2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

丸亀製麺 国内その他 海外事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
丸亀製麺 114,856 49.5 N/A N/A N/A
国内その他 28,460 12.3 N/A N/A N/A
海外事業 88,637 38.2 N/A N/A N/A

事業内容

3【事業の内容】

当社グループは、当社および連結子会社92社、共同支配企業および関連会社24社で構成されており、直営およびフランチャイズ(FC)等による外食事業を営んでおります。

2024年3月31日現在の事業セグメントと主なグループ各社の位置付けは以下のとおりです。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記5.事業セグメント (2)報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりです。

 

(1)セグメント区分

セグ

メン

主な業態

特徴

主な関係会社

主な展開地域

丸亀

製麺

丸亀製麺

本格讃岐うどん専門店。全店に製麺機を設置して粉から製麺、お客様の目の前で調理することにより、「打ち立て」「茹でたて」「できたて」「手づくり」のうどん、天ぷら、おむすび等を提供

株式会社丸亀製麺

日本

国内

その他

コナズ珈琲

「いちばん近いハワイの食卓」がコンセプトのカフェ。

手づくりパンケーキ、ハワイアンフード、自家焙煎コーヒーなどを提供するほか、ハワイの日用雑貨を販売

株式会社KONA’S

日本

ずんどう屋

丁寧に炊き込んだ濃厚な豚骨スープ、特製の小麦粉を使用した自家製麺を使用するラーメン店

株式会社ZUND

日本

肉のヤマ牛

お客様に注文をいただいてから精肉をカット。切りたて肉を炭火で炙った焼肉丼、弁当、惣菜のほか、自家製の冷麺などを提供

株式会社肉のヤマ牛

日本

晩杯屋

一人でも気軽に利用できる立呑み大衆酒場

株式会社アクティブソース

日本

天ぷらまきの

揚げたてを一品ずつ提供する都度揚げを楽しんでいただく、天ぷら定食専門店

株式会社トリドールジャパン

日本

とりどーる

創業以来、炭火焼にこだわる焼き鳥や唐揚げ、釜めしを提供。おいしさと臨場感を携えたファミリーダイニング型レストラン

株式会社トリドールジャパン

日本

長田本庄軒

神戸・長田の家庭的料理「ぼっかけ」(牛スジとこんにゃくの煮込み)を使う焼きそば専門店

株式会社トリドールジャパン

日本

焼きたてコッペ製パン

店内のパン工房で、毎日焼き上げるふわふわもちもちのコッペパンにできたての様々な具材をはさんで提供するコッペパン専門店

株式会社トリドールジャパン

日本

 

 

セグ

メン

主な業態

特徴

主な関係会社

主な展開地域

海外

事業

Tam Jai

(タムジャイ)

香港の米線スープヌードルレストラン。様々なスパイスを調合したオリジナルスープの種類、辛さ、トッピングを選択して自分好みにカスタマイズが可能

Tam Jai International

Co. Limited

香港、中国、シンガポール

日本(※)

MARUGAME UDON

海外の丸亀製麺。店舗に製麺機を設置して粉から製麺、お客様の目の前で調理することにより、「打ち立て」「茹でたて」「できたて」「手づくり」のうどん、天ぷら、おむすび等を提供

MARUGAME UDON USA, LLC

 

MARUGAME UDON (EUROPE) LIMITED 他

米国、台湾、

インドネシア、フィリピン、ベトナム、英国他

Franco Manca

2008年に英国で創業。毎日店舗で手作りし、長時間発酵させたサワードウ(自然発酵させた酵母で作った生地)で作ったナポリスタイルのピッツアのパイオニア。リーズナブルな価格設定に加えて、厳選した高品質のオーガニック食材を使用

The Fulham Shore Limited

英国

The Real Greek

英国で本格的な地中海料理を提供する、ギリシア料理業態のリーディングプレイヤー

The Fulham Shore Limited

英国

WOK TO WALK

炎が豪快に立ち上る調理シーンが特徴的なタイ風ファストフード。ヌードル・ライス・野菜などのベース、具材、ソースの選択が可能

WOK TO WALK FRANCHISE B.V.

オランダ、ポルトガル、英国、イスラエル、スペイン、フランス他

MONSTER CURRY

シンガポールで人気の濃厚なルーのカレーをエキサイティングなビッグプレートで提供。ユニークな店舗デザインも特徴

MC GROUP

PTE. LTD.

シンガポール

Boat Noodle

タイ発祥の小さい椀を積み上げていくスープヌードルを、ハラル対応のカジュアルレストランとしてマレーシアで展開

UTARA 5 FOOD AND BEVERAGE SDN BHD

マレーシア、

シンガポール、ブルネイ

Pokeworks

ハワイで古くから親しまれるローカルフードが進化。一口大に切った魚介や野菜などを好みのトッピングやソースと組み合わせ、丼・巻き寿司風・サラダなどの食べ方を選択可能

Beyond Restaurant Group, LLC

米国、

メキシコ

SHORYU

本格的な博多豚骨ラーメンを提供

SHORYU HOLDINGS LIMITED

英国

天ぷらまきの

こだわりの食材を職人が一品ずつ揚げる天ぷらを楽しんでいただく、天ぷら定食専門店

シンガポール、

香港

 

※ Tam Jai International社の日本国内の収益は海外事業セグメントに計上しています。

 

 

(2)事業系統図

企業集団について、事業系統図と主な業態および関係会社は以下のとおりです。

 

 

(3)国内 店舗形態区分 (丸亀製麺の例)

区分

定義

大まかな傾向

外観例

① ロードサイド店舗(RS)

・駐車場を

保有する

路面店

・店舗面積が比較的大きい

・席数当たりの初期投資は

比較的小さい

・休日は複数人での利用が

多い

② ショッピングセンター店舗(SC)

・ショッピングセンターのフードコート

・イートイン席が他店と共用のため、初期投資が比較的小さい

・売上高に応じた出店料等の支払いが生じる

・休日は複数人での利用が

多い

③ ビルインその他店舗(BI)

・商業ビル、オフィスビル、住居ビル、駅・空港ビル、地下街、サービスエリアなどに入居する、①②に分類されない店舗

・駐車場なし

・店舗面積が比較的小さい

・駅に近い場合、近隣住民のみならず、様々な駅利用者の需要により、ピークタイムの分散化、テイクアウト需要などが期待できる

・オフィスビルは休日の来店客数が少ない傾向

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)経営成績の分析

① 連結業績

当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)における当社グループの経営環境は、前期比で人の移動量が増加し、客数の回復を押し上げました。

このような環境において当社グループは、国内では訴求力の高い商品開発、店舗設計と来店動機の訴求に取り組みました。海外事業においては2023年7月に英国Fulham Shore社を子会社化し、第2四半期連結会計期間から連結しました。

これらの結果、売上収益は2,319億52百万円(前期比23.2%増)と過去最高となり、丸亀製麺、国内その他、海外事業の全セグメントで過去最高を記録しました。

国内外で原材料費、人件費、水道光熱費が増加したものの増収で吸収し、事業利益(注1)は145億36百万円(前期比108.1%増)と大幅な増益となり、こちらも過去最高となりました。

前期は新型コロナウイルス感染症に係る時短協力金などの政府補助金44億3百万円を計上しましたが、当期は42百万円に留まったことにより、その他の営業収益は前期比で45億96百万円減少したものの、事業利益の大幅増で吸収しました。一方、その他の営業費用は、前期は一過性の中国事業整理費用12億27百万円を計上したため、前期比で14億17百万円減少しました。

これらの結果、営業利益(注2)は116億47百万円(前期比56.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は56億75百万円(前期比48.3%増)となり、共に大幅な増益となりました。

 

(注1)事業利益:売上収益-売上原価-販売費及び一般管理費

(注2)営業利益:事業利益-減損損失+その他の営業収益-その他の営業費用

 

(単位:百万円)

 

2023年

3月期

実績

2024年

3月期

実績

前期比

2024年

3月期

計画

(注3)

計画比

 

増減額

増減率

増減額

増減率

売上収益

188,320

231,952

+43,632

+23.2%

231,000

+952

+0.4%

事業利益

6,984

14,536

+7,552

+108.1%

13,700

+836

+6.1%

営業利益

7,466

11,647

+4,181

+56.0%

10,000

+1,647

+16.5%

親会社の所有者に

帰属する当期利益

3,827

5,675

+1,848

+48.3%

4,800

+875

+18.2%

(注3)2023年11月14日修正

 

 

② セグメント別業績

(単位:百万円)

売上収益

2023年

3月期

実績

2024年

3月期

実績

前期比

2024年

3月期

計画

(注3)

計画比

 

増減額

増減率

増減額

増減率

丸亀製麺

102,100

114,856

+12,756

+12.5%

114,000

+856

+0.8%

国内その他

24,737

28,460

+3,722

+15.0%

27,000

+1,460

+5.4%

海外事業

61,483

88,637

+27,154

+44.2%

90,000

△1,363

△1.5%

連結

188,320

231,952

+43,632

+23.2%

231,000

+952

+0.4%

 

(単位:百万円)

事業利益

2023年

3月期

実績

2024年

3月期

実績

前期比

2024年

3月期

計画

(注3)

計画比

 

増減額

増減率

増減額

増減率

丸亀製麺

11,624

18,351

+6,726

+57.9%

16,900

+1,451

+8.6%

国内その他

3,044

4,451

+1,407

+46.2%

3,800

+651

+17.1%

海外事業

1,809

2,970

+1,161

+64.2%

3,600

△630

△17.5%

調整額(注5)

△9,494

△11,236

△1,742

△10,600

△636

連結

6,984

14,536

+7,552

+108.1%

13,700

+836

+6.1%

(注4)調整額は各報告セグメントに配分していない全社費用であります。

 

(単位:店)

店舗数

丸亀製麺

国内その他

海外事業

連結

事業形態

直営

直営

FC等(注5)

直営(注6)

FC等(注5、6)

2023年3月末 店舗数

833

226

4

230

316

391

707

1,770

2024年3月期 出店

18

23

0

23

135

71

206

247

2024年3月期 閉店

11

3

0

3

19

33

52

66

2024年3月末 店舗数

840

246

4

250

432

429

861

1,951

(注5)フランチャイズ、合弁会社など直営以外の形態

(注6)当連結会計年度から海外事業の店舗数にFulham Shore社を加算し、海外セグメントの直営の出店に96店、FCの出店に1店を加算

 

 

<丸亀製麺>

丸亀製麺セグメントにおいては、当期からブランドコミュニケーション「うどんで、あなたを驚かせたい」を開始し、選ばれ続けるためのパーセプションを形成するブランド戦略と、衝動をつくる商品戦略を組み合わせ、ブランド価値と顧客体験(CX)と従業員体験(EX)を同時にスパイラルアップさせるマーケティング戦略を展開しました。

2024年2月には創業時から提供している看板商品「釜揚げうどん」にフォーカスした新TVCM「ふわふわ!もっちもち!釜揚げうどん」篇を全国放映しました。一軒一軒すべての店で毎日、粉から打つうどんだからこそ自信を持っておすすめできる看板商品のおいしさを訴求したことにより、定番商品の売上が増加しました。

2024年3月には、麺職人(注7)の全店配置がついに完了しました。全店配置を記念して麺職人だけで運営するポップアップ店舗「丸亀製麺所」を東京都神田小川町に期間限定で開設し、「丸亀製麺所 三種の利きうどん」を提供したり、麺職人にフォーカスして、よりおいしいうどんを届けたいという想い、こだわりや自信をTVCM、イベント、特設サイトなどで訴求しました。

季節ごとのフェア商品も好調に推移し、当連結会計年度の下期は「ひと手間かけた冬のうまい!」シリーズを展開しました。第1弾として2023年12月5日から販売した「鴨ねぎうどん」と「肉がさね玉子あんかけうどん」は、それぞれ約160万食、約177万食を販売する大ヒットとなりました。第2弾は12月12日からブランド牛を使用した「鹿児島黒牛 和牛すき焼き釜玉うどん」を期間限定販売、第3弾は2024年1月3日から15日まで本ずわい蟹を使った「かに玉あんかけうどん」を販売しました。シリーズ最終の第4弾は、広島県産牡蠣を贅沢に6個使用した「牡蠣たまあんかけうどん」と、新作「牡蠣ぶっかけうどん」を1月30日から投入しました。

一方、人件費上昇や原価高騰に対処するため、2024年1月16日に一部商品の価格改定を実施しました。

これらの取り組みにより、売上収益は1,148億56百万円(前期比12.5%増)と過去最高となりました。原価、人件費、広告宣伝費も増加しましたが、増収で吸収し、事業利益も過去最高の183億51百万円(前期比57.9%増)と大幅な増益となりました。

 

(注7)麺職人:理想的なうどんを作る専門人材で、丸亀製麺独自の人材育成システム

 

<国内その他>

国内その他セグメントには、「コナズ珈琲」、「ずんどう屋」、「肉のヤマ牛(注8)」、「晩杯屋」、「天ぷらまきの」、「とりどーる」、「豚屋とん一」、「長田本庄軒」、「焼きたてコッペ製パン」が含まれております。

87店舗を運営する豚骨ラーメンのずんどう屋は、大阪など関西の既存店が特に好調に推移したことに加えて、新店13店も順調に収益化し、高収益性を維持しました。

「いちばん近いハワイの食卓」をコンセプトとするコナズ珈琲は、既存店の客数・客単価がともに上昇したほか、新店の八千代緑が丘店が国内トップクラスの月商を上げ早期収益化が進みました。

肉のヤマ牛は、2023年11月にオープンしたグローサラント(注9)型店舗の赤羽店が好調に推移しました。また、2024年2月にオープンした竹ノ塚店は店内飲食スペースを設置せず、弁当・惣菜のテイクアウト・デリバリー販売に特化した新型モデル店舗ですが、3月に同業態で最高の月商を記録しました。

天ぷらまきのは季節の食材をメインにしたフェア定食や天ぷらを強化し、外国人観光客が増加するなどインバウンド需要の取り込みにも成功しました。

豚屋とん一は11月14日にオープンした松戸駅前店は、弁当のテイクアウト販売にも注力し、同業態トップクラスの売上で推移しました。

これらの結果、売上収益は284億60百万円(前期比15.0%増)となり、事業利益も過去最高の44億51百万円(前期比46.2%増)と大幅な増益となりました。

 

(注8)「肉のヤマキ商店」は2023年11月29日付で「肉のヤマ牛」に商号変更しました。

(注9)グローサラント:グローサリーとレストランを融合した業態

 

<海外事業>

スパイシーヌードル業態のTam Jaiは中国で6店、香港で7店、シンガポールで1店増加して計229店舗となり、増収増益となりました。Marugame Udonについては、台湾で6店増加し、人材教育が奏功して商品・サービスの品質が向上したことにより大幅な増収増益となりました。米国においても既存店の客数増加や新店が好調に推移したことなどにより増収増益となりました。英国でも集客力の強化に取り組み、増収となりましたが、成長のための投資が先行している状態が続きました。

第2四半期から英国Fulham Shore社を連結したことや、為替影響もあり、売上収益は過去最高の886億37百万円(前期比44.2%増)と大幅な増収となりました。事業利益は、米国で当第4四半期に一過性の費用6億56百万円が発生した影響で計画は下回ったものの、29億70百万円(前期比64.2%増)と大幅な増益となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

増減率(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

32,595

42,794

31.3

投資活動によるキャッシュ・フロー

△11,863

△26,817

126.1

財務活動によるキャッシュ・フロー

△8,783

△16,548

88.4

現金及び現金同等物

67,456

70,627

4.7

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ31億71百万円増加し、706億27百万円(前期比4.7%増)となりました。

 

各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

営業活動により得られた資金は427億94百万円(前期比31.3%増)となりました。これは主に減価償却費及び償却費が288億73百万円、税引前利益が108億39百万円あったこと等によるものです。

 

投資活動により使用した資金は268億17百万円(前期比126.1%増)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が166億83百万円、有形固定資産の取得による支出が90億94百万円あったこと等によるものです。

 

財務活動により使用した資金は165億48百万円(前期比88.4%増)となりました。これは主に短期借入金の純増減額が161億76百万円、長期借入れによる収入が78億62百万円あった一方で、リース負債の返済による支出が205億22百万円、長期借入金の返済による支出が175億19百万円あったこと等によるものです。

 

 

(3)財政状態の分析

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

増減率(%)

資産合計

266,235

322,357

21.1

負債合計

188,078

231,996

23.4

資本合計

78,158

90,361

15.6

親会社所有者帰属持分比率(%)

26.1

25.1

△4.0

1株当たり親会社所有者帰属持分(円)

798.90

925.82

15.9

純有利子負債

89,923

116,270

29.3

ネットレバレッジ・レシオ

2.76

2.63

△4.9

※ネットレバレッジ・レシオ=純有利子負債(有利子負債-現預金)÷調整後EBITDA

 

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ561億22百万円増加し、3,223億57百万円(前期比21.1%増)となりました。これは主に無形資産及びのれん、使用権資産がそれぞれ前連結会計年度末に比べ205億25百万円、192億56百万円増加したことによるものです。

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ439億18百万円増加し、2,319億96百万円(前期比23.4%増)となりました。これは主にリース負債、短期借入金がそれぞれ前連結会計年度末に比べ229億77百万円、161億82百万円増加したことによるものです。

資本は、前連結会計年度末に比べ122億4百万円増加し、903億61百万円(前期比15.6%増)となりました。これは主にその他の資本の構成要素、利益剰余金がそれぞれ前連結会計年度末に比べ84億72百万円、48億25百万円増加した一方、資本剰余金が22億7百万円減少したことによるものです。

親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ4.0%減少し、25.1%となりました。これは主に資産合計が前連結会計年度末に比べ561億22百万円増加した一方、その他の資本の構成要素、利益剰余金がそれぞれ前連結会計年度末に比べ84億72百万円、48億25百万円増加するなど、親会社の所有者に帰属する持分合計が前連結会計年度に比べ112億61百万円の増加にとどまったことによるものです。

1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度末に比べ126.92円増加し、925.82円(前期比15.9%増)となりました。

また、負債と資本のバランスを示すネットレバレッジ・レシオは前連結会計年度末に比べて0.13回復し、2.63となりました。これは主に純有利子負債が前連結会計年度に比べ263億47百万円増加した一方、調整後EBITDAが前期比で116億99百万円増加したことによるものです。

 

 

(4)生産、受注および販売の実績

当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので、生産実績と受注実績は記載しておりません。

 

a.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

丸亀製麺

25,572

105.8

国内その他

8,048

107.5

海外事業

22,365

135.2

合計

55,986

116.2

 

b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

丸亀製麺

114,856

112.5

国内その他

28,460

115.0

海外事業

88,637

144.2

合計

231,952

123.2

 

(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は(1)経営成績の分析 から(3)財政状態の分析に記載のとおりであります。

 

(6)重要性がある会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成のための重要性がある会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎(4)見積りおよび判断の利用 3.重要性がある会計方針」に記載されているとおりであります。

 

(7)経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

 

(8)当社グループの資本の財源および資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することや、投資効率の追求、資金調達手法の多様性を図ること等により、資金調達余力の向上を図ることを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入等を基本としております。なお、当連結会計年度末における社債、借入金およびリース負債を含む有利子負債の残高は1,868億98百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は706億27百万円となっております。

また、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による事業環境の急速な変化の経験から、運転資金および財政基盤の安定性向上のために機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することの重要性を再認識し、主要取引行と当座貸越契約による短期借入金40億円を継続しております。

 

セグメント情報

5.事業セグメント

(1)報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

事業セグメントは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を獲得し、費用を発生させる事業活動の構成単位であります。

セグメント情報には、各セグメントに直接的に帰属する項目のほか、合理的な基準により各セグメントに配分された項目が含まれております。

当社は、各店舗において商品を提供する飲食業を営んでおります。海外の関係会社は、独立した経営単位であり、地域の特性に応じて事業活動を展開しております。したがって、当社は店舗における提供商品およびサービス提供形態を基礎とした業態別セグメントおよび地域別セグメントから構成されており、「丸亀製麺」、「国内その他」および「海外事業」の計3区分を報告セグメントとしております。「丸亀製麺」は、讃岐うどんや天ぷらなどをセルフ形式で商品を提供する讃岐うどんの専門店であります。「国内その他」は、「コナズ珈琲」、「ずんどう屋」、「肉のヤマ牛(肉のヤマキ商店から商号変更)」、「晩杯屋」、「天ぷらまきの」、「とりどーる」、「豚屋とん一」、「長田本庄軒」、「焼きたてコッペ製パン」により飲食提供を行うものであります。「海外事業」は、海外の関係会社において、讃岐うどん等の飲食提供を行うものであります。

 

(2)報告セグメントの変更等に関する事項

従来「丸亀製麺」および「海外事業」を報告セグメントとしておりましたが、今後の事業展開を勘案し、当連結会計年度より従来「その他」としていた全ての事業セグメントを集約し「国内その他」として報告セグメントとしております。この変更により、報告セグメントは「丸亀製麺」、「国内その他」および「海外事業」となります。

なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分により作成したものを記載しております。

 

(3)報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失に関する情報

当社の報告セグメントによる継続事業からの収益および業績は以下のとおりであります。

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「注記3.重要性がある会計方針」で記載している当社の会計方針と同一であります。

 

 

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注)2

連結

財務諸表

計上額

 

丸亀製麺

国内その他

海外事業

売上収益

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

102,100

24,737

61,483

188,320

188,320

102,100

24,737

61,483

188,320

188,320

セグメント利益(注)1

11,624

3,044

1,809

16,478

9,494

6,984

減損損失

1,044

476

827

2,347

1

2,348

その他の営業収益・費用(純額)

2,829

金融収益・費用(純額)

138

持分法による投資損益

122

税引前利益

7,726

(その他の項目)

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

10,653

2,678

11,424

24,755

804

25,559

(注)1.セグメント利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除しております。

2.セグメント利益の調整額△9,494百万円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注)2

連結

財務諸表

計上額

 

丸亀製麺

国内その他

海外事業

売上収益

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

114,856

28,460

88,637

231,952

231,952

114,856

28,460

88,637

231,952

231,952

セグメント利益(注)1

18,351

4,451

2,970

25,772

11,236

14,536

減損損失

509

96

1,934

2,539

2,539

その他の営業収益・費用(純額)

350

金融収益・費用(純額)

418

持分法による投資損益

390

税引前利益

10,839

(その他の項目)

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

10,688

2,830

14,662

28,180

693

28,873

(注)1.セグメント利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除しております。

2.セグメント利益の調整額△11,236百万円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

 

(4)製品及びサービスごとの情報

「(3)報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失に関する情報」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

(5)地域別情報

①外部顧客への売上収益

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

丸亀製麺

国内その他

海外事業

合計

日本

102,100

24,737

336

127,173

香港

43,754

43,754

英国

1,451

1,451

その他

15,942

15,942

合計

102,100

24,737

61,483

188,320

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

丸亀製麺

国内その他

海外事業

合計

日本

114,856

28,460

488

143,803

香港

49,431

49,431

英国

16,791

16,791

その他

21,927

21,927

合計

114,856

28,460

88,637

231,952

(注)1.売上収益は、店舗の所在地を基礎としております。

2.当連結会計年度より、重要性が増したことにより、従来はその他に含めていた英国を別掲しております。これに伴い、前連結会計年度の売上収益の地域別内訳は組み替えて表示しております。

 

②非流動資産

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

日本

95,810

97,390

香港

53,840

60,139

英国

6,596

44,077

その他

9,795

12,022

合計

166,041

213,628

(注)1.非流動資産は、当社グループ各社の所在地を基礎としております。また、持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産および繰延税金資産は含んでおりません。

2.当連結会計年度より、重要性が増したことにより、従来はその他に含めていた英国を別掲しております。これに伴い、前連結会計年度の非流動資産の地域別内訳は組み替えて表示しております。

 

(6)主要な顧客に関する情報

単一の外部顧客との取引による売上収益が当社グループ売上収益の10%以上の外部顧客がないため、記載を省略しております。