リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 信用リスク
信用リスクとは、信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランス資産を含む)の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスクです。
なお、世界的なインフレ、地政学リスクの高まりになどにより、世界経済の見通しは不透明な状況となっています。また、国内においても金融正常化が進み、今後金利が上昇基調となる可能性もあります。斯かる状況下、新型コロナウイルス関連融資の返済が本格化され、信用供与先の資金繰りに与える影響についても注視していく必要があります。これらの懸念に関連し、当社グループ与信先の経営状態が想定以上に悪化し、不良債権や与信コストの増加を余儀なくされるリスクがあります。
また、自己資本余力を活かし、市場性ローンを含むストラクチャードファイナンスや非日系融資など株式会社中国銀行での貸出金運用を実施しており、地元向け貸出金等と比べてリスク特性の異なる融資残高が増加しております。この点に関しても、リスクの所在を明確にしたうえで、厳正な審査やモニタリングによる予兆把握、各種リスクを統合した管理を行い適正にリスクを管理しております。
(2) 市場リスク
市場リスクとは、金利や為替、株式等の市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し損失を被るリスク、または資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスクです。
なお、市場リスクについても、(1)信用リスクで記載したように、様々な懸念から世界経済の見通しが不透明な状況となっていることに留意が必要です。こうした状況を背景とする、国内・海外の金利上昇や株価下落等の市場混乱により、想定どおりの資金利益が獲得できないリスク、または想定を上回る有価証券評価損益や売買損益の悪化が発生するリスクがあります。
(3) 流動性リスク
流動性リスクとは、運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、または通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)、ならびに市場の混乱等により、市場において取引ができない又は通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)です。
なお、外貨については市場からの資金調達が多いため、特に重点的に管理を行っております。外貨調達環境が悪化し市場での再調達が困難となる事態を想定したストレステストにおいて資金繰りが可能であることを検証しているほか、外貨運用・調達の安定度合を表す外貨安定比率を計測・管理し外貨バランスシートの中長期的な安定性維持を図っております。
(4) オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員の活動もしくはシステムが不適切であることまたは外生的な事象により、損失を被るリスクです。
主なオペレーショナル・リスクを、①事務リスク、②システムリスク、③人的リスク、④有形資産リスク、⑤情報資産リスク及び⑥コンプライアンス・法務リスクの6つに分類し、管理しております。
オペレーショナル・リスク管理方法として、業務運営上の不備事例を収集・分析し、再発防止策を策定・実施しているほか、新たな商品・サービスの導入時も含め、各種業務のRCSA(リスクとコントロールの自己評価)を実施し、リスクの評価を行うとともに、対応策を策定・実施しております。
なお、日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃の脅威等を踏まえ、サイバーセキュリティ事案の未然防止やインシデント発生時の迅速な復旧に向けた対応を目的に、サイバーセキュリティ管理態勢強化に取り組んでおります。
(5) その他経営に重大な影響を及ぼすリスク
上記リスクのほか、当社グループの財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況などに重要な影響を与える可能性があると考えているリスクは次のとおりです。
また、銀行持株会社は、その収入の大部分を傘下の銀行子会社から受領する配当金等に依存しております。一定の状況下では、様々な規制上または契約上の制限により、その金額が制限される場合があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当を支払えない状況が生じた場合には、当社株主に対する配当の支払が不可能となる可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社では、健全性・収益性(資本効率性)・株主還元の充実の3つのバランスに配意した資本運営を行っております。
今般、企業価値向上の観点から、今後の持続的なROE向上と株主さまへの還元強化を行うため、従来の配当と自社株取得合計による「総還元性向」に基づく株主還元方針から、配当性向に基づく利益成長を通じた「配当拡大」ならびに資本コントロールに基づく「自己株式の取得」による株主還元方針へ見直しました。具体的には、配当性向40%程度を目標とし、利益成長を通じた配当拡大を目指すとともに、資本コントロールを通じた機動的な自己株式の取得を行うこととします。
「配当」
・親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向40%程度を目標とし、利益成長を通じた配当拡大を目指します。
「自己株取得」
・普通株式等Tier1比率(有価証券評価差額金等を除く)11~12%を指標とし、資本コントロールを通じた機動的な自己株式の取得を行います。
2024年3月期の期末配当につきましては、上記の株主還元方針の変更に鑑み、2023年5月12日公表の当初予定配当額である期末15円(年間30円)から普通配当を17円増配し、期末32円(年間47円)にて2024年6月26日開催の定時株主総会にお諮りする予定です。
当社の毎事業年度における配当回数についての基本的方針は、中間・期末の年2回といたします。これらの配当の決定機関は、中間は取締役会、期末は株主総会であります。
また、当社は会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当を株主総会の決議によらず取締役会の決議で行うことができる旨、及び会社法第454条第5項に規定する中間配当を取締役会決議によりすることができる旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は次のとおりであります。