リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社グループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、本項記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.事業展開に関するリスク
(1) クラウド市場の動向について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが事業を展開するクラウド市場は、ICT・業務の効率化に対する企業の期待やクラウドに対する注目度の高まりに伴って急速に成長しております。当社グループは今後もこの成長傾向は持続すると予測しており、クラウド事業の多角化を積極的に展開していく計画であります。しかしながら、経済情勢や景気動向の悪化等により、企業の情報化投資が低迷するような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、リセール、MSPを強化し、ストックビジネス拡大を進めることで、収益基盤の強化に努め、持続的な成長と企業価値の向上に努めています。
(2) 製品・サービスの関連性について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、クラウドインテグレーションにおいてクラウド環境の設計・構築を行うだけでなく、環境構築後のリセールやMSPのサービスを継続して顧客企業に提供することをメインとしております。そのため、クラウドインテグレーションの案件獲得が困難になった場合には、クラウドインテグレーションの売上高が減少するだけではなく、リセールやMSPの売上高の成長が鈍化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループにおいては、クラウンドインテグレーション案件獲得のためには、クラウンドインテグレーションに関する知見を有した人材の採用と教育が重要となります。そのため、リモートワーク・時短勤務制度の導入など、ダイバーシティ(働き方の多様性)に対応した施策を積極的に推進し、ワークライフバランスの実現を率先的に図ることにより、次世代を担う優秀な人材の獲得に努めてまいります。また同時に、社員の能力開発・向上のための研修、各種認定資格取得補助の実施など、従業員の能力を最大限に発揮させる仕組みを確立してまいります。
(3) AWSへの依存について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループはAWSを主軸としたクラウドインテグレーターとして、AWSのリセールおよびその周辺ビジネスの拡大により売上高の持続的成長を実現してまいりました。従いまして、当社グループの成長はAWSの市場拡大に大きく依存しております。当社グループは、AWSを含めたパブリッククラウドの市場規模は継続的に拡大していくものと認識しており、今後もAWSを主軸として事業展開を進めて行く方針であります。また、近年においては、AWSは事業ポートフォリオをIaaSからPaaSまで拡げ、今後も更なる成長と市場の拡大が見込まれると考えております。しかしながら、AWSの市場規模が縮小する場合やAmazon Web Services, Inc.の経営戦略に変更がある場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、AWSの市場動向、Amazon Web Services, Inc.の経営戦略について情報収集を行い、適切な経営判断ができるよう努めております。
(4) Amazon Web Services, Inc. との契約について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社のAWSリセールについては、Amazon Web Services, Inc.とのSPA契約に基づいて行われております。当該契約は、当社又は同社のいずれかが解除事由への抵触を理由に解除を申し出た場合のほか、理由の如何に関わらず事前に解除を申し出た場合を除いて、継続するものとされております。現時点では当該契約の解除事由に該当する事実は生じておらず、良好な関係を築いておりますが、今後当社が解除事由に抵触したこと等を理由に契約を解除された場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、今後もAmazon Web Services, Inc.との関係が良好なものとなるよう努めております。
(5) クラウドインテグレーションにおける業績変動の可能性について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、クラウドインテグレーションにおいて、クラウド環境の設計・構築及びアプリケーション開発を行っております。同事業におけるプロジェクトは、想定される工数や難易度を基に見積りを作成し受注をしておりますが、見積り作成時に想定されなかった不測の事態等により、工数が大幅に増加し、プロジェクトの採算が悪化する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループにおいては、プロジェクトごとの進捗管理を徹底し、計画通りに売上高及び利益の計上ができるように努めております。また、顧客企業との認識のずれや想定工数が大幅に乖離することがないように工数の算定を行い、プロジェクトの採算が悪化しないよう努めております。
(6) クラウドインテグレーション及びMSPサービスにおける不具合・瑕疵について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが提供するクラウドインテグレーション及びMSPサービスの納品・検収完了後において、重大な不具合・瑕疵等が発見された場合には、当社グループに対する信頼性を著しく毀損する可能性があり、取引先からの信用を失うとともに、不具合・瑕疵等に対する対応費用の発生、損害賠償責任の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、クラウドインテグレーション及びMSPサービスの提供・開発過程において、提供・開発手順の標準化と標準化プロセスを遵守すること等により不具合・瑕疵の発生防止に努めております。
(7) 通信回線等の外部依存について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが提供するリセール及びMSPにおけるクラウドサービスは、顧客企業からAWS及びGoogle Cloudまでの接続サービス等の提供にあたり、他社の通信キャリアから通信回線を調達しております。通信キャリアの提供する電気通信サービスに障害が生じ代替手段の調達ができずに、サービスが長時間にわたり中断する等の事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループにおいては、障害に対して迅速に対応するべく、日次のシステム監視及び障害検出に関して、管理体制を強化し障害発生の未然防止及び障害発生時の影響極小化の体制を整えております。
(8) サービス中断の可能性について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが提供するクラウドサービスは、地震等の自然災害、電力不足、停電、通信障害、テロ等の予見し難い事由により、停止或いは遅延等の影響を受ける可能性があります。また、コンピュータクラッキング、コンピュータウイルス、人的過失及び顧客企業等の偶発的或いは故意による行為等に起因するサービスの中断も、当社グループのサービスの提供を妨げる可能性があります。サービスの提供が中断し当社グループの信用失墜又は事業機会の逸失が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、2020年年初に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は世界中に蔓延しており、当社グループは感染拡大を防止するため、衛生管理の徹底や時差出勤及び在宅勤務等の効率的な事業運営を実施しております。しかし、さらに感染が拡大した場合、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、事業継続管理規程を策定し、社内周知徹底や運用テストの実施に継続的に取り組み、リモートワーク環境の整備などの事前準備を整えておくことにより、有事の際の影響を最小限に留めるよう努めております。
(9) AWS及びGoogle Cloudのシステム障害について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループの事業は、AWS及びGoogle Cloudの各種サービスをインターネットを介して顧客企業に提供することを前提としております。従いまして、自然災害や事故などによる不測の事態が発生し、万が一、AWS及びGoogle Cloud自体にシステム障害が起こるような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループにおいては、障害に対して迅速に対応するべく、日次のシステム監視及び障害検出に関して、管理体制を強化し障害発生の未然防止及び障害発生時の影響極小化の体制を整えております。
(10) クラウドインテグレーションにおける外部協力先の確保について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは必要に応じて、クラウドインテグレーションにおいて複数の外部協力先に委託を行っておりますが、万が一適切な協力先、技術者数が確保できない場合又は委託単価が高騰した場合には、費用の増加又は納期遅延等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、今後も外部協力先との安定的な取引関係を保つとともに、十分な技術力を有する新規協力先の開拓を行ってまいります。
(11) MSPにおける特定の外注先への依存について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社のMSPサービスにおいては、株式会社テラスカイとの合弁会社である株式会社スカイ365に対し、障害監視等の基本的な定型業務を委託しております。株式会社スカイ365は株式会社テラスカイの子会社であるため、今後株式会社スカイ365及び株式会社テラスカイの経営方針の変更等により、突発的に株式会社スカイ365との取引関係継続が困難になった場合には、当社グループリソースによって相応のカバーは可能ながら、追加的な人員や他の協力先確保に伴う想定外の費用増加によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社においては、自社においても当該業務を一部行っており、今後も自社における運用代行機能を拡大することにより、適正な外注比率を維持し、突発的な事象に対する影響度の低減を図る方針であります。
(12) 新規事業展開について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは今後、更なる収益拡大を図るため、既存事業の周辺領域での新たな事業展開や海外市場における事業展開についても取り組んで参りたいと考えております。しかしながら、新規事業展開や海外展開は構想段階であり、先行投資として人件費等の追加的な支出が発生する場合や、これまで想定していない新たなリスクが発生する等、当社グループの想定通りに進捗せず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、新規事業の概況や市場動向を注視しながら、適切なタイミングで事業の再編や構造改革を実施するように努めております。
(13) M&Aについて
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、既存の事業基盤を拡大するため、あるいは新たな事業への進出等のため、事業戦略の一環としてM&A戦略を推進してまいります。買収後において予期せぬ偶発債務等の発生や、事業環境の変化等により、当社グループが想定したシナジーや事業拡大の成果が得られず、減損損失が発生するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、対象企業の経営内容や財務内容等について厳密にデューデリジェンスを行うことにより、買収によるリスクを極力回避することが必要と認識しております。
2.外部環境に関するリスク
(1) 価格競争について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが属するクラウド市場における価格競争は、競合企業の新規参入により今後更に激しくなることが予測されます。低価格競争が更に進展し、競合他社との差別化が有効に図れず、当社グループが提供するサービスの売上高が想定どおりに増加しない、または利益水準が悪化する場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、技術力の強化、サービス品質の向上等により、競争力の維持に努めております。
(2) 競合について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが事業を展開するクラウド市場は、規模の大小を問わず競合企業が複数存在しており、クラウドの普及に伴い、今後も競合企業の新規参入が予測されます。これら競合他社の中には、当社グループに比べ大きな資本力、技術力、販売力等の経営資源及び顧客基盤等を保有している企業が含まれ、競合企業の動向は市場に大きな影響を与える可能性があり、新規参入の拡大等により競争が激化し、類似サービスの出現により当社グループが競合企業との差別化を有効に図ることが出来ない場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、自社開発のAWS運用自動化サービス「Cloud Automator」を提供し、APNコンサルティングパートナーを含む他社との差別化を図っております。
(3) 技術革新への対応について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが属するクラウド業界においては、市場及び顧客ニーズ、技術の変化が非常に速く、それに基づく新サービス等の開発・導入が相次いで生じております。また、AWSの特性としてサービスの仕様変更、新サービスの追加等頻繁にアップデートを実施しており、AWSエンジニアの育成プロセスは長期化かつ高難度化しておりますが、技術革新、またはそれに伴い変化する顧客ニーズを捉えた新サービスの開発、導入及び品質確保等にかかる対応が遅れた場合には、当社グループサービスの競争力が低下する可能性があります。また、技術革新に対応するために必要となる追加投資等の支出が拡大した場合には採算悪化による利益の低下に繋がり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、このような変化に対して迅速にキャッチアップすべく、最新の技術動向等を注視し、最新の技術情報の収集とノウハウの習得に積極的に取り組んでおります。
(4) 為替相場の変動について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社のAWSリセールにおいて、当社とAmazon Web Services, Inc.との取引にかかるAWS月額利用料は米ドル建てで計算されます。日本円と米ドル間の為替相場が円高となった場合には売上高・仕入高が共に減少し、円安となった場合には売上高・仕入高が共に増加する為、利益率への影響は緩和されておりますが、急激な為替変動があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、為替予約を行うことにより為替リスクの極小化を図っております。
(5) 法的規制について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは電気通信事業法上の電気通信事業者として届出を行い受理されております。現在において、当社グループの事業に対する同法による規制強化等が行われるという認識はありませんが、社会情勢の変化等により当社グループの事業運営を制約する規制強化等が行われる可能性は否定できません。万が一、かかる規制の強化がなされた場合には、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、近年、インターネット関連事業を規制する法令は度々変更・追加がなされており、今後新たな法令等の規制がなされた場合には、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、法令改正の動向などの情報収集を適宜行い、適時に対応できるようにすることによりリスクの軽減を図っております。
3.事業運営に関するリスク
(1) 特定人物への依存について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社の代表取締役社長大石良は、当社の創業者であり、経営方針・経営戦略の策定やその実行において重要な役割を果たしております。今後何らかの理由で同氏が当社の業務を遂行することが困難になった場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、同氏に過度な依存をしない経営体制を構築すべく、幹部社員の情報共有や権限委譲等によって同氏への過度な依存の脱却に努めております。
(2) 小規模組織であることについて
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは急速に規模が拡大しているものの、未だ小規模な組織であると認識しております。現状はこれに応じた内部管理体制となっておりますが、今後の成長に伴う事業規模の拡大によっては、内部管理体制とのアンバランスが生じ、適切な業務運営が困難となり当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、事業規模の拡大に応じて人員の増強や内部管理体制の一層の充実を図ってまいります。
(3) 優秀な人的資源の確保について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループの提供するサービスは、技術部門を中心とした従業員による継続した役務に依存しております。当社グループの事業拡大に伴い、優秀な経営陣及び従業員を内部育成し、技術・営業・企画及び管理面において適切な人材を適切な時期に確保又は維持できなかった場合、必要以上の人員数採用により労務費用を適切にコントロールすることができなかった場合、労働市場において想定よりも人件費が高騰した場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、様々な採用チャネルを活用して多様な人材の確保に努めるとともに、教育制度の充実等による適切な人材育成に努めております。また、魅力的な報酬制度や公正な人事評価制度の構築、リモートワークの推進をはじめとした働きやすい労働環境の整備等、従業員の働きがいを維持・向上させるための取り組みを実施しております。
(4) 知的財産権について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループはこれまで、第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差し止めの請求を受けたことはなく、知的財産権の侵害を行っていないものと認識しております。当社グループは、第三者の特許権その他の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っておりますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償の負担が生じる可能性があります。当社グループが属するクラウド市場において知的財産権の状況を完全に把握することは困難であり、当社グループの事業に関連する知的財産権について第三者の特許取得が認められた場合、あるいは将来特許取得が認められた場合、当社グループの事業遂行の必要上これらの特許権者に対してライセンス料を負担する等の対応を余儀無くされる可能性があります。このような損害賠償及びライセンス料の多額の負担が生じた場合、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、社内担当部門で慎重に調査を行うとともに、必要に応じて専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行うことでリスクの軽減を図っております。
(5) 情報管理体制について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、AWS及びGoogle Cloudの導入や運用、又はクラウドサービス提供の過程において、顧客企業の機密情報やユーザーの個人情報を取り扱う可能性がありますが、外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等による機密情報や個人情報の漏洩、消失、改竄又は不正利用等が発生し、当社グループがそのような事態に適切に対応できず信用失墜又は損害賠償による損失や不正利用による想定外の通信料負担の発生等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループにおいては、システム上のセキュリティ対策やアクセス権限管理の徹底に加え、2012年12月に情報セキュリティマネジメントシステム「ISO /IEC 27001(JIS Q 27001)」の認証を取得し、当該公的認証に準拠した規程・マニュアルの整備・運用等を行うことで、情報管理体制の強化に努めております。
4.その他
(1) 株式会社テラスカイとの関係について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社は2013年9月に株式会社テラスカイと資本・業務提携を行い、当社の主要株主となっております。同社は将来において保有する当社株式を売却する可能性があります。同社が将来において保有する当社株式を市場で売却した場合、当社株式の需給関係及び株価形成に影響を及ぼす可能性があります。なお、同社とは、当社の代理店販売(当社の売上高)や社内利用クラウドサービスの購入(当社の費用)等の取引がありますが、当社グループと同社の間において、役職員の兼任及び出向は現時点ではございません。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、今後も株式会社テラスカイとの関係が良好なものとなるよう努めております。
(2) 投資有価証券について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社は、法人主要株主である株式会社テラスカイの株式及び同社の子会社である株式会社BeeX、資本業務提携先である株式会社モンスター・ラボ、ウイングアーク1st株式会社等の株式を保有しております。株式市場の変動及び経営状況により、当該株式の時価が大きく変動した場合、又は当該株式にかかる保有有価証券の評価損計上等による損失が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループが、当該株式の売却を行う場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、中長期的な視点に立ち、業務提携等に基づく協業を行うことを目的とし、株式を保有する場合があります。保有メリットのある株式については、事業拡大のため保有を継続する方針ですが、保有目的及び保有に伴う便益やリスク、並びに当該株式の取得原価及び株価の状況等をふまえて、取締役会において、その保有目的並びに経済合理性を精査し、保有の適否を検証します。
(3) 配当政策について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、経営成績及び財政状態を勘案して、株主への利益配当を実現することを基本方針としておりますが、今後の配当実施の可能性及びその時期等については現在未定であり、業績悪化等の要因によりその時期が遅れる可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社においては、現在事業の拡大過程にあり、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先することが株主への最大の利益還元につながると判断しております。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つと位置づけておりますが、現在、当社は成長過程にあると考えており、当面は内部留保の充実を図り、更なる成長に向けた事業の拡充や組織体制、システム環境の整備への投資等への財源として有効活用することが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。
このような考えのもと、設立以来配当は実施しておりませんが、株主への配当による利益還元も重要課題であると認識しております。現時点において配当の実施及びその実施時期については未定でありますが、将来的には各事業年度の経営成績及び事業計画等を総合的に勘案し、株主への利益還元を検討していく方針です。
なお、当社は、剰余金の配当を行う場合には、中間配当と期末配当の年2回を基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、中間配当、期末配当ともに取締役会であり、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行う事ができる。」旨を定款に定めております。