2023年8月期有価証券報告書より
  • 社員数
    4,396名(単体) 8,423名(連結)
  • 平均年齢
    37.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    2.0年(単体)
  • 平均年収
    6,435,196円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2023年8月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

ソフトウェアテスト関連サービス

4,506

〔1,541〕

ソフトウェア開発関連サービス

3,328

〔125〕

その他近接サービス

354

〔18〕

全社(共通)

235

〔75〕

合計

8,423

〔1,759〕

 

 

(注)1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

4.従業員数が前連結会計年度末に比べ2,215名増加した主な理由は、業務拡大に伴う新規採用及び連結子会社が増加したためであります。

 

(2) 提出会社の状況

2023年8月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

4,396

〔1,288〕

37

2

6,435,196

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

ソフトウェアテスト関連サービス

4,122

〔1,213〕

その他近接サービス

39

〔―〕

全社(共通)

235

〔75〕

合計

4,396

〔1,288〕

 

 

(注)1.従業員数は就業人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

5.従業員数が前事業年度末に比べ1,149名増加した主な理由は、業務拡大に伴う新規採用によるものであります。

 

(3) 労働組合の状況

一部の連結子会社において労働組合が結成されておりますが、労働組合との関係は円満であります。

なお、当社及び他の連結子会社では労働組合は結成されておりません。労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

9.7

64.2

73.2

72.7

104.9

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

株式会社SHIFT PLUS

18.2

81.5

86.7

95.4

ALH株式会社

31.5

64.3

84.9

85.4

62.5

株式会社ホープス

12.5

72.6

74.1

35.0

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、サステナビリティという観点から、今後も継続的にあるべき体制と管理すべきリスク、戦略の方向性を検討してまいります。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

① ガバナンス

当社グループは、重要な経営課題について、当社の業績経営会議及びコンプライアンス委員会において検討し、必要に応じて取締役会に報告を行うこととしております。なお、人的資本に関連する取り組みにつきましては、人事本部が管掌しており、具体的な施策やその効果等については適宜取締役会に報告を行っております。当社グループのガバナンスに関する詳細は、「4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。

 

② リスク管理

当社グループは、経営の健全性を維持しつつ事業を推進し企業価値向上をしていくに当たって、その妨げとなる可能性のある様々なリスクについて適切に管理するため「リスク管理規程」を定めており、全社的な管理体制を整えております。

リスクの特定・測定・評価及びその対処方針の立案と実行は、リスクが発生する業務を所管している部署において行うこととしており、その結果をリスク管理部門である経営管理部へ報告することとしております。また、リスク管理の結果については、リスクが発生する業務を所管している部署で一次的に検証するとともに、経営管理部及び内部監査室がモニタリングを行っております。

人的資本に関連するリスク管理については、上記の方法に則り、人事本部がリスクの特定・測定・評価及びその対処方針の立案と実行、さらにリスク管理の結果の一次的な検証を行い、経営管理部への報告を行っております。

なお、重要なリスクに関しては、業績経営会議及びコンプライアンス委員会において検討し、必要に応じて取締役会に報告を行うこととしております。

当社グループのリスクに関する詳細は、「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(2) 当社グループの重要なサステナビリティ項目と指標及び目標並びに戦略

① 重要なサステナビリティ項目

当社グループは、「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」という企業理念のもと、「スマートな社会の実現」に向け、IT業界のみならず社会全体の改善を目指して事業活動を行い、直接的・間接的に環境・社会課題への解決に貢献することを目指しております。

社会課題の中で当社グループが強く意識し、その解決に貢献できる事項として、日本の生産年齢人口の減少、および日本全体の事業会社の売上高の減少が予想されることがあげられます。そのためDXで日本の事業会社の生産性を向上させていくことが必要不可欠といえますが、それを担うIT人材が日本には圧倒的に不足していると認識しております。


 

 

これらの課題解決のため、当社グループではIT人材を増やしていくことが使命であると考え、IT業界の成長を阻害する要因を取り除くことに力を入れております。またこれらの課題は当社グループにおけるサステナビリティに対する重大なリスクであると同時に、その解決は企業成長のチャンスであると捉えております。そのため、当社グループで注力すべき領域の一つとして「人事/採用」を掲げており、人的資本経営を推し進めることがサステナビリティに寄与するものと考えております。

上記の社会課題の解決のために当社グループが担うべきと考える役割は、以下のとおりであります。

 


 

当社グループがIT業界における社会課題の解決のために担うべき役割と、その社会課題の解決に向けて現在取り組んでいる戦略の一例、並びにその効果測定のための指標の主な関係を図示すると以下のとおりとなります。

社会課題の解決に向けて担うべき役割

戦略の一例

指標及び目標

●IT業界の構造課題である多重下請け構造を打破する

●DXを担うITエンジニアの人数を大幅増加

●ITエンジニアの働く環境・やりがいを追求

●ITエンジニアの待遇(給与)を向上し参画者を増やす

 

IT業界に雇用を生み出し、ITエンジニアの採用・育成により、アウトプットを最大化する仕組みづくり

〇新卒・未経験者採用

〇中途採用

□人口流入数

(採用人数)

社内エンゲージメントを向上し、長く働き続けられる組織づくり

〇従業員が重視するポイントの把握

〇組織での制度設計・施策

□社内のエンゲージメント(退職率)

多様な経験・スキルを持つ人材が評価され、給与が上がる仕組みづくり

〇ヒトログ・評価制度

□年間昇給率

市場価値と直結した育成の仕組みづくり

〇教育制度(トップガン)

トップガン検定合格人数(※1)

 

※1 キャリアUP制度「トップガン」とは当社グループ従業員を対象とした社内制度であり、それに含まれる検定を指す。以下同様。

 

また、これらの社会課題と戦略は、必ずしも1対1の関係にあるものではないと考えております。例えばヒトログ・評価制度や育成の仕組みによって社内のエンゲージメントが高まることで、当社グループからの人口流出を最小化(退職率の低下)でき、その結果ITエンジニアの不足の解決に寄与する効果があると考えております。

 

 

② 指標及び目標

当社グループでは、ITエンジニアにとって魅力的な環境の構築を目指しているからこそ多くのITエンジニアが集まり、さらに従業員の離職が少ない環境を作り出せていると考えております。従業員がやりがいを持って働くことができ、人的資本を最大化することが当社グループの人事施策の原点であります。


 

当社グループで考える人的資本経営とは、ITエンジニアを人的資本と捉え、そのITエンジニアが在籍期間にわたって生み出す利益を最大化するために投資を行う考え方です。

人的資本から生み出される利益を最大化するためには、当社グループへの人口流入を最大化し、同時に当社グループからの人口流出を最小化すること、そして在籍する従業員それぞれの人的資本価値を向上させることが必要であると考えております。そのため、当社グループにおけるサステナビリティ戦略における重要指標は、以下の4つとしております。

(a) 当社グループへの「人口流入数(採用人数)」

(b) 当社グループからの人口流出を示す「社内のエンゲージメント(退職率)」

(c) 在籍する従業員の多様な経験・スキルをフェアに評価した結果としての「年間昇給率」

(d) 在籍する従業員への育成の結果としての「トップガン検定合格者数」

また、これらの指標の2023年度の実績及び今後の目標は以下のとおりであります。


 

 

a.人口流入数(採用人数) ※グループ連結


2023年度に新たに当社グループで採用した人数(人口流入数)はグループ連結で2,630人(※)となり、過去最高の採用人数となりました。ITエンジニアの採用市場が過熱化するなか、新たに採用ターゲットを広げたことや、転職潜在層からの採用が可能となったことなどが寄与し、採用単価上昇を抑えながら採用数を伸長しています。

2024年度においては、当社単体で培った知見をさらにグループ全体で活かしながら、2,700人~3,400人の採用を目標としております。

2030年度頃を目安として、当社グループ全体で年間1万人を採用することができるレベルを目指しております。

(※)採用数に含まれる対象は正社員及び契約社員とし、ITエンジニアだけではなく、人事や管理部門といった人口流入数の最大化や社内エンゲージメント(退職率)の最小化に直接的・間接的に貢献するポジションの人員も含みます。

 

 

 

b.社内のエンゲージメント(退職率)

当社では社内エンゲージメントの向上施策を継続的に行っており、それを総合的に評価・定量化する指標として、退職率を設定しております。退職率は正社員を対象とし、期中の正社員の退職者数を期末時点の正社員在籍数で除して計算しております。

 

2023年度の退職率は6.4%となりました。2024年度以降については、引き続きエンゲージメント向上のための施策を継続する一方で、健全な人員流動を考慮して退職率を5%から10%の範囲内にコントロールしていくことを目標としております。

 

 

 

c. 年間昇給率


2023年度における年間昇給率は11.0%となりました。これは高付加価値の顧客サービスの提供や、後に述べる検定制度による従業員スキルの上昇が寄与したものと考えています。

IT業界平均の年間昇給率が数%といわれる中、継続的に年収が上がっていくことは従業員の心理的安全性を高めると同時に、採用市場における訴求強化にもつながると考えております。

昇給率自体は結果指標であるため目標値の設定は行っていませんが、今後も10%前後を目安として取り組んでまいります。

 

 

d. トップガン検定合格者数

当社では「従業員が自分自身で学習する目的を見つけ、会社はその目的を達成するための場を提供する」という考え方に基づいて、当社独自のキャリアUP制度「トップガン」を中心とした各種検定を作成しております。

2023年度のトップガン検定合格者数は519人となりました。検定受検は強制するものではなく、自主性をもって取り組むものとしておりますが、社内での認知活動や従業員に対する動機付けを強化した結果、2022年度を大きく上回る受検者数、合格者数となりました。また、これが単価上昇・年収上昇にも寄与しております。

 

検定合格者数については今後も目標は定めないものの、重要指標として注視してまいります。

 

※トップガン検定合格者数は2020年度より集計しております。

 

 

 

 

③ 戦略

サステナビリティに関する重要な指標に対し、目標達成のために多くの施策に取り組んでおります。これらの施策のうち、現在重点的に取り組んでいるものの一例は以下のとおりであります。

 

a. エンジニア採用と人材の多様性の確保

当社グループでは日本一のITエンジニアが集まり、やりがいを感じる会社を目指して、業績拡大により雇用を生み出すこと、そして自社グループにおける採用力を強化することに注力しています。


現在国内のITエンジニアは108万人といわれる中、ITエンジニアがどのようにIT業界内外を移動するのかを考え、それぞれに対して打ち手を講じています。具体的には以下3つが重要なポイントであると考えております。

(ア) 新たに『業界へのエントリーを増やす』こと

(イ) キャリア人材がさらに活躍するために『中途採用を増やす』こと

(ウ) 『魅力的な環境を作り、業界から去る人を減らす』こと

 

業界へのエントリーを増やすために、主に新卒・IT業界未経験者の採用を進めております。特にいわゆる第二新卒と呼ばれる若手人材の採用を積極的に行っており、未経験からでも素養を見極める仕組みである「CAT検定」や、市場価値が評価に直結する育成・検定制度を開発しています。未経験者が新たな領域にチャレンジし、成長・活躍することが、当社グループ発展の一翼を担っております。


 

また、経験を積んだIT人材がさらに活躍するために、当社グループでは中途採用にも投資を続け、応募数は年々増加を続けています。さらなる採用力強化のため、自社における強み、働きやすい環境、他社との差別化ポイントを見直し、これまで以上に採用ターゲット拡大に踏み切りました。とくに外国籍エンジニアや女性エンジニアの採用は将来の1万人採用に向けて必須であると考えているため、採用力強化と同時に社内における働きやすい環境づくりにも注力し、採用のすそ野が広がりつつあります。

また障がい者雇用についても継続した取り組みにより、年間を通じて法定雇用率を上回る人員在籍人数を目標としております。


 

b. 社内エンゲージメントの向上

当社の人事施策は、社内エンゲージメントを高め、人員流出を抑えるため、個に着目した『従業員一人一人に着目した情報収集』と、組織に着目した『それを基にした制度設計・施策遂行』で成り立っています。


 

あ)「個」に対する情報収集と「組織」に対する施策選択

当社グループでは、従業員が自社で働いて幸せであると感じ続けることがエンゲージメントの原点であると考えています。その構成要素の3本柱として『給与』『やりがい』『働く仲間』を設定し、これに関する450項目に及ぶ情報を収集・分析して仕事に集中できる環境を整えています。また「個」の集合体である「組織」の状況が見えてくることで、会社として重点的に取り組む施策を選択しています。

 

例として年代・年収帯ごとに「何を大事にしているか」の調査により、年代・年収帯が上がるにしたがって、やりがい重視の傾向が見られました。


今後当社グループが拡大し、従業員のさらなる多様化が進む中で、こうした情報を活かしながら重点施策の選択を行っています。

 


 

い)評価を通じた人的資本価値の最大化

人的資本価値を最大化させる仕組みの一つが、年に2回行われる「評価会議」です。

「評価会議」では、社長をはじめ、管掌役員が従業員ひとりひとりの成果だけではなく、「個」を徹底的に把握した上で、全員の評価を行っています。またそれを実現可能とする社内インフラとして、独自人事システム「ヒトログ」を使用し、従業員ごとに上述の「給与」「やりがい」「働く仲間」の3本柱に関する450項目に及ぶ情報を管理しています。

それにより「個」の集合体である「組織」のポテンシャル、課題の把握が可能となり、即時に改善を起こせる仕組みとなっています。結果として従業員の適切な評価が行われ、高い年間昇給率を維持・継続することが可能となっています。


 

 

c. 市場価値と直結した育成制度

当社の育成制度は、「従業員が自分自身で学習する目的を見つけ、会社はその目的を達成するための場を提供する」という考え方に基づいて設計されています。そして、“業務を分解して標準化する”という当社の強みを活かし、最速で上位職を目指せる当社独自のキャリアUP制度「トップガン」を設置しています。これは市場価値=単価と直結しており、自らキャリアを形成できる仕組みです。

この仕組みを最大限活用するため、検定作成や業務分解のプロ集団「能力開発部」を設置し、当社の業務拡大に合わせて検定制度自体も発展を続けています。検定受検は強制するものではなく、自主性をもって取り組むものとしておりますが、社内での認知活動や従業員に対する動機付けを強化した結果、受検者数も着実に増加をし、単価UP及び自身の評価UPにつなげています。