リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループにおいて、リスクが生じた場合の損害規模等の大きさや近年の事業環境等の変化を踏まえて企図する成果が獲得できないリスクの発生頻度を分析しております。リスクが顕在化した場合の業績等への影響度は回復までに要すると見込まれる期間も考慮し「大」「中」「小」で分類し、過去にリスクが発生した頻度も勘案した将来の一定期間における発生可能性を「高」「中」「低」で分類し、それぞれ評価しております。
① 原材料等の価格高騰及び為替相場の変動(影響度:大 発生可能性:高)
当社グループは、レギュラーコーヒーの原料生豆を全量海外からの輸入により調達しており、当社の求める品質の原料を最適な価格で調達できるよう様々な手段を講じております。しかしながら原料生豆は国際相場商品であり、コーヒー生産国の政情、コーヒー産地の気候変動や病害虫被害、作柄等による生産量の減少等の要因による価格の高騰や為替相場の変動、また資源エネルギー価格上昇に伴う資材、物流費等の様々なコストが上昇した場合、売上原価が上昇するとともに価格転嫁の遅れにより売上総利益が減少する可能性があります。
② サプライチェーンリスク(影響度:大 発生可能性:中)
当社グループは、コーヒー原料生豆のすべて、またコーヒー製造に関わる各種資材の一部を海外からの輸入により調達しております。そのため、各国の政治・経済・社会情勢、自然災害、紛争等により、グローバルなサプライチェーンリスクにさらされています。当社グループはサプライチェーン全体を俯瞰的に捉え、現在、原材料の基準在庫の見直しやサプライヤーとの連携強化等の対策を講じておりますが、世界的な危機事情によっては、一部原材料、資材等の手配が困難となるなど、商品の販売が困難となり売上高が減少する可能性があります。
③ 消費市場の変化(影響度:大 発生可能性:中)
当社グループは、消費者ニーズの多様化、デジタル化等の市場環境の変化に応じた新たな商品やサービスの開発・提案に取り組むとともに、新規市場を開拓するため顧客にダイレクトに商品を提供するD2Cビジネスや海外ビジネスに注力しております。また、消費者の関心が高い商品包材使用量の削減や脱プラスチックへの取り組みにより、環境負荷の低減を推進しております。しかしながら変化への対応の遅れ等により消費者の要望や期待に応えられず、商品の販売価格の低下または販売数量の減少により、売上高が減少する可能性があります。環境負荷の低減に関する詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
④ 競合他社との競争激化(影響度:大 発生可能性:中)
当社グループは、人口減少等の影響によりマーケット全体の伸長が難しい環境の中、競合他社と価格やサービスを巡って競争が熾烈化しておりますが、付加価値を付与した商品やサービスの提供を通じ、適正な利益を確保するよう努めております。しかしながら競合他社との差別化、優位性の確保が難しい場合は、シェア拡大に向けた過当競争により、ブランド価値の毀損を招き売上高が減少する可能性があります。
⑤ 顧客情報及び情報システム(影響度:大 発生可能性:中)
当社グループは、より良いサービスを提供するために様々な顧客情報を保有し、主に情報システムで管理しております。情報の取得や活用、保管にあたっては、適正かつ安全な方法にて最大限の注意を払っております。しかしながら自然災害や機器の故障、不稼働、コンピューターウイルスの感染、不正アクセス等により、顧客情報を含めた内部機密情報の消失、漏洩、改ざん等が発生した場合は、ブランド価値の毀損を招き企業価値を著しく損ねる可能性があります。
⑥ 特定販売先への依存(影響度:大 発生可能性:中)
当社グループは、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)③」に記載のとおり、連結売上高との対比で高い割合を有する販売先があります。その販売先の経営施策や取引約定の変更等により販売額が大きく減少した場合や取引継続に支障が生じた場合は、売上高が著しく減少する可能性があります。
⑦ 固定資産の保有(影響度:大 発生可能性:中)
当社グループは、工場設備や店舗及び営業所等の事業用資産を所有しております。固定資産の収益性の低下により投資額が回収できない場合には、減損損失を計上する可能性があります。また、取引先との取引の安定的かつ継続的な維持・強化を目的に有価証券を保有しており、その他有価証券に分類されるものについて時価を有するものはすべて時価評価しているため、株式市場等における時価変動の影響を受け、評価損を計上する可能性があります。
⑧ 食の安全性(影響度:大 発生可能性:低)
当社グループは、近年、消費者の食の安全性に対する関心が一層高まっていることを受け、長年にわたり培った「品質第一主義」のもと、食品偽装を防ぐための厳格な監視体制を整備しており、高品質の商品を安全かつ衛生的に製造することで、お客様にご満足いただけるよう厳しい品質保証体制をとっておりますが、健康被害に関わる事故が発生した場合には、その事故の規模によってはブランド価値の毀損を招き企業価値を著しく損ねる可能性があります。
⑨ 気候変動(影響度:大 発生可能性:低)
当社グループは、地球温暖化による気候変動が「コーヒーの2050年問題」など農作物であるコーヒーへ様々な影響を及ぼすと想定しており、コーヒー生産者の支援やコーヒー製造過程におけるCO2削減等により、地球温暖化への対応を行ってまいります。しかしながら環境変化によるコーヒー栽培に適した土地の縮小が進み持続可能な収穫が困難となる場合には、商品の販売が困難となり売上高が減少する可能性があります。詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
⑩ 自然災害(影響度:大 発生可能性:低)
当社グループは、国内の各地に営業拠点並びに生産拠点を設置しており、不測の事態に備えた事業継続計画を策定する体制であります。しかしながら地震・台風等の自然災害が発生した場合、生産設備や棚卸資産等の損壊等により、事業継続が困難となる可能性があります。
⑪ コンプライアンス(影響度:大 発生可能性:低)
当社グループは、行動規範を定め、法令遵守のための研修等による周知、徹底を図るとともに、各業務プロセスにおいては「内部統制システムに関する基本方針」に基づき運営を行っております。しかしながら法令等の違反や社会的要請に反した行動が発生した場合には、ブランド価値の毀損を招き企業価値を著しく損ねる可能性があります。
⑫ 法的規制(影響度:大 発生可能性:低)
当社グループは、事業活動を遂行するにあたり、食品衛生法、製造物責任法、下請法等の様々な法的規制や、海外進出先においては各国の法的規制の適用を受けております。今後予期しない法令等の改正や新たな規制などにより事業活動が制限された場合、事業継続が困難となる可能性があります。
⑬ 海外事業(影響度:中 発生可能性:中)
当社グループは、インドネシアにおける農園事業、台湾におけるレギュラーコーヒー販売事業などを行っております。事業を展開する各国における政治、経済、社会情勢の変化などを予見、情報収集のうえ迅速な対応と意思決定によるマネジメントを遂行するよう努めております。しかしながらカントリーリスクによって事業継続が困難となる際は、海外事業からの撤退を余儀なくされる可能性があります。
⑭ 天候(影響度:中 発生可能性:中)
当社グループは、レギュラーコーヒーを中心とした事業を展開しており、これらの事業における製商品の売上は天候の影響を受けやすく、天候の変動等によっては、商品の販売価格の低下または販売数量の減少により、売上高が減少する可能性があります。
⑮ 人材確保と育成(影響度:中 発生可能性:中)
当社グループでは、設備投資や業務効率化等によって、労働生産性向上を図るとともに高度な専門性を有した人材を含め、必要とされる人員、人材の確保・育成に努めております。しかしながら国内における労働人口の減少や人件費の高騰により、必要な人材を確保出来ない場合は、事業継続が困難となる可能性があります。詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
⑯ 資金調達環境(影響度:中 発生可能性:中)
当社グループは、事業に必要な資金の一部を銀行借入によって調達しており、将来的にも資金需要に応じて金融機関からの借入等により資金調達を行う可能性があります。金利の上昇その他金融市場を取り巻く環境が悪化した場合には、金利負担が増加し、または適時に希望する条件での資金調達ができなくなることにより、経常利益が減少する可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、将来の事業展開と企業基盤の強化のために必要な内部留保の確保と株主の皆様への利益還元を両立すべく、安定した配当に努めることを基本方針としております。
当社は会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めており、中間配当と期末配当の年2回の配当を行うことを基本方針としております。これらの配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当については株主総会であります。
上記の基本方針に基づき、今後の業績見通し等を検討し、先行き予断を許さない状況にありますが、当期の期末配当金につきましては、1株当たり5円とさせていただきました。すでに実施済みの中間配当金1株当たり7円と合わせて年間配当金は1株当たり12円となりました。
内部留保資金につきましては、長期展望に立って企業体質の強化並びに設備投資等、将来の事業展開に役立てるよう充当していく予定であります。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
(注) 1.2023年10月30日取締役会決議に基づく配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金1百万円が含まれております。
2.2024年6月20日株主総会決議に基づく配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金1百万円が含まれております。