2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,273名(単体) 11,941名(連結)
  • 平均年齢
    40.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.6年(単体)
  • 平均年収
    7,932,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

特殊鋼鋼材

3,296

機能材料・磁性材料

3,268

自動車部品・産業機械部品

3,310

エンジニアリング

640

流通・サービス

974

全社(共通)

453

合計

11,941

(注)1 従業員数は、就業人員数であります(兼務役員を含む)。

2 臨時従業員数は、従業員数合計の10%未満のため記載を省略しております。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

3,273

40.0

17.6

7,932

 

セグメントの名称

従業員数(人)

特殊鋼鋼材

1,148

機能材料・磁性材料

945

自動車部品・産業機械部品

551

エンジニアリング

176

全社(共通)

453

合計

3,273

(注)1 従業員数は、就業人員数であります。

2 臨時従業員数は、従業員数合計の10%未満のため記載を省略しております。

3 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの在籍組合員数は、2024年3月31日現在7,144人であり、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、3

全労働者

うち

正規雇用労働者

うち

パート・有期労働者

2.5

36.4

76.9

77.4

84.6

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 当社において、賃金体系および昇進・昇級などの制度上に違いはありません。ただし、職種間や管理職比率等の違いにより、賃金格差が生じております。

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、4

全労働者

(注)2

正規雇用

労働者

(注)1

パート・

有期

労働者

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

パート・

有期

労働者

大同興業㈱

5.6

60.5

60.0

51.2

大同DMソリューション㈱

73.9

74.6

68.2

大同テクニカ㈱

50.0

(注)3

70.1

70.1

56.2

大同エコメット㈱

50.0

(注)3

日本精線㈱

1.1

54.5

53.3

70.8

55.6

フジオーゼックス㈱

52.4

(注)3

58.8

67.1

81.1

㈱大同キャスティングス

3.7

14.3

(注)3

82.5

81.7

93.5

大同マシナリー㈱

0.0

12.5

(注)3

64.5

66.4

27.5

㈱大同ライフサービス

67.0

84.7

55.9

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 パート・有期労働者について育児休業取得事由に該当する対象者はおりません。

4 一部の会社では、労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しております。

5 「-」表示は、公表していない項目であります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

(サステナビリティ基本方針)

当社グループは企業理念の実践による社会課題の解決とグループの成長を目的としたサステナビリティ基本方針の見直しを行い、2024年4月の取締役会で決議しました。

 

大同特殊鋼グループは、創業以来「お客様を何よりも大切にする」という精神を受け継ぎ、

モノづくりを通して社会からの要請・期待に応えてきました

 

いま世界は地球環境や社会問題などの課題が山積しています

各企業がその知見、経験を活かしたサステナビリティへの取り組みを進め、

SDGsの達成を目指していく必要があります

 

当社は、社会の声に真摯に向き合い、素材の可能性を切り拓いていくことを

経営理念(Mission)として掲げています

 

サステナビリティへの取り組みが経営理念の実践に繋がり、

社会課題の解決と当社グループの永続的な成長に繋がることを

めざして取り組んでまいります

 

今後はこの基本方針に基づき、サステナビリティを巡る課題に対し、適切に対応してまいります。

 

(ESG戦略)

サステナビリティ活動の自律化とグループ展開による企業価値最大化への貢献

 

社内の各部門や各グループ会社でサステナビリティ推進活動が根付き、自律的に課題解決がすすむようになることを目指します。また、サステナビリティ推進活動が当社グループの持続的な成長に繋がることを意識し、企業や従業員の成長課題として着実に推進します。

 

(ガバナンス)

サステナビリティに関する事項を検討・審議する組織として、従来のCSR委員会を再編し、2022年4月より新たにサステナビリティ委員会を設置しました。当委員会は社長執行役員を委員長とし、ここで審議、決定した事項を取締役会に上程します。サステナビリティ委員会の事務局は、2023年1月に新設されたESG推進統括部に置かれております。

サステナビリティ委員会は以下の事項を取り扱います。

・サステナビリティ経営の基本方針およびサステナビリティ推進活動の基本計画の策定に関する事項

・全社および各部門、各委員会におけるサステナビリティ推進状況の確認に関する事項

・TCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)において要求される気候変動リスク低減に向けた施策に関する事項

・CSR(人権、社会貢献活動、健康経営等)およびこれらに関わるガバナンスに関する全社方針、施策に関する事項

・統合レポートの編集および発行に関する事項

なお、サステナビリティ委員会には常勤の取締役(監査等委員である取締役を含む)も出席し、適切な委員会運営がなされていることを監督し、また審議時の意見交換にも参加しています。非常勤の社外取締役(監査等委員を含む)は、取締役会に上程される個別のESG案件の審議、座談会および統合レポート発行前の意見聴取等を通じて監督機能を発揮しています。

 

(体制図)

 

(リスク管理)

当社は、サステナビリティの管理プロセスとして、サステナビリティ委員会において、マテリアリティとそのマテリアリティごとのリスクと機会を特定し、それぞれの進捗管理等を実施しております。サステナビリティ委員会において審議、決定された内容は取締役会に上程され、リスクおよび機会の評価を図っております。

なお、気候変動への取り組みにおいては、シナリオ分析を実施し、気候関連リスクの優先順位付けを行い、影響度の高い事項に注力して対策に取り組んでまいります。また、人的資本経営への取り組みにおいては、関係部門が多く、全社横断的な活動が必要であるため、サステナビリティ委員会の下部組織として、人的資本WGを立ち上げました。着実に活動を推進してまいります。

 

(2) 重要なサステナビリティ項目

① 気候変動への取り組み

(戦略)

気候変動が当社に与えるリスク・機会とそのインパクトを把握し、当社の中長期的な戦略のレジリエンスと、さらなる施策の必要性の検討を目的に、2030~2050年についてシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IAEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による気候変動シナリオ(1.5℃シナリオおよび4℃シナリオ※)を参照しております。リスク、機会の抽出は幅広く行い、「発生する可能性が高いもの」と「発生したときに影響が大きいもの」の観点から、当社の事業に及ぼす影響が高いリスクと機会を選定し、対策を検討しました。また、今回分析の対象としなかったリスク・機会についても、継続的に注視してまいります。

各リスクと機会への対策を検証した結果、脱炭素に向かう社会変容に対して、中長期経営計画の基本戦略を軸に、今後の成長市場であるCASE(自動車)、クリーンエネルギー分野向けの高機能材料や革新的な環境対応エンジニアリング製品を開発し販売拡大していくことで、企業価値を向上させていくことができると結論付けました。以上より、当社戦略はレジリエンスを有していると評価しました。

 

※1.5℃シナリオ :気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化などの対策が取られるシナリオ

 4℃シナリオ :気温上昇の結果、異常気象などの物理的影響が生じるシナリオ

 

TCFDシナリオ分析

 

シナリオ

要因

変化

当社への影響

当社の対策

1.5℃

EV化の進展

EV化の進展によるエンジン/排気系部品の需要減少

リスク

□内燃機関車(ICE)向けの需要は2030年までは横ばい程度を見込むが、EV化の進展で、2030年以降、大幅な減少が想定される。

□今後の成長市場である、CASE(自動車)、半導体関連製品、クリーンエネルギー分野の売上を拡大し、持続的な事業成長を果たす

 

 

EV車向け高機能材料の需要増

機会

□EV化の進展で高機能材料の需要が増加する。

※e-Axle部材、バッテリー部材、制御系部品などに使用される高強度鋼、磁性材料等

□各製品ニーズに対応した材料開発

□需要増加に対応した生産能力向上

□次世代自動車向けの新製品・新事業の立上げおよび市場参入

 

GHG排出規制を含む各種規制の強化

再生可能エネルギーの利用による電力コスト増加

リスク

□再生可能エネルギー使用比率増加により電力コストが増加する。

□省エネ、製品歩留向上などによるコスト改善で電力コスト増を吸収

□再生可能エネルギーの自社導入

 

カーボンプライシング導入

操業・調達コストの増加

リスク

□合金や資材等の調達コストおよび操業コストが増加する可能性がある。

□CO削減投資と全電力の再生可能エネルギー化によりコスト負担を相殺

□調達先にCO排出量の削減を要請

 

 

電炉材の需要増

機会

□脱炭素要請の強化や低排出製品の志向の高まりなどを受け、相対的にCO排出量の少ない電炉材の需要増加が見込まれる。

□当社開発の先進イノベーション電気炉「STARQ®」から製造した「低CO排出特殊鋼鋼材」を積極拡販

□再生可能エネルギーへのシフトを進め、更なる差別化を促進

 

スクラップ原料の需要増

スクラップ調達コストの増加

リスク

□世界的に電炉材ニーズが高まり、高品位スクラップ需要が増加する。

□これにより、価格の高騰や調達難の影響が出る可能性がある。

□顧客と連携したスクラップ回収スキームの拡大、および低品位スクラップの利用が可能な技術確立により、価格高騰の抑制と必要なスクラップ量の確保

 

 

シナリオ

要因

変化

当社への影響

当社の対策

1.5℃

環境対応や新エネルギー関連技術の普及

革新的な環境対応エンジニアリングの需要増

機会

□脱炭素に向けて、エネルギー効率の向上に資する投資が増えることで、当社の環境対応エンジニアリングの需要が高まる。

□大同ブランド省エネ製品の積極拡販

※STARQ®、DINCS®、モジュールサーモ®、プレミアムSTC®炉 等

□ユーザーニーズに合わせたエンジニアリング製品(水素燃焼工業炉等)開発の推進

 

 

水素関連技術・製品の需要増

機会

□水素社会の進展により、耐水素脆化用鋼などの高機能材の需要が高まる。

※水素ステーション、燃料電池車、水素内燃機関などに使用される高機能材

□各製品ニーズに対応した材料開発

□新規ユーザー、市場の開拓

4℃

気象災害の

激甚化

(急性)

調達先や生産拠点が被災する事による操業停止リスク

リスク

□調達先や主要工場が自然災害に見舞われ、操業が停止する可能性が高まる。

□調達先と連携したリスク管理や適正な在庫確保などのBCP対策を推進

□主要工場は浸水対策を継続実施中

 

(指標及び目標)

大同特殊鋼では、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、温室効果ガス(CO)の総排出量を指標として削減目標を設定しております。

2021年4月にDaido Carbon Neutral Challengeを公表し、「2013年度対比2030年CO排出量50%削減、2050年カーボンニュートラル実現を目指す」を目標として、CO排出量削減活動を推進しております。

 

Daido Carbon Neutral Challenge

 

※CO排出量は大同特殊鋼単体のScope1+Scope2(エネルギー起源)

CO排出量実績(2013年と2023年)の電力係数は契約電力会社の各年度の排出係数にて算定

 

② 人的資本経営への取り組み

当社グループは経営理念である“素材の可能性を追求し、人と社会の未来を支え続けます”を実現する人材像として、5つの行動指針を定めております。

 

<行動指針>

〔高い志を持つ〕   時代の先を読み、パイオニア精神を持つ

プロフェッショナルとして、自身のミッションに最後まで取り組む

〔誠実に行動する〕  相手の立場で考え、多様な価値観と存在を認め合う

ステークホルダーの期待に応える

〔自ら成長する〕   常に成長を意識して仕事に取り組む

進んで経験を重ね自分を磨く

〔チームの力を活かす〕組織を超えてグループの知恵を結集する

スピード感をもち、協力してやり遂げる

〔挑戦し続ける〕   自由な発想で時代を切り開く

失敗を恐れず困難に立ち向かう

 

この5つの行動指針は創業からの歴史を振り返り、当社グループの強み(Core competence)を生み出してきた人材の行動様式を端的にまとめたもので、我々にとってサステナブルな人的資本の姿であると考えております。

これらの行動指針を体現し、事業戦略を推進する人材および、その人材を育む職場環境を実現するために、3つの人材マテリアリティを特定いたしました。

 

・自律エキスパート人材(製造現場人材)の育成・確保

(ありたい人材像)

モノづくりと改善に働きがいを感じ、安全感性豊かに、顧客と社会に貢献する素材を生み出す人材

・共創スタッフ人材の育成・確保

(ありたい人材像)

フロンティア精神を持ち、使命感を持って業務に取り組み、新たな価値を提供する人材

・DE&Iが浸透した職場の実現

(ありたい職場像)

チームの力を結集し、仲間を信じ、多様性を認め合いながら、技術を繋いでいく職場

 

※ダイバーシティ(多様性)・エクイティ(公平性)&インクルージョン(包括性)の略で、多種多様なあらゆる人材が公平性を担保され、お互いに認め合い、自らの能力を最大限発揮し活躍できることを目指すものです。

 

これらの人材マテリアリティを達成するため、人的資本経営の深化とともに事業戦略に合わせた指標および目標を設定してまいります。

 

当社グループでは、事業戦略を共有しグループ一体となった経営を実施しております。また、人材育成や社内環境整備などの人的資本についての活動においては、グループ各社の業態が多岐に渡るため、各社がそれぞれの特性に応じた取り組みを策定、実施しております。以降は当社の取り組み、指標および目標について記載しております。

 

a.事業戦略を推進する人材の育成・確保に向けた取り組み

(自律エキスパート人材(製造現場人材)の育成・確保)

当社の高品質な素材を安定して生産しつづける力の源泉は、高いスキルをもった信頼性の高いエキスパート人材(製造現場人材)です。当社は1952年に設立した入社採用者向け教育施設である「大同特殊鋼技術学園」を保有しており、特殊鋼製造のエキスパートとしての知識・技術の基礎を身に着けるとともに、社会人・企業人としての心構え、自立した生活の支援を行っております。技術学園における研修期間は1年間で、集中したカリキュラムの中で育成を図っております。この初期教育に加え、階層別教育を実施しておりますが、ありたい人材像に向けて教育内容の見直しを行い、製造現場のモノづくり力強化を図ってまいります。

 

(共創スタッフ人材の育成・確保)

また、管理部門および営業・製造技術・開発部門においては、海外での新市場・新顧客開拓を遂行できる人材や、これまでの事業分野とは異なる専門性をもつ人材の育成(リスキリング)・確保に向けた施策を検討・推進するとともに、業務改革を推進できるDXリーダーの育成を目的とした選抜育成カリキュラムを立ち上げます。

b. DE&Iが浸透した職場の実現に向けた取り組み

(ダイバーシティへの取り組み)

当社では2014年にダイバーシティ推進プロジェクトを発足し、<ダイバーシティ推進3Step>としてStep1〔多様性の理解・受容〕、Step2〔多様性の活用・促進〕、Step3〔多様性による創造性の発揮〕を定め、これまで段階を踏みながら活動してまいりました。現在 はStep2〔多様性の活用・促進〕の段階であり、人事部内のダイバーシティ推進室を中心に活動を推進しております。

具体的には、多様な人材が活躍できる風土形成と、多様性を活かした個人、組織成果の最大化、心身の健全化を図り、環境変化対応力に優れ、持続的に成長する企業となるための基盤構築を推進しております。2023年度は、女性活躍推進の取り組みとして、キャリア形成支援を目的に、座談会の実施やマインドセット研修を行い、課題を抽出し、働きがいを自ら生み出すマインドを育てる取り組みを開始しております。今後は女性に留まることなく、社員一人ひとりが「いきいきと働くことができる会社」を目指し、ダイバーシティ経営実現のための基盤構築に取り組んでいきます。なお、女性管理職については、2030年には2021年対比人数を倍増(15人から30人)させる目標を定め、環境整備等に取り組んでいます。

指標

目標(2030年度)

実績(2023年度)

女性従業員の10年定着率

≧80%

88.9%

次世代管理職(係長級)の女性従業員人数・比率

≧35人(17%)

21人(9.6%)

女性管理職人数・比率

≧30人(4.4%)

17人(2.5%)

 

(働き方改革への取り組み)

生産年齢人口の減少や働くニーズの多様化など、『働く姿』を取り巻く環境は大きく変化しています。当社においても、生産性向上を図るための「価値を生み出す時間の創出」支援と、従業員がその能力を自律的に発揮できる「働きがいを感じられる職場づくり」の実現を目的に、多様で柔軟な働き方の選択を可能とする取り組みを推進しております。

具体的には、在宅勤務制度の導入、会議の見直し・効率化やITツールを活用した業務自動化・効率化を図り、また働きがい調査を通じたエンゲージメントの充実も図ってまいりました。近年では、コミュニケーションの活性化による心理的安全性のある職場づくりを目的に「明日も行きたくなる会社をつくろうプロジェクト」を立ち上げ、職制や階層、職場毎へのアプローチ等を行い、対話を促進する取り組みを行っています。2024年度からは当プロジェクトの活動を基に「職場活性化」に向けた取り組みへと段階を進め、更なる「働きがいを感じられる職場づくり」の実現を目指し、働き方改革を推進してまいります。

 

(安全・健康への取り組み)

当社は「安全と健康は幸せの原点であり企業経営の基盤である」という基本理念を掲げ、労働災害の撲滅と健康経営の推進に取り組んでおります。従業員が安心して働くことができる職場づくりと、一人ひとりが心身とも将来にわたって健康であり続けることは、人的資本経営の骨格です。当社では社長を頂点とした安全健康管理体制を整備し、専門組織である安全健康推進部を主体にグループ一体となった活動を継続しております。取り組みの一例として2022年より各生産職場に安全教育に精通したベテランを「安全伝道師」として配置し、若年層や経験値の浅いメンバーへの現地指導、危険感受性の向上を図っております。また健康経営としては、メンタルヘルス・フィジカルヘルス向上のための4本柱〔感染予防/疾病予防、フィジカル、受動喫煙防止対策、メンタル〕をキーワードに取り組んでおり、最終目標として「心身活力を持って業務に取り組めている評価割合(※)50%以上」を目標に活動しております。

これらの活動が評価され、2024年3月に経済産業省および東京証券取引所が選定する「健康経営銘柄2024」に認定されました。(健康経営銘柄2021に続き、2度目の選定)また、経済産業省と日本健康会議が実施する健康経営優良法人認定制度において、当社は大規模法人部門で7年連続「健康経営優良法人」に認定され、3年ぶり5度目の「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されました。

 ※健康診断時の問診表回答より評価割合は測定します

指標

目標(2030年度)

実績(2023年度)

休業度数率(労働災害の発生頻度についての指標)

0.20%以下

0.31%

有所見率(健康診断を受けた者のうち所見があった者の割合)

55%以下

68%

「心身活力を持って業務に取り組めている」評価割合

50%以上

41%