リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の事業等のリスク及び本項以外の記載事項を、慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクを完全に網羅するものではありませんので、その点ご注意ください。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 事業の許認可について
当社グループの人材派遣サービスは、労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)に基づく労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を受けています。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う事業主が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり、労働者派遣法もしくは職業安定法の規定またはこれらの規定に基づく命令処分に違反したりする場合には、事業の許可を取り消され、または事業の全部もしくは一部の停止を命じられる旨を定めております。本許可には有効期限があり、株式会社エスプールヒューマンソリューションズの労働者派遣事業許可の有効期限は2027年11月30日となっております。株式会社エスプールヒューマンソリューションズでは担当部署を配置して本許可の円滑な更新に努めるとともに、日々の業務における法令遵守のための社内フローの整備や、その遵守状況のチェック体制を整えて法令リスク管理に努めております。
本書提出日現在、本許可が取り消しとなる事由は発生しておりませんが、万一、将来何らかの理由により法令違反に該当し、労働者派遣事業の許可取り消しや当該業務の全部または一部の停止の命令を受けた場合や許可の有効期間満了後に許可が更新されない場合には、労働者派遣事業を営むことができず、当社グループの事業運営に重大な影響を与える可能性があります。
また、職業安定法に基づく有料職業紹介についても労働者派遣法と同様の取り扱いがあり、有料職業紹介事業者としての欠格事由に該当したり、当該許可の取消事由に該当したりした場合には、事業の許可を取り消され、または事業の全部もしくは一部の停止を命じられる旨を定めております。本許可には有効期限があり、株式会社エスプールヒューマンソリューションズの有料職業紹介事業許可の有効期限は2027年11月30日、株式会社エスプールプラスの有料職業紹介事業許可の有効期限は2026年4月30日となっております。当社グループでは、許可を取得している会社ごとに担当部署を配置して本許可の円滑な更新に努めるとともに、日々の業務における法令遵守のための社内フローの整備や、その遵守状況のチェック体制を整えて法令リスク管理に努めております。
本書提出日現在、本許可が取り消しとなる事由は発生しておりませんが、万一、将来何らかの理由により法令違反に該当し、事業許可取り消しや当該業務の全部または一部の停止の命令を受けた場合や許可の有効期間満了後に許可が更新されない場合には、有料職業紹介事業を営むことができず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 法的規制について
当社グループの行う事業に適用のある労働基準法、労働安全衛生法、労働者派遣法、職業安定法、労働者災害補償保険法、健康保険法及び厚生年金保険法、個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)その他関連法令は、労働市場を取り巻く社会情勢の変化に応じて今後も改正、解釈の変更等が想定されます。今後何らかの制度変更が行われた場合、当社グループが行う事業についても、影響を受ける可能性があります。
③ 社会保険・雇用保険について
当社グループは、業務実施にあたる派遣スタッフについて、健康保険法、厚生年金保険法の範囲内で当社グループにて定めた運用方針に基づき、契約形態及び勤務実績に応じて、社会保険(健康保険及び厚生年金保険)や雇用保険に加入させる取り扱いを行っております。
当社グループでは関係法令を遵守しておりますが、今後関係法令やその解釈の変更が行われた場合並びに所轄官庁の判断により指摘を受けた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、今後、関連法令の改正や社会情勢の変化等により、当社グループの社会保険負担額や雇用保険負担額が増加する可能性があり、この場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④ 障害者雇用促進法について
当社グループの提供する障がい者雇用支援サービスは、障がい者雇用に積極的に取り組む企業に向けて、雇用の各場面における課題解決を支援するソリューションを提供するものであります。当該サービスの需要は、障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)が規定する企業の障がい者の雇用義務に係る法定雇用率に一定の影響を受けます。障害者雇用促進法が規定する障がい者の雇用に関する法定雇用率は引き上げる方向で継続的に見直しがなされることとなっておりますが、今後の法改正によって雇用義務が緩和されたり、雇用義務そのものがなくなったりした場合には、当社グループの事業運営に重大な影響を与える可能性があります。
⑤ 障がい者雇用支援サービスのビジネスモデルについて
当社グループの提供する障がい者雇用支援サービスは、知的障がい者の就労機会の創出と経済的自立の支援を目指して当社グループが独自に開発したビジネスモデルであります。そのため、当社グループでは事業主管部門と法務部門が連携し、関連諸法規の遵守に万全の態勢で臨んでおりますが、法律の改正、新たな規制、行政指導等によって事業活動が制限される可能性があります。
また、当社グループでは社会課題の解決という高い理念のもとに、法令違反等が生じないよう細心の注意を払って事業活動を行っておりますが、競合他社の模倣等により何らかの理由で当社グループのビジネスモデルの評判が損なわれる可能性、または、当社グループに対する好ましくない風評が立つ可能性があります。
これらの場合には、計画どおりに事業運営を行うことができず、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
⑥ 障がい者雇用支援サービスの運営する農園について
当社グループの提供する障がい者雇用支援サービスにおいては、障がい者を雇用しようとする企業向けの貸農園を運営しております。農園には屋外型と屋内型の2種類があり、外注する工事の発注や進捗管理を担当する専門部署を配置すること等により設備の構築・保守には万全を期して運営しておりますが、台風や地震などの災害や、人為的なミス、事故、設備上の問題、または第三者による不法行為、その他運営上のトラブル等が発生した場合、これらに起因して農園の運営に支障が出る可能性があります。
その場合、信頼性や企業イメージが低下して顧客の維持・獲得が困難になり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、障がい者雇用支援サービスの成長のためには、運営する企業向け貸農園の新規開設が必要不可欠であります。しかしながら、社内外の要因により企業向け貸農園に適した土地や建物の確保が計画通りに進まない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 個人情報の管理について
当社グループは、事業を行う上で、派遣スタッフ等の個人情報を保有しており、基幹業務システムにて一括管理しております。そしてこれらの個人情報の取り扱いについては、個人情報の保護に関する規程を定め、万全の管理体制を施しており、個人情報保護法その他関連法令の遵守に努めております。また、不正アクセス、破壊及び改ざんに対して、基幹業務システムのセキュリティ投資を積極的に行い、厳正な対策を講じております。
また、当社グループの各事業に従事する社員や、派遣先のコールセンター等で就業する派遣スタッフは、顧客管理下の個人情報や営業機密に触れる機会があります。当社グループでは、顧客の営業機密管理及び漏洩防止のため、全ての社員・派遣スタッフに対して、採用時に守秘義務に関する誓約書を取り付けるほか、集合研修やオンライン研修を通じて定期的に教育・研修を行い、情報の取り扱いの重要性の啓蒙に努めております。
以上のような対策を講じても、個人情報の漏洩や不正使用などの事態が生じた場合、当社グループのイメージの悪化等により、当社グループの事業及び業績に重大な影響を与える可能性があります。
⑧ 新規事業及び新規サービスの立ち上げについて
当社グループでは、中期的な事業方針として環境変化に強い、バランスの取れたポートフォリオ経営の推進を掲げており、今後も環境の変化に応じて柔軟に新規事業や新規サービスを展開して行く所存です。新規事業や新規サービスの展開にあたっては、事前に環境分析や市場分析等を慎重に行ったうえで事業化することとしておりますが、事業着手後、必ずしも計画通りに進むとは限らず、また、予期せぬ事象の発生等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑨ 事業投資について
当社グループは、環境変化に対応するために、同業または関連する事業分野の企業または事業の買収や投資を積極的に検討・実行しております。企業買収や事業投資の際には、事前のデューデリジェンス等により経営状況や市場動向を調査した上で慎重に進めるとともに、当社グループに合流した後においても、既存の子会社と同様にグループ間の情報共有や既存営業網の共有等を通じて業績を向上させていくよう努めております。しかしながら、社内外の要因により必ずしも見込みどおりに進むとは限らず、買収資産の毀損や収益性の低下によって、のれんや固定資産の減損、関係会社株式評価損等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑩ 大規模な自然災害及び感染症等の影響について
当社グループは、全国に事業拠点を有しており、自然災害や新型感染症等が発生した場合、事業活動に支障が生じる可能性があります。新型コロナウイルス感染症に関しては重症化リスクの減少等によりその影響は軽減され、社会経済活動の正常化が進みましたが、今後新たに感染症等の流行が生じた場合、社会経済活動に与える影響の度合いによっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、障がい者雇用支援サービスにおいて運営する貸農園設備について、台風や地震、大雪や豪雨、竜巻等の自然災害による被害が生じ、長期にわたり農園の稼働が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑪ 情報システム障害について
当社グループでは、全国の事業拠点での運営を円滑に行うため、事業管理活動の多くをコンピュータシステム及びネットワーク網に依存しております。当社グループでは、コンピュータシステムの障害に備えるため、バックアップサーバーの設置を行っております。また地震等の災害に備えるため、外部のデータセンターに運営を委託しております。しかしながら、予期せぬトラブル等によりコンピュータシステムが停止した場合、あるいは、ネットワーク網に障害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、今後も情報システム投資を積極的に行い、コンピュータシステム及びネットワーク網の安定稼働強化を図っていく計画ですが、これらの投資が収益拡大に直結するとは限らず、投資に見合った利益を上げられない場合、投資資金を回収できない可能性もあります。
⑫ 人材の確保について
当社グループが今後も継続的に成長していくためには優秀な社員や派遣スタッフの確保・育成が重要な要素になります。採用活動においては独自の採用イベントやインターンシップの実施、複数キャリアコースの設定等様々な施策を導入し、派遣スタッフの募集においては募集拠点の増設やWEB面接システムの導入など、採用方法の多様化を推進しています。また、従業員の育成・定着のために階層別研修やジョブローテーションの実施、健康経営の推進等様々な施策を講じています。しかしながら、これら諸施策が十分な効果が得られずに、計画通りに人材の確保・育成が進まない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、継続的な企業価値の向上と、それを通じた株主還元に積極的に取り組んでまいります。株主の皆様への還元についての基本方針は以下のとおりであります。
①成長のための事業投資を最優先とします。
②事業投資のための内部留保を確保したうえで、資本効率や財務基盤の強化を勘案し、安定的、かつ、持続的に株主還元の向上に努めてまいります。
③具体的には、連結配当性向を30%以上とすることを目標といたします。なお、単年度においては、連結配当性向が60%を超えない限り減配はしないこととします。
内部留保資金につきましては、障がい者雇用支援サービス等の短期的に成長が見込める既存事業分野への投資と、中長期の環境変化に対応するための、既存事業を変革させる投資や新たな事業機会を獲得する新規事業投資に用いてまいりたいと考えております。
また、当社は、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年2月28日 |
790 |
10.0 |
定時株主総会決議 |