事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 575 | 100.0 | -437 | 100.0 | -76.0 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、「Empower the Patients」を事業ミッションに掲げ、糖尿病・高血圧症などの生活習慣病をはじめとする様々な疾患の治療分野において患者の自己管理をサポートするPHR※(Personal Health Record)プラットフォームサービス※を展開しております。
※「PHR」とは、個人によって電子的に管理される自らの健康・医療情報のことを指します。また、個人のスマートフォン経由で記録された血圧、体重、血糖値等の数値情報や生活情報、医療機関と連携して取得された検査数値、薬剤処方記録など、システム上で収集された健康情報も含めたうえで、これを広義のPHRと表現することも近年では一般的となっており、当社グループはこの考え方を援用し「PHR」を定義しています。
※「プラットフォーム」とは、当社グループが構築・運営する各疾患別のアプリを経由して、患者から提供された症状その他の医療情報等の記録、医療情報のデータベースへの保存・管理、Webサービスを利用した医療情報の医療機関等との共有などを可能にする、当社グループが運営する一連サービスのこと。
当社グループが構築・運営する各疾患別のアプリを、主に医療者もしくは医療機関が患者に対してパンフレットを通じて当社グループのサービスであることを紹介し、患者が自らの意思により、アプリストア等から該当アプリをダウンロードして頂き、当社グループの利用規約等に同意した上で、自らの健康・医療情報等を当社グループのプラットフォームに保存して頂いております。当該プロセスにおいて、患者が不明点等生じる場合は、パンフレットに記載の当社カスタマーサポート部門にて、電話もしくはメールにてサポートしています。
医療者と患者がPHRプラットフォーム上で患者の健康・医療情報等を共有することで、本PHRプラットフォームサービスは疾病管理ツールとして機能します。具体的には、患者がアプリに記録したデータを医療者が定期的に確認し、またアプリを通じて、医療者が患者へメッセージ送信を行なうことができるなど、双方向のコミュニケーションをもって患者の治療継続の支援と行動変容を促進することで、治療による臨床上の効果を高めることが可能となります。
当社グループが提供するPHRプラットフォームは、患者の「治療継続の支援」や「自己健康管理の促進」にフォーカスしたものであり、医療者によるアプリの推奨のほか、医療機器メーカーや医薬品卸事業者との提携、製薬企業との連携、ウェブマーケティングの実施等、様々なチャネルを活用して拡大施策を講じており、2023年12月末時点で、各アプリの合計ダウンロード数は、約104万回に達しております。
当社グループは、医療分野におけるPHRプラットフォームの構築を目的とする事業並びにこれに付随する業務の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載せず、個別サービスについて記載しております。
① 疾患ソリューションサービス
製薬企業からの依頼によるPHRプラットフォームの開発等となります。具体的には、当社グループは、生活習慣病領域、がん及び特定慢性疾患領域において、製薬企業からの依頼を受けて、主に新薬の上市に伴う医薬品の適正使用促進と疾患啓発のために、当該疾患に関わる医療従事者や患者からの意見を頂きながら、当該疾患領域の患者及び医療従事者向けに、疾患治療における自己管理や治療継続を支援、また医療機関や臨床研究との連携を促進するためのPHRプラットフォームサービスを開発・運営しております。製薬企業にとっては当該プラットフォームサービスを活用した活動を通じて、自社医薬品の医療従事者間における知名度の向上と、患者の治療継続へのサポートによる医薬品の売上増加等の効果が期待されます。また、最近はPHRプラットフォームを臨床研究のためのPRO※情報収集ツール(ePRO)として活用する製薬企業も増えています。
PHRプラットフォームサービスの構築に際しては、当社グループは当該分野の患者及び医療従事者の実臨床上の意見を頂きながら開発・運営しており、製薬企業よりプラットフォームのサービス構築費用(開発費用)及び利用料を頂いております。また、開発されたPHRプラットフォームは主に製薬企業のブランド名で患者及び医療従事者に提供されることとなりますが、プラットフォームサービスの保守、運用、カスタマーサポートなどの運営は当社グループで担っております。
疾患ソリューションサービスの売上高は製薬企業からのサービス構築費用を中心に、当社グループの売上高の約7割強を占める状況となっており、プラットフォームサービスの導入製薬企業数、疾患数等と連動して、収益が変動する仕組みとなっております。
また、当社グループは疾患ソリューションサービスの各PHRプラットフォームサービスを通じて蓄積した患者のPROデータ※については、患者と医療従事者間の臨床上の情報共有のため当該患者の個別同意を前提に医療従事者へ提供しております。
製薬企業向けには、共同開発した対象サービスから取得された情報をマーケティング目的や臨床研究目的に、患者からの適切な同意取得を行ったうえで提供しています。
※ 「PRO」(Patient Reported Outcome)とは、医師による評価ではなく、患者自らが生活・健康状態・治療について、主に自記式質問票により、患者又は被験者から直接得られる情報を指します。
なお、当社グループが提供する主なPHRプラットフォームサービスは以下のとおりです。
(生活習慣病領域)
(がん領域)
(その他の疾患領域)
② Welbyマイカルテサービス
Welbyマイカルテサービスは、糖尿病や高血圧症等生活習慣病全般、及び生活習慣病予備軍の患者の自己管理をサポートする当社グループ自社構築・運営のクラウドサービスです。通信機能を持つ血圧計、血糖測定器、及びウェアラブル機器等とのデータ連携により、血糖値・血圧・体重などの測定値や、食事、運動、睡眠やIHB(不規則脈波)などの疾患治療に必要なデータの記録を簡単にできます。また、患者が記録したデータを、ご自身の家族や、登録医療機関とデータを共有し、医師による治療サポートを受けることも可能です。2020年年初からの新型コロナウイルス感染症の蔓延に対応して、体温、風邪の症状、倦怠感、息苦しさなど、新型コロナウイルス感染が疑われる症状の有無を記録し、医療機関や企業と情報連携できる機能も付与されています。
Welbyマイカルテサービスの売上高は、PHR基盤プラットフォームのOEM提供、健康保険組合、自治体及び一般企業に対する従業員の生活習慣病重症化予防ツールとしての利用料課金、製薬会社、機器メーカー及び検査会社等医療関連企業への月額利用料課金、及び有料利用医療機関へ月額利用料の課金によって構成されています。PHR基盤プラットフォームのOEM提供の継続した案件受注により、当社グループの売上高の約3割弱を占める状況となっています。
健康保険組合、自治体及び一般企業向けには、近年、生活習慣病重症化予防におけるICT化の推進と各自治体、企業の地域住民及び従業員等への健康維持に対する意識の向上により、運動・血圧・食事・体重等記録データの自己モニタリング及び管理栄養士、保健師等の指導による生活習慣病の重症化予防サービス、及び重症化した場合に患者と医療機関をデータ連携して治療を受けるサービスを提供しており、自治体及び一般企業にとっては、対象者の生活習慣病重症化予防から治療まで一気通貫のサービスを住民及び従業員等へ提供することができます。
製薬会社、機器メーカー及び検査会社等医療関連企業向けには、当該企業がWelbyマイカルテのプラットフォームを利用することで、マーケティング上において、広告等を通じて医療機関や患者へ生活習慣病の治療に役立つ情報の提供、及び当該企業の計測機器と検査データ等をWelbyマイカルテに通じて、医療機関及び患者と連携することで、自社製品の利便性を向上しております。
医療機関向けには、大学病院や一般内科クリニックを中心に、「患者の継続治療への支援」、「患者治療アウトカム※の改善」、及び「診療業務の効率化」を主要な目的として導入を進めており、Welbyマイカルテを活用した治療事例が「日本糖尿病学会」や「日本高血圧学会」等の国内主要学会で紹介されております。また、徳島大学や福島県喜多方医師会等においては、地方公共団体及び医師会と共同して、市民を対象とした患者に血圧計を貸出し、糖尿病や高血圧症等の生活習慣病の自己管理、及びWelbyマイカルテを通じて担当医師に共有する地域連携のツールとしても導入されております。
※ 「治療アウトカム」とは、治療や予防などの医学的介入から得られるすべての結末のことを指します。臨床研究においては、介入効果によって得られる判定項目をアウトカムといいます。
上記のような活動を通して普及が進むことにより、Welbyマイカルテのユーザーが登録したかかりつけ医療機関は約27,600施設(無料利用施設を含み、重複を除く)あり、Welby各アプリの合計ダウンロード数は約104万回となっております。
Welbyアプリの普及状況
Welbyマイカルテを通じて蓄積した各種患者PROデータについては、患者と医療従事者間の臨床上の情報共有のために当該患者の個別同意を前提に医療従事者へ提供しているほか、自治体・一般企業向けには生活習慣病重症化予防の効果検証としての利用患者数、記録データ(血圧、体重の平均値等)の統計情報の提供、及び患者の個別同意を取得した上で、学術利用目的に限定して学会、大学病院、医療機関、研究機関等向けに情報を提供しております。
また、当社グループは学会、大学病院、医療機関、研究機関等からの依頼を受けて、学術利用目的に限定した臨床研究専用のPHRプラットフォームを構築・運営しており、患者の個別同意を取得した上で、患者PROデータを学会、大学病院、医療機関、研究機関等向けに情報を提供しております。
当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
当事業年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響も緩和され、社会経済活動の正常化が進んでおります。
当社グループについては、主たる事業領域であるPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)関連業界において、いわゆる「団塊の世代」がすべて75歳以上となり超高齢社会を迎える「2025年問題」を見据え、給付と負担のバランスを図りながら制度の持続可能性を確保するための医療制度改革が進む一方、高齢化に伴い慢性疾患罹患率が増加し、日常生活の中で生活の質(QOL)の維持・向上を図っていく必要性が高まるなど医療に対するニーズの変化が着実に進みました。
また、医療資源の不足等により医療機関による患者への遠隔モニタリングや平時から災害に備えたPHRを利用した地域住民の健康管理情報の活用の必要性の理解が高まっており、当社グループが進めるPHRサービスが社会的課題の解決策の一つとして認識されております。
このような事業環境の下、当社グループは「Empower the Patients」を事業ミッションとして掲げ、医療関係者をはじめ、製薬企業、医療機器メーカー等とともにPHRプラットフォームサービスの普及に取り組みました。
PHRプラットフォームサービスにおいては、政府が運営するマイナポータルに接続し、予防接種歴、薬剤情報及び特定健診情報の取得・閲覧が可能となりました。これにより、患者(個人)はもとより、その健康維持改善を支援する団体や医療機関等が様々な保健医療情報(健診・予防接種情報、レセプト・処方箋情報、電子カルテ・検査情報など)とライフログデータ(日々の食事の内容やカロリー、血圧や血糖値など)にシームレスにアクセスでき、運動管理、健康維持、服薬管理、医療従事者による患者の健康状態や治療状況の把握・介入などの目的で活用することができるようになります。
また、PHRサービス事業を展開する企業と共に多様なステークホルダー間の協調を促進し、PHRサービス産業の発展を通じて、国民の健康寿命の延伸や豊かで幸福な生活(Well-being)に貢献することを目的として「PHRサービス事業協会」の設立に参画し、執行役・副会長に当社代表取締役・比木武が就任しました。今後は本協会の執行役として、またPHRサービスのリーディングカンパニーとして、さらなる利便性を追求し、患者の同意を前提とした上での医療データポータビリティを促進するため、ステークホルダー(医療機関関係者・学術機関・行政など)との対話を重ね、患者の皆様にいっそう安心してご利用いただける医療環境の構築を目指していきます。
株式会社スズケンとの間でかねて締結しておりました業務提携契約を更新するにあたり、基本合意書を締結しました。業務提携の更新に伴って、保有するデータの利活用をはじめ、より高度なシステム連携を両社間で実現し、双方のデジタルビジネスを加速してまいります。具体的には、これまで需要予測のために利用されてきた医薬品の流通情報に、患者起点の情報である疾患、処方・服薬・通院・治療情報をはじめとしたReal World Dataを追加することで、医療デマンドチェーン情報を構成いたします。適正在庫量確保と余剰在庫を減らすことも可能となり、ひいては医薬品安定供給に貢献するなど、PHRによる新たな価値創造に取り組んでまいります。
また、当社のPHRサービスである「Welbyマイカルテ」と株式会社スズケンのヘルスケア総合プラットフォーム「コラボポータル」の連携を強化し、医療者への利便性を向上、医療現場での活用を促進するに伴って、PHRの社会実装を一層加速します。
当社グループの疾患ソリューションサービスの売上高は455,885千円となりました。製薬企業から受注を受けた新規PHRサービスの企画や開発、既存PHRサービスの改修や機能追加、既存案件の保守運用が売上の主な構成要素となっております。2023年12月期に新規PHRサービスとして重症喘息、眼科系疾患及び免疫反応疾患の疾患領域において受注及び一部売上計上を行い、2024年12月期にサービスリリースを行うべく推進しております。製薬業界全体のDX(Digital Transformation)は継続しており、顧客の需要は高いため、売上パイプライン拡充への取組を継続して実施します。
従来からの取り組みであるPHRを製薬企業の新薬プロモーションにおけるPSP(Patient Support Program)や臨床研究に必要なePRO(Patient Reported Outcome)データ収集ツールとして利用するなどの事業を、従前からの生活習慣病領域に加えて自己免疫疾患、オンコロジー、慢性疼痛等の多岐にわたる疾患領域において継続展開することにより、売上パイプライン及びPHRを利用する医療機関が全国で拡大しています。また、大学病院等と連携した臨床研究を推進するとともに、さらなるPHRの臨床実装を拡大しております。
オンコロジー領域においては、医療機関等へマイカルテONCの普及活動を行うことにより契約医療機関等は増加し、臨床実装は拡大しております。具体的には「オンコロジーPHRコンソーシアム」の運営並びに規模拡大や「オンコロジーPHRコンソーシアム」主催の勉強会、オンコロジー領域の学会を通じた実臨床事例の発表などの普及活動を実施しております。患者や医療従事者を含む、がん治療に関わるステークホルダーがマイカルテONCを利用することにより、患者の記録した日々の症状日誌や医療従事者の記録した治療データがPHRとして蓄積され、がん治療領域におけるリアルワールドデータとして今後の治療・研究等の推進に利用されることを見込んでいます。
実臨床におけるPSPと臨床研究の両方の目的を同時に満たすPHRソリューションを展開することで、新たなマーケットを創出し、更なる売上パイプライン拡充を行います。
2023年7月に株式会社リハサクへの出資を行い、リハビリテーション領域でのPHR活用での協業を進めております。本出資は、かねてからの当社の強みである薬物療法のみならずさまざまな療法を事業に包含する機会の一環として捉えるものです。今後も当社サービスを利用する患者を取り巻くステークホルダーによる患者体験の向上に対して投資を推進します。
当社グループのWelbyマイカルテサービスの売上高は、主にPHRプラットフォームの保守運用売上及び生命保険会社やインフラ企業から新規に受注したPHRプラットフォームの売上により119,611千円となりました。この基盤提供については、案件の大型化により受注リードタイムが長期化しておりますが、生命保険会社を始めとした自社でPHRサービスを展開したい顧客の需要は高く、2024年12月期以降において収益の拡大を見込んでおります。
サービス普及の観点からは、広範な顧客網を有する株式会社スズケン、フクダ電子株式会社などのパートナー企業との協業を重点地域においてより強化するだけではなく、大学病院や学会等との協業を推進しております。引き続き、新たな医療機関への普及を積極的に行いながら、これまでに導入を完了した医療機関を対象に実臨床におけるPHRの利用価値の訴求・情報提供を推進しました。また、糖尿病領域向けには株式会社三和化学研究所や各血糖測定器メーカーとの連携により、糖尿病専門医に特化した普及や利用促進が加速しております。また、PHRと電子カルテの連携推進を通じて医療の質的向上に寄与すると見込んでおり、PHRのデータポータビリティ実現に向けて更なる普及に取り組んでおります。加えて今後は、処方箋送信機能や決済機能などの機能強化を行いながら株式会社スズケンと保険薬局向けサービスを共同展開し、保険薬局へのWelbyマイカルテ普及を推進する予定です。Welbyマイカルテ利用者が登録したかかりつけ医療機関は2023年12月末時点で約27,600施設(無料利用施設を含み、重複を除く)となっています。なお、2023年12月末時点で各アプリの合計ダウンロード数は約104万回に達しております。
PHRサービスと他分野の協業の一環として、患者や利用者個人の健康状態や好みに合わせてパーソナライズ化された情報やユーザー体験を提供することや、そのサービス提供によるアウトカム向上(健康状態の改善)を目指すヘルスケア事業を展開しております。具体的には、生命保険分野において業務提携関係になる大同生命保険株式会社と保険契約者の生活習慣の改善に向けた取り組みや新たな保険商品・サービスの開発などを目的としたWelbyマイカルテ利用者の生活習慣・重症化予防効果についての共同研究を行った結果を踏まえ、2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症などを対象に生活習慣を改善するための保険商品と連動したサービス開発などを継続推進するとともに、対象疾患の拡大を進めております。
上記のようなパーソナライズ化されたヘルスケア事業をより一層推進するため、100%子会社となる株式会社Welbyヘルスケアソリューションズを設立し、未病・予防を含む生活習慣病領域におけるPHRサービス利用の拡大とPHRを活用したサービス開発を推進しております。また、普及拡大とサービス開発の進展及び他社とのアライアンス等により中長期的にはWelbyマイカルテが生活習慣病領域における業界標準となることを目指します。
株式会社Welbyヘルスケアソリューションズにおける具体的なサービスとして、PHRソリューションの医療・健康データを活用し、保険者(健康保険組合・自治体)に対して特定健康診査の「みなし健診」サービスの提供を開始しました。これにより当社グループは保険者とともに、企業における健康経営・データヘルス推進に向け、その課題のひとつである「特定健康診査受診率の向上」を推進してまいります。
また、アライアンスの一環として、当社グループは日本生命保険相互会社と業務提携契約を締結するとともに、株式会社Welbyヘルスケアソリューションズが日本生命保険相互会社と株式引受契約を締結しました。この資本業務提携により当社グループは、日本生命保険相互会社と協働して、かかりつけ医ネットワークを活用したPHRソリューションの普及を推進し、未病・予防から医療現場に至る生活習慣病領域において双方が有するノウハウや資源を活用して、保険者(自治体・健康保険組合)、企業における健康経営・データヘルス推進に向けた課題解決を図ってまいります。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は575,496千円、売上総利益については376,121千円となりました。
販売費及び一般管理費については、業容拡大のための開発投資を行ったこと等により813,430千円となりました。開発投資の内、プラットフォーム開発投資は、共通基盤での各種ガイドラインへの適用拡大、疾患治療向けPHRの患者UXナレッジの標準化、マイナポータルや予約決済システム連携などの機能整備、セキュリティー強化など、PHRプラットフォーム基盤の継続強化のための開発投資となります。当該投資による開発コストの低減により収益性は向上しております。今後、当該投資の促進により収益性の更なる向上及び基盤提供商材の充実による収益貢献を見込んでおります。
営業損失は437,309千円、経常損失は438,840千円、親会社株主に帰属する当期純損失は当社の保有する固定資産(ソフトウェア等)について減損損失を計上したこと等により505,288千円となりました。この内、マイカルテやプラットフォーム開発などへの先行投資額は207,733千円となりました。
なお、当社グループは、PHRプラットフォームサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
生産、受注及び販売の状況の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当社グループは、生産活動を行なっておりませんので、該当事項はありません。
② 受注実績
当社グループは、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、当該記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 第13期より連結財務諸表を作成しているため、第12期の数値については記載しておりません。
(2) 財政状態
① 資産
当連結会計年度末の資産については、総資産が1,205,338千円となりました。
流動資産の残高は1,131,993千円となりました。これは主に、現金及び預金883,358千円、売掛金180,071千円等であります。
固定資産の残高は73,345千円となりました。これは主に、投資その他の資産73,345千円等であります。
② 負債
負債については、87,524千円となりました。
流動負債の残高は87,524千円となりました。これは主に、買掛金41,293千円、流動負債その他39,693千円、未払法人税等3,960千円等であります。
固定負債の残高は0円となりました。
③ 純資産
純資産の残高は1,117,813千円となりました。これは主に、資本金916,650千円、資本剰余金1,236,036千円、利益剰余金△1,089,520千円等であります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、883,358千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、174,325千円の支出となりました。主な要因は、売掛債権の減少325,854千円により資金が増加した一方で、税金等調整前当期純損失の計上502,859千円により資金が減少したことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、114,387千円の支出となりました。主な要因は、無形固定資産の取得による支出81,132千円、投資有価証券の取得による支出30,000千円により資金が減少したことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、341,251千円の収入となりました。主な要因は非支配株主からの払込みによる収入350,000千円によるものであります。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、575,496千円となりました。売上高の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」をご参照ください。
b. 売上原価、売上総利益
売上原価は、199,375千円となりました。
以上の結果、売上総利益は376,121千円となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、813,430千円となりました。
以上の結果、営業損失は437,309千円となりました。
d. 営業外損益、経常利益
営業外収益は、97千円となりました。
営業外費用は、1,629千円となりました。
以上の結果、経常損失は438,840千円となりました。
e. 当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む。)は2,428千円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は505,288千円、当期純損失は505,288千円となりました。
② 財政状態の状況
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 財政状態」に記載のとおりです。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金については、自己資金、金融機関からの借入金、新株発行による調達資金により充当することとしております。
なお、当社グループの資金の流動性については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。現時点において重要な資本的支出の予定はございません。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、連結決算日における資産・負債の報告数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断が必要となる場合があります。経営者は、これらの見積りについての過去実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び重要な見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容、事業運営・組織体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向や業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保と適切な教育を実施するとともに、事業運営体制の強化と整備を進めることで、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループが今後更なる成長と発展のためには、厳しい環境の中で、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。
そのために、PHRプラットフォームサービスにおける対象疾患領域の拡大とサービスメニューの強化、及び患者PROデータ活用分野の拡大等を行ってまいります。
⑦ 経営戦略の現状と見通し
当社は設立以来「Empower the Patients」を事業ミッションに掲げ、当社のPHRプラットフォームサービスの利活用を通じて、患者及び医療者の治療継続への支援、及びアウトカムの改善に努めてまいりたいと考えております。
「患者の治療アウトカムの改善」をコアコンセプトとして、様々の医療機関と連携して患者及び医療者により良いサービスを提供するとともに、企業と連携してデータの活用を図ってまいります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループの事業セグメントは、PHRプラットフォームサービス事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【関連情報】
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3 主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
当社グループの事業セグメントは、PHRプラットフォームサービス事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。