リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載内容及び将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
食品の安全性の 問題 |
食品業界におきましては、消費者の品質に対する要求は一段と高まってきております。社会全般にわたる一般的な品質問題等が発生した場合、又は当グループ固有の品質問題と直接関係がない場合であっても、風評などにより当グループの経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。 |
当社では、品質保証部を中心として「ポジティブリスト制」の対応とともに、残留農薬検査システム、遺伝子組み換え検査システム、製品履歴を管理する「フジッコトレースシステム」を早くから運用してまいりました。また、「安心・安全操業」を第一に製品事故の撲滅を目的とした「事故防止委員会」の設置など新・品質保証体制の強化に努めております。 有事の際には、危機管理委員会を開催し、「製品回収マニュアル」等に基づき、対応方針等について決定の上、ホームページ上に適宜情報開示を行います。 |
自然災害 |
当グループは、大規模な自然災害の発生により、生産一時休止、物流網の混乱等が生じて商品供給が滞り、業績や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。 |
大規模な災害発生の際には、直ちに対策本部を設置し、従業員の安否確認、生産・供給体制の整備を速やかに行います。また、当グループで災害発生による損害が発生した場合、いち早く事業を復旧するため、適宜、事業継続計画(BCP)に基づく訓練の実施、計画そのものの見直しを行っております。 |
原材料の調達及び 価格の変動 |
当グループの取扱製品の主原料である昆布、豆は、主に北海道等国内産のものを使用しておりますが、産地の天候等により生産量及び価格が変動し、当グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、当グループは、原材料の一部を海外から調達しており、中長期的な為替変動は、当グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。 |
主原料である昆布、豆は、在庫の備蓄により価格変動リスクを可能な限り抑えております。また、原料産地の複数確保、主産地との協働取り組み、将来を見据えた新たな原料開発等を進めております。為替変動リスクについては、為替予約を行う商社の活用や長期契約による購入価格の安定化に取り組み、リスク緩和に努めております。 |
製品や原材料等の配送 |
当グループは、全国の販売先にチルド便や常温便を使って製品を配送しており、また、原材料等の調達においても常温便やチルド便等を使用しております。これらの配送は、異常気象や交通事故等の要因による遅延や未着等のリスクがあります。また、2024年のドライバー不足等に起因する物流問題により、物流コストのさらなる上昇が予想されます。 |
当グループでは、これらのリスクに対応するため、一定の製品在庫を保有し、また、最適な配送ルートを探索するように努めております。物流費の高騰に対しては、物流ロジスティクスに関するSCM部が中心となって、積載効率の向上、共同配送、物流DX等の取り組みを進めております。 |
保有有価証券の 価格変動 |
当グループは、売買を目的とした有価証券は保有しておりませんが、取引関係の維持・強化を目的として主要取引先の株式を所有しております。 これらの有価証券のうち、市場価格のあるものについては、全て時価にて評価されており、著しい価格変動等があれば、当グループの業績や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。 |
保有有価証券については、取締役会において個別銘柄の継続保有の適否の検証を行っており、段階的に保有する銘柄数及び株式数の縮減を進めております。 |
法的規制などの影響 |
当グループは、事業活動を展開する上で様々な法的規制を受けております。 しかしながら、法的規制を遵守できない場合の事業活動の制限に加え、諸外国における輸出入規制をはじめ、法的規制の新たな強化などによる事業活動の制限の可能性があり、当グループの業績や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。 |
様々な法的規制について、各主管部門と法務や知財の担当部署が連携し、関連諸法規の遵守に万全の体制で臨んでおります。また、コンプライアンス委員会を設置し、日常の教育・研修の体系化に加え、コンプライアンスにかかる本部・事業別取り組み状況、不正行為等を共有の上、不正の兆候を確認し、重大な不正を未然に防止する機能を強化しております。 |
リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
情報漏洩・システム管理に関するリスク |
災害によってソフトウェアや機器が被災した場合のシステム作動不能や内部情報の消失、想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウイルス感染などによって、システム障害や情報漏洩、改ざんなどの被害を受ける可能性があります。このような事態が発生した場合、当グループの業績・財政状態や社会的信用に影響を及ぼすリスクがあります。 |
当グループは、販売促進キャンペーン、通信販売等により多数の個人情報をコンピュータにより管理しております。これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざん、システム上のトラブルなど、万一の場合に備えて適切な保守・保全の対策を講じております。また、システムダウンについては、コンピュータウイルス感染対策としてウイルスソフトの定期更新、ウイルスメール教育テストの実施、サーバー故障対策としてクラウド化による代替サーバーの設置、定期的なバックアップを講じております。 |
特定の販売チャネルへの依存 |
当グループの主要な販売チャネルはスーパーであります。直近の多様な流通チャネルの出現により、新興チャネルの台頭が進んだ場合、当グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。 |
当グループは、コンビニエンスストア、ドラッグストア、通信販売、業務用食材等の販売チャネルの拡大に取り組み、販売チャネルの分散化に注力しております。 また、人口減の進行による国内市場の縮小が予想され、海外市場の開拓を推進しております。 |
人手不足 |
当グループは、親会社における7つの工場と、生産機能を持つ2つの子会社で製品を製造しております。年々、工場作業員の確保に苦慮しており、人手不足からの時給単価の上昇に起因する人件費負担の増加が当グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。 |
当グループでは、従来、人が行っていた作業を機械に置き換える生産ラインの省人化を進めております。これまでは比較的単純な工程の省人化が中心でしたが、AIやロボットの技術革新により、複雑な作業も機械化できるようになりつつあり、今後はとくに人手がかかっている日配惣菜の計量ライン等でのロボット化を進めてまいります。 |
人権リスク |
原材料の調達から製品の製造、販売に至るまで、多くの人が関与しており、従業員や取引先等に対する人権の尊重が損なわれるようなことがあれば、企業としての社会的責任を果たせず、お客様をはじめとするステークホルダーからの信頼を失うリスクがあります。 |
当グループでは、従業員への人権の尊重、公正・適正な処遇をさらに推進するため、「フジッコグループ人権方針」を制定・開示し、「人権マネジメント推進委員会」を発足して人権デュー・デリジェンスを進めております。また、取引先との公正・適正な取引を継続するため、「フジッコグループ調達方針」並びに「フジッコグループサプライヤーガイドライン」を定め遵守しております。 |
新型ウイルス等の感染症の拡大 |
当グループは、新型ウイルス等の感染拡大により、生産一時停止、物流網の混乱等が生じて商品供給が滞り、業績や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。 |
平時より一人ひとりの基本的感染対策を行っております。発症までの期間が長い感染症の拡大や治療方法が確立されていない新型ウイルスが発生した場合には、直ちに対策本部を設置し、従業員の健康状態の確認とともに、従業員の安全を配慮した生産・供給体制の整備を速やかに行います。 |
気候変動の影響 |
地球温暖化に伴う気候変動が生態系や自然環境に影響を与え、社会にも多大な影響を及ぼしつつあります。当社商品の主原料は昆布や豆を始めとする農水産物であり、生産地で気候変動の影響による不作が生じた場合、販売機会損失等のリスクがあります。 |
当社は、計画的な購買や複数企業からの購買によって原材料等の安定的な調達に努めております。また、気候変動におけるリスクの特定、評価、対応等についてはリスクマネジメント委員会で検討しております。 |
配当政策
3【配当政策】
当グループは、収益性の向上と財務体質の強化に努め、着実に業績を向上させ、株主の皆様への利益還元を充実させていくことを最重要課題としております。当面の配当方針につきましては、安定配当として年間46円以上の継続的な配当を目標とし、株主の皆様のご期待に報いるよう努力してまいります。
当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めており、剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回を基本方針としております。また、2022年6月23日の定時株主総会において定款一部変更を決議し、剰余金の配当等の決定機関を取締役会と定めました。従いまして、当社の配当の決定機関は、中間配当、期末配当ともに取締役会であります。
当期の期末配当金につきましては、2024年5月13日開催の取締役会決議により1株につき23円とすることといたしました。すでに、2023年12月8日に実施済みの中間配当金1株当たり23円と合わせまして、年間配当金は46円、連結での配当性向は118.0%となります。
次期の年間配当金につきましては、当面の配当方針に基づき、当期と同額の1株につき年間46円(中間23円、期末23円)の普通配当を予定しております。
内部留保資金は、新たな成長に繋がる研究開発投資、設備投資等に充当いたします。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年10月31日 |
656 |
23.00 |
取締役会決議 |
||
2024年5月13日 |
656 |
23.00 |
取締役会決議 |
(注)1 2023年10月31日取締役会決議による配当金の総額には、「株式給付信託(J-ESOP)導入において設定した株式会社日本カストディ銀行(信託E口)」が保有する当社株式に対する配当金額1百万円が含まれております。
2 2024年5月13日取締役会決議による配当金の総額には、「株式給付信託(J-ESOP)導入において設定した株式会社日本カストディ銀行(信託E口)」が保有する当社株式に対する配当金額1百万円が含まれております。