事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
完全栄養食事業 | 14,874 | 100.0 | -812 | 100.0 | -5.5 |
その他 | 0 | 0.0 | 0 | 0.0 | -15.2 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」というミッションのもと、特に栄養に関する課題を解決するため、“栄養のインフラ”としてのBASE FOODを目指し、完全栄養の主食を中心としたBASE FOODシリーズ(「BASE PASTA」・「BASE BREAD」・「BASE Cookies」・「BASE FOOD Deli」)の開発と販売を行っております。なお、商品製造については、外部業者に委託しております。
栄養バランスのとれた食生活を実践するには、栄養や食事の正しい知識や、それを実践する時間の余裕が必要となります。しかし、1980年には614万世帯(注1)であった共働き世帯数が2020年には1,240万世帯(注2)に増加しており、仕事や家事、育児などで忙しいために食生活に気を配る余裕がなく、調理に手間をかけない人(注3)も増加しております。“食”に掛ける時間の減少の結果、生活習慣病リスクは増大し、社会保障給付費は1980年度の24.9兆円(注4)から2020年度には132.2兆円(注5)まで増加するという社会問題につながっております。当社が開発するBASE FOODシリーズは、低脂質、低糖質、低塩分で、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど1日に必要な33種類の栄養素が含まれ、1食で1日に必要な栄養素の1/3がバランスよくとれる完全栄養の主食を中心とした商品であり、栄養バランスの良い食事を通じて健康寿命を延ばすことで日本の社会問題を解決しうると考えております。
健康でありたいという人間の根源的な欲求を背景に、BASE FOODシリーズは2017年2月の販売開始から累計1.5億袋販売(2023年9月時点)を達成しました。新型コロナウイルス感染症の拡大により人々の健康への意識は一層高まり、栄養バランスの取れた食生活へのニーズも益々高まっていると考えております。
また、消費者の食に関する志向(現在の食の志向)としては「健康志向」「経済性志向」「簡便化志向」が3大志向(注6)とされており、当社の商品コンセプトともマッチしていると考えております。
(注)1.総務省統計局「労働力調査特別調査」
2.総務省統計局「労働力調査(詳細集計)(年平均)」
3.東京ガス都市生活研究所「生活定点観測レポート2020」
4.国立社会保障・人口問題研究所「令和3年度社会保障費用統計」
5.厚生労働省推計(予算ベース)
6.株式会社日本政策金融公庫「消費者動向調査(令和4年7月調査)」
当社は販売開始時より、自社ECにおいては卸などを介さず顧客に直接販売を行うD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマ)モデルでの販売を続けております。また、定期購入者向けのオンラインコミュニティ「BASE FOOD Labo」のアプリをリリースしており、顧客がコミュニティ内でアレンジレシピの共有、商品開発や改善、新商品に関する意見の投稿など、情報交換ができる場を提供しております。なお、2024年2月時点で、「BASE FOOD Labo」のユーザー数は44,000人以上となっております。これにより、顧客からのフィードバックをタイムリーに受け取る事が可能となり、かかるフィードバックや購買情報をもとに商品の開発・改善、マーケティングおよびサービスの改善を行っており、商品リリース後においても味の改善・バージョンアップを繰り返すことで「かんたん・おいしい・からだにいい」を追求しております。
なお、当社は、従来より「完全栄養食事業」の単一セグメントでしたが、当事業年度より報告セグメントに含まれない事業セグメントとして「その他」を追加しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
1.取扱い商品
商品ラインナップは次のとおりであります。
(2024年2月29日時点)
商品名 |
発売開始年月日 |
商品の特色等 |
BASE PASTA |
2017年2月 |
完全栄養のパスタ。小麦の全粒粉やチアシードなどをベースに、1~2分でゆで上がる風味豊かな生パスタ。 フェットチーネ、アジアンの2種類を展開 |
BASE BREAD |
2019年3月 |
完全栄養のパン。全粒粉や大豆、チアシードなど主に自然由来の厳選した10種類以上の原材料を使用した約1ヶ月の賞味期限のあるロングライフパン。プレーン、チョコレート、カレー、シナモン、メープル、ミニ食パン・プレーン、ミニ食パン・レーズン、リッチの8種類を展開 |
BASE Cookies |
2021年6月 |
完全栄養のクッキー。安全で栄養バランスの良いお菓子。ココア、アールグレイ、抹茶、ココナッツ、さつまいもの5種のフレーバーを展開 |
BASE FOOD Deli |
2023年2月 |
完全栄養の料理。調理済みですぐに食べることのできる「料理」。2023年2月にボロネーゼの販売開始。 |
2.事業モデル
当社は顧客に対し、主に自社ECでの直接販売、他社ECを経由してのセット販売、卸販売の3つのチャネルで当社商品を販売しております。それぞれの販売チャネルの特性を活かしながら、当社および当社商品に対する認知および顧客の商品体験の拡大・定着を図っております。
(1)自社EC
当社ホームページを経由した自社ECにおいて商品の販売を行っております。インターネットを通じて直接購入者へ商品を販売します。自社ECにおける注文の約99%(2024年2月期)は、4週間に1回の頻度で顧客が定期的に購入し配送されるサブスクリプションモデル(定期購入)となっております。サブスクリプションモデルを採用することで、精度の高い需要予測が可能になり、生産や売上の安定性を確保することが可能となります。また、顧客には、定期的にBASE FOODが自宅に届くことで、栄養バランスの良い食事を継続的にとることができる、何を食べるか悩む時間を削減できる、買い物の手間が省ける、といった付加価値を提供しております。
当チャネルにおける主な収益構造は、サブスクリプション会員による定期購入であります。サブスクリプション会員数の拡大、顧客継続率増加を目的として、オンライン広告やTVCMなどのプロモーション活動や商品開発を積極的に実施しております。
なお、2024年2月時点でのサブスクリプション会員数は20.6万人、顧客継続率は93.4%(注)となっております。
(注)顧客継続率は1-(当月解約者/前月定期購入者)で算出
(2)他社EC
Amazon、楽天市場及びYahoo!ショッピングなどのECプラットフォームに商品を出品し、複数の商品をセットにして販売を行っております。当社ホームページに訪れたことのない顧客もこれらのプラットフォームに訪問した際に、当社商品を発見し購入することが出来るため、当社商品の認知および商品体験の拡大に繋がります。2022年5月から香港、2023年5月からは中国で、完全栄養パン「BASE BREAD」の販売を開始しています。特に香港では、香港最大級のECショッピングモール「HKTV Mall」に加え、2023年10月には公式ECサイトをオープンし、「BASE BREAD」および「BASE Cookies」の公式サイトからの直購入及び継続コース利用による定期販売をスタートし、2024年1月時点での累計販売数は30万袋を突破しています。2024年1月からは新たにシンガポールと台湾での販売を開始することで、越境ECは累計4地域での展開になります。世界中の人々の「健康をあたりまえに。」の実現に向け、今後も海外展開を広げてまいります。
(3)卸販売
卸業者を経由してコンビニエンスストアやドラッグストア、スポーツジムで「BASE BREAD」および「BASE Cookies」を販売しております。顧客は全国の実店舗で買いたい時に1袋から手軽に購入することができるようになっております。実店舗での販売を行うことで、オンラインでリーチできなかった顧客に対して、オフラインでの当社商品の認知および商品体験の拡大を行っております。また、自社ECへの送客にも寄与しております。なお、2024年2月時点での展開実店舗数は、51,091店舗となっております。
[事業系統図]
当社の事業系統図は、次のとおりであります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社は、「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」というミッションを掲げ、“栄養のインフラ”としてのBASE FOODを目指しております。
ミッションの実現に向け、研究開発活動を通じて完全栄養(注)の主食を中心としたBASE FOODシリーズの開発及び改善を行い、それらを主に3つのチャネル(卸などを介さず顧客に直接販売を行う「自社EC」、他社ECプラットフォームでの販売を行う「他社EC」、コンビニエンスストアやドラッグストアなどで販売を行う「卸販売」)で販売を行っており、積極的な研究開発活動を通じて美味しい商品の追求、新商品のリリースを行うことで顧客層の拡大、継続率の向上を通じ成長を遂げてまいります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも社会経済活動の制限が緩和されるなど景気は回復の兆しがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢の問題による原材料の高騰や世界的な金融引き締めによる急激な為替の変動などの影響もあり、依然として経済は先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当社は積極的な研究開発活動を継続しており、商品開発の速度向上と研究開発領域の深化を目的に前事業年度強化したR&D体制により、新商品開発及び商品リニューアルを積極的に進めてまいりました。その成果として、2023年5月にはBASE BREAD(ミニ食パン・レーズン)、2023年7月にはBASE BREAD(リッチ)の販売を開始いたしました。商品リニューアルにつきましては、2023年3月にBASE BREAD(メープル、シナモン、プレーン)、2023年9月にBASE BREAD(カレー)のリニューアルを実施し、商品のおいしさ向上を実現いたしました。このような取り組みにより、「かんたん・おいしい・からだにいい」食事のラインナップ及びクオリティを高め、より豊かな食体験の機会を提供することで、「健康をあたりまえに。」の実現を加速させるR&D活動を進めております。
また、当社は2023年10月24日に一部商品の自主回収を公表いたしました。これを受けて、製品設計から流通工程のすべてのプロセスにおいて、食の安全安心に向けた取り組みをより強化いたしました。それらの取り組み内容に関して、2024年3月11日より、当社公式ホームページの「食の安全安心への取り組み」に関するページにて公開しております。今後も再発防止に努めるとともに、業界水準を超える品質保証を目指してまいります。
自社ECにおいては、上段で記述した新商品及び商品リニューアルのプロモーション活動を積極的に行った結果、サブスクリプション会員数が伸長し、20.6万人(前事業年度末は16.3万人)に着地いたしました。また、2023年10月の自主回収発表直後に悪化した解約率も回復基調となっております。その結果、自社EC売上高は 9,081,202千円になりました。なお、サブスクリプション会員数の推移は以下のとおりとなっております。
|
2023年2月期 |
2024年2月期 第1四半期 |
2024年2月期 第2四半期 |
2024年2月期 第3四半期 |
2024年2月期 第4四半期 |
サブスクリプション会員数の推移 (万人)(注) |
16.3 |
20.1 |
20.4 |
20.0 |
20.6 |
(注)期末(各四半期末)時点
卸販売においては、特にコンビニエンスストアとドラッグストアの実店舗での展開が順調に推移した結果、展開実店舗数は51,091店舗(前事業年度末は34,795店舗)へと拡大いたしました。一方、全国展開の結果、相対的に店舗あたり売上高の低い地方店舗数が前事業年度より増えていることや自主回収発表以降の一部の店舗での買い控えや受注減により、店舗当たりの売上高は軟調に推移いたしました。その結果、卸販売売上高は4,590,004千円となりました。なお、店舗数の推移は以下のとおりとなっております。
|
2023年2月期 |
2024年2月期 第1四半期 |
2024年2月期 第2四半期 |
2024年2月期 第3四半期 |
2024年2月期 第4四半期 |
店舗数の推移(店舗)(注) |
34,795 |
46,385 |
49,044 |
53,406 |
51,091 |
(注)期末(各四半期末)時点
他社ECにおいては、自主回収により一時的な在庫不足が懸念された商品を他の販売チャネルに優先して回したことにより、一部商品の販売数量を意図的に抑制いたしました。また同様の理由により、下半期に予定していた大型商戦への参加を見送りました。その結果、他社EC売上高は1,067,979千円になりました。
海外事業においては、前事業年度から販売を開始している香港に加え、2023年5月には中国、2024年1月には台湾及びシンガポールにも新たに進出し、今後の販売体制の土台作りを実現いたしました。香港に関しては、前事業年度から強化していた越境ECプラットフォームでのプロモーションに加え、2023年10月に公式ECサイトを開設し、サブスクリプション販売を開始いたしました。その結果、海外事業全体の売上高は前事業年度対比で約13.5倍に伸長し、134,868千円となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は14,874,087千円(前期比50.9%増)、営業損失は902,889千円(前事業年度の営業損失は970,985千円)、経常損失は891,024千円(前事業年度の経常損失は995,237千円)、当期純損失は856,016千円(前事業年度の当期純損失は1,008,413千円)となりました。
当社の報告セグメントは従来より「完全栄養食事業」の単一セグメントでしたが、当事業年度より報告セグメントに含まれない事業セグメントとして「その他」を追加しております。なお、当社の報告セグメントにおける「完全栄養食事業」の比率が極めて高く、上記の事業全体に係る記載内容と概ね同一と考えられるため、セグメントごとの記載は省略しております。
(注)1食(BASE PASTAは1袋、BASE BREADは2袋、BASE Cookiesは4袋、BASE FOOD Deliは1袋)で、栄養素等表示基準値に基づき、他の食事で過剰摂取が懸念される脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は3,276,764千円となり、前事業年度末に比べ333,012千円減少いたしました。これは主に、事業拡大に伴い売掛金が220,099千円、未収入金が79,586千円増加したことに加え、新規取引先との契約に係る保証金の差し入れ等により投資その他の資産が242,668千円増加した一方で、借入金の返済等により現金及び預金が865,679千円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は2,434,302千円となり、前事業年度末に比べ463,348千円増加いたしました。これは主に、事業拡大に伴い未払金が271,633千円、買掛金が99,974千円増加したことに加え、新たなポイントパックプランの提供開始に伴い契約負債が91,618千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は842,462千円となり、前事業年度末に比べ796,360千円減少いたしました。これは、新株予約権の行使により資本金が29,945千円、資本準備金が29,710千円増加した一方で、当期純損失の計上により利益剰余金が856,016千円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,430,928千円となり、前事業年度末に比べ865,679千円減少いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は665,900千円(前事業年度は732,916千円の使用)となりました。主な増加要因は、事業拡大に伴い未払金が263,238千円、仕入債務が99,974千円増加したことによるものであります。主な減少要因は、事業拡大に伴う売上債権の増加額220,099千円、オンライン広告等のプロモーション活動を積極的に行ったこと及び事業拡大を目的とした人員採用等による税引前当期純損失の計上894,279千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は229,435千円(前事業年度は265,404千円の使用)となりました。これは主に、自社倉庫の拡大に伴う敷金等の差入保証金の差入による支出169,099千円及び有形固定資産の取得による支出68,443千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は29,656千円(前事業年度は2,457,923千円の獲得)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入59,656千円及び長期借入金の返済による支出30,000千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社はファブレスメーカー(ファブレスは「Fabrication facility less」の略であり、工場を所有せずに製造業としての活動を行う企業のこと)であり、生産を行っておらず、該当事項はありませんので、記載を省略しております。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供する商品・サービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
前年同期比(%) |
完全栄養食事業(千円) |
14,874,054 |
50.9 |
報告セグメント計(千円) |
14,874,054 |
50.9 |
その他(千円) |
33 |
- |
合計(千円) |
14,874,087 |
50.9 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、株式会社ナシオの前事業年度については、当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。
相手先 |
前事業年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
当事業年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
伊藤忠商事株式会社 |
1,345,712 |
13.7 |
1,859,297 |
12.5 |
株式会社ナシオ |
- |
- |
1,677,276 |
11.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
(売上高)
当事業年度における売上高は14,874,087千円(前期比50.9%増)となりました。主な要因は、新商品及び商品のプロモーション活動を積極的に行った結果、自社ECでの定期購入者が順調に推移したことに加え、卸販売において、特にコンビニエンスストアやドラッグストアの販売店舗が拡大したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は7,476,255千円(前期比62.8%増)となりました。主な要因は、事業規模拡大に伴い商品の仕入が増加したこと及び自主回収による一次的な商品廃棄損の増加によるものであります。
この結果、売上総利益は7,397,831千円(前事業年度は5,266,093千円)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当事業年度における販売費及び一般管理費は8,300,721千円(前期比33.1%増)となりました。主な要因は、TVCMやオンライン広告等のプロモーション活動を積極的に行ったこと、事業拡大を目的とした採用活動を行ったことにより人件費が増加したこと及び事業規模拡大に伴い荷造り運賃が増加したことによるものであります。
この結果、営業損失は902,889千円(前事業年度は営業損失970,985千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当事業年度における営業外収益は57,918千円、営業外費用は46,053千円となりました。主な要因は、受取補填金とリコール関連費用によるものであります。
この結果、経常損失は891,024千円(前事業年度は経常損失995,237千円)となりました。
(特別損益、当期純損失)
当事業年度において、倉庫業効率化のための固定資産の除却による特別損失が3,255千円発生いたしました。また、法人税等合計に関しては38,262千円となりました。
この結果、当期純損失は856,016千円(前事業年度は当期純損失1,008,413千円)となりました。
③ 当社の経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであり、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与える恐れがあることを認識しております。
これらのリスク要因に対して、内外の経営環境及び事業環境に影響を及ぼす要因に留意しつつ、適時に情報を収集・分析する体制を整備し、リスクに対応可能な内部管理体制を構築するとともに必要な経営上の施策を実行することにより、経営成績に重要な影響を与える要因の発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。
なお、世界情勢による燃料や原材料価格の高騰や急激な為替変動により当社の仕入高に影響が生じております。原材料等を適正な価格で必要な量を確保するために、調達先の追加や、原材料の組み合わせや製造の効率化をさらに進めるなど総合的にその対応を検討しております。
④ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の事業活動における資金需要のうち主なものは、事業成長に係る資金(人件費、新商品開発及び既存商品に係る研究開発費用、販売費及び一般管理費等の営業費用)、マーケティング投資であります。これらの事業活動に必要な資金については、営業活動によるキャッシュ・フローでまかなうことを基本としておりますが、必要に応じて長期資金需要に対しては株式市場、短期資金需要に対しては金融機関からの調達を実施する予定であります。
また、資金の流動性については、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,430,928千円であり、それに加え、複数の取引銀行と当座貸越契約を締結し、資金調達手段を確保することにより、月次で商品の需要と供給によって変動する資金需要に対応し、流動性リスクをコントロールしております。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に対する経営者としての今後の方針・対策等
当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、売上高、売上高成長率、限界利益率を重要な経営指標としております。また、売上高を構成する要素の中でも、自社ECにおけるサブスクリプション会員数(定期購入者数)及び卸販売における卸業者を経由した展開店舗数について、主要な経営指標として考えております。
当社は研究開発活動を通じた新商品開発および商品改善を中心に当該指標を高めてまいります。新商品開発及び商品改善は、今まで購入経験のない潜在的な顧客へのアプローチを可能にし、継続的な商品購入を促し売上高の成長につながることに加えて、商品製造の効率化により原価改善を進めます。
2023年2月期第2四半期において、「BASE BREAD ミニ食パン・プレーン」、第4四半期には「BASE FOOD Deli」の発売開始による商品ラインナップの拡充や2023年2月期第3四半期の「BASE BREAD チョコレート」のリニューアル等を実施しております。これらの新商品発売及び商品改善はプロモーション機会の創出や、卸売店舗の拡大にも寄与しており、その結果2024年2月末時点でサブスクリプション会員数(定期購入者)は20.6万人(前事業年度末比26.4%増)、展開店舗数は51,091店舗(前事業年度末比46.8%増)と順調に推移いたしました。
現時点において、これらの当該指標は堅調に推移しているものと認識しておりますが、今後も商品ラインナップの拡充や顧客からのフィードバック、購買情報をもとに商品の開発・改善、マーケティングおよびサービスの改善を図りながら、更なる収益拡大に取り組んでまいります。
重視する経営指標の推移
|
2023年2月期 |
2024年2月期 |
売上高(千円) |
9,857,651 |
14,874,087 |
売上高成長率(%) |
77.8 |
50.9 |
売上高を構成する主要な経営指標
|
2023年2月期 |
2024年2月期 |
サブスクリプション会員数(万人) (注) |
16.3 |
20.6 |
展開店舗数(店舗)(注) |
34,795 |
51,091 |
(注)期末日時点