2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,806名(単体) 2,806名(連結)
  • 平均年齢
    29.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    3.7年(単体)
  • 平均年収
    4,815,070円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

2024年3月31日現在

 

従業員数(名)

2,806(62)名

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均雇用人数を外数で記載しております。

2.当社グループはネットビジネス支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

3.従業員数が前連結会計年度末に比べ532名増加したのは、事業拡大によるものであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与

2,806

(62)名

29.7歳

3.7年

4,815,070円

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均雇用人数を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

3.従業員数が前事業年度末に比較して増加したのは、事業拡大によるものであります。

 

(3)労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

31.6

64.3

87.4

88.4

167.3

(注)3

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「労働者の男女の賃金の差異」について、賃金制度や体系において性別による差異はありません。男女の賃金の差異は、女性の管理職割合が男性に比べて低いことや、時短勤務者のほとんどを女性が占めていることによるものであります。当社グループにおける人材の多様性や指標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 〇人的資本(2)戦略 (4)指標及び目標」に記載しております。

4.当社連結子会社(1社)は、常用労働者が存在しないため記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社は、ミッション経営を推進しており、自社の社会における存在意義を「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」と定義しています。さらに2030年の目指す姿として「VISION2030“日本中のクリエイターの力で、気候変動、人口減少を中心とした社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする”」を掲げ、以下の2つの社会課題に着目しております。

 

・地球温暖化および気候変動による環境変化

・人口減少による年金医療制度破綻、地方衰退による自治体の消滅/財政破綻

 

 人々や企業が自己利益の追求のみではなく将来への希望や社会への参加意識を持ち、持続可能なより良い未来のために共に協力しあう心豊かな社会の実現に取り組みます。

 

〇共通

(1)ガバナンス

イ.基本的な考え方

当社グループは、ミッションである「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」の実現に向け、すべてのステークホルダーに配慮した経営を行うとともに、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、継続的なコーポレート・ガバナンスの強化に努めております。

 

<機関設計>

① 当社は、意思決定の迅速化、経営の透明性と客観性の向上、監査・監督機能の強化に向け、コーポレート・ガバナンス体制を一層強化するため、監査等委員会設置会社の体制を採用し、任意の機関として指名・報酬委員会、グループ経営会議、リスク・コンプライアンス委員会、サステナビリティ推進委員会を設置しています。

② 当社は、代表取締役直轄の内部監査部門を設置し、業務活動における生産性向上や適正性の確保・法令遵守等の観点から、業務執行状況の監査を実施し、内部統制部門と連携の上、内部統制の改善指導及び実施の支援を行います。

③ 当社は、独立性の高い社外取締役を選任し、原則として監査等委員にも任命することにより監督機能を強化し、企業価値をより向上させ、業務執行機能の適正性を確保しております。

④ 監査等委員会は、内部監査部門と綿密に連携し、監査の実効性を高めます。

 

なお、提出日現在の当社の人的資本を含むサステナビリティに関する経営意思決定および監督に係る主な経営管理機関は以下のとおりです。

 

 

ロ.会議体および役割

<取締役会の体制および監督状況>

 当社の取締役会は、取締役7名から構成されており、定時の取締役会を毎月開催するほか、必要に応じて臨時で開催し、経営に関する重要事項の協議決定、業務執行の監督を行っております。取締役会議長は、定款の定めに従い、取締役会が定めた取締役が務めます。

 また、当社の取締役会は、経営指針である『超会社』コンセプトに基づき、ミッションの実現に向けて、次に掲げる役割を担います。

・経営の基本方針である『Members Story』およびそれに基づく中期的な経営戦略を決定し、社内外に示すこと

・グループ経営会議やグループ経営を管掌する執行役員(以下「グループ執行役員」という。)が適切なリスクテイクができる環境を整備すること

・グループ経営会議やグループ執行役員の業務執行の監督を行うこと

 

 併せて、以下の事項に関する決定又はモニタリングを行います。

・株主総会に関する事項

・決算等に関する事項

・役員に関する事項

・経営計画に関する事項

・内部統制に関する事項

・サステナビリティに関する事項

・特に重要な業務執行の決定及び執行状況に関する事項

 なお、意思決定の迅速化のため、取締役会で決議した経営の基本方針『Members Story』に基づく業務執行については監査等委員以外の取締役及びグループ経営会議への権限委譲を進め、取締役会はその業務執行を監督します。加えてコーポレート・ガバナンスの維持向上及び経営の健全性の観点から重要な責務のひとつとして、取締役会は、代表取締役社長の後継者の計画について適切に監督を行います。

 

取締役会

経営の基本方針『Members Story』に基づき協議・承認された、人的資本や気候変動課題を含む環境課題に関する取組施策の進捗を監督するほか、戦略・リスク管理・年間予算・事業計画の審議と指導、及び主要な資本支出・買収・売却を監督します。

また、少なくとも年に1回気候変動に関係する議題を取り扱います。

グループ経営会議

当社のグループ経営会議は、ミッションの実現に向け取締役会が決定した基本方針及び『Members Story』に則り、取締役会より委譲された権限に基づき、業務を執行します。原則として定時で毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時グループ経営会議を開催し、グループ経営会議規程に基づき、人的資本や環境課題に対する具体的な取り組み施策を含む経営に関する重要事項の協議決定(取締役会決議事項を除く)、取締役会に上申する議題の細部の検討を行っております。

リスク・コンプライアンス委員会

管理部門担当取締役を委員長としたリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。メンバーはグループ執行役員によって構成されており、常勤監査等委員である取締役がオブザーバーとして参加します。

環境課題、人権問題を含むリスク管理及びコンプライアンスに関する重点課題の策定及び目標達成に向けた課題について、四半期に1回以上協議、決定を行い、適宜取締役会に報告します。

サステナビリティ

推進委員会

サステナビリティ担当取締役を委員長としたサステナビリティ推進委員会を設置しております。メンバーはグループ執行役員によって構成されており、常勤監査等委員である取締役がオブザーバーとして参加します。

気候関連リスクと機会の評価及び管理や目標達成に向けた対応について、協議、決定を行い、少なくとも年に1回取締役会に報告します。

 

 詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご覧ください。

 

 

〇人的資本

(1)ガバナンス

 詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 〇共通 (1) ガバナンス」をご覧ください。

 

(2)戦略

 当社のビジネスモデルは、デジタルクリエイターによる労働集約型のプロフェッショナルサービスを主体としているため、当社の成長ドライバーは人的資本の拡充となります。具体的には、デジタルクリエイターを育成・輩出することとその稼働率を最大限に高めることであり、そのために採用者数を増やし、営業体制を強化するとともに、従来のWebサイト運用に加えて、より高度な専門領域を拡大させるべく、強力に投資を実行してまいりました。

 しかしながら、2024年3月期においては、グループ全体で新卒中途問わず採用先行の売上成長を重視したマネジメントにより、グループ全体のデジタルクリエイターの稼働率が低下し、収益性が大幅に悪化しました。

 2025年3月期以降は、新卒をメインとした採用を抑制し、収益性の回復に最優先に取り組むことで、先行投資型のマネジメントから利益重視マネジメントへと転換いたします。

 採用と稼働のバランスをとることで、2026年3月期には営業利益率5%の達成を、2027年3月期には営業利益率10%の達成を目指します。

 

 当社の人的資本戦略は単なるリソース戦略ではなく、経営戦略の根幹であり、CSV経営の実践でもあります。具体的には、「人的資本」と「組織資本」を最大化させることで、真の「クリエイターが最も成長し活躍する会社」となり、事業戦略を遂行し、DX現場支援ナンバー1のポジションを獲得、高成長、高収益の事業を確立します。人的資本を最大化させるべく育成戦略および採用戦略を推進することで、高単価かつ高稼働率を実現する専門職種人材を増やし、クリエイターの価値向上につなげ、結果としてクリエイターの基準年収を引き上げることを目指します。並行して、組織資本を最大化させるべく、一人ひとりが自律した多種多様なクリエイターが集まる組織の価値を高めることで、より集団としてのシナジーをも高め、グループとしてのエンゲージメントの向上を図ります。そこにクリエイター一人ひとりの価値が加わることで、相乗効果となり企業の人的価値も高めてまいります。

 

 

 

人的資本ストーリー

対応する指標

1.人的資本の最大化

 

 当社の人的資本とは、当社の社員、人材そのものであり、当社の競争力の源泉であるとともに、経営指針の重要な一項目かつ長期ビジョンの要となっています。当社の社員が、デジタルクリエイターとしてスキルを高め、顧客企業に求められ、価値を提供することで、当社の事業が成長、事業体として拡大し、ミッションやビジョンの実現に近づいてまいります。そのためには、デジタルクリエイターの数、クリエイター一人あたりの単価、顧客企業へ価値を提供するための稼働率を最大化させる必要があります。中期的には育成のための投資は惜しまず実行し、高稼働率を目指します。なお、当社の人的資本の価値として以下の計算式のとおり明示することが可能です。

 人的資本額=デジタルクリエイターの数 × 単価 × 稼働率

1-ⅰ.育成方針

 ミッション・ビジョンを実現させるためには、自律的かつ協働して業務を遂行し、業務を通じて社会課題の解決を図ろうとするクリエイター志向性の高い人材が必要です。評価制度への組み入れや、全社員が参加するミッション・ビジョン研修への参加を通じて、ミッション・ビジョンの実現をリードできる人材を育成してまいります。

 また、事業戦略を遂行するために、デジタルクリエイターとしての価値も向上させるべく、クリエイターの専門性の向上、カスタマーサクセスを追求するプロデューサー人材およびPMO人材輩出により、一人あたりの売上単価向上を目指してまいります。具体的には、2年目以降の若手社員の専門スキルを育成し、高度な案件や専門スキルが必要とされる案件を担わせていきます。専門スキルとは、データ分析やUXデザイン、SaaS(※1)開発・導入、AI導入・活用支援など、従来のWebサイト運用以外の専門性の高い領域のスキルであり、当社では、これらに特化した社内カンパニーを専門カンパニーと称し、数多く設立しています。また、カスタマーサクセスを追求するプロデューサー人材は若手社員を積極的に登用するとともに、顧客企業のDX投資効果最大化の実現に貢献するべくプロジェクト全体のマネジメントを支援するPMO(※2)人材を2025年3月期から積極的に輩出してまいります。

 中長期的には、社会に有用なデジタル人材を多数育成・輩出する方針に変更はなく、収益性の改善の後、新卒・中途採用・育成モデルを継続し高収益・高成長を持続的に維持する方針としております。

当社グループは引き続き専門スキル育成等への人材投資を通じて、顧客への価値創造の源泉であるデジタルクリエイターのスキルの向上ならびに社員エンゲージメントの向上等、人的資本の拡充に取組み、顧客企業へのDX支援を通じ、顧客と共に社会変革をリードすることを目指してまいります。

 

(※1)SaaS(「サース」または「サーズ」:Software as a Service)とは、インターネットなどのネットワーク経由でソフトウェアの機能を提供するクラウドサービスの一種。必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア(主にアプリケーションソフトウェア)もしくはその提供形態のこと。

(※2)PMO(Project Management Office)とは、企業や各組織のプロジェクトを円滑に進めるために、部署の枠をこえて横断的にプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制を指す。プロジェクトを統括し、様々な意思決定を担う立場であるPM(Project Manager)に対し、PMOはPMが円滑に意思決定できるよう情報収集や関係各所との調整を行い、PMのプロジェクトマネジメントを支援する立場。

<短期的な指標>

a.売上全体に占めるWeb運用以外の領域の比率

b.PMO人材

c.一人あたり売上単価

 

<中長期的な指標>

d.ミッション・ビジョン研修受講率

a.売上全体に占めるWeb運用以外の領域の比率

e.専門特化型カンパニー数

b.PMO人材

c.一人あたり売上単価

 

 

 

人的資本ストーリー

対応する指標

 

1-ⅱ.採用方針

 当社ではコアバリューである「貢献」「挑戦」「誠実」「仲間」があらゆる活動の根幹となっており、ミッションやビジョン、経営指針もそれに則ったものです。従ってこのコアバリューやミッション・ビジョンに対する共感度が最も重要な採用基準となります。加えて、変化の激しい当社が属する業界(以下、当業界という。)において継続的に学び続ける学習意欲や、変化に率先して対応する、もしくは自ら変化を起こしていく変革リーダーシップを重視します。これは新卒・中途どちらの採用においても同様であり、スキル・経験があってもコアバリューがマッチしていなければ、長期の就業は見込めず、結果的には高いパフォーマンスが発揮できないと考えられるためであります。当業界においては、たとえ未経験であっても、継続的な学習意欲を持った人材が長期的に就業することの方が結果的には高いパフォーマンスにつながると考えます。

 当社は、デジタル人材が不足する未来を見据え、新卒採用に注力することで採用した人材をデジタルクリエイターとして育成し、顧客企業へのご支援のみならず、世の中に不足する人材を輩出してまいりました。その結果、総社員数に対する新卒社員の割合が増加したことに伴う収益性の悪化により、短期的に採用を抑制し、既存社員の稼働率の向上に最注力する方針としております。

 しかしながら、中長期的には社会に有用なデジタル人材を輩出する方針に変更はなく、人材ポートフォリオおよび収益性の改善の後、新卒、中途採用とともに採用・育成モデルを継続し、高収益の基盤を構築することで、高成長を持続的に維持する方針としております。

 また、新卒採用に加えて中途採用においても、コアバリューおよびミッションを強く訴求することで、他社との差別化を図り、これに共感する人材の獲得が可能になると考えております。

<短期的な指標>

c.一人あたり売上単価

f.稼働率

 

<中長期的な指標>

g.社員(デジタルクリエイター)数

h.離職率

1-iii.人的資本の投資

 育成と採用によりスキルの高いデジタルクリエイターの数を増やすだけでなく、営業への投資も積極的に実行し、案件獲得も並行して強力に推進することで、クリエイター一人あたりの単価や稼働率を向上させます。育成への投資は付加価値売上高の2%と投資枠を設け実行いたします。

 また、2025年3月期より専門カンパニーを含むグループ全体を4事業領域に分け、事業ごとのクロスセルを推進するとともに、顧客企業毎のアカウントマネジメントを向上させることで、当社のサービス力を強化します。具体的には、一人あたり売上単価、PMO人材を含む認定専門スキルの獲得数、若手管理職者数、稼働率の向上を目指してまいります。

b.PMO人材

c.一人あたり売上単価

i.教育投資額

f.稼働率

 

 

 

人的資本ストーリー

対応する指標

2.組織資本の最大化

 

 人的資本の価値を向上させるためには、人的資本の最大化のみならず、人材が置かれる環境、すなわち、組織資本の最大化が必須であると考えております。具体的には、当社は、自律分散協働型の組織であり、かつ、多様なデジタルクリエイターが集まるプラットフォームとして組織を強化いたします。自律分散協働型の組織とは、分散して存在する個々人が自律的に行動し、協働的に相互作用しながら一つの組織として成り立つ体制であり、これにより個々人のコミットメントや責任感、主体性や創造性が高まりやすくなるものと捉えています。当社は、一人ひとりの社員が自律的に考え行動しつつ、ともにミッションビジョンの実現を目指す組織の実現を目指します。

 また、多様な人材が集まることで、集団としてのシナジーも最大化させ、一人では成しえることができない『DX支援ナンバー1』と『CSVのリーディングカンパニー』を実現させます。

2-i.自律分散協働型組織の実現

 一人ひとりの社員が自律的に考え行動するための権限委譲を推進し、小さい組織単位での意思決定が可能な組織を目指します。当社は高付加価値な専門領域を拡大するための社内カンパニーの社長を社長公募制度により募ります。設立したカンパニーは一つの会社とみなされ、カンパニー社長は運営に十分な権限を移譲されています。また、当社ミッションに共感する社員が積極的かつ主体的に、自身にできることを考え行動し、経営に参画することを「全員参加型経営」と称し、2023年4月に策定を発表した新行動指針も用いて自律分散協働型の組織力を向上させます。全員参加型経営を体現するべく、当社では社員が当社株式を保有することも推奨しております。

<中長期的な指標>

e.専門特化型カンパニー数

j.従業員持株会加入率

 

2-ii. 多様性の確保

 当社は、多様性を確保するべく、社内環境を整備しております。具体的には、男女ともに長く働きやすい働き方として、子育て社員への勤務時間の短縮や有給の看護休暇などの制度を設けています。また、国籍や性別を問わず採用や評価を実施しており、障がい者雇用も積極的に推進しています。働き方も、自律した社員であれば、リモートワークや地方での勤務も可能であり、社員の移住を支援する制度も設けています。

<中長期的な指標>

k.地方勤務社員

l.女性社員比率

m.男性育児休業取得率

n.女性管理職比率

 

2-iii. 組織資本への投資

 自律した社員の働きやすさを追求し、社員一人ひとりのキャリアの充実化にむけた社内異動制度やカンパニー社長の公募制度なども整備しており、社員がチャレンジできる環境を整えております。これにより、社員エンゲージメント、離職率、女性管理職比率、男性育児休業取得率、従業員持株会加入率(エンゲージメントを高めるために経営に参画)、といった複数の指標から、組織資本の最大化が十分に進捗しているか確認していきます。これらの指標が改善することで、グループとしてのエンゲージメントが高まり、デジタルクリエイターの価値が掛け合わされることで、当社の人的資本価値は向上すると考えています。

 また、社員エンゲージメントスコアを活用し、当社の人的資本の拡充のための定点観測を行うことで、中長期的な成長基盤を確立し当社グループの継続的な成長に繋げてまいります。

<中長期的な指標>

o.社員エンゲージメントスコア

h.離職率

n.女性管理職比率

m.男性育児休業取得率

j.従業員持株会加入率

 

3.より高度な全員参加型経営の実践

 

 人的資本と組織資本の最大化により、企業価値を向上させると同時に、自律分散協働型の組織風土を作ることで、全員参加型経営をよりバージョンアップさせることを目指します。全員参加型経営とは、ミッションに共鳴する社員が積極的かつ主体的に、自身にできることを考え行動し、経営に参画することであり、まさに自律分散協働型の組織により実現が可能なものです。2023年4月から新たな取組みとして、評価制度の変更、社員のエンゲージメントスコア向上に向けた活動、新行動指針の浸透活動などを通して、社員が受け身姿勢ではなく、自らスキル向上や稼働率向上、顧客企業のビジネス成果の向上やCSV普及に取り組む姿勢を持つ、自律型の個人を育成し、自律分散かつチーム協働型の組織風土を作っていきます。

 

 

(3)リスク管理

 リスク・コンプライアンス全般を検討する横断的な組織としてリスク・コンプライアンス委員会を設置し、全社的なリスク管理を行っています。

 

・リスク・コンプライアンス委員会

管理部門担当取締役を委員長とし、委員会メンバーはグループ執行役員によって構成されております。常勤監査等委員である取締役がオブザーバーとして参加します。リスク管理及びコンプライアンスに関する重点課題の策定及び目標達成に向けた課題について、四半期に1回以上協議、決定を行い、適宜取締役会に報告します。取締役会は、リスク・コンプライアンス委員会から全社リスク管理の状況と対応について報告を受け、監督を行います。

 

リスク・コンプライアンスに関する事項を所管する、コーポレート・ガバナンス室が、社内の関係部署の協力を仰ぎながらリスクと機会の特定を主導し、状況の把握を行います。さらに、適切な対応を検討して少なくとも年に1回以上リスク・コンプライアンス委員会に報告・提言します。

 

リスク管理プロセス

担当する会議体

リスク評価の範囲

当社グループ

リスクの識別・評価

・絞り込み

グループ経営会議

リスク・コンプライアンス委員会(経営リスク、人権リスクを含んだ人的資本リスク)

リスク対応

各本部

モニタリング・報告

グループ経営会議

リスク・コンプライアンス委員会(経営リスク、人権リスクを含んだ人的資本リスク)

 

・人権リスクへの対応

 人権の尊重とハラスメント防止に向けた取組みとして社内および社外取引先を対象とした内部通報制度を運用しています。内部通報内容は人権への負の影響の抽出・特定を行い、リスク・コンプライアンス委員会にて審議を行い、審議内容は適宜取締役会に報告します。

 また、人権デュー・デリジェンスの仕組みを構築し、当社グループのステークホルダーに与える人権への負の影響を抽出・特定し、その防止および軽減を図ります。

 

(4)指標及び目標

 当社グループは、上記において記載した当社の成長ドライバーである人的資本の拡充について、1.人的資本の最大化、2.組織資本の最大化、3.より高度な全員参加型経営の実践について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は、次のとおりであります。

指 標

目標

実績(当連結会計年度)

a.売上全体に占めるWeb運用以外の領域の比率

2030年 80.0%

37.7%

b.PMO(注2)人材

2027年3月期 385名

67名

c.一人あたり売上単価

毎年向上

2024年3月期第4四半期

(1月~3月)

882,004円

d.ミッション・ビジョン研修受講率

100.0%

96.5%

e.専門特化型カンパニー数

事業領域ごとに
拡大に伴い新規設立

19カンパニー

f.社員稼働率

90.0%

連結(新卒を除く)累計 82.8%

g.社員数

社員数 (時期未定) 10,000人

社員数 2,806人

デジタルクリエイター数 2,482人

h.離職率

2030年 5.0%

9.1%

i.教育投資額

人材育成投資

毎期、連結付加価値売上高

(注3)の2%

連結付加価値売上高の2.3%

j.従業員持株会加入率

100.0%

55.4%

k.地方勤務社員

50.0%

19.1%

l.女性社員比率

51.0%

46.5%

m.男性育児休業取得率

30.0%

64.3%

n.女性管理職比率

30.0%

31.6%

o.社員エンゲージメントスコア

毎年向上

3.52

 

 

(注)1.上記指標に対する進捗は一部非財務指標に掲載しており、四半期ごとに更新しております。https://www.members.co.jp/ir/performance/

2.PMO(Project Management Office)とは、企業や各組織のプロジェクトを円滑に進めるために、部署の枠をこえて横断的にプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制を指し、プロジェクトを統括し、様々な意思決定を担う立場であるPM(Project Manager)に対し、PMOはPMが円滑に意思決定できるよう情報収集や関係各所との調整を行い、PMのプロジェクトマネジメントを支援する立場となります。

3.付加価値売上高とは売上収益から外注・仕入を差し引いた社内リソースによる売上高となります。

 

・人的資本の投資管理における指標と目標(持続的な成長のための事業投資)

 サービス産業である当社グループにとって、研究開発とは事業投資やサービス開発投資であり、高収益・高成長を持続的に維持するためには当該領域への投資が不可欠であると認識しております。当社グループでは持続的な成長に向けて、サービスの向上・開発に向けた継続的なサービス開発投資、新規事業開発を進めるための投資枠、経費枠の指標を次のとおり設けております。

項 目

内 訳

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

指 標

付加価値売上高に

占める割合

事業開発

投資

サービス開発投資

新規事業開発投資

生産性向上投資

DGT推進

329百万円

事業開発投資+人材育成投資

毎期、連結付加価値売上高の3.5%~5%

4.0%

(うち人材育成投資2.3%)

人材育成

投資

教育研修費

教育研修部門

総経費

435百万円

 

・人権の尊重

 人権の尊重に関する目標および実績は、次のとおりであります。

当社グループの取組み

人権基本方針の策定、組織体制の確立、公開

内部通報制度の運用

内部通報制度の外部取引先への拡大

人権デュー・デリジェンスのプロセスの設定・導入

2025年3月期目標

人権デュー・デリジェンスの運用開始

 

〇環境(脱炭素、持続可能な社会への取組み)

 当社では、2030年の目指す姿を示した「VISION2030」において、最も重要な社会課題の1つに「地球温暖化および気候変動による環境変化」を挙げております。

 国際社会において気候変動問題は、早急な解決が求められる重要な社会課題と認識されており、世界全体で脱炭素化に向けた取組みが進められています。日本においても、ESG投資の加速や炭素税の本格的な導入が議論されるなど、気候変動問題が企業経営にもたらす影響は一層増大し、マーケティング活動を含めた企業のビジネスそのものも脱炭素型・社会課題解決型へ変容していくことが予想されます。

 

イ.環境方針、環境宣言

 当社は、ミッション経営を推進しており、自社の社会における存在意義を「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」と定義しています。さらに2030年の目指す姿として「VISION2030」を掲げ、その中で従来型のマーケティング活動がもたらしたとも言える社会課題「地球温暖化および気候変動による環境変化」に着目し、解決に取り組むことを宣言しています。従来型マーケティングを変革し、循環型経済モデルへと転換することで、人々の幸せ・環境・社会と調和した脱炭素型で持続可能な経済モデル、ライフスタイルへの変革を通じ、世界の人々に心の豊かさを広げ、社会をより良くすることに貢献することを目指しています。

 

 当社は存在意義・社会的使命を示す「ミッション」を下記のとおり定款に明記し、ステークホルダーに対して表明しています。

 

・定款第2条 ミッション

「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」

メンバーズはマーケティングの基本概念を「人の心を動かすもの」と捉えており、インターネット/デジタルテクノロジーは「企業と人々のエンゲージメントを高めるもの」と考えている。メンバーズは企業と人々の自発的貢献意欲を持って組織活動に参加する“MEMBERSHIP”による協力関係づくりを支援し、マーケティングの在り方・企業活動の在り方を「社会をより良くするもの」へと転換する。そして気候変動・人口減少等の現代の社会課題に取組み、自社のみならず取引先、生活者と共に、人々の幸せや環境・社会と調和した脱炭素型で持続可能な経済モデル、ライフスタイルへと変革することで、世界の人々に心の豊かさを広げ、社会をより良くすることに貢献する。

 

ロ.環境行動指針

1.マーケティングの在り方・企業活動の在り方を変革する

当社は企業と人々の自発的貢献意欲を持って組織活動に参加する“MEMBERSHIP”による協力関係づくりを支援し、マーケティングの在り方・企業活動の在り方を「社会をより良くするもの」へと転換する。

2.事業活動を通じて社会課題に取組み、脱炭素社会を実現する

気候変動・人口減少等の現代の社会課題に取組み、自社のみならず取引先、生活者と共に、人々の幸せや環境・社会と調和した脱炭素型で持続可能な経済モデル、ライフスタイルへと変革することで、世界の人々に心の豊かさを広げ、社会をより良くすることに貢献する。全人類の最大の課題である気候変動問題と、少子高齢化に伴う年金医療費問題、地方衰退による財政破綻問題に重点的に取り組む。温暖化が後戻りできないほど悪化しないよう排出するCO2を2030年までに半減させ、女性活躍や年齢問わず永く働ける環境づくり、地方雇用創出などに貢献できるよう具体的に行動する。

3.脱炭素DXの推進

DXの推進により業務プロセス・企業と顧客の関係性・ビジネスモデルを変革しつつ、脱炭素化を実現する。

4.環境保全活動

国際的環境規制ならびに国、地方自治体などの環境規制を遵守するにとどまらず、自社使用電力を100%の再生可能エネルギーとし、必要に応じて自主基準を策定して環境の保全に努める。

5.継続的な改善

環境におけるマネジメントシステム、各種制度を整備し、環境目的・環境目標を設定して、継続的な改善活動を実施する。

6.環境教育の推進

社員に対し環境に関する法令遵守、環境への意識向上、幅広い観点からの環境保全活動について教育する。

7.情報公開

本指針の内容および当社の環境に関する情報等、各ステークホルダーへの情報開示と積極的なコミュニケーションにより、相互理解と協力関係の強化に努める。

 

ハ.TCFD提言に沿った情報開示

 当社グループは2021年4月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、シナリオ分析等を行い、当社ウェブサイトにおいて関連する情報について開示いたしました。

https://www.members.co.jp/sustainability/tcfd/

 

・TCFD提言が推奨する開示項目における情報開示

TCFD提言が推奨する4つの開示項目①ガバナンス②戦略③リスク管理④指標と目標と、項目毎の具体的な開示内容に基づき、当社グループは、気候関連情報を開示しています。

 

(1)ガバナンス

<環境マネジメントシステム>

当社は環境に配慮した企業活動を推進し、その中で従来型のマーケティング活動がもたらしたとも言える社会課題「地球温暖化および気候変動による環境変化」に着目し、解決に取り組むため、環境行動指針を定め、環境マネジメントシステムおよび管理体制を構築しています。

 

当社は環境マネジメントシステムの推進にあたり、環境保全の状況を毎年度分析・評価することにより、取組みを持続的・効果的に実施します。

 

<体制>

環境マネジメント体制構築のため、環境に関する事柄全般を検討する横断的な組織としてサステナビリティ推進委員会を設置し、全社的な環境保全活動を推進しています。

 

 

・環境マネジメント体制図

 

 詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 〇共通(1)ガバナンス」をご覧ください。

 

(2)戦略

 当社はTCFD提言に基づき、全社を対象として気候変動リスク・機会による事業インパクト、対応策の検討に向けたシナリオ分析を行い、1.5℃~2℃及び4℃の気温上昇時の世界を想定し、2020年度より将来までの間に事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。

 

 その結果、リスクとしては、電力価格の上昇に伴う環境価値証書価格の大幅拡大が懸念され、価格影響額を試算した結果、以下のとおりコスト上昇の可能性があることがわかりました。

 

(2020年実績、2030年見込み)

リスク

1.5℃~2℃ 財務インパクト

計算式

環境価値証書価格

約1億円のコスト

1tCO2あたりのJクレジット価格×調達量(※1)(※2)

※1 Jクレジット価格の推移データを参考に、1.5℃~2℃では2020年10月の日本政府の脱炭素宣言~現在までのJクレジット価格の推移率を使用し、2030年のJクレジットの価格を算出。

※2 事業拡大に伴う増加分も加味。

 

 機会としては、脱炭素・サステナビリティのニーズ拡大に伴う脱炭素DX支援・CSV経営・CSV型プロモーション実行支援等の拡大等が見込まれることがわかりました。

 

 当社は今後一層、環境方針・環境行動指針に従い、自社のみならず取引先、生活者と共に、人々の幸せや環境・社会と調和した脱炭素型で持続可能な経済モデル、ライフスタイルへと変革することで、世界の人々に心の豊かさを広げ、社会をより良くすることに貢献してまいります。

1.5℃の世界観(2030年)

4℃の世界観(2050年)

気候変動に関する積極的な国内政策・法規制が進み、カーボンプライシングの導入、温室効果ガス排出量開示の義務化、再エネ設備投資への優遇等が行われ、企業や投資家の温室効果ガス排出量削減や再生可能エネルギーの導入、省エネへのニーズが高まると想定。同時に、脱炭素DX支援・CSV経営・CSV型プロモーション実行支援等の拡大が見込まれる世界観を想定。

気候変動に関する国内政策・法規制が進まず、不可逆的な環境変化が頻発。物理的なサプライチェーンへの影響が顕著に現れると想定。脱炭素DX支援・CSV経営・CSVプロモーション実行支援に関しては底堅いニーズがあり続けると想定。

 

・リスク

区分

想定される事象

当社へのリスク

対策

現在の規制

(1)カーボンプライシングメカニズム
(2)排出量報告義務の強化
(3)既存の製品およびサービスに対する命令および規制

温室効果ガス排出量0を既に達成しているため、現在の規制に関する当社への影響は小さい旨の判断を行いました。

 

 

区分

想定される事象

当社へのリスク

対策

新たな規制

(1)カーボンプライシングメカニズム

(2)排出量報告義務の強化

(3)既存の製品およびサービスに対する命令および規制

(4)日本の温室効果ガス削減目標の引き上げ

(5)省エネ政策の強化

温室効果ガス排出量0を既に達成しているため、(1)~(4)に関する当社への影響は小さい旨の判断を行いました。

(5)により省エネを実施するためのコストが発生し、当社へ小規模のリスクがあると考えられます。

(5)将来的な省エネ規制を見据えた省エネ対応を推進。

法的リスク

訴訟リスク

当社の事業はネットビジネス支援事業であり、気候変動に影響を及ぼす製品等の製造・販売を行っておりません。また、デジタルおよびインターネットビジネス業は気候変動への影響は比較的小さいと考えられ、サステナビリティ推進委員会において当社の事業運営に伴う訴訟リスクは小さいため、関連しない旨の判断を行いました。

技術リスク

(1)既存の製品・サービスを排出量の少ないものに置換

(2)新技術への投資失敗

(3)低排出技術への移行

当社の事業はネットビジネス支援事業であり、気候変動に影響を及ぼす製品等の製造・販売を行っていないため、低炭素でエネルギー効率の高い事業への移行を支援する技術に関連するリスクへの影響はない旨の判断を行いました。

市場リスク

(1)電力調達の不確実性

(2)電力の環境価値証書の価格高騰

(3)非財務情報開示の拡大

(1)電力市場の価格リスク(再エネ高騰、販売量の不安定)

(2)証書の調達コストが上がり、当社の財務計画に中規模のリスクがあると考えられます。

(3)非財務情報開示の拡大により、投資家等市場参加者からの対応要求が拡大し、当社の財務・経営計画に変更が生じるリスクが考えられるものの、当社は定款第2条および『Members Story』において気候変動・人口減少等の社会課題への取り組みを明記し取り組みを進めており、当社の事業運営に伴う評判リスクは小さいため、関連しない旨の判断を行いました。

(1)(2)省エネ施策を強化し、調達するクレジット量を削減させる。再エネを自家発電・自家消費する。

評判リスク

(1)消費者の嗜好の移り変わり

(2)セクターの非難

(3)ステークホルダーからの懸念または否定的なステークホルダーからのフィードバック

当社の事業はネットビジネス支援事業であり、気候変動に影響を及ぼす製品等の製造・販売を行っておりません。また、デジタルおよびインターネットビジネス業は気候変動への影響が比較的小さいと考えられるため、サステナビリティ推進委員会において当社の事業運営に伴う評判リスクは小さいため、関連しない旨の判断を行いました。

 

 

区分

想定される事象

当社へのリスク

対策

緊急性の

物理リスク

(1)台風や洪水などの異常気象の重大性と頻度の上昇

(2)山火事の可能性と重大性の上昇

(1)当社の事業所のハザードマップの状況等から、長期間におよぶ事業所の浸水等のリスクは低いと考えられますが、豪雨、洪水により事務所・発電所や従業員が影響を受け業務遂行に支障をきたした場合、当社に中規模のリスクが考えられます。

また、自然災害時の従業員の安否確認や事業所等の災害対応、また保険料の上昇により当社へコスト増加の影響が考えられます。

(2)当社のオフィスは山間部から離れているため、関連するリスクへの影響はない旨の判断を行いました。

(1)災害発生時の対応計画策定、浸水対策

慢性の物理

リスク

(1)降水パターンの変化や気象パターンの極端な変動

(2)平均気温上昇

(3)海面上昇

(1)(2)(3)慢性的な物理リスクの一例として、酷暑日の増加による電力需要のひっ迫に伴う空調費用の上昇リスクが考えられます。

海面上昇により沿岸部の事業所、発電所、従業員の住宅が影響を受け業務遂行に支障をきたし、中規模のリスクが考えられます。

(1)(2)(3)データセンターの利用

自社発電等の各種施策の利用検討により安定供給を確保、省エネ施策の実施。

災害発生時の対応計画策定、浸水対策

災害発生時のBCP対応計画策定

その他リスク

(1)水資源・食料・エネルギー資源の競合、景気減退、地政学的な紛争拡大

(2)人々の健康被害の増加

(1)水資源・食料・エネルギー資源の競合等により地政学的な紛争が発生・拡大し、世界経済の景気減退により当社の財務計画に中~大程度のリスクがあると考えられます。

(2)平均気温の上昇により、社員の熱中症、マラリア等熱帯地方の感染症の拡大、就業環境の悪化、在宅勤務の長期化等、複合的な要因による精神疾患者の増加、労働意欲の低下といったリスクが考えられますが、健康経営の推進、拡大、社員への適切な就業環境の提供によりリスクは抑えられると考えられ、関連しない旨の判断を行いました。

※財務影響度 小:1,000万円以内 中:1億円以内 大:10億円以内 甚大:10億円超

 

・機会

区分

想定される事象

機会

市場

サステナビリティ関連サービスのニーズ増加

企業にサステナビリティや社会課題の解決といった社会的価値の提供が求められることで、脱炭素DX支援、CSV経営、CSV型プロモーション実行支援のニーズが高まる可能性があります。

技術

再エネ・省エネ技術の普及

再エネの価格低下により自社の再エネ調達費用が削減でき、当社のコスト削減につながる可能性があります。

省エネ技術の価格低下により、自社の省エネ対策にかかるコストが低下し、当社のコスト削減につながる可能性があります。

評判

顧客の評判変化

顧客がサプライチェーン全体での温室効果ガス削減を求める場合、温室効果ガス排出量が0である当社と取引するインセンティブが働くと考えられます。

投資家の評判変化

投資家が気候変動のリスクを投資判断時に考慮する場合、温室効果ガス排出量が0である当社に投資するインセンティブが働くと考えられます。

物理的リスク

(慢性)

平均気温の上昇

冬季の電力使用量が減少し、当社のコスト削減につながる可能性があります。

 

 

 

(3)リスク管理

 環境マネジメント体制構築のため、環境に関する事柄全般を検討する横断的な組織としてサステナビリティ推進委員会を設置し、全社的な環境保全活動を推進しています。

 

 サステナビリティに関する事項を所管するグループ経営企画室は、社内の関係部署の協力を仰ぎながらリスクと機会の特定を主導し、状況の把握を行います。さらに、適切な対応を検討して少なくとも年に1回以上サステナビリティ推進委員会に報告・提言します。

 また、特定した気候変動の影響について、必要に応じてリスク・コンプライアンス委員会へ報告・提言を行うことで、気候変動の影響を全社リスクに統合する役割を担っています。

 

 サステナビリティ推進委員会は、グループ経営企画室から報告・提言された気候変動の影響と対応について選定と審議を行い、年に1回以上担当役員による評価・分析を行っています。

 リスクの評価については、その他のサステナビリティ推進委員会で審議・調整した気候変動に関する事項とともに少なくとも年1回以上取締役会に報告されます。

 

 リスク・コンプライアンス委員会は四半期に1回以上開催され、気候変動課題を含む環境課題リスクをリスク管理及びコンプライアンスに関する重点課題の策定及び目標達成に向けた課題について、全社リスクの把握と適切な対応を審議し、取締役会に報告いたします。

 取締役会は、サステナビリティ委員会とリスク・コンプライアンス委員会から気候変動に関するリスク管理の状況と対応について報告を受け、監督を行います。

 

 

リスク管理プロセス

担当する会議体

リスク評価の範囲

当社グループ

リスクの識別・評価・絞り込み

グループ経営会議

リスク・コンプライアンス委員会(経営リスク)

サステナビリティ推進委員会(気候変動課題を含む環境課題リスク)

リスク対応

各カンパニー

モニタリング・報告

グループ経営会議

リスク・コンプライアンス委員会(経営リスク)

サステナビリティ推進委員会(気候変動課題を含む環境課題リスク)

 

 

・リスク管理プロセス

 

 

 

(4)指標と目標

 メンバーズは1.5℃未満のシナリオの実現に向けた戦略に基づき、2022年度目標とした再生可能エネルギー100%を2020年に前倒しで達成いたしました。自社で使用する電力相当分の再生可能エネルギー発電を安定的に行うことを目指して、発電事業を行う子会社「メンバーズエナジー」を設立し、非FIT太陽光発電所を建設して、2021年6月から発電を開始しました。当社はオフィスビルにテナントとして入居しており、メンバーズエナジーが発電した電気を直接使用することはできないため、再生可能エネルギー由来のJクレジットを購入し、当社では、2020年度のScope1,2の温室効果ガス排出量を0としております。

目標年度

再生可能エネルギー比率

2022年

100%(2020年達成済)

 

 

2019年(2020年3月期)

2020年(2021年3月期)

2021年(2022年3月期)

2022年(2023年3月期

Scope1,2(ロケーション基準※)

320t-CO2

198t-CO2

187t-CO2

240t-CO2

Scope1,2(マーケット基準※)

311t-CO2

0t-CO2

0t-CO2

0t-CO2

2023年(2024年3月期)の排出量につきましては、2024年8月に当社Webサイト(https://www.members.co.jp/sustainability/tcfd/)において公開予定であります。

 

 今後はScope3としてサプライチェーンでの企業活動に伴う温室効果ガス排出量を算出・開示し、早急に算出目標を達成することで、更なる活動の推進に取り組んでまいります。

 

(※)ロケーション基準、マーケット基準

ロケーション基準

地域、国などの区域内における発電に伴う平均の排出係数に基づき電力等二次エネルギーからの排出を算定する手法です。省エネ努力は排出削減として反映されますが、再エネ等の炭素排出量の低い電力の選択では反映されません。需要家が証書等を購入していてもその効果を反映することはできません。

マーケット基準

企業が契約に基づいて購入した電力の排出係数によって電力等二次エネルギーからの排出量を算定する手法です。

再エネ等の企業の炭素排出量の低い電力の選択が、排出削減に反映されます。

需要家が証書等を購入している場合は、その効果も反映することができます。