事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
Buddycom事業 | 762 | 98.7 | -75 | 111.9 | -9.9 |
その他 | 10 | 1.3 | 8 | -11.9 | 78.3 |
事業内容
3 【事業の内容】
(1) ミッション
当社は「世界中の人々を美しくつなげます」というミッションを掲げ、デスクレスワーカー※1をつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」の開発・販売を行っております。
インターネットが普及した現代では、デジタルトランスフォーメーションの進展のもと、情報の媒体は紙からデジタルコンテンツへのシフトがますます進んでおります。
全世界の労働人口のうち、デスクレスワーカーの割合は80%を占め※2、日本国内の就業者に限ってもその割合は46%にのぼりますが※3、一方で世界のデスクレスワーカー向けのサービスを主業とするスタートアップへの投資額は全体の1%に過ぎません※4。従って現場を支えるデスクレスワーカーのためのサービス提供は、まだまだ不十分な状況にあると言えます。
当社は、デジタルコンテンツの作成方法がPCのキーボードやモバイル端末からの手入力が主流であった当時から、デジタルデバイスを使いこなせない高齢者や、業務上デジタル端末への入力に支障がある現場の人々にとって、音声をそのままデジタル化する手段に対するニーズが一層高まっていくものと考えていました。また、アナログ無線の終了(2022年11月30日)や公衆PHSのサービス終了(2021年1月31日)に伴い、従来無線機やPHSなどでコミュニケーションを取っていた現場においても、新たなコミュニケーションの手段が必要とされております。
このような環境のもと、当社のBuddycomは、単なる音声によるコミュニケーションにとどまらず、インターネットを介したクラウドサービスであることを活かし、独自に開発した技術によって、音声の他、画像や動画などのコンテンツのやり取りを可能にしました。インターネットにつながる環境であれば世界中どこにいてもつながり、さらにはやり取りしたデータやコンテンツがデジタル化されて蓄積されるなど、これまでにはない新しいコミュニケーションツールとして成長を遂げてきました。
当社のBuddycomは、鉄道会社、航空会社、GMS(General merchandise store=総合スーパー)、介護施設、工場、商業施設、大規模小売店舗など、あらゆる業種・業態において有効なホリゾンタル※5なサービスとして、すでに758社のお客様にご利用いただいております(2023年8月末実績)。
今後もさらなる機能の拡充にともない、お客様が支えているミッションクリティカル※6な現場に欠かせないコミュニケーションツールとしてご活用いただくことにより、よりよい社会の実現を目指してまいります。
※1 デスクレスワーカー:机の前に座らない最前線で活躍する労働者のこと。農業、教育、ヘルスケア、小売、ホスピタリティ、製造、輸送、建設などの産業に従事しております。
※2 出所:2020年12月15日 Emergence Capital 「The State of Technology for the Deskless Workforce」
※3 出所:2023年5月31日 総務省統計局 「令和4年 労働力調査年報」
※4 出所:2018年8月6日 Emergence Capital 「The Rise the Deskless of Workforce」
※5 ホリゾンタル:「水平」を意味する単語。特定の業界・業種に関係なく「業務課題」を解決するサービス。
※6 ミッションクリティカル:常に稼働していなければならない重要な任務や業務のこと
(2) 事業の概要
当社は「ライブコミュニケーションプラットフォーム『Buddycom』」の利用ライセンス(ID)を、サブスクリプションにより、セールスパートナー(販売代理店)を通じてエンドユーザーに販売しております。
エンドユーザーは、お手持ちのスマートフォンやタブレットにアプリをインストールし、Buddycomをお申込みいただいた際に付与されるIDと指定のパスワードを入力してログインすれば、すぐに使い始めることができます。
あわせてBuddycomをお客様の現場でより有効に活用いただくために必要な、イヤホンマイクなどのアクセサリーも販売しております。
Buddycomの主な特長は以下のとおりです。
① 開発当初よりBtoB向けの大規模運用を想定した設計思想と自社内製による開発
当社はBuddycomの前身であるAldioの設計段階から、BtoB、とりわけ大企業のミッションクリティカルな現場での運用と、機能の多角化を想定して開発に取り組んでまいりました。
具体的には、以下のような技術的特長があります。
a) 一度に大人数で使っても高品質で低遅延の音声通話を実現するため、音声圧縮コーデックとしてOpus※7を用い、独自の通信プロトコルを開発いたしました。
b) 最適なフレームワークやソフトウェアの組み合わせと独自のサーバー運用により、Buddycomにしかない多彩な機能や、強固なセキュリティ機能などの多角化が容易なシステム構成となっております。
c) Buddycomはこれらの開発を、外注を一切使わず、100%正社員エンジニアによる内製化により実現しております(ただしサービスの提供に際して、音声テキスト化のためのテキスト化エンジン並びにトランシーバー翻訳のための翻訳エンジンにつきましては、外部のクラウドサービスを利用しております)。当社の開発部門に所属する者は全社員の約4割を占め、継続的に開発を行うことによって、引き続き安定的なアプリケーションの稼働と新たな機能の追加をタイムリーに実現できる体制となっております。
※7 Opus:IETF(InternetEngineeringTaskForce)によって開発され、主にインターネット上でのインタラクティブな用途に合わせて作られた非可逆音声圧縮フォーマットのこと。
② 大規模運用を可能にする機能
Buddycomは①に記載の通り、エンタープライズ向けの大規模運用を想定して設計されており、ひとつのグループに登録できる人数は無制限です。また、グループ数も無制限に登録ができ、初期画面のグループコマンドですぐにグループの変更が可能です。さらに、音声受信については一度に8グループまで指定したグループからの送信を同時に受信することができます(マルチグループ受信)。
これらの特長を生かし、既にイオンリテール株式会社(小売)、東海旅客鉄道株式会社(鉄道)、日本航空株式会社(航空)、株式会社ニチイ学館(介護)など、多くの大企業において、現場を支えるデスクレスワーカーのみなさまにお使いいただいている実績があります。
機能の詳細は(7)Buddycomの機能『大規模運用を可能にする機能』をご参照ください。
③ 誰でも簡単に使えるシンプルなUIと多彩な機能
Buddycomはスマホやタブレットなど、インターネットに接続できる端末があればアプリをダウンロードするだけですぐに利用ができ、免許や届け出などの手続きは不要、かつ専用機器の購入や設備の設置などの初期費用が一切不要です。
操作方法は通話ボタンを押しながら話すだけなので、誰でも簡単に、確実に使うことができます。
音声以外にも、テキスト、画像、映像、位置情報などの情報を用いて、翻訳、履歴の再生、動態管理など、多彩な機能を備えております。
機能の詳細は(7)Buddycomの機能『現場のニーズに応える多彩な機能』をご参照ください。
④ 災害にも強いディザスタリカバリー※8対応と、お客様の情報を守るセキュリティ機能
災害やシステム障害などが発生してもサービスの提供を維持するためのディザスタリカバリー対応として、当社は早くからシステムの二重化とサーバーのマルチリージョン化を実現しております。現在ではサーバーは日本だけでなく、アジア、ヨーロッパ、北米の4リージョンの構成で同時稼働しております。
また、低ビットレートモードでは、音声データを128kbpsまで圧縮することができ、災害時等、インターネットにつながりにくい環境下でも通信を確保することが可能です。
さらに、アプリ設定の一括管理や機能制限機能、エンドツーエンド暗号化※9など、お客様の通信履歴を守るためのさまざまなセキュリティ機能を備えております。
機能の詳細は(7)Buddycomの機能『お客様の情報を守るセキュリティ機能』をご参照ください。
※8 ディザスタリカバリー:地震や津波などの災害によってシステムの継続利用が不可能になった際の復旧及び修復、あるいはそのためのシステムなどのこと。日本語では災害復旧と訳される。
※9 エンドツーエンド暗号化:送信者と受信者のみが通信の暗号化と復号を行い、途中の経路上の第三者が介入できないようにする暗号化方式。メッセージなどの通信データがすべて暗号化された状態で扱われるため、通信の秘匿性が高い。
(3) ビジネスモデルの特徴について
① サブスクリプション型課金モデル
当社のBuddycomは、利用者(ID)数に応じた定額の利用料(所謂サブスクリプション型の課金)をいただいており、安定的な収益獲得が可能なビジネスモデルとなっております。利用契約は1月ごとの契約と、1年ごとの契約があります。
② SaaS(Software As A Service)※10形式
Buddycomは、お客様が通信した会話、画像・動画などのデータは、すべてクラウドを通して配信され、同時にクラウドに保存されるSaaS形式で提供しております。セキュリティ上の対策としては、TLS/SSL※11で通信を暗号化しております。
③ ホリゾンタル(ありとあらゆる業種・業界に水平展開可能なサービス)
Buddycomは、特定の業種・業界に限定されることなく、既に多様な業種・業界における現場において幅広く利用されており、今後もありとあらゆる現場における新しいコミュニケーションプラットフォームとしての普及を目指しております。また、インターネットに接続できる環境なら誰でも、どこでも使うことができるため、日本国内にとどまらず、世界中で販売することが可能です。
④ 安定的な顧客基盤と拡張性
Buddycomは一旦現場に導入されると、現場を支えるインフラとして継続的にご利用いただけるサービスとなっております。実際に獲得ID数ベースでみた1ヶ月ごとの月次解約率(ID Monthly Churn Rate)※12は、2022年9月から2023年8月までの12ヶ月間の平均で0.33%となっております。
また、NRR※13は同期間において110.3%の伸びとなっており、受注後にも徐々に導入される店舗や現場、拠点が拡大していく傾向があります。
⑤ キャッシュインが先行するビジネスモデル
Buddycomを1年ごとに契約いただいた場合、利用料は原則として利用開始時に一括で受領しております。
一方売上高は利用月にあわせて月ごとに分割して計上するため、売上高の増加よりも、キャッシュ・フローの増加の方が先行し、健全な財務状況を維持しやすいビジネスモデルとなっております。
当社事業の各指標は上記のようなBuddycomの特徴を生かしながら営業力及び開発力の強化を行った結果、以下のように順調に推移しております。
※10 SaaS:Software as a Serviceの略称。ユーザー側のコンピュータにソフトウェアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でソフトウェアを利用する形態のサービス。
※11 TLS/SSL:SSL(Secure Sockets Layer)は、インターネット上で安全に通信をするための暗号化技術のこと。SSLが3.0までバージョンアップを重ねたのち、TLS1.0という名称に変更されたため、TLS/SSLと併記される。
※12 ID Monthly Churn Rate:ID数の月次解約率。「当月の解約ID数÷前月の契約IDの総数」。年度では毎月の値の平均値を算出。
※13 NRR:Net Revenue Retentionの略称。既存顧客の売上継続率。年度のNRRは「前年度の顧客の期末月のMRR÷前年度の顧客の同月のMRR」で算出されるが、ここでは「2022年8月の顧客の2023年8月のMRR÷2022年8月のMRR」で算出した12ヶ月間の値を記載。
※14 ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のMRR※15を12倍して算出。
※15 MRR:Monthly Recurring Revenueの略称。対象月の月末時点における顧客との契約において定められたID単位で毎月課金される月額利用料の合計額。
(4) 顧客への販売手法
① セールスパートナー(販売代理店)による販売
当社はBuddycomの前身であるAldioの販売開始当初、自社営業による直接販売を中心としていましたが、現在ではセールスパートナー(販売代理店)による営業展開にシフトしております(当社ホームページからのインターネットによる直接販売を除く)。セールスパートナーの一部はBuddycomを二次販売店に卸しており、全国各地のお客様への対応が可能な体制を確立しております。
セールスパートナーの主な業種は、携帯電話を始めとした情報通信業、オフィス用品を扱う製造業、卸売・小売業となっております。
② アクセサリー連携
当社のBuddycomは、スマホやタブレットなどの端末にアプリをインストールするだけで利用可能ですが、実際には多くのお客様は、イヤホンマイクやヘッドセットなどのアクセサリー(周辺機器)を用いて利用されております。
当社が推奨し、当社並びに当社のセールスパートナーが販売するイヤホンマイクは、屋内向け(比較的騒音レベルが低く、防水・防塵・耐久性に対する要求が低く、小型かつ軽量であるもの)と屋外向け(比較的騒音レベルが高く、防水・防塵・耐久性を必要とするもの。あるいはグローブの上から等でもボタンが押しやすいもの)に大別され、それぞれに有線タイプと、Bluetoothで接続する無線タイプのものがあります。その他に、PTT専用ボタン(Bluetoothで接続してイヤホンマイクなどと組み合わせて使うスマートボタン)や、ライブキャスト(映像配信機能。(7) Buddycomの機能ご参照)を利用する際のウェアラブルカメラなどがあります。
当社はBuddycomの機能を最大限にご活用いただくために、お客様の現場ごとのニーズに、より即したアクセサリーを提供できるよう、アクセサリー連携を継続的に進めております。
(5)パートナーエコシステム
当社はBuddycomをお客様へ提供するに当たり、センサー、カメラ、ロボット、業務システムなど様々なソフトウェア又はハードウェアなどのソリューションを持つ他社サービスとのAPI連携による「Buddycom with Things」を推進しております。他社サービスの相手先をエコパートナーと呼び、このエコパートナーと連携して商品開発や事業活動に取り組み、相互作用しながら共存共栄する仕組みをパートナーエコシステムと呼んでおります。
公表済のパートナーエコシステムの事例としては、シスコシステムズ合同会社のMeraki及びWebex Teamsとの連携や、外部ストレージサービスのBoxやDropboxとの連携、ビジネスチャットのLINE WORKSとの連携、富士通株式会社のAI映像解析ソリューションとの連携、株式会社デンソーテンのタクシー配車システムとの連携、ならびにマクニカネットワークス株式会社の介護用見守りシステム「Attentive Connect」や、扶桑電通株式会社の地域防災共有化システム「BO-SAI navi Difesa」との連携などがあります。
また、2023年8月期には新たに新東工業株式会社の設備や人の動作をモニタで可視化するシステム「C-BOX」や、リアルネットワーク株式会社のAI顔認証「SAFR®」、グローリー株式会社の顔認証システム「来訪者検知システム」、OpenAI社の「ChatGPT」等と連携いたしました。
WEB会議システムやビジネスチャットとの連携では、相互に発話あるいは入力した内容がやりとりできます。また、AI映像解析や見守りシステムとの連携では、AIや見守りシステムが解析又は検知した内容をBuddycomで必要なメンバーに一斉に通知することができます。外部ストレージサービスとの連携では、Buddycomで交わした音声、画像、映像などのデータをお客様がご利用中のストレージサービスに保存することができ、お客様自身で通信履歴の活用や分析に使っていただくことができます。AI映像解析ソリューションとの連携では、AIが接客を必要とするお客様を検知し、スタッフへBuddycomが音声で通知することで、スムーズな接客対応を実現します。
このように、エコパートナーが提供するソリューションやアプリケーションとBuddycomを組み合わせてご利用いただくことにより、Buddycomがお客様に提供できる付加価値が増し、Buddycomの導入が進むことが期待できます。
[事業系統図]
以上の内容を事業系統図に示すと、次のとおりであります。
(6) サービスプラン
Buddycomのサービスプランは、音声によるコミュニケーションに利用したいお客様向けのTalkプランと、音声に加えて映像配信も利用したいお客様向けのLivecastプランがあります。
2つのプランとも、基本機能のみのLiteプランと、音声テキスト化などの付加価値機能やセキュリティ強化のための機能(これらをあわせてエンタープライズ機能と呼んでおります)が付与されたEnterpriseプランを選んでいただくことができます。
これにより、①Talk Liteプラン②Talk Enterpriseプラン③Livecast Liteプラン④Livecast Enterpriseプランの4つのプランを提供しております。
本書提出日現在におけるBuddycomの各サービスプランと標準価格は以下のとおりです。
Buddycom価格表 (税込価格)
(7) Buddycomの機能
Buddycomは単なる音声によるグループコミュニケーションにとどまらず、ありとあらゆる業種・業界のミッションクリティカルな現場を支えるための多彩な機能を備えております。
主な機能は以下のとおりです。
『大規模運用を可能にする機能』
(すべてのプランで利用可能な機能)
① グループ分け
一斉通話ができるグループをあらかじめ設定しておくことができます。設定可能なグループ数は無制限です。
② マルチグループ受信
他のグループの会話を一度に8グループまで、複数同時に聞くことができます。
③ 企業間通信
契約が異なるテナント間であっても、連携することで、他の企業のテナントのユーザーと通話ができます。
『現場のニーズに応える多彩な機能』
(Livecastプラン(Livecast Lite、Livecast Enterprise)で利用可能な機能)
① ライブキャスト(動画送信)
現場の状況をLIVE動画で共有しながら、グループ通話ができます。
(Enterpriseプラン(Talk Enterprise、Livecast Enterprise)で利用可能な機能)
② 音声テキスト化
通話した音声がテキスト化されます。頻繁に使用する専門用語を辞書登録することもできます。
③ トランシーバー翻訳
通話した音声が、設定した言語に翻訳されます(グループメンバーが各々言語設定可能)。また、翻訳したテキストの読み上げができます。翻訳に対応している言語は以下のとおりです。
〈Microsoft Translate, Google Translate〉
日本語・英語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・ベトナム語・タイ語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・韓国語・インドネシア語・フィンランド語・オランダ語・ポーランド語・ウクライナ語(18言語)
〈DeepL〉
日本語・英語・中国語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・オランダ語・ポーランド語(11言語)
④ 動態管理
管理コンソール上でグループ内のユーザーの位置情報や行動履歴を確認することができます。
⑤ 外部ストレージ連携
データの保存場所をお客様が契約するBoxやDropbox Business等の外部ストレージに変更することができます。
(すべてのプランで利用可能な機能)
⑥ 個別通話
グループ内の指定したユーザーだけに限定して発信ができます。
⑦ 双方向通話
複数人が同時に通話ボタンを押して発信することができます(電話のように音声が重なって話せます)。
⑧ 電話発信
ユーザーの電話番号が登録されている場合、Buddycomアプリから、電話アプリを起動します。端末のアドレス帳に電話番号を登録する必要がなくなります。
⑨ 位置情報の確認
GPS機能を利用してユーザーの位置情報を確認することができます。
⑩ Map通話
Map上の範囲内にいるメンバーに一斉発信ができます。
⑪ 通話履歴の再生
サーバーに保存された通話データを、後で再生することができます。
⑫ チャット機能
チャット欄に入力したテキストや画像の送受信ができます。入力したテキストは自動的に音声化されて読み上げられます。
⑬ 履歴保存
音声・画像・チャットデータは送受信後24時間保存され、保存期間中は何度でも再生することができます。
(Enterpriseプランでは動画も含めて保存期間1ヶ月に延長)
⑭ 強制起動
対象のグループに所属するユーザーのBuddycomアプリが立ち上がっていない場合でも、アプリを強制的に起動することができます。
⑮ CSV出力
クラウドに保存されているテキストデータは、履歴保存期間中であれば、テナントの管理コンソールから、何度でもCSVでダウンロードすることができます。
⑯ かんたんログイン
ID・パスワードを使用せずに、管理者から発行されたURLを読み取るだけでログインができます。
(無償で制限付き、またはオプションプランで利用可能な機能)
⑰ Buddycom AI
BuddycomからAIと会話できます。
『お客様の情報を守るセキュリティ機能』
(Enterpriseプラン(Talk Enterprise、Livecast Enterprise)で利用可能な機能)
①アプリ設定の一括管理
管理コンソール上で、スマホアプリの設定を管理者が一括管理できます。
② SAML認証※16
IDとパスワードを企業内システムで使用しているものと統一し、認証手段を統一することで情報の流出を防ぎます。
③ 監査ログ
通話履歴の再生・ダウンロード、管理コンソールのログインを記録し、記録されたデータをダウンロードすることができます。
④ IPアドレス制限
管理コンソールへのログインをIPアドレスで制限し、第三者からの不正なアクセスを防止します。
⑤ エンドツーエンド暗号化
通信データをエンドツーエンドで暗号化します。
(すべてのプランで利用可能な機能)
⑥ 2段階認証
ID・パスワードとは異なる数字6桁の認証コードを発行します。
※16 SAML認証:Securitey Assertion Markup Languageの略称で、OASISによって策定された異なるインターネットドメイン間でユーザー認証を行うためのXMLをベースにした標準規格のこと。SAMLを利用することで、ユーザーは認証サーバーに1回ログインするだけで、複数のクラウドサービスへのシングルサインオンが可能になる。
(8)その他の事業
当社はBuddycomライセンスの販売の他に、大容量データに対応したディスク型のデータベースと、高速アクセスに対応したメモリ型データベースを併せ持つ『ALTIBASE』というハイブリッド型データベースのライセンスの販売、及びサポートを提供しております。
新規顧客へのライセンスの販売は終了しており、引き続き利用中の顧客に対してのサポートを継続中です。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況
第20期事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
経営成績の状況は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する各種政策の効果や、行動制限の緩和に伴う個人消費の増加など、経済活動の緩やかな持ち直しの動きが見え始めましたが、急激な円安による為替相場の変動や、ロシア・ウクライナ情勢に起因する世界的な資源価格や燃料価格の高騰など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社が事業展開する国内のソフトウェア市場におきましては、働き方改革や人手不足の解消などの課題解決に向けコミュニケーションの促進や業務の自動化・効率化につながるソフトウェアの導入が進み、2023年度は前年度比11.0%増の2兆1,938億円※1が見込まれております。また、机の前に座らない最前線で活躍するデスクレスワーカーが働く現場においては、法人向けモバイル通信端末市場の拡大、AIや画像認識等の精度向上、ウェアラブルカメラ等ハードウェアの開発と導入コストの低減、5Gの普及による映像等大容量データの活用など、様々な分野のイノベーションの発展に伴い、さらなるDX化の拡大が期待されます。当社の提供するサービス「Buddycom」の国内における潜在市場規模については、約1,400億円と推計※2しております。当社は「世界中の人々を美しくつなげる」ことをミッションに掲げ、「デスクレスワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム」の新たな市場の創出を図りながら、開発・販売を行ってまいります。
このような経営環境のもと、当社の主力サービスであるBuddycomの開発及び販売に注力いたしました。売上高は伸長した一方、Buddycomの開発及び販売強化のための人員増加による人件費及び採用費の増加、知名度向上のための広告宣伝費の増加、本社移転関連費用の発生等により、販売費及び一般管理費も増加いたしました。
以上の結果、当事業年度における売上高は771,862千円(前年同期比17.0%増)、営業損失は67,082千円(前年同期営業利益11,307千円)、経常損失は67,468千円(前年同期経常利益9,840千円)、当期純損失は81,338千円(前年同期当期純利益9,006千円)となりました。
※1 株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」(2023年8月)
※2 国内における全ての潜在顧客、デスクレスワーカーに導入された場合の、顧客による年間支出総金額。(日本のデスクレスワーカー人口(2023年5月の総務省統計局「令和4年 労働力調査年報」より当社推計)×ID当たりの平均年間課金額)
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
(Buddycom事業)
Buddycom事業におきましては、マーケティング強化による知名度の向上、代理店営業力の強化等により契約社数は増加し、当事業年度末の契約社数は758社(前事業年度末593社)となり、ARR※は557,602千円(前事業年度末440,472千円)となりました。以上の結果、当事業年度における、Buddycom利用料売上が498,777千円(前年同期比43.8%増)、アクセサリー売上が262,887千円(前年同期比14.2%減)となり、セグメント売上高は761,664千円(前年同期比16.6%増)、セグメント損失は75,071千円(前年同期セグメント利益6,149千円)となりました。
※ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のBuddycom利用料売上を12倍して算出。
(その他)
ALTIBASE事業を「その他」に含めております。ALTIBASE事業については、積極的には展開しない方針であり、当事業年度におけるその他の売上高は10,198千円(前年同期比50.3%増)となり、セグメント利益は7,988千円(前年同期比54.9%増)となりました。
また、当事業年度末の財政状態は、次のとおりであります。
(総資産)
当事業年度末における総資産につきましては、前事業年度末に比べ92,961千円増加し、894,090千円(前事業年度末比11.6%増)となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産につきましては、前事業年度末に比べ71,715千円減少し、667,708千円(前事業年度末比9.7%減)となりました。
これは主に、売掛金の増加(前事業年度末比30,557千円増)、商品の増加(前事業年度末比47,860千円増)等はありましたが、当期純損失及び投資その他の資産の取得等による現金及び預金の減少(前事業年度末比159,151千円減)等によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産につきましては、前事業年度末に比べ164,677千円増加し、226,381千円(前事業年度末比266.9%増)となりました。
これは主に、本社オフィスの移転に伴う有形固定資産の増加(前事業年度末比82,408千円増)及び敷金及び保証金の増加(前事業年度末比61,773千円増)等によるものであります。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計につきましては、前事業年度末に比べ155,157千円増加し、385,675千円(前事業年度末比67.3%増)となりました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債につきましては、前事業年度末に比べ109,019千円増加し、315,182千円(前事業年度末比52.9%増)となりました。
これは主に、Buddycomの利用ユーザー数が増加したことによる前受収益の増加(前事業年度末比45,221千円増)、本社オフィスの移転に伴う移転関連費用等による未払金の増加(前事業年度末比43,614千円増)、人員増に伴う人件費の増加等による未払費用の増加(前事業年度末比21,293千円増)等によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債につきましては、前事業年度末に比べ46,137千円増加し、70,493千円(前事業年度末比189.4%増)となりました。
これは主に、本社オフィスの移転に伴う資産除去債務の増加(前事業年度末比39,024千円増)等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産につきましては、前事業年度末に比べ62,195千円減少し、508,414千円(前事業年度末比10.9%減)となりました。
これは、新株予約権の行使に伴う自己株式の処分等による、資本剰余金の増加(前事業年度末比14,391千円増)及び自己株式の減少(前事業年度末比508千円減)、譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行による資本金の増加(前事業年度末比2,121千円増)及び資本剰余金の増加(前事業年度末比2,121千円増)、当期純損失計上による利益剰余金の減少(前事業年度末比81,338千円減)によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、499,759千円(前事業年度末比159,151千円減、24.2%減)となりました。また、当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により支出した資金は、66,918千円(前年同期は114,249千円の収入)となりました。
これは主に、前受収益の増加額43,755千円(前年同期は前受収益の増加額87,982千円)、未払費用の増加額21,293千円(前年同期は未払費用の増加額5,131千円)の収入要因及び、売上債権の増加額30,557千円(前年同期は売上債権の減少額10,947千円)、棚卸資産の増加額47,863千円(前年同期は棚卸資産の増加額15,307千円)、税引前当期純損失72,468千円(前年同期税引前当期純利益9,840千円)の支出要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により支出した資金は、107,132千円(前年同期は34,654千円の支出)となりました。
これは主に、本社オフィスの移転に伴う敷金の差入による支出61,773千円(前年同期は敷金の差入による支出11,250千円)、有形固定資産の取得による支出20,958千円(前年同期は有形固定資産の取得による支出18,462千円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により獲得した資金は、14,900千円(前年同期は323,787千円の収入)となりました。
これは、新株予約権の行使に伴う自己株式の処分による収入14,900千円によるものであります。
③ 仕入、受注及び販売の実績
a 仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は、仕入価格によっております。
b 受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注から売上計上まで短期間であり、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5.経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 財政状態の分析
当事業年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、771,862千円(前年同期比17.0%増)となりました。これは主に、当社の主力サービスであるBuddycomの契約社数及び利用ユーザー数が増加したことにより、Buddycom利用料売上が498,777千円(前年同期比43.8%増)、アクセサリー売上が262,887千円(前年同期比14.2%減)となったこと等によります。なお、ARRは557,602千円(前事業年度末440,472千円)となっております。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、281,620千円(前年同期比25.4%増)となりました。これは主に、Buddycom利用ユーザー数の増加及びサービス安定稼働のためのシステム増強等によるものであります。この結果、売上総利益は、490,242千円(前年同期比12.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、557,324千円(前年同期比31.4%増)となりました。主な要因は、Buddycomの開発及び販売強化のための人員増加による人件費及び採用費の増加(前年同期比65,928千円増)、知名度向上のための広告宣伝費の増加(前年同期比10,956千円増)、本社移転関連費用の発生等によるものであります。この結果、営業損失は67,082千円(前年同期営業利益11,307千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度において、営業外収益は受取褒賞金90千円等により100千円、営業外費用は為替差損483千円等により485千円となりました。この結果、経常損失は、67,468千円(前年同期経常利益9,840千円)となりました。
(特別損失、当期純損失)
当事業年度の特別損失は投資有価証券評価損により、4,999千円となりました。また、法人税、住民税及び事業税を290千円、税効果会計による法人税等調整額を8,869千円計上した結果、当期純損失は81,338千円(前年同期当期純利益9,006千円)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、中長期的に安定した売上収益を拡大させることが重要であると考えております。そのため、当社は達成状況を判断するための経営上の指標としてARRを重視しております。
当該指標について、第16期事業年度末(2019年8月31日)は95,687千円、第17期事業年度末(2020年8月31日)は162,165千円、第18期事業年度末(2021年8月31日)は295,703千円、第19期事業年度末(2022年8月31日)は440,472千円、第20期事業年度末(2023年8月31日)は557,602千円となっております。
今後も、サービスの機能強化や新規顧客の獲得に注力することによりARRを増加させてまいります。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性について
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、当社サービスを拡大していくための開発人員及び営業人員の人件費、また研究開発に係る費用であります。これらの資金については自己資金又は金融機関からの借入にて充当する方針です。
⑧ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。