2023年8月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 2,008 100.0 129 100.0 6.4

事業内容

3【事業の内容】

 当社は、主にPBXをクラウドで提供する「システムサービス」、公衆回線網から各端末までIP回線を使用して音声通信を提供する「回線サービス」、IP電話等の端末機器を販売する「端末販売」を営んでおり、電話環境の構築に必要なサービスの「ワンストップ・ソリューション」を提供することが可能です。「テレワークの導入」や「オフィスのフリーアドレス化」等の働き方改革、企業の「BCP(*6)対策」が進む中、固定電話を切り口に、固定電話・モバイル端末という垣根を超え、「電話のあり方」そのものを変革する電話のデジタルトランスフォーメーション「電話のDX」を顧客に提供しています。

 

(*6)Business Continuity Planの略で「事業継続計画」と呼ばれます。テロや災害、システム障害など危機的状況下に置かれた場合でも、重要な業務が継続できる方策を用意し計画しておくことです。

 

当社は、セグメント情報を記載していないため、サービス区分別に記載しております。

 

(1)システムサービス

 当社は、技術革新における大きなパラダイムシフトのひとつであるクラウド技術をPBXに応用し、当社が独自に開発したクラウドPBX「INNOVERA」を顧客に提供しております。これまで社内に設置していたPBXをクラウド上に構築することにより、固定電話の機能をスマートフォンやPC、専用のIP電話等で場所を問わずに利用でき、会社のビジネスフォンを持ち出す感覚で電話を利用することができます。このように「INNOVERA」では、旧来の電話システムの弱点であった場所の制約を無くすことで、「テレワークの導入」や「オフィスのフリーアドレス化」の障害のひとつとなっていた電話の問題を解決することが可能です。

 もう一つの「INNOVERA」の特徴として、過去6ヵ月間分の全通話を自動録音する「全通話録音」、自動応答内容や流す時間を自由設定できる「ガイダンス設定」、その他「通話履歴検索」や「着信拒否」など多種多様な標準機能を備えています。また、用途に応じて、「順番にお繋ぎしますのでお待ちください」などの案内アナウンスでオペレーター数を超えた受電を保留し、順番に対応することが可能な「キューイング」等豊富な追加オプションや、コールセンターなどの架電業務に役立つ機能にも対応しています。

 さらに、突然の出社自粛要請や、地震・災害など企業のBCP対策としても「INNOVERA」は有効です。発着信、内線番号及びIVR(自動音声応答)の設定など電話環境の変更が必要になった場合、従来のPBXでは専門家による現地のローカルネットワーク環境下での変更作業が必要でした。しかし「INNOVERA」はクラウド上にシステムが構築されているため、環境設定などには場所の制約がなく、全てWebブラウザから行うことができ、AIオプションなど機能の追加も現地での作業や工事は不要であります。例えば支店で災害が起こり出社困難になった場合でも、インターネット環境下にある別の場所からPCやスマートフォンのWebブラウザを通して、被災した支店の電話応対が他拠点でできるように発着信設定を変更することも可能です。

 「INNOVERA」はクラウド上にシステムが構築されているため、従来のPBXのように機械的な故障という概念がなく、現地でのメンテナンス作業も不要です。「INNOVERA」は当社が随時メンテナンスや更新を行っているため、ユーザーは常に最新状態の電話環境を利用できます。オプション等の機能追加も物理的な作業や工事が不要なため、必要に応じて随時追加が可能です。

 

 2015年9月のサービス開始後、「INNOVERA」は従業員数10人以下の事務所から従業員数1,000人以上の大企業まで、顧客の規模を問わず幅広く導入されてきました。さらに利便性を向上すべく2020年12月には「INNOVERA PBX2.0」にプラットフォームを一新しました。「INNOVERA PBX2.0」では、ID・パスワードであらゆる端末にログインが可能な「ホットデスク」、パーク保留電話をグループ毎に分けることができる「パークグループ」、一つの電話番号で電話も音声会議も可能な「カンファレンス」などの新機能を搭載しております。

 上記以外にも、オフィスなどで利用されるビジネスフォンの機能と、「Autocall」や「Outbound」、「プレディクティブコール」等、顧客応対に特化したコールセンター用の機能を同一のプラットフォームで使用することが可能です。また、2023年10月には、電話でのお問い合わせをWebでの案内に誘導することで応対の効率化を図る「SMS送信」機能も新たにリリースしております。当社は、「INNOVERA PBX2.0」により、これからの「電話のあり方」や業界の常識を変え、顧客の利便性を向上させ、業務コストの削減や、小規模コールセンターの内製化などにも対応が可能と考えております。

 

 さらにクラウドPBXである「INNOVERA PBX2.0」は、API(*7)技術を用いて「kintone」、「カイクラ」及び「ネクストSFA」など他社のクラウドサービスと連携することで、電話機能に付加価値を追加した新たなサービスを提供しております。

 

 AI技術を応用したオプションでは、留守番電話に吹き込んだメッセージをそのままチャットツールに送りテキストで内容が確認できる「Speech Posting」や通話録音の内容を文字化して送る「INNOVERA Text」、音声通話からユーザーの感情を分析できる「INNOVERA Emotion」などの便利なサービスを追加しています。今後は「音声合成」や「音声翻訳」、「多言語通訳」など様々なAI技術を応用することにより、「INNOVERA」を更に進化させ、誰もが分け隔てなく意思疎通ができる「バリアフリー・コミュニケーション」プラットフォームの実現を目指し、音声コミュニケーションを通じたよりよい社会の構築に貢献してまいります。

(*7)Application Programming Interfaceの略で、アプリケーション同士を連携させるために必要となるソフトウェア機能を共有する仕組みを指します。PCに周辺機器をUSBで繋ぐことで機能拡張できるように、ソフトウェアの分野においても、アプリケーションの開発元がそれぞれのAPIを公開することで、異なったアプリケーション間で連携させ、機能拡張することができます。

 

(2)回線サービス

 当社は、アルテリア・ネットワークス株式会社と提携した「IP-Line」などクラウド上の「INNOVERA」に直接収容(接続)可能なIP電話回線サービスを提供しています。通常、電話を開設する際は、屋外から屋内の電話へ物理的な回線を引く必要がありますが、「IP-Line」はクラウド上の「INNOVERA」に直接収容し、インターネットを利用し音声通話を行うため、電話回線の設置は不要です。そのため、現地が災害に見舞われた場合にもインターネットが繋がっていれば電話の利用が可能であり、企業におけるBCP対策としても有効です。

 また、「IP-Line」では、「90秒課金」の料金設定により通話料削減が見込めるほか、IP電話回線でありながら、東京23区や大阪市など全国主要都市の市外局番(0AB~J番号)が利用でき、使用中の電話番号を変えずに、固定電話回線からIP電話回線へ移行できる特徴を持っています。

 また電話回線のほか、NTT東日本、NTT西日本との光コラボレーション事業である当社ブランドの光回線「INNOVERA光」も提供しており、クラウドPBXと各利用端末間のインターネット回線も提供しています。

 

 当社では、外部の企業との協業のひとつの形として、OEM(相手先ブランド)により、クラウドPBXシステムや回線の提供も行っております。

 

(3)端末販売

 当社はインターネット環境下でクラウドPBXと組み合わせて利用可能な、LANケーブルを接続インターフェイスとするSIP電話機を販売している中国Yealink社との間で、日本におけるSIP電話機の総代理店契約を締結し、販売やサポート、日本語ファームウェア(組み込みソフトウェア)の開発と運用を担っております。「INNOVERA」と共に端末を提供するだけでは無く、「INNOVERA」以外の他社製クラウドPBXでも利用できる汎用性を持つため、端末単独での販売も行っております。

 

 

 当社は4K表示、1,200万画素カメラや高機能スピーカーも搭載するWeb会議用大型ディスプレイ「MAXHUB」の販売も行っております。「MAXHUB」はプレゼンテーション機能に加え、ホワイトボード機能も有するなど、大画面での会議の効率化に寄与する製品です。また、同商品はオフィスなどのビジネスシーンだけでなく、電子黒板として教育現場への導入も進んでおり、教育のIT化、リモート授業推進の一翼を担っています。

 

 

[事業系統図]

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における資産合計は、1,162,179千円となり、前事業年度末に比べ297,804千円増加いたしました。その内容は、以下のとおりであります。

 当事業年度末における流動資産は、985,244千円となり、前事業年度末に比べ292,090千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が289,234千円、売掛金が31,746千円増加した一方で、商品が28,042千円減少したことによるものであります。

 当事業年度末における固定資産は、176,934千円となり、前事業年度末に比べ5,714千円増加いたしました。

これは主に建物が3,590千円、ソフトウエアが15,855千円増加した一方で、投資その他の資産のその他が16,703千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債合計は、509,427千円となり、前事業年度末に比べ85,823千円減少いたしました。その内容は、以下のとおりであります。

 当事業年度末における流動負債は、350,880千円となり、前事業年度末に比べ26,404千円増加いたしました。これは主に未払法人税等が20,222千円、買掛金が9,630千円、未払費用が1,972千円、賞与引当金が3,077千円増加した一方で、1年内償還予定の社債が10,000千円、訴訟損失引当金が1,831千円、1年内返済予定の長期借入金が1,809千円減少したことによるものであります。

 当事業年度末における固定負債は、158,547千円となり、前事業年度末に比べ112,227千円減少いたしました。これは主に長期借入金が103,963千円、社債が10,000千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は、652,752千円となり、前事業年度末に比べ383,627千円増加いたしました。これは東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資等により、資本金が146,522千円、資本剰余金が146,522千円増加したこと、当期純利益90,581千円により利益剰余金が増加したことによるものであります。内訳は、資本金246,017千円、資本剰余金236,017千円、利益剰余金170,716千円であります。

 この結果、自己資本比率は56.17%(前事業年度末は31.14%)となりました。

 

② 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、エネルギー・資源価格の高騰、円安の影響に伴い、国内物価の上昇が続いているものの、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴うインバウンド需要の増加、雇用・所得改善を背景とした個人消費の増加等、各種政策の効果もあり、内需を中心に景気は緩やかな回復傾向にあります。

 このような状況のなかで、当社では前事業年度に引き続き、自社開発のクラウドPBX「INNOVERA」を中心に、様々なIP電話回線、スマートフォンアプリ、ネット回線、固定端末をワンストップで提供することにより、お客様の「電話のDX」の実現など、更なる収益力の向上に取り組んでまいりました。2023年2月に「INNOVERA」AIオプションの第3弾として、音声通話からユーザーの感情を分析できる「INNOVERA Emotion」をリリース、同年3月に「INNOVERA」と、株式会社ジオコードの提供するクラウド営業支援ツール「ネクストSFA」とのAPI連携サービスを開始、同年7月に従業員の状況(在席中、離席中等)が確認できる「プレゼンス」機能を「INNOVERA」に実装、電話でのお問い合わせをWebでの案内に誘導することで応対の効率化を図る「SMS送信」機能の開発完了(2023年10月リリース)など、「INNOVERA」の更なる進化を目指してまいりました。また、2022年9月より開始した販売代理店制度「パートナープログラム」では、獲得アカウント数に応じて販売代理店のランクを設定する「メンバーシップ制度」等を導入し、販売代理店とのパートナーシップ強化を通じた販売力の強化に取り組んでまいりました。当事業年度におけるリカーリング売上高は、前期比14.0%増加の1,609,607千円となっており、「INNOVERA PBX」の月平均解約率(アカウント)は前期の0.64%に対し0.90%、「IP-Line」の月平均解約率(チャネル)は前期の0.85%に対し0.94%となりました。

 その結果、当事業年度における売上高は2,008,319千円(前期比13.0%増)、営業利益129,389千円(前期比16.9%増)、経常利益126,498千円(前期比10.2%増)、当期純利益90,581千円(前期比10.7%増)となりました。

 

 なお、当社は全セグメントの売上高の合計、営業利益の合計に占める音声ソリューション事業の割合が、いずれも90%を超えているため、セグメントごとの経営成績の記載は省略し、サービス区分別の状況を記載しております。当事業年度におけるサービス区分別の状況は、次のとおりであります。

 

(システムサービス)

 システムサービスは、前事業年度に引き続き、顧客のDX需要が堅調であり、パートナープログラムも奏功したことから、「INNOVERA」のアカウント数を順調に伸ばしました。その結果、売上高636,653千円(前期比11.1%増)、売上総利益379,559千円(前期比6.2%増)となりました。

 

(回線サービス)

 0ABJ型IP電話回線サービスは、「INNOVERA」のアカウント増に伴うチャネルの増加のほか、既存顧客の事業や拠点拡大等によるチャネル追加があったことから、「IP-Line」の総チャネル数が増加いたしました。その結果、売上高1,077,709千円(前期比14.1%増)、売上総利益459,061千円(前期比14.9%増)となりました。

 

(端末販売)

 端末販売は、「INNOVERA」の大型案件の受注に伴うYealink社製SIP端末の販売が好調であったことから、販売台数が増加いたしました。その結果、売上高251,063千円(前期比7.9%増)、売上総利益82,011千円(前期比11.5%増)となりました。

 

(その他)

 その他の売上高につきましては、売上高42,892千円(前期比62.5%増)、売上総利益42,892千円(前期比62.5%増)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ241,232千円増加し、485,459千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は148,344千円(前期比66.3%増)となりました。これは主に税引前当期純利益が126,498千円、棚卸資産の減少額28,970千円、減価償却費25,399千円、未払消費税等の増加額3,950千円、仕入債務の増加額9,630千円による資金の増加があったものの、保険解約返戻金11,739千円、売上債権の増加額31,746千円、法人税等の支払額30,779千円、訴訟損失引当金の減少額1,831千円、前渡金の増加額1,073千円等による資金の減少があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は60,856千円(前期比7.9%減)となりました。これは主に保険積立金の解約による収入26,730千円があったものの、定期預金の預入による支出48,001千円、無形固定資産の取得による支出32,992千円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は153,747千円(前事業年度は89,132千円の支出)となりました。これは主に新株の発行による収入293,045千円があったものの、長期借入金の返済による支出105,772千円、社債の償還による支出20,000千円、上場関連費用の支出10,142千円等があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は全セグメントの売上高の合計、営業利益の合計に占める音声ソリューション事業の割合が、いずれも90%を超えているため、セグメント別の記載は省略し、サービス区分別に記載しております。

 

サービス区分の名称

当事業年度

(自2022年9月1日 至2023年8月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

システムサービス

636,653

111.1

回線サービス

1,077,709

114.1

端末販売

251,063

107.9

その他

42,892

162.5

合計

2,008,319

113.0

(注)最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 当事業年度における売上高は2,008,319千円(前期比13.0%増)となりました。これは主に、各サービスの新規契約の獲得及び新規契約先や既存契約先において追加のアカウント、チャネル契約を獲得したことによるものであります。さらに、当社は「INNOVERA」のAIサービスである「INNOVERA Emotion」のサービス提供を開始し、更なる収益力の向上に取り組んでおります。

 

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度における売上原価は1,044,794千円(前期比13.6%増)となりました。

 これは主に、システムサービスにおける、販売増加に伴う販売代理店へのインセンティブの支払、サーバーの利用料等及び回線サービスにおけるチャネル数の増加による売上高増加に伴う売上原価の増加によるものです。

 この結果、当事業年度の売上総利益は963,525千円(前期比12.4%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は834,136千円(前期比11.8%増)となりました。

 これは主に、中途採用による従業員数の増加による人件費の増加によるものです。

 この結果、当事業年度の営業利益は129,389千円(前期比16.9%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当事業年度における営業外収益は12,131千円(前期比9.3%増)となり、これは主に保険解約返戻金の計上によるものです。

 また、当事業年度における営業外費用は15,021千円(前期比113.0%増)となり、これは主に上場関連費用の計上によるものです。

 この結果、経常利益は126,498千円(前期比10.2%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失、当期純利益)

 当事業年度においては特別利益及び特別損失は発生しておりません

 法人税等調整額を含む法人税等合計35,916千円を計上した結果、当事業年度の当期純利益は90,581千円(前期比10.7%増)となりました。

 

② 財政状態に関する認識及び分析・検討内容

 当社の財政状態に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

 当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。「INNOVERA PBX」の総アカウント数と解約率、「IP-Line」の総チャネル数と解約率、リカーリング売上高比率を重要な経営指標としております。

 総アカウント数、総チャネル数及びリカーリング売上高比率については、パートナープログラムが奏功し、順調に推移しております。解約率については、新型コロナウイルス関連のコールセンターの動向に応じて変動しておりますが、予定どおりに進捗しており、今後も順調に推移するものと認識しております。

 

④ キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社のキャッシュ・フローの状況分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社の主な資金需要としては、音声ソリューション事業におけるシステム関連仕入、回線仕入等、人件費等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を基本としつつ、金融機関からの借入等必要に応じて最適な方法による資金調達にて対応する方針であります。

 資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉に流動性の確保を図っておりますが、より柔軟かつ安定的な流動性の確保を目的として、取引金融機関と総額100,000千円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。