事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
-
セグメント別売上構成
-
セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 2,042 | 100.0 | 231 | 100.0 | 11.3 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、「人生もロマン、経営もロマン、無限の可能性に挑戦」を経営哲学として代表取締役である石井滋久が設立いたしました。代表取締役石井滋久は、「歯科医院の先生方の夢を叶えるお手伝いをしたい」との思いから、歯科医院向けシステムの研究開発・営業・サポートに取り組み、歯科電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit XR-10i」を主力商品として参りました。当事業年度において、歯科電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit XR-10i」をベースに、業界初となる音声で操作できるAI・音声歯科電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit AI-Voice」と、当社統合システムを使用していない医院でも使用が可能な、WHO、FDI(国際歯科連盟)方式の国際基準に対応したAI・音声歯周病検査システム「Perio chart Pro.Voice」が完成しました。医療DX、電子カルテの標準化が推進され、国民皆歯科検診が導入間近となっている今、この二つの新商品を主力商品に追加しました。
なお、当社の事業は「歯科医院向けシステム事業」の単一セグメントであります。
(ビジネスモデル)
当社は、仕入先メーカーから機器等を仕入れ、当社が開発したシステムを搭載することで商品とし、これを歯科医院に納品・販売しております。
販売先である歯科医院は、原則としてリース契約を活用して支払いを行います。歯科医院はリース会社とリース契約を締結し毎月のリース料を支払い、当社はリース会社より販売代金を受領しております。例外的にリース契約を活用しない場合、当社は歯科医院から直接、販売代金を受領します。
商品のハードウェアに係る修理・保守については、顧客による実費負担となっております。ただし、顧客である歯科医院は、顧客が独自に結成している任意の互助会組織HMG(注)1に加入することで、ハードウェアの修理・保守に係る費用負担を受けることができます。2023年9月30日現在、HMGへの加入は顧客3,097件中、3,064件となっております。
1.HMG(ハイデンタルハードメンテナンス互助会のことで略称をHMGと呼びます。)とは当社の顧客が独自に結成している任意の
互助会組織です。主な目的は、当社商品に係るハードウェアの修理・保守等に係る費用の負担や会員同士の情報交流です。当社の顧客は月当たり1,500円からの会費(なお、システム規模により変動)を納入することで、入会できます。
当社及び顧客等との関連を系統図で示すと以下のとおりとなります。
(事業系統図)
(*1)上図の[リース活用時]は、顧客が当社商品の購入に当たり、リース会社とリース契約を締結した場合の資金の流れです。
(*2)上図の[現金取引時]は、顧客が当社商品の購入に当たり、販売代金を直接、顧客から当社に支払う場合の資金の流れです。
(事業の特徴)
当社事業及び当社が手掛ける商品・サービスには、以下の特徴があります。
① 商品・サービスについて
わが国では現在、「全国医療プラットフォームの創設」、「電子カルテ情報の標準化」、「診療報酬改定DX」等、医療DXへの取り組みが進められており、その中核となる医療情報システムの重要度は益々大きな役割を担うものと考えます。一方、顧客である歯科医院の抱える問題として、慢性的な歯科衛生士不足、保険治療主体から予防歯科へのシフト、来る国民皆歯科健診への患者受け入れ体制強化等、医療DXによる業務効率化を迫られています。
そこでこれらの課題に対応するため、当社は、歯科DX3要素を掲げ、①情報漏洩とデータ改ざんを排除し、電子カルテ三原則を確保した医療情報セキュリティの構築、②電子カルテとオンライン診療を含む予約・問診・受付自動精算機・歯周病検査・画像・治療説明等が一元管理されたシステム、③先生が診療しながら、手袋を外さず、音声でカルテ作成・検査結果が記録でき、治療説明の会話記録とテキスト化による自費での診療トラブルを防止できるシステム、この3要素を備えた商品展開を行っております。
これまでの主力商品、電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit XR-10i」、チェアサイドで歯周病検査の結果や口腔内写真を表示し患者にわかりやすい治療説明を実施することのできる「i-DSシリーズ」、スマホ予約やスマホ診察券などを有した「オンライン診療システム」に加え、2023年3月からは、手袋を外さず電子カルテを音声操作で入力でき、治療説明の会話記録とテキスト化による自費での診療トラブルを防止できる、音声電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit AI-Voice」、2023年4月からは2人で行う歯周病検査と記録を、衛生士一人が音声入力で完結できる、音声歯周病検査システム「P-Voice」を全国の歯科医院へ向け販売を開始しました。このP-Voiceは多くの歯科医師の知見を得ることができ、世界で幅広く使われているFDI(国際歯科連盟)方式に対応した「Perio chart Pro.Voice」へ発展し、2023年8月にリリースしました。この「Perio chart Pro.Voice」は自由診療における歯周病検査項目にも対応しております。更には歯周病専門医を目指す歯科医師が、症例報告書を作成する際の業務効率が大きく改善できる機能を有しており、現在も開発を継続し進化しています。
当社の電子カルテ機能については、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6版(令和5年5月)」(厚生労働省)で示されている「電子保存の3基準」に適合するため、株式会社日立製作所のデータベース「HiRDB」に指静脈生体認証システムを組み合わせることで、データベースに対するあらゆる操作及び操作者の記録や、不正な書換・消去などの防止を可能とし、患者及び顧客である歯科医院が安心して利用できるシステムを提供しております。
また、歯科医院の様々な業務に関するオプション製品を揃えております。オンライン診療を含む予約・問診・受付自動精算機・歯周病検査・画像・治療説明等、これらの製品が一元管理されていることで、業務の効率をあげるシステムを販売しています。
(当社商品の体系について)
上表の主力商品のコンセプトに、患者及び歯科医院の安心と満足につながる情報システムをパッケージソフトとして提供してまいりました結果、中には20年以上の長期にわたる取引関係となる顧客も多く、当社の顧客による買替更新比率は93.6%(注)2となり、顧客数は以下のとおり推移しております。
2.買替更新比率は、2018年10月1日から2023年9月30日を対象期間として、当社顧客のうち買替更新を行った顧客の合計件数を、
当社顧客のうち買替更新を行った顧客の合計件数と他社切替により当社との取引関係を解除した顧客の合計件数の合計で除して計算しております。
(地域ブロック別の顧客数の推移)
② 収益形態及びソフトウェア三無主義について
当社の収益は、独自に開発しパッケージ化した歯科電子カルテ統合システムの販売によるシステム売上高が大部分を占めております。他には、診療報酬改定などの制度上の変更に伴うプログラム改定売上高、オンライン資格確認などのプログラム改定売上高、その他として機器の修理による売上高等で構成されております。
なお、当社は顧客である歯科医院の安心感・満足感を高めるため、創業以来、「ソフトウェア三無主義」を提唱し、定期的な保守料等は受け取っておりません。「ソフトウェア三無主義」とはシステムサポート、ソフトウェア保守、バージョンアップこれら3つを全て無償で行うサービスです。例えば、当社システムの使用や操作方法について不明な点が出てきた場合に、専任の営業サポート社員から説明やトレーニングを受けることができます。そのため、顧客である歯科医院は、当社商品の購入後、毎月定額の保守料等の費用負担なく安心してサポートサービスを受けることができます。
③ 営業サポート体制について
当社は、西日本を中心とした全国24拠点に約100名の営業サポート社員を配置し、地域密着型の営業サポート体制を構築しております。その担当エリアにおいて当社社員は、新規顧客への営業活動と、既存顧客に対する保守サービス等のサポート活動を行っております。
新規顧客への営業活動としては、顧客となる歯科医院に直接訪問し、医院運営に適ったシステムとアプリケーションを提案する営業を行っております。既存顧客に対するサポート活動としては、顧客ごとに専任の営業サポート社員を配置し、地域密着のサポート体制をとっております。具体的には、定期的な顧客訪問、診療報酬改定時の情報提供(例えば、説明用冊子の作成など)、改定内容に係る説明会の開催や訪問時の個別説明、顧客の歯科医院内での業務フローに合わせた細かなシステム設定、機器障害発生時での訪問対応等があります。このようなサポートを専任体制により提供することで、顧客との信頼関係が醸成されると考えております。
またこのように、地域に密着して営業活動とサポート活動を行う専任の営業サポート担当社員が、顧客を直接訪問し保守サービス等の「顔の見える」営業サポートを実践することで顧客の要望を把握し、当社システムの一層の進化・向上につなげることで、顧客満足度の向上に取り組んできた結果、既存顧客が定期的に行う基幹システムの入替時において一定の買替更新比率を確保しております。
さらに、このような営業とサポートの両面を支えるため、2010年から営業サポート社員全員にクラウド型営業支援ツールを導入し、顧客情報の可視化を行うことで、営業部門全体の生産性を高めるよう努めてまいりました。下記に当社の営業拠点の状況を記載いたします。
(2023年9月30日現在)
④ 売上債権の回収について
当社は複数のリース会社と提携することで、歯科医院が円滑にリース契約を締結できる体制としております。リース契約の活用により、顧客は初期導入費用の負担を軽減でき、当社は売上債権回収に係る業務負担を軽減しております。
⑤ 開発業務について
当社は、社内による独自開発を基本方針としております。これは、吸い上げられた顧客ニーズを迅速に開発業務へとつなげるためであります。また、外注委託の活用を限定的とすることで、製販一体の強みをより生かすことができるとの考えによります。さらに、株式会社日立製作所との特約店契約に基づく連携により、日立グループが有する新しいIT技術のノウハウを開発業務に活用できる体制を構築しております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、コロナ禍の下で抑制されてきたインバウンド需要や個人消費に回復の兆しは 見られるものの、長引くウクライナ問題を始めとした世界情勢は、より緊迫の度合いを増しており、金利上昇懸念 や資源価格の高騰、円安の進行による物価上昇等、景気下振れリスクは予断を許さない状況下にあります。
そのような中、歯科医院の経営環境は深刻さを増しており、システムの買替控えや閉院・廃院する歯科医院の増加、及び、オンライン資格確認等システムの導入に向けた駆け込み需要の反動等、今下期の業績に多大な影響がありました。加えて、経営逼迫している歯科医院へ向けたサブスク制度の対応を開始したことにより、一定の売上は確保できたものの、営業利益の減少要因となりました。
一方、3月7日、AI・音声電子カルテ統合システム AI-Voiceをリリース、次に4月12日、全国すべての歯科医院へ独立したシステムとして単独での導入を可能としたAI・音声歯周病検査システムをリリース、更に8月29日に世界で幅広く使われている歯周病検査表(Perio chart)と国際基準のWHO・FDI(国際歯科連盟)方式に対応したPerio chart Pro. Voice(AI・音声歯周病検査システム)をリリースしたところ、その反響は凄まじく、北海道から九州南部まで多くの問い合わせをいただき、現在、順調に拡販しております。
当社は、国が進める医療DXへ歯科業界のリーディングカンパニーとして率先して取り組み、衛生士不足という社会問題の課題解決や国民のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に貢献していく為に、当社が考える歯科DX実現の3要素を推進して参りました。更に、中規模・大規模医院の経営改革へのニーズにお応えしていく為に、広告宣伝費用を活用したアナウンスを展開して参りました。
このような取り組みの結果、当事業年度の売上高は2,041,688千円(前年同期比7.8%減)、経常利益は385,888千円(前年同期比18.8%減)、当期純利益は258,509千円(前年同期比18.3%減)となったものの、PER 15.13倍、PBR 1.05倍と1倍割れの上場企業が多い中、当社は1.00倍を超えております。更に、自己資本比率91.9%、売上高経常利益率18.90%となっており、引き続き、高水準を維持しております。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は4,061,635千円となり、前事業年度末より15,881千円増加いたしました。
a. 流動資産
流動資産は2,305,597千円と前事業年度末より44,876千円増加いたしました。主な内訳は、有価証券購入に伴う現金及び預金の減少395,669千円、有価証券の増加200,800千円と、預け金の増加221,500千円であります。
b. 固定資産
固定資産は1,756,037千円と前事業年度末より28,994千円減少いたしました。主な内訳は、ソフトウエアの増加90,599千円、投資有価証券の減少143,860千円であります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は327,841千円となり、前事業年度末より128,111千円減少いたしました。
a. 流動負債
流動負債は278,804千円と前事業年度末より129,612千円減少いたしました。主な内訳は、未払金の減少85,365千円、未払法人税等の減少30,968千円、未払消費税等の減少5,397千円であります。
b. 固定負債
固定負債は49,036千円と前事業年度末より1,500千円増加いたしました。退職給付引当金の増加1,500千円によります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は3,733,793千円となり、前事業年度末より143,993千円増加いたしました。主な内訳は、利益の獲得による増加と配当金の支払による減少の結果として利益剰余金が162,705千円増加したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,092,910千円となり、前事業年度
末より395,669千円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりでありま
す。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は61,074千円(前年同期は342,682千円の収入)となりました。これは主として法人税等の納付による156,962千円の支出等があったものの、税引前当期純利益の獲得による385,888千円の収入、減価償却費68,410千円の計上、投資有価証券売却益の計上118,533千円、売上債権の増加86,504千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支払った資金は360,864千円(前年同期は481,224千円の支出)となりました。これは主として投資有価証券の売却による508,853千円の収入があったものの、有形固定資産の取得による支出13,692千円、無形固定資産の取得による支出159,893千円、投資有価証券の取得による支出574,056千円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって支払った資金は95,879千円(前年同期は222,735千円の支出)となりました。これは主として配当金95,802千円の支出があったことによります。
④生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社で行う事業は、提供する商品の性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しておりま
す。
b. 受注実績
当事業年度におけるシステム売上高に関する受注実績は、次のとおりであります。なお他の収益形態は、その性格上、受注実績の記載になじまないため記載を省略しております。なお、当社は「歯科医院向けシステム事業」の単一セグメントであるため、地域ブロック別に記載しております。
(注) 地域ブロック間取引はありません。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社は「歯科医院向けシステム事業」の単一セグメントであるため、収益形態別及び地域ブロック別に記載しております。
(注) 1.地域ブロック間取引はありません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売
実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。
また、ブロックごとの当社のシェアは次のとおりであります。
(2023年9月30日現在 単位:件)
(社会保険診療報酬支払基金 「レセプト請求別の請求状況」令和5年度8月診療分より)
(注) 1.九州ブロックは、福岡県、大分県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県で構成されております。
2.中国ブロックは、岡山県、広島県、山口県、鳥取県、島根県で構成されております。
3.関西ブロックは、大阪府、兵庫県で構成されております。
4.四国ブロックは、香川県、愛媛県、高知県で構成されております。
5.関東ブロックは、東京都、神奈川県で構成されております。
6.上記データは社会保険診療報酬支払基金による「レセプト請求別の請求状況」から、2023年12月8日時点
で公表されている2023年9月30日現在における公表数値と、同じく2023年9月30日現在における当社の顧
客数を対応させて記載しております。
7.上表の「オンライン請求歯科医院数」とは、オンラインによるレセプト請求を行っている歯科医院数
です。「電子媒体請求歯科医院数」とは、電子媒体(例えばCDロム等)を提出することでレセプト請求を
行っている歯科医院数です。各ブロックで記載しているこれらの数値は、(注)1から(注)5までで
記載している当社の営業拠点が所在する都府県の歯科医院数を合計しております。
8.ブロックごとの「オンライン請求歯科医院数」と「電子媒体請求歯科医院数」の合計を分母として、
ブロックごとの当社の顧客数の合計を分子として当社シェアを算定しております。
9.シェアの算定に当たって使用する当社の顧客数は、各営業拠点が管轄する顧客数であります。そのため、
実際の顧客の所在地と異なっている場合があります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
当事業年度の売上高営業利益率は11.3%(前事業年度18.8%)と前年より下落となりました。これは主として売上総利益が168,474千円減少し、販売費及び一般管理費が17,081千円増加したことに起因します。今後も継続的に全社的な生産性向上に向けて、事業活動全般に対して必要な施策を行い、より収益性の高い企業を目指して取り組んでまいります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、2,041,688千円(前年同期比7.8%減)と減収となりました。
厚生労働省が推進する、マイナンバーカードを健康保険証として使用できる等のオンライン資格確認等システムに係る売上が326,734千円(前年同期比26.4%減)となりました。システム売上については、新型コロナウイルスの影響が長引いており、物価や原材料費の高騰や来院患者数の減少等により歯科医院経営が逼迫され、システムの買替控えや閉院・廃院する歯科医院が増える等があったものの、販売システム数462件(前期は456件)と増加しました。この結果、システム売上高は1,356,491千円(前年同期比2.0%増)となりました。
(売上総利益)
当事業年度の売上原価は、AI・音声電子カルテ統合システムの資産計上に係る減価償却費が19,476千円増加したものの、商品仕入高が181,194千円減少したことにより、結果として当事業年度の売上総利益は168,474千円減少し、1,460,930千円(前年同期比10.3%減)となりました。
(営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、人件費が10,207千円減少したものの、新聞広告等の広告宣伝費35,192千円の増加により、販売費及び一般管理費は17,081千円の増加となり、営業利益は230,931千円(前年同期比44.6%減)となりました。
(経常利益)
当事業年度の営業外収益に有価証券利息24,134千円、受取配当金10,000千円、投資有価証券売却益118,533千円を計上したこともあり、経常利益は385,888千円(前年同期比18.8%減)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、法人税、住民税及び事業税の計上127,022千円、法人税等調整額356千円の計上により258,509千円(前年同期比18.3%減)となりました。
b. 財政状態の分析
当事業年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性について
当社の運転資金等については、主に自己資金により充当しております。当事業年度末の現金及び現金同等物は1,092,910千円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり、当事業年度における資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを実施する必要があります。これらの見積りについて、当社は当事業年度末時点において過去の実績やその他の様々な要因を勘案し、合理的な仮定等に基づき算定しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性の影響から、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社が財務諸表の作成にあたり採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。