98.9

建材

1,494,949

94.4

エクステリア

2,411,588

98.1

その他

913,979

107.5

建築関連製品計

6,922,068

98.6

(注) 金額については、製造原価で記載しております。

 

b.受注実績

 セグメントのうち、建築関連製品の外装用パネルについては、受注生産を行っておりますが、その重要性は乏しいため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

品目

 

 

金物

3,451,495

102.0

建材

2,137,130

96.6

エクステリア

3,296,771

108.3

その他

1,824,964

102.0

建築関連製品計

10,710,362

102.7

不動産賃貸計

171,398

101.7

合計

10,881,761

102.7

(注)1 主な相手別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

杉田エース株式会社

2,044,131

19.3

2,036,417

18.7

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

① 経営成績の分析

a.前事業年度実績との比較

(売上高)

 当事業年度の売上高は、前事業年度と比べ282百万円増加し、10,881百万円となりました。これは、建築関連製品事業において、ごみ収集庫や駐輪ラックなどのエクステリア関連製品の売上が伸長したことやメンテナンスレールなど用途提案から開けた販路で需要を獲得できたことなどから売上高が前事業年度比で279百万円増加したことが主因であります。

 

(売上原価)

 当事業年度の売上原価は、前事業年度と比べ211百万円増加し、7,560百万円となりました。これは、建築関連製品事業の売上高が増加に伴い、製品の仕入や生産量が増加したことが主因であります。なお、円安進行や原材料価格の高騰などのコスト増加に対しましては、内製化や生産工程の改善等による原価低減や販売価格の改定により、原価率は前年と同程度に収まっております。

 不動産賃貸事業につきましては、設備投資や修繕費が増加したものの、ハウスクリーニングや仲介等の手数料が抑えられたため、原価は減少いたしました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度と比べ53百万円増加し、2,873百万円となりました。これは、SNSなどインターネット上の様々な媒体を通じた顧客へのアプローチを強化したため、広告宣伝費が増加した他、労務費が増加したことが主因であります。

 

(営業外収益、営業外費用)

 当事業年度の営業外収益は、前事業年度とほぼ横ばいの44百万円となりました。

 当事業年度の営業外費用は、前事業年度と比べ4百万円増加し、6百万円となりました。これは、固定資産の更新等により固定資産除却損が増加したことが主因であります。

 

(特別利益、特別損失)

 当事業年度において特別利益は、発生しておりません。

 当事業年度において特別損失は、発生しておりません。なお、前事業年度との差異は、前事業年度に生じた会員権評価損の16百万円であります。

 

(当期損益)

 当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べて11百万円増加し、485百万円となりました。これは、売上高の増加により売上総利益が70百万円増加したことが主因であります。一方で、固定資産除却損が増加したことから売上高経常利益率は、前年とほぼ横ばいの4.5%となり、当期純利益は12百万円増加して328百万円、自己資本利益率は0.1ポイント増加して2.6%となりました。

 

b.業績予想との比較

 当事業年度におきましては、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制約解消から需要回復を見込むものの、地政学的リスクの影響から物価高騰などにより製造コストの増加が続くことを想定し、売上高11,200百万円、営業利益540百万円、経常利益540百万円、当期純利益325百万円の業績を見込んでおりました。

 当該業績予想との比較・分析は以下のとおりであります。

 売上高に関しましては、業績予想と比較して318百万円小さい10,881百万円となりました。

 建築関連製品事業におきまして、ハウスメーカーへのアプローチなどからエクステリア関連製品が伸長し、政府の補助金等の政策の効果もあって宅配ボックスが堅調な動きとなりました。また、用途提案による市場開拓に努め、メンテナンスレールなど新たな市場における一定の需要も獲得することができました。

 しかしながら、建材関連製品や海外市場での需要の獲得が厳しい状況で推移したことから、開示した予想売上高には至りませんでした。

 なお、不動産賃貸事業におきましては、入居率改善に努めることで、主として学校の寮としての需要が改善し、予想売上高を達成いたしました。

 利益面に関しましては、経常利益が業績予想を54百万円下回り485百万円、当期純利益は業績予想を3百万円上回り328百万円となりました。これにより、売上高経常利益率は業績予想の4.8%に対して、0.3ポイント下回る4.5%となりました。これは、物価の高騰や円安進行の影響から材料費が増加したことや売上高が予想を下回ったことにより製品の原価率が増加したことが主因であります。当社では全社的な生産の最適化や省人化設備の導入などにより原価低減を図るとともに、既存市場シェアの維持、拡大や新たな市場での需要獲得に努めてまいりましたが、業績予想の経常利益に至りませんでした。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析及び資本の財源と資金の流動性に関する情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(主な資金の需要及び財源)

 当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料、商品等の購入や外注加工費等の製造費用のほか販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備投資等の資金需要の主なものは、建築関連製品事業の工場建物や機械装置、金型等の工具などの生産設備への投資によるものであります。

 これらの資金需要につきましては、主に営業キャッシュ・フロー及び自己資金による他、金融機関からの借入を財源として調達する方針であります。当社としましては、強固な財務基盤を有し、また適切な財務情報の開示などを通して金融機関と良好な関係を維持しており、運転資金及び投資資金の調達に関して、問題なく調達することが可能であると判断しております。

 

(資金の流動性)

 当社は、手元資金を売上高の3ヶ月分相当に維持することで運転資金需要に対応しており、流動性リスクを管理しております。また、突発的な資金需要が生じた際には、機動的に調達可能なように、複数の金融機関との間で合計3,050百万円の当座貸越契約を締結しております。

 なお、当事業年度末において借入金の残高はありません。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたり、会計方針の選択、資産、負債、収益及び費用の報告額及び開示に影響を及ぼす見積りを行っております。経営者は、これらの見積りが必要な事項について、過去の実績、経験や見積り時点までに入手しうる情報などを総合的に勘案して、合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。また、財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。