事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 3,241 | 100.0 | 124 | 100.0 | 3.8 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、『ファッションにエンタテイメントを』を経営理念とし、オリジナルバッグ・財布等の提供を通じて『お客様に非日常のワクワク感を提供する』ことを目指しております。
当社は、オリジナルバッグ等の企画・販売、直営店舗の運営、インターネット店舗の運営、キャラクター商品の企画・販売を主な事業としております。
なお、当社はバッグ及び財布等の企画・販売を主とするファッションブランドビジネスを行う単一セグメントであるため、セグメント情報は記載せず、店舗販売、インターネット販売及びその他について記載しております。
(1) 当社が展開するブランドについて
当社は、『ATAO(アタオ)』『IANNE(イアンヌ)』『ILEMER(イルメール)』『StrawberryMe(ストロベリーミー)』の4つのブランドを展開しております。
※1 traditional style(伝統的なスタイル)
※2 優雅、華美
※3 ガラス製アーケードに覆われた商業空間
(2) 当社の主な販路
① 店舗販売
当社は、2024年2月末現在、国内において神戸、大阪、新宿、有楽町、横浜、名古屋、博多等の大都市圏の百貨店・商業施設等に入居している店舗12店(ATAO8店、IANNE1店、ILEMER2店、StrawberryMe1店)を展開するとともに、全国各地の百貨店等において随時イベントを開催し、当社商品を販売しております。また、海外においてパリにIANNEのギャラリー1ヶ所を展開しております。
② インターネット販売
当社は、2024年2月末現在、自社直営のインターネット店舗「ATAOLAND+」、「ILEMER公式オンラインショップ」並びに「ATAO楽天市場支店」を運営しております。また、ILEMERの海外における自社直営のオンラインショップを運営しております。
以上述べた事項を事業系統図に示すと次の通りであります。
(注) 生産効率や生産管理の観点から、生産工場(メーカー)、資材業者、皮革業者等を一括で取りまとめる業務を株式会社サカタに委託しております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が緩和され、経済活動は正常化に向かいつつある一方、円安の影響や物価の上昇、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に起因するエネルギー価格の高騰や世界的な金融引き締めを背景とした景気後退懸念等により依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社は、「ファッションにエンタテイメントを」を理念とし、オリジナルバッグ・財布等の提供を通じて「お客様に非日常のワクワク感を提供すること」を目指し、引続き販売促進費への投資やSNS活動の強化等を行っております。また、前事業年度にオープンした当社ブランドのオンラインサイトが集積したモール型の新ECサイト「ATAOLAND+(アタオランドプラス)」に係るプロモーション等を継続し、店舗とECのOMOの推進や当社が展開する各ブランド価値の更なる向上、顧客サービスの強化等を図っております。加えて、ATAOブランド初のライセンス展開として、2023年5月よりゴルフラインの販売を開始し、ライセンシーによる販路拡大等を行っております。更に、基幹ブランドであるATAOの更なる認知度の向上並びに売上及び利益の一層の拡大を図るべく、2023年9月に九州エリア初となる「ATAO博多店」、2023年10月に「ATAO楽天市場支店」をオープンいたしました。キャラクターブランドであるILEMERにつきましては、国内の有名動画クリエーターとコラボしたプロモーションを展開するとともに、2023年10月からサンリオが展開するキャラクターたち(サンリオキャラクターズ)とのコラボレーションを開始し、イルメールの新たな表現の可能性の追求とサンリオファンへのイルメールの魅力の訴求を図っております。また、ハッピードールの関連商品の拡充やアパレルラインの新規展開等、新商品の投入を強化しております。
その結果、当事業年度の販売業態別の売上高は、ATAO博多店の新規出店等により店舗販売が1,781,896千円(前事業年度比1.1%増)となり、また、ATAOLAND+への移行等に伴いインターネット販売が1,446,430千円(同24.0%減)となりました。
以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ248,535千円減少し、3,540,348千円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ194,382千円減少し、1,040,382千円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ54,152千円減少し、2,499,965千円となりました。
b.経営成績
当事業年度の業績は、売上高が3,241,449千円(前事業年度比12.6%減)となり、ATAOLAND+に係る販売促進費の継続的な投資を行ったもののATAOLAND+への移行初年度である前事業年度に比してTVCM等を含むプロモーション費用をコントロールしたこと等により、営業利益123,693千円(前事業年度は営業損失257,449千円)、経常利益122,865千円(前事業年度は経常損失245,792千円)、当期純利益50,782千円(前事業年度は当期純損失229,162千円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、1,920,812千円となり、前事業年度末より127,029千円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得したキャッシュ・フローは575,772千円となりました。これは主に、税引前当期純利益114,623千円の計上、棚卸資産の減少額211,552千円、未払金の増加額181,404千円による資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得したキャッシュ・フローは24,217千円となりました。これは主に、子会社の清算による収入39,942千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用したキャッシュ・フローは472,959千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出359,772千円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
仕入実績については、次の通りであります。
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
c.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
d.販売実績
当社の事業セグメントは、バッグ及び財布等の企画・販売を主とするファッションブランドビジネスを行う単一セグメントであるため、販売実績について販売の業態別に示すと次の通りであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容
財政状態の分析
a.資産
当事業年度末の資産については、総資産3,540,348千円であり、前事業年度末と比較して248,535千円減少しております。主な減少要因は、商品が211,552千円減少したことであります。
b.負債
負債につきましては、負債合計は1,040,382千円であり、前事業年度末と比較して194,382千円減少しております。主な減少要因は、長期借入金が358,332千円減少したことであります。
c.純資産
純資産は2,499,965千円であり、前事業年度末と比較して54,152千円減少しております。主な減少要因は、自己株式が35,780千円増加、利益剰余金が19,366千円減少したことであります。
経営成績の分析
a.売上高及び売上総利益
当事業年度の売上高は売上高が3,241,449千円(前事業年度比12.6%減)となり、売上原価1,051,722千円(同17.1%減)を計上した結果、売上総利益は2,189,727千円(同10.3%減)となりました。
b.販売費及び一般管理費及び営業利益
販売促進費699,309千円(前事業年度比21.7%減)、給料手当215,932千円(同4.9%減)、地代家賃246,226千円(同5.6%増)等を計上した結果、当事業年度の販売費及び一般管理費は2,066,034千円(同23.4%減)となり、営業利益は123,693千円(前事業年度は営業損失257,449千円)となりました。
c.営業外損益及び経常利益
受取保険金1,717千円等により営業外収益2,970千円(前事業年度比79.5%減)を計上し、営業外費用3,797千円(同33.5%増)を計上した結果、当事業年度の経常利益は122,865千円(前事業年度は経常損失245,792千円)となりました。
d.特別損益及び当期純利益
特別利益として関係会社清算益9,486千円、特別損失として減損損失等17,727千円を計上し、税金等調整前当期純利益は114,623千円(前事業年度は税金等調整前当期純損失243,436千円)となり、法人税等63,841千円(前事業年度は法人税等△14,273千円)を計上した結果、当期純利益は50,782千円(前事業年度は当期純損失229,162千円)となりました。
キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
当社は、事業運営上必要な運転資金及び設備投資資金等を確保するとともに、経済環境の急激な変化等に備えた財務基盤の強化を図ることを基本方針としております。当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、業容拡大に伴う仕入、販売促進費、人件費等の運転資本の増加であり、設備投資資金の需要は、主に新規出店や店舗リニューアルによるものであります。所要資金については、内部資金を活用するとともに、必要に応じて金融機関からの調達等により賄うこととしております。
当事業年度末における有利子負債の残高は556,668千円、現金及び現金同等物の残高は1,920,812千円であり、ネット・キャッシュは1,364,144千円となっております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りでありますが、ブランド力の維持、ファッショントレンド、出店、特定取引先との関係等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、市場動向等に留意し、内部管理体制の強化、取引先との関係維持・強化、市場のニーズに合った商品の開発等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当社の経営の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。
今後の見通しにつきましては、引続き「トレンドに左右されない商品企画と、定番商品を人気商品化するノウハウ」を強みとして、O2O戦略の強化を図り、インターネット販売及び店舗販売等の継続的な成長を目指してまいります。また、キャラクターとブランドを融合させたエンタテイメントビジネスの強化に向け、積極的に先行投資を行い、中長期的に取り組んでまいります。
2022 年 8 月にグランドオープンした新 EC サイト「ATAOLAND+(アタオランドプラス)」において、顧客獲得コストやリピート率などの指標は改善傾向にあるものの、旧ECサイトに係る知的財産権及び顧客情報等が旧ECサイトの運営委託先に帰属する契約となっていたこと、また、当社ブランドである ATAO と誤認させる類似ブランドにより一般消費者からの継続的な問い合わせなどが想定以上に発生していること等から、インターネット販売の再拡大には一定の期間及び販売促進費等の継続的な投資が必要になると考えております。
2025 年 2 月期においては、当事業年度中にオープンした ATAO 博多店やオンラインの新しいチャネルとしての ATAO 楽天市場支店の年間を通した貢献、2023 年の年末商戦に生まれたヒット商品などの在庫の適正化などにより、既存顧客の売上を維持しつつ、各ブランドの戦略的なプロモーションの強化により、とりわけオンラインの新規顧客へのアプローチにより注力していきながら、売上高、利益の拡大を図ってまいります。
また、円安等による資材高騰等が課題となっている生産背景においても、これまでの体制にこだわることなく抜本的に見直し、製造期間の短縮および物流のスピード化を図り、お客様に最大限価値を感じていただけるようなモノづくりに集中してまいります。さらに、環境への問題にも配慮しながら、時代のニーズに合わせ広くお客様に受け入れていただけるブランドづくりをより一層強化してまいります。
ILEMERブランドに関しては、引続きサンリオキャラクターズとのコラボレーションアイテム等の新商品の投入等により、売上の拡大を図っていきたいと考えております。
引続き、店舗とECのOMOの強化、各種プロモーション施策の実施、新ECサイトのオープンによる業務の最適化及び効率化等により、各ブランド価値の更なる向上、売上及び利益の中長期的な拡大を図ってまいります。
※ OMO(Online Merges with Offline)とは、店舗とECの融合を図ることにより、顧客体験を向上させることを目的としたマーケティング手法のことをいいます。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、新規販売チャネルの展開、店舗とECのOMOの実現、生産体制の強化、人材の確保・育成等が必要であると認識しております。