リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境について
当社グループは多品種の食品を取り扱っており、同業他社のみならず異業種との競争が益々激しくなっております。そのような環境の中、異常気象や高病原性鳥インフルエンザ、残留農薬等の食品の安全性・信頼性を揺るがす問題等により、売上高の減少に繋がり業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループにおける製品の販売先の大半が日本国内であることから、国内景気の悪化及び市場規模の縮小、主要販売先における販売の不振や商品政策の変更等による需要の後退、地震等の自然災害、火災等の人的災害の発生による生産能力の低下等により、業績に影響を与える可能性があります。
(2)原材料等購入価格の変動について
当社グループの主要な原材料は食用油(大豆、菜種等)・鶏卵・野菜であり、購入価格は内外の商品市場価格及び外国為替相場に大きく影響されます。市場価格の変動リスクのヘッジとしまして海外調達も含め産地分散、及び通年価格契約の実施等を行っておりますが、市場価格の変動が経営成績に影響を与える可能性があります。
食用油に関して、2023年度の大豆相場についてはブラジル産の豊作や、米国の順調な作付進捗により5月に下落しましたが、その後の作付面積の減少、北米が乾燥に見舞われたことから7月に急騰しました。その後天候の回復や米国の収穫進捗、南米の生育進捗により下落し、2024年1~3月期の国内油価は前年同時期に比べ若干下落した状況にあります。
また鶏卵に関しては、2022年度の高病原性鳥インフルエンザ発生以降、鶏卵の使用を控える動きが1年を通して続き需要回復には至りませんでした。また、2023年度の高病原性鳥インフルエンザの発生が限定的だったことも、結果として相場が下落した要因となりました。
このような事業環境に対し、当社では今後も原料市況を適切に見極め価格改定等の対策を検討してまいります。
(3)製品の安全性について
消費者の食品に対する安全性の関心が高まるなか、当社グループは原材料の品質、生産工程等を厳格に管理し、製品の品質や異物混入等には万全の注意を払っております。
万が一原材料や製造工程等に想定外の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
これに対する品質管理の取組みとして、食品安全マネジメントシステム(FSSC22000等)、食品安全規格(JFS-B)、試験所及び校正機関の能力に関するマネジメントシステム(ISO17025)の取得、トレーサビリティシステムの導入等を行い、制度とシステムの充実を推進することで、品質保証と品質管理への万全な体制を取っております。
(4)物流の外部委託について
当社グループの物流は、外部の専門企業に全面委託しております。委託先企業はそれぞれの条件に応じて複数存在しますが、その取引条件の変更や事故あるいは災害によるトラブル発生の場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、働き方改革法案によりドライバーの労働時間に上限が課されることで生じるいわゆる2024年度問題においては、物流費が増加するのみならず、物流そのものが滞る可能性があります。
(5)情報システムについて
当社グループでは、基幹系システムにより管理している生産・販売・物流・会計等の重要な情報を災害対策を施した外部データセンターに保管しております。あわせて、情報の紛失や改ざん等を防止するため、情報管理体制の徹底やシステム障害等に対する保守・保全等のセキュリティ対策を講じるとともに、サイバー攻撃に対しては、セキュリティ関連システムの導入や社員に対する教育・研修等を進めるなど、予防・検知・発生時対策を実施しております。
しかしながら、地震等の自然災害ないしサイバー攻撃などによるシステム障害やデータの喪失ないし外部への漏洩が生じた場合、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)金融情勢の変動について
当社グループの資金調達は、設備投資計画に基づき必要な資金を長期借入金及び割賦契約により行っております。金利変動リスクを回避するために固定レートによる調達を行っておりますが、金融情勢に大幅な変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響する可能性があります。
(7)固定資産の減損について
当社グループは、土地、建物、機械装置、投資有価証券等の様々な資産を所有しております。資産の新規取得にあたりましては、各関連部署が連携し投資効果、回収可能性を徹底的に検証・検討しており、職務権限規程に基づき決裁を受けております。また、継続して有効性の確認を行い、固定資産の保全と有効活用に努めております。
しかしながら、外部環境の急激な変化に伴い、時価の下落や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失を計上する可能性があり、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)労務について
当社グループは、正社員に加えてパートナー社員、アルバイト等も受注業務及び生産業務等に従事しており、勤務者の就業等に関する法律の改正等が行われた場合には費用が変動する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。
(9)中長期経営計画について
当社グループは、更なる飛躍を目指して中長期経営計画を策定いたしましたが、取引先の業況及び経済情勢などの事業環境に大幅な影響を与える変動が発生し、中長期経営計画策定時の前提と異なった場合は目標数値を達成できない可能性があります。
また、サステナビリティ方針に関しても、事業環境に大幅な影響を与える変動が発生し、中長期経営計画策定時の前提と異なったことにより目標数値等を達成できない場合には、取引先等関係者からの信用低下とともに、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)気候変動について
地球温暖化等による気候の変動は、原材料となる農作物等の調達に影響を及ぼすのみならず、生産設備の被害を甚大化させ、操業停止やサプライチェーンが寸断するなど生産調達活動そのものに多大な影響を及ぼし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおきましては、気候変動などの環境問題への対応をマテリアリティと捉え、その原因とされる温室効果ガス削減について、CO₂を2030年度までに2019年度対比原単位で50%削減する目標を掲げ、省エネ機器への切り替え等の取組みを進めております。
配当政策
3 【配当政策】
当社グループは、企業価値の向上を目指すとともに、株主の皆様に安定的な配当を維持・継続し、業績に応じて配当水準を高めることを基本方針としております。
また、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
当事業年度の配当金につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり30円(うち中間配当金10円)を実施することを決定しました。
今後は、安定的かつ会社業績に応じた株主への利益還元を柔軟に実施するためにDOE(株主資本
配当率)を、算出する際の基本的な考え方として進めてまいります。
なお、当社は、2022年6月28日開催の第65回定時株主総会において、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。
また、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
|
2023年11月13日 |
取締役会決議 |
161 |
10.00 |
2024年5月13日 |
取締役会決議 |
319 |
20.00 |